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婚活の藤井2

婚活の合コンパーティで声をかけてきた少女。

淡い香水の香り。
服装は割と地味だが、自分に似合うバランスを知っている。

磨けば…光るな。

藤井は少女を見つめながらそう思った。

「あの…」

おし黙っている藤井を不安げに見ながら、少女がカードを見せる。
藤井はあわてて出されたカードと自分のカードを重ねるように並べてみた。

彼女のカードはピンク色の帯で「FEMAIL5963」と白抜きで表示してあった。

「どうやら…君がパートナーのようだな子猫ちゃん」

藤井はありったけの笑顔を向けながら少女に相づちをうつ。

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(注)画像は完全にイメージです

少女はその笑顔を見て顔を真っ赤にしている。
藤井は少女までも牝に変える力を持っている。
特に年頃の娘がいるお父さん達には極めて危険なオニダルマオコゼ のような存在だった。

「あっ、あのっ、わたしサチって言います。よろしくお願いします><」

ゆでダコのように真っ赤になりながら、ペコリと頭をさげた。
胸のネームプレートには「杉本 幸」と記してある。

「ああ、俺は藤井って言うんだ。よろしくな」

「えっと…名前…駿河守って書いてあるけど何て読むの?」

「名前か。これは「ダーク・シュナイダー」って読むのさ」

「うっわぁ…。おじさんってもしかして中二病?」

そう言ってけらけらと花が咲いたような笑顔で笑った。
どうやら掴みはOKなようだ。ただしイケメンに限る。
大事なことだから二回言う。
ただしイケメンに限る!

「ふふっ。男はいくつになっても中二病なのさ。本当はスルガって読む。それより…君の名前」

「え?名前?」

「いや読み方でな。みゆきじゃないんだ」

「よく言われるの。両親が幸多かれでつけたって。あと、呼びやすいからって!ひどくない?」

「ぷっ、そりゃいい。素敵な名前だよ、さっちゃんか」

藤井は思わず吹き出してしまった。

「さっちゃん…。サッチーって呼ばれるよりはいいけどぉ…」

それを見てサチは頬を膨らまして不満そうにそっぽを向いた。

「おっと、悪い悪い。いきなり慣れ慣れしかったよな。杉本さんでいいかな」

相手がまだ幼いとわかっているので、自然まるで兄か叔父のような口ききになってしまう。

「ううん、サチって呼びすてでいいよぅ」

「了解した。じゃぁサチ、とりあえず向こうのテーブルでゆっくり話さないか?」

「うん!」


すっかり打ち解けた二人は、会場後方の椅子を用意してあるテーブル席についた。
壇上ではBINGOの数字が次々と告げられていく。

「リーチ!」と叫ぶ数名の手が上がり、そろそろBINGOのカップルも出てきそうだ。

藤井のカードは左端のOの75がつぶれればリーチだ。
サチのカードは4つほど穴が空いていたが、まだバラバラだった。

サチが目を輝かせて番号を告げられるのを待っている。
その横顔はまるっきり幼く無邪気で婚活の会場には似つかわしくなかった。

「サチ、ちょっと聞いていいか」

「えっ、あ、うん。何?」


サチはカードから目を離して藤井を見た。
思わずその無垢な瞳に藤井はドキッとした。

支配。まさにその瞳に魅入られたものは全てを掌握され身も心も捧げてしまいそうになる。
キュリオテテスの聖眼だ。

「あ…いやその、な」

「ん?」

「…なんでこのパーティに出ようと思ったんだ。まだ18歳にもなってないだろう」

「…!?」

サチの顔に曇りが生じる。図星のようだ。
多分…13〜15歳くらいだろうか。

「やっぱバレちゃうかぁ…」

サチはうつむいて細い声でぽつりと言った。

「まぁな。頑張ったようだが、大人には色々チェックポイントがあるからな」

「チェックポイント?なにそれ」

「そりゃ色々さ。香水や装飾品やら喋りかたから歩きかたまで」

「これでも頑張ったつもりだけど…ダメかぁ」

「ダメダメだな。とりあえず俺のサイドエフェクトが手を出したら、ボン!だと警告していたからな」

「なぁにそれ。ロリコン犯罪で捕まっちゃうとか?」

「俺はロリコンじゃないしペドでもないしな。それに俺好みの女になるには、あと5年…いや10年くらいはかかるかな」

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藤井はサチの顎をくいっと指で持ち上げてウインクをした。

「な?」

藤井がそう言うと、ぴしゃりと音がして藤井の手は細い小さな手にはねのけられた。

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「きもっ!!ばっかじゃないの、エロ中二親父」

サチは今までの態度とうってかわって、頑な拒否を見せた。
どうやら、からかいすぎたようだと藤井は頭を掻いた。

この歳の女の子は背伸びすることによって、大人の世界にドアを開こうとする。
異性への興味なども男より早熟だ。そういう意味では十分に女なのである。

正体を見破られたという屈辱と、馬鹿にされたという悔しさがサチの心に頑なな閂をかけてしまった。
さきほどまでの、いい関係が一気に瓦解した。
一旦閉まった心の扉をこじ開けるのは3倍の労力を伴うものだ。
めんどくさいことこのうえない。

しかし─
サチは一体何が目的でこの婚活パーティに参加したんだろう。
まさか、本当に伴侶を求めて来てるわけはない。
サチぐらいの器量があればこの先いくらでも若くていい男との恋愛を楽しめるはずだ。
まさか俺と同じで誰かを探して…

いや、と藤井はかぶりを振る。
これ以上詮索して関わるのはやめておこう。
俺にはやるべきことがある。

といってこのままにもしておけない。
藤井は手を擦りながら思案を巡らせた。
主催者側に事情を話してこの娘を保護して家に帰らせるか、それともこのまま知らぬふりして別れるか。
藤井はそっぽを向いてすねているサチの肩に触れようと思ったが、拒絶のオーラーを体全体から放つ威容に圧されて、話しかけることもためらわれた。

