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人工知能と藤井さん



ANGELINAという人口知能は、自ら『To That Sect』というアクションゲームを作り出した。自己学習するAIの開発は進んでいて、もう一歩進めば、AIに“自我”が芽生える可能性も否定できないとある。自らの異常にすら気づいてしまうAIもすでにあるという。怖い未来だ。NPCにすら気軽に声をかけられないゲームとか嫌すぎる。そんな限りなくリアルに近い未来のネットゲームは、ネットを介して脳に直接メッセージを送るシステムに変わっていくのだろうか。そうなるともうこれは現実に体験しているに等しい。
そんな未来が来るまで生きていられないことが残念だ。

ほんとに残念だ─(´-ω-`)













「誰がために闘う藤井」

作:凸・アギーレ


「藤井さん、藤井さん」

「んぁ…」

「藤井さんってばさ!」

藤井が目を開けるとそこは見慣れた那古屋の両替前だった。

目の前には眉間に皺をよせながら、顔をふくらませてる藤川みさおがいる。

「なんだ、マンボウか…」

グシャッ!!

「だーれがマンボウだ!このヤドロク!」

みさおは烈火の如く怒りを燃やしてグーで藤井の頬ゲタを殴りつける。

腰の入ったいい右ストレートだ。
全盛期のマイク・タイソンにも匹敵する重い一発だった。

藤井はたまらず両替の奥までもんどり打って吹っ飛ばされる。
防御力はティンコなみにカティンコティンの藤井だったが、鉄塊のスキルを使う間もなくHPを削られる。

「寝ぼけないでよまったく!こんなキュートなマンボウがいるわけないでしょーが」

「あたた…。確かに。マンボウはグーで人を殴り飛ばさないお;」

藤井は頬を抑えながらよろよろと起き上がって土埃を払う。

「いっちょまえな事言ってんじゃないわよ。ところで藤井さん、今度は甲府のお巻ちゃんを手込めにしたそうじゃない」

「え?えーと…あー、あーあ、あー、お巻ちゃんね。あのお巻ちゃん…お巻ちゃんっと」

藤井のとぼけた様子に、みさおはいよいよ呆れて激しく罵しった。

「若い娘を泣かしておいて、すっとぼけるとは…。この腐れ外道!今日という今日は許しませんからね」

「ちょ、ちょっと待ってくれ。今思いだすナリ」

「コロ助かお前はぁ!」


みさおはくるっと踵を返すと、そのまま半身を捻って上段後回し蹴りを藤井の頭部へと放った。
まさに神速の蹴りだった。
ガコッ!と鈍い打撃音がして藤井はその場で崩れ落ちた。
これはあかん!と藤井は気を失う刹那感じた。


すこし冗長だが解説しておこう。

全力の重い蹴り。
これほど、美しく力が攻撃相手に伝わる蹴りは10年に一度お目にかかれるか、かかれないかのレベルだ。
それほど素晴らしく完璧な蹴りだった。
120%の威力を相手に与えて1分の力も逃がしていない。

素人の打撃などは相手に伝わる威力は、頑張ってもせいぜい60%ほど。
技術の高い格闘技者でも80%〜90%。
100%の威力が伝わるようなことはほとんどない。
さらにストライカーの打撃は、威力が大きくても力点のポイントをずらせばダメージを軽減することはできる。
例えば、突きや蹴りを正面ではなく、体に当たる瞬間に半身で受け流したり、後方に跳んで力を逃がしたり、打撃ポイントをブロッキングでそらしたりすれば、その威力を利用した逆にカウンターを発動することもできる。もちろん、これは一朝一夕にできることではない。弛まぬ努力と日々の研鑽があっての賜物である。

しかし藤井にはその方面の防御スキルはなかった。
ただただ、ティンコと同じく体をビルドUPして堅くすればどんな攻撃も跳ね返せると思っていたからだ。
藤川みさおは5歳の時から毎日一万本の突きと蹴りを反復練習していた。
その達人の本気の蹴りが入ったのだからたまらない。
地上で最も堅いダイヤモンドの石目の1点を捉えて放ったような一撃だった。

