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信on



とある都内の洒落たバー。

店内は間接照明が申し訳程度に光を落とす。
シックな黒のスツール10席が並ぶカウンターとテーブル席が4つ。
大窓には都会の夜景が広がり、流れるBGMはコルトレーンのBLUE TRAIN。
控えめな乾いたサックスの音色は恋人達が愛を囁くには十分すぎるテイストだ。
芸能人や著名人の顔も見かける都会のスポット。

カウンターに女性を挟んで男が二人。
どうやら女性は今夜のパートナーにどっちが相応しいか値踏みをしているらしい。
男性二人は如何にも高そうなブランドスーツに身を包んでいる。
時計も靴もブランド品だ。レースアップのフェラガモ、オメガ スピードマスター。
いささかスタンダードすぎる感はあるが、悪くはない。
スーツは奥の男がヒューゴ・ボス。手前の男がポール・スミスか。まぁ今の流行だが及第点だ。
女性はアウターとトップスを白黒のコントラストで決めてスカートは、ベージュのミディスカートだ。
3人とも30歳をやや超えているように見えるが私から見たら十分に若い。
バブル期のわたせせいぞうの漫画に出てくるような男女だ。

独り身の私は彼らから3席あけたカウンターの端で飲んでいる。
寂しく飲んでいるように思われるが、これはこれで楽しい。
特にまったく関わりのない男女の会話をツマミに飲むのは、このうえもなく下卑た中年の本道である。
その背徳感に酔う最低な男を演じるのは至上のエクスタシーだ。

ジャック・ダニエルご免なさい。
わたしはジャック・ダニエルに謝りながら、聞き耳を立てている。
老年で体のあちこちガタは来ているが、聴力だけはいまだに自信があった。
測定値は未だに成人男子の2倍はある。まさにデビルイヤーは地獄耳だ。
時に雑音が煩わしいことも多々あるが、それでもこの能力のおかげで命を落とさずに済んだこともあるし、
ありがたい能力であることは間違いない。

私はカランと落ちるアイスブロックに目を落としながら、今夜のターゲットを定める。
お気に入りのアメリカン・スピリットに火を点けて
さて、一体どんなお洒落な話をしているのか。
こっそりと耳を傾けてみよう。


「…みさおさんって、怒るとハシビロコウに似てるよね」

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ハシビロコウ(嘴広鸛、学名:Balaeniceps rex)
ペリカン目ハシビロコウ科の鳥類の一種。
エチオピア区の南スーダンからザンビアにかけての湿地に分布


奥の男が笑いながら云った。半身にして女性に体を向けて如何にも口説くぞという体勢だ。

「うふふ。ありがと。そういう高崎くんはアフラックのガチョウに似てるわよ」

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アフラックダック
「アフラック」とだけ話せる米国生まれのアヒル。



すると手前の男がすかさず口を挟む。

「いや、それ褒めてねーだろ。それにあれってアヒルだろ?」

すると。みさおと呼ばれた女性が人差し指を出して男の唇にすっと押し当てた。

「タツヲさん。こんな夜に野暮は言いっこなしよ。うふふ…」

手前の男はタツヲというらしい。

高崎と呼ばれた男が谷啓の真似をしながら
「ガチョーン!!」と古いギャグをかました。
寒すぎる…。こんなお洒落な都会のバーで、谷啓のギャグを見せられるとは…・

みさおはクスクス笑いながら口を手で抑えている。

「相変わらず面白いのねえ。高崎君は」

タツヲも手を打ちながら大笑いをしている。
他の客からの視線など気にもならないようだ。

それにしても…

なんという意味不明な会話だ。
お洒落なバーでお洒落な服に身を包んだ男女が何をしている。
もう少し小洒落た会話で艶っぽい話をしてくれまいか。

私はバーテンを呼び寄せて、ダニエルのダブルをおかわりして、さらに聞き耳を立てた。

「みさおさんは、どっちかっつうとアフリカオオコノハズクに似てるんだよ」

タツヲが手に持ったグラスを軽くみさおのグラスに合わせながらウインクをする。

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アフリカオオコノハズク(阿弗利加大木葉木莵、学名:Ptilopsis leucotis)
鳥綱フクロウ目フクロウ科に分類される鳥類の1種

「うふふ、光栄だわ。あんな可愛い猛禽類に似てるなんて。タツヲさんは…そうねえ。僧兵に似てるわね」

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僧兵タツヲ
1人炭堀、青だし三日放置は当たり前。様々な不遇を経て現在に至る。
かくいう私も僧兵でねAAは有名。僧兵であることに誇りを持つ。
極楽改作戦を極端に嫌う意地っ張り。


「似てるんじゃなくて、れっきとした僧兵なんだけどな」

タツヲが高崎に目配せをしながら、グラスを持ち上げる。

「織田の瞳に乾杯!」

高崎とタツヲのシンクロした所作に、みさおはにっこりと笑って自分のグラスをカチンと合わせた。

きき耳を立てていた私は困惑している。
なんなんだろうこいつらは…。
世界動物ふしぎ発見のスタッフか?
しかも僧兵とか織田とか意味のわからん単語も出てきている。
一体こいつらはどんな関係なんだ。

頭を抱えながら私は非常に興味を惹かれた。
もう少しつきあってみるか。
気を取り直して私はさらにデビルイヤーで彼らの声を聴く。


「まだこれからよね。信は。嗚呼、信長様…」
みさおが手前に置かれたホワイト・レディーに口をつけながらつぶやいた。

「鯖統合か。いよいよ時代が動くな。僧の上方修正あるで」
タツヲが眉毛を動かしながら爪を噛んでポーズを取っている。
何かっこつけてんだこいつは。

「ククク…。いよいよ高崎クリスタルの出番が来るね。武将は頂きさ!」
高崎が指をパチン!と指を鳴らしてドヤ顔で嘯く。
なにが武将が頂きさ!だよ。アホか。


私は彼らの会話にびっしょりと汗が出てきた。

こいつら信オンユーザーかよwwwwwwwwwww
俺もやってたしwwww
やめろよこんな場所でお洒落に決めて信話とかwwほんとやめてまじやめてw

思いっきりそう叫びたくなる衝動を抑えた。
信長の野望オンライン。当時は国内唯一の戦国MMOでシネマティックバトルとうたわれターン制のクローズド戦闘が売りだった。私もそこに身を置くプレイヤーだったのだ。

世の中は狭い。まさかこんなところで信話をする奴らに出くわすとは。
もう数年前に私はその世界から消えた。
卒業というわけではないが、自然に足が遠ざかりいつしかゲームそのものをやらなくなっている。
歳のせいにはしたくはないが、興味を失っただけではなく、意欲も失っていったのだ。

烈風、真紅鯖を駆け巡っていたあの頃。
何もかもみな懐かしい。

今なら彼らの話に加わることもできよう。
そこそこの武勇伝を聞かせながら、話もはずむだろう。
しかし、あそこは私の場所ではない。
ロートルは現役の場所に居座るべきではないのだ。

今日は希有な出会いをしたものだ。
この一杯で打ち止めとしておくか。

都会のお洒落なバーに集いし戦国のもののふ達か─
それもまたありかもな。

私は彼ら─いまだに現役の後輩を見ながら地球を見る沖田艦長とシンクロした。
ダニエルを飲み干して腰をあげようとした瞬間、耳を疑う言葉が出てきた。

「そういえばさ、地獄突って人知ってる?」

高崎がなんと私のハンドル名を出した。
少なくとも私の名前を知っているのは、彼らの二世代前のはずだが…。

「知ってるわよ。その人、両替前でいつも「しゅっしゅうしゅしゅう〜〜〜〜!!」とか叫んでるもの。痴漢車トーマスとか云われてるわ」

マソじゃねえかwwwwあの野郎www

「ああ、知ってるよ俺も。確か藤井駿河守という人と組んでいつもレスキルしてる。上覧とか二人で、お●こー!とか、ち●ぽー!とか騒ぎまくってGMに厳重注意受けてたぞ」

藤井さんwwwやめてよwww

かくして信プレイヤー達の熱い夜はまだまだ終わることがない。
私の戦国もいつか取り戻すことができるのだろうか。

そんなことを考えながら私は店を後にする。
それでは本日はこのへんで。
関係ないけどやっぱストレイキャッツはいいねぇ。

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テーマ : オンラインゲーム
ジャンル : オンラインゲーム

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No title

>藤井さん
それはまじ怖い;
というか基本全然動かないだよなぁハシビロコウって

>いのきさん
な、なんだってー!僧兵が…馬鹿な!
ともあれ僧兵の暴れん坊技能が武将用に強化されることを願ってますb><

ようやく昨日、天下分け目の合戦が終わりました。武田家の勝利です。
凸さん時代は変わりましたぜw 昨日の最終戦の私設でメインアタッカーで僧兵指定の募集が3件も!!タツヲさんの時代やぁ~
ていうか、同じ陣営だったはずの藤井さんに一度も会えなかった…シュッシュッ!

No title

シャボテン公園に夜行くとハシビロコウが睨みつけ唸る声で鳴くから怖い

No title

>みさおん
可愛いけど猛禽類は餌も大変ダー!

No title

うわやばい マジで似てるっておもったwww
目つき悪いけとなんてラブリー!^ー^
思わずぎゅーってしたくなったね?ね?
がおー!
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凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
血液型:B

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