少し時間をおこう。

藤井はここにパートナーを探しにきたわけではない。
探しているのは、ある女だ。

その女は藤井の会社の後輩と一時期つきあっていた女である。
女は一か月前に後輩の前から突然に姿を消した。
後輩は結婚を前提に半年前からつき合っていると、会う度に自慢していたのを覚えている。

その後輩は、1年前に消息不明となった。
藤井に一通の手紙を残して。

手紙には、女に貢いだ金額が詳細に記されており、それは1千万円を超えていた。
食事や旅行、服にバッグに犬の餌。すべて後輩が貯金を切り崩して捻出しており、
最後には母の癌治療費だと言って600万もの大金を貸してくれと鳴いて頼んだという。

その数日後に女は消え、警察に捜索依頼を出すと札付きの結婚詐欺師と判明した。
後輩の落ち込みようは半端なく、腐った死体のようになり仕事も辞めて引きこもりになった。
それから毎日、信長の野望オンラインにインするようになった。藤井が気分転換にでもと誘ったのである。

後輩は瞬く間に廃人となってしまい、レベルもスキルも藤井を追い越して人が変わってしまった。
後輩は以前は藤井のことを兄貴と呼んで敬っていた。そんな後輩を藤井も可愛がった。
しかし、レベルが上がるにつれ態度は横柄になりついには藤井のことを「ふじいっち」と呼んで軽んじるようになった。
「〜っち」って呼ぶなと藤井が注意してもそれは変わることはなく、後輩はいつしか晒しの常連にまで堕ちていた。

信を始めて半年後に、久々に後輩から対話がきた。

「ふじいっち!見つけたよ!見つけた!彼女だよ。彼女がこの鯖で信オンをやってたんだ!」

いつになく生気のある声で声は弾んでいた。
その声には騙されたという怨みの情はこもっていなかった。
むしろ喜びの感情がありありと見て取れる。
つくづく平和な頭をしている。真面目で真っすぐな奴だけに堕ちるとことんまで堕ちる。
また騙されるんじゃないかと忠告したが後輩は自信満々に嘯く。

「大丈夫さ。今度はこっちの地獄にひきずりこんでやるよ」

そして、これから正体は隠して接触を図ろうと思うと告げた。

「何かあったら連絡するよ」

それを最後に後輩は消えた。
自宅にも戻っておらずに消息不明になっている。

1週間前に送られてきた一通の信書。
なんと後輩からだった。
そこにはこう書かれてあった。

今度は装備と有り金全部やられまちた;
そして数々の非礼について謝罪が書いてあった。
vbfchgmy、ycf

そして、女はある婚活パーティに参加するという情報と、
出来ればそこで女をとっちめてもらいたいとの願いが記してあった。

最後に 旅にでます。 とだけ記してあった。


藤井は許せなかった。
可愛い後輩を廃人に変えあまつさえケツの毛まで毟って(自業自得だけど)
ボロ雑巾のように捨てた女を。
馬鹿な子ほど可愛いというが、懲りない馬鹿だが愛すべき馬鹿だ。
糞ビッチめ…。
こうなったら、その女をたらし込んで己のナウマン象をたっぷりと食わせて
巻き上げた金を返済させて肉奴隷にしドブに捨ててやる。
復讐の炎に燃えてこの婚活パーティに参加していたのだ。

未成年のガキとほんわかしながら楽しんでいる暇はなかった。
その間にBINGOのカップルがどんどん出てきた。

どちらか片一方がBINGOではダメだ。
両方BINGOで、景品クジの抽選視覚を得られるのだ。

藤井のカードはとっくにBINGOなのだがサチのはどうだろう。
とりあえずBINGOだけはやらしてあげて景品を持たせて帰宅させるのがいいかもしれん。

藤井は意を決してサチの手をとって強引に引き寄せた。


fvbgfjmuh.;;l;;


「サチ!」

「えっ、きゃっ!何するのよ!!」

藤井は左手に持ったサチのカードを取り上げて見ると、こちらも既にBINGOだった。


「ったく早く言えよ。俺もBINGOなんだよ」

「……だって」

「まぁお互い事情があるってことだな。とりあえずBINGOが終わるまでは俺たちはパートナーだろ?」

「…わかったわ。BINGOだけはやってく」

「「よし、じゃあ仲直りだな。1位をもらいにいこうぜ子猫ちゃん」

「う、うん」

とまどうサチの手を取って二人は壇上に向かった。
カードを高らかにあげてBINGO!と叫ぶ。
サチに笑顔が戻った。

しかし─
そんな藤井達を闇から見つめる二つの鈍い光があった。
その光は一瞬だけぎらりと光り会場の闇に融けていった。


【婚活の藤井3に続く】



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テーマ : 日記というか、雑記というか…
ジャンル : 日記

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非公開コメント

No title

>藤井さん
※画像は完全にイメージです
ほんとこれ!

No title

あれ俺がいる!

No title

>高崎さん
女はともかく牡蠣だけは絶対あたりたくないね!
あれはほんとに地獄と経験者に言われるw
高崎さんもご注意あれ

>いのきちさん
ほんとはさらっとギャグにして終わるつもりだったのだけど、
いきあたりばったりで仕事の合間に15分ほどで書いてるんで適当すぎてまとまりません。
いやぁ、お話作りって本当に難しいですね。ではまた来週!

藤井さん光源氏計画発動か!?

No title

グルメな藤井さんはなんでも行きますからね~飯も女も。

そのせいでよくあたってますがwww

この半年で2回も死にそうになってるw(マジ
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凸

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