藤井は薄れゆく意識の中で思った。

いかんなぁ、これは…
PCのダウンロードしてあるエロ動画…
消去しとけばよかた;


数日後に藤井が目を覚ましたのは、尾張の棘地蔵の祠である。
祠の横の台座に座らされて両手を縛られて猿ぐつわをかまされていた。

「ん、んーー!?」

左に顔を向けると、雑木であつらえた祖末な高札が立ててある。
そこに何やら布令が書いてあるようだが、この角度からは内容が読み取れなかった。

その藤井の様子を見て、一般プレイヤーがニヤニヤしたりヒソヒソと口を隠しながら通り過ぎていく。
声をだそうにも猿ぐつわがきつくて思うように声をだせない。
それがさらに滑稽で人々の笑いを誘っている。

助けてくれ!

心の中で念じたが、声は届かず。
天網恢々粗にして漏らさずというが、藤井の悪辣な所行は尾張の城下ではもっぱらの悪評がたっている。
藤井はゲーム内の女性を口説きまくって飽きたら捨て手を繰り返していた。
ゲーム内婚姻離婚も既に10回以上繰り返している。

それがプレイヤーではなく、NPC相手なのだから質が悪かった。
2116年のこの時代、独立型の高度人口知能を持つNPCは第三の疑似生命体として政府にも認められている。
仮想空間といえども、NPCはその空間で確実に意思を持って「生きて」いるのだ。
当然、遵守されるべき人権や義務もあり尊厳もある。
この時代は既にプライマルゾーン、バーチャルゾーンの垣根はなく、法律も同じように存在している。
もちろんルールを破って犯罪を犯せば、バーチャルゾーンとは言え、リアルの法律でもさばかれる。

NPCに対するセクシャルハラスメント、意味のないDV行為、嫌がらせや陵辱的な猥褻行為は、NPC側の人権を
持って裁判にもできる。

藤井の行為は法的に問題があるわけではなかったが、モラルの領域である。

「信長の野望オンラインークロニクル」は、既にサービス開始から100年を超えたMMORPGだ。
「脳にプラグを埋め込む」などの外科手術を必要としない非侵襲による技術「Oculus Rift」をさらに進化させた「Hearing Dive System」を導入して脳にサービス・スクリーンビジョンを送り込むことに成功している。

よりリアルに。より残酷な戦国世界を。
それが、信長の野望オンラインークロニクル」のテーマである。
プレイヤーのアバターはもちろん、景色やアイテムなども、そのディティールをリアルさながらに再現している。匂い、重さ、堅さ、痛み、快感、全ての人の感覚がゲーム内では再現される。
これは身体に障害を持つ人々への新たなエポックともなり、医療分野でもパーソナルな技術となっている。

いまやオンラインゲームのサービスプロバイダは数10万以上になり、その全てが「Hearing Dive System」をもとに設計されていた。開発元のHuman rights Imagination社は、世界最大のコングロマリット企業になり、口紅から戦闘機まで製造する世界の中心となっている。
そのHuman rights Imagination社が、高度な人口知能も立派な生命体だと主張した。
これに賛同する世界中のネットゲーマーや222chのオタラーが絶対領域の不可侵サイバーネットを10年の歳月かけて共同で構築する。それが数十万のオンラインゲームが稼働しているネオ・エンタープライズサーバー「モナー」。
スーパークラウドから、より汎用性と自由度の高いウルトラクラウドに改良され、容量計測値はペタバイトでも計測不能だ。

ゲーム内NPCは明確な意思と自立的思考を持った普通の人間になった。
究極に進化した独立型人口知能は、人間以上に考え、喜び、悩み、苦しむ。
プログラムグレードは並列ではないため、個体差も生まれて来る。

当然ゲーム内で満足する人たちが増えた。
婚姻率は激減して労働力も下がった。それは先進国ほど顕著な数字に現れている。
この時代、リアルでの出生率がかなり低い。
これを懸念した各国政府は、5児以上の出産に伴う費用、また育児費用を15歳まで全て免除して、一人につき毎月2万円を支給するという報償をだした。が、少子化を食い止める術は無く頭を抱えている。
NPCがリアルの人間より魅力的なのに加えて、人間に対してはかなり従順である。
仮想空間の疑似生命体が、独身の男女や一人暮らしの老人たちのよき友人、伴侶になることは必然であったのかもしれない。リアルでの婚姻や人付き合いのわずらわしさはまったくない理想的なパートナーである。

藤川みさおは、NPCに友人が多い。
普段は、織田信長のシンパで「信長様〜ん♡」と、ジュリーを追っかけていた若い頃の樹木希林のようだが、NPCの女性達の相談役ともなっている。
辻強姦などをされたり輪姦されたりして自殺して消滅してしまったNPCもいる。

初期はプレイヤー達も「NPCだから問題ない」と、己の醜い願望をNPCにぶつけていた。
そのうち有志で自治体が出来た。
蹂躙されつづけるNPCの中から、「町人の孫兵衛」が提訴をしてきた。
「おねげえしますだ」と泣きながらNPCの孫兵衛は我らを助けてくださいと訴えたのだ。
NPC自体も独自の組織を作ってプレイヤーの理不尽な行いに抵抗してはいたが、如何せんスペックが違い過ぎて粛正もできない有様だった。
レベル40のNPCがレベル20の装備をつけたプレイヤーに戦闘で勝てないのである。
孫兵衛は、自分の娘が辻強姦にあって万均丹を飲んで自ら命を断ったと泣いた。

これに清浄なプレイヤー達はその悲痛な叫びに涙を流した。
そこで立ち上がったのが、藤川みさおである。
主に若い娘のNPCが悪戯をされるという現状を改善するために作られた「乙女5人衆」。
「乙女5人衆」は運営とも手を組んで、絶大な発言力と影響力を持ち、NPCの組合からも信頼を得ている。
今では、セクハラをするものも減り、乙女衆のおかげでプレイヤーとNPCの関係も良好になっている。

みさおが藤井をとっちめたのはそんな理由からである。

藤井は懲りずにNPCの女に手を出しまくってはいたが、一度たりとも暴力をふるったりしたことはない。
ただちょっと気が多く、可愛いNPCを観ると幼女でさえ構いたくなるのだ。

愛が他のプレイヤーよりちょっと多い。

それだけのことなのに…と藤井は嘆く。
あっちのほうは全員具合がよかったよなぁと下卑た妄想を思い起している。
そう、ここではNPCはSEXどころか出産もできるのである。
しかも、生まれた子どもはプレイヤー自身のステータスを引き継ぎハーフとなる。
子どもは絶対に親にはさからえないプログラムだ。裏切られることは絶対にない。
これは戦国時代では考えられないことだが、開発責任者がインタビューで「それくらいはないとあまりに世知辛いじゃないですか」と答えていた。
開発者自身のリアルの願望が反映されているいるのかもしれない。

藤井は、みさおにくらった回し蹴りのせいでむち打ちになったようで、時折ビートたけしのように首と肩を回している。とにかく、この呪縛をなんとかしないと…。

そう思ってもがいていると、一人の若い娘が足を止めた。

「あの…もし」

声をかけてきた娘の見目は、質素だが趣味の悪くない袷を着こなして、どことなく品のある挙措がある娘だった。もちろん器量はNPCだから悪いわけがない。


「んーーーーーっ!!んっんっ…」

藤井は必死に言葉を発しようと猿ぐつわをずらそうとしたが無駄だった。

それを察してか、娘はゆっくり近づいて猿ぐつわを外してやった。

「ふぅ…。ああ、ようやくせいせいと声がだせる。いくらなんでもここまでするこたぁねぇじゃねぇか」

一息つきながら悪態をついて娘をまじまじと見た。
娘は少し不安げな目で藤井を見ている。

藤井はできるだけ明るい声で娘に懇願した。

「どこの娘さんか知らないがありがとよ。ついでにこの縄も解いてくれるとありがたいのだが」

「縄…」

「そうそう、オイラの体をギュウギュウ締め付けやがって、たまらなくいてぇんだよ。頼むよこの通り」

そう言って頭をペコっと下げながら笑顔を見せた。
この笑顔に女は騙される。特にNPCの娘はリアルと違って純粋培養されたまじ天使。
心優しく慈悲深く。個体差はあるとは言え、皆一律の感情関数のプログラムを埋込んである。
たまに例外はあるにはあるのだが。

娘は少し迷っていたが、背後にまわって縄をほどきはじめた。
かなりキツく縛ってあったため、解くのにかなり難儀した。

縄がしっかり解かれる頃には、すっかり夕暮れになっている。

体が自由になったので、横にあった高札を見てみると

OPGHKJGY


「みさおの奴…とことんやな…ひっでえ;鬼かよ」

呆れたように唾を吐くと、腕をくるくる回しながら間接を鳴らす。
コキコキと小気味のいい音がリズムよく鳴った。

「さて…と。三日は放置されてたよなぁ。ああ腹減った」

顔をさすってみると、堅い口髭が掌にあたる。髪の毛もぼさぼさで乞食のようだ。
腹がぐぅと鳴り思わず腹をさすった。

それを見て娘は持っていた握り飯を差し出した。

「これ。よかったら」

「おお!ありがてぇ!あんた天使か」

藤井は娘の手からひったくると、口に詰め込むように無心で飯をほうばった。
娘は何か云いたげに一心不乱に飯をほうばる藤井を見ている。

食い終わって、その視線に気がついた藤井は満足気に頷いて云った。


「娘さん、あんた何か俺に頼み事あんだろ?NPCがプレイヤーに頼み事といえば相場は決まっているが、何の依頼だね、ん?」

どうせそこらの化物を退治してくれとかの依頼だろーが、まぁ礼はしとこかんとな。
そう思って優しく問うた。

娘は藤井の察しに、唇を一文字に結んで頭を深々と下げた。

「あなたを見込んでお願いします!どうか、どうか…姉を助けてください」

「姉さん?ああ…救出クエね。いいよ別に」

「ほんとうですか!?」

「ほんとも何もあんたにゃ借りがあるからな」

娘は泣き崩れてしくしく泣きだした。

「おいおい、泣くほどのこともないだろう。んじゃあ、依頼を受けるからクエスト受託ウインドウを開いてちょんまげ」

「はいっ!」

娘は涙を袂で拭いながら、ウインドウを表示させた。

クエストのタイトルは「一年の計」

救出クエの割には変なタイトルだな。
なんか以前に聞いた事があるクエスト名だったが、どこで聞いたのか思いだせない。
首をかしげながら、どうでもいいかと
藤井は次ページにある受託内容は確認せずに「受託する」のボタンを押した。


娘は満面の笑顔で藤井に抱きついた。

「ありがとうございます!他のプレイヤーの方々にはことごとく断られてしまって途方に暮れていたのです」

天使の笑顔に藤井の悪い癖が懲りずに顔を覗かせる。
抱きしめ返して尻を触った。

「ひゃんっ!」

娘は驚いて体を離そうとしたが、もう遅い。
藤井は娘を抱え上げて走り出した。

行き先はもちろん、宿場の連れ込み宿である。
じたばたと身をよじる娘の形の良い尻をなでながら神速薬を使って駈けていった。

数時間後─

布団の中で煙草の煙をくゆらせながら、天井を見つめている藤井。
傍らには、さきほどの娘が体を密着させて豊かなふくらみを押しつけている。

「よかったかい?」

娘は答えずにこくんと恥ずかしげに頷いた。

こんなところを藤川みさおに見られたら、やりやがったなぁ!どころの騒ぎじゃないだろう。
今度こそ、駿河湾のサカナの餌にされそうだ。

まぁ…
後の事は後で考えるとして、依頼のクエだけ終わらせよう。ぱっぱと終わらせて、この娘ともおさらばだ。
別にやり逃げするわけじゃないしいいよな。

やっちゃって 人間だものと 藤井いい

下手な川柳を作りながら、くっくっと笑いがこぼれる。


「ねぇ…。依頼のことですけど…」

娘は藤井の胸板に手を置きながら顔をあげた。
唇が潤んでいて何とも艶っぽい。
これだからNPC食いはやめられない。

「ん?ああ依頼ね。明日やるさ。ちゃちゃっとね」


藤井の軽い口調に娘は一瞬無言になった。


「……あの、もしかして…依頼の内容って理解してます?」

「んー、まぁ…でも普通に化物からお姉さんを助け出すってことだろ」

「それはそうですけど…一日で終わるほど簡単じゃありませんよ」

「あら?そっかぁ。でもまぁとりあえず暇だし2〜3日ぐらいは余裕余裕」

藤井は答えているうちに、またムラムラしてきた。
形のよい胸のさきのピンク色の乳頭をもてあそんでいる。

娘は声を殺しながら快感に身をよじった。
呼吸が荒くなり頬が紅潮していて何とも可愛い表情だった。
それでも快感に抵抗するように、執拗に絡んで来る藤井の手をはねのけて、半身を起こすとキッと真面目な顔で藤井を見据えた。


「藤井様。2〜3日で終わるどころかこの依頼の期間は一年ですよ」

「……へっ?」

「ですから一年。365日」

「……なん…だと!?」

「依頼のタイトルを思いだしてくださいませ」

「あっ…!」


藤井はここでようやく思いだしていた。
一門で話題になっていた禁断の糞クエスト。

どれが一番の糞クエストか一門員がランキングをつけて盛り上がっていた。
その第一位だったのが先ほど受けた「一年の計」である。

恩賞はなく、拘束期間が一年。依頼ししてきたNPCとねんごろになれる代わりに、祝言をあげるまでずっとつきまとわれるという。しかも一日のノルマが一日必ず1回依頼主の姉を救うというもの。姉が365人いるというアホみたいな設定だった。

しかも、依頼主のNPCとねんごろな関係になった場合は、条件が鬼のように厳しくなる。
依頼を遂行できない、または途中で放り出したら、そのプレイヤーキャラクターは垢バンをくらい二度と同じ名前でプレイすることはできずブラックリストに載る。

このような気違いじみたクエストを発生させた意図はわからないが、そもそもクエストの発生条件は1%ほどで、ある時期のある場所の特定の時間でなければ、フラグは発生しないのだ。

藤井は地獄の罠にはまったのである。

汚れちまった哀しみに─

一年。ある者には短いタームであるが、藤井には永遠に感じるタイムスパンだ。

あ…まさかっ…
みさおはこのことを狙って!?
だとしたら、俺はあのマンボウの罠に見事に嵌ったというわけか!
フラグが発生しても、普通のプレイヤーであれば依頼主に対して手を出すようなことはまずない。
手を出さなければ、途中で依頼破棄をしても比較的緩いペナルティで済まされる。

このクエは、いたいけな依頼主の娘に手を出すような無節操な腐れ外道は地獄に落ちろという開発側の示唆なのかもしれない。

藤井は数分間、言葉もなかった。


「………一年間だと。しかも祝言」

「やはり…ちゃんとお確かめにならなかったのですね…。多分そうでなければこんな依頼など引き受けるはずないですしね…」

娘は放心状態の藤井を見ながら悲しい顔でうつむいた。

「いいんですよ。こんな割のあわないクエストなんか誰だって受けたくありませんよね。実はわたしが依頼を取り消せば、藤井様には何のペナルティも起きません」

「えっ!まじで」

「ええ…。その代わり、わたしというパーソナルキャラクターは消滅してしまいます」

「………」

「いいんです。どうせわたしは生命体といっても仮初めの疑似生命。消滅しても代わりはまた生まれますし…」

「それはその…キャラがまた発生するってことか?記憶の継承は?」

娘は首をふりながら寂しそうに微笑んだ。

「見た目も違うし、記憶も継承されません。わたしたちはクローンではなくまったくのオリジナルