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シンクロニシティー



こんな夜は?

「ホットラムが一番さ。はぁ」

藤井は確かにそう言った。
透き通ったカクテル光線が冷えきった部屋の温度を少しだけ上げる。
実際はホットラムなどは飲めないので日本盛で代用していた。
ツマミはナッツといきたいところだが、そんな洒落たものはなくタクワンと里芋だった。
しかし下田にいても藤井の心はニューヨークのサウス・ブロンクスにあるしなびたバーにあった。
もちろん、ニューヨークどころかアメリカにも行ったことなどないのだが。


かずははいきなりタツヲにねだるように言う。

「ねぇ。猫ちゃんに餌をあげて…」

タツヲは軽く頷きながら、「にゃぁ」と鳴いた。
猫はタツヲの置いたキャット・フードにそっぽを向く。
タツヲの猫はプレミアム・フードしか食べない。
ちなみに猫の餌代はタツヲの食費の3倍であった。

その時、電車の中で高崎は急に便意をもよおしていた。
何か来る嫌な予感がしていたが、的中していた。
トイレはない。次の駅まではたっぷり5分以上かかる。
ここで漏らしたらロックンローラーとしての面子が立たない。高崎は踏ん張った。
誰しも経験があるだろうが、この状況下において体は冷たくなり、身じろぎもできず足を交差しながら下半身のある場所に100%オーラを集中させなければならない。
まるで犯罪者の気持ちになるのだ。高崎は無限に感じる監獄の中でケツから意識を離せない。
離したら…ボン!だ。

そして、みさおは信長の野望オンラインに興じていた。
新人のプレイヤーの面倒を見るために、ある決心をしていた。
「このままの私じゃダメだ。変わろう!そして立派な指導者になろう!」
そう思って、リチャード・ニクソンの「指導者とは」を読み始めた。
もちろん、読み始めて5分で寝たのは言うまでもない。

マソが新橋あたりで彼女と居酒屋を物色をしていると、奇声をあげる居酒屋があると情報がラインで入った。
彼女は「行ってみたい!」と興味津々で目を輝かせる。
しかし、マソはそれよりホテルに直行したかった。みなぎる暴れ馬を鎮めてから飲みたかったのだ。
「今日はやめとこう」と彼女を説き伏せホテル「アストロ」に姿を消した。

凸はその頃渋谷のエスパスにいた。北斗の新シリーズを打ちながら苦悶の表情を浮かべている。
「ありえねえ…。種あり無双で煽りテンパイ(前回は確定)、ジャギで負けるとか…。開発死ねよ;いますぐ死ね!」
そんなぶつぶつと呪いの言葉を発しながら、5枚以上も融けている諭吉の顔を思い浮かべて言った。
「あの諭吉は、俺たちの血!」
両隣は爆連中だった。凸はとてつもなく孤独だった。

違う場所で同じ時間に起きる事柄。
J・ジャーミッシュの映画のように俺たちの行動は共時性を伴わない。
まるでフラクタル曲線、マンデルブロ集合のように一定していない。

だがそれがどうした?
俺たちはどうもしない日常の中で勝手に生きて死んでいく。
そんなもんだ。

年の終わりにいつも気がつく。
また棺桶に一歩近づいたなと。

もっとも、それを考えていたのは俺が18の時だから、もう十数年前の…。

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No title

>いのきちさん
ぽこてぃんはまだ二十代!

凸さん鯖読みすぎ!

No title

>藤井さん
そこはモーガン・フリーマン!

No title

デンゼルワシントン!
プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
血液型:B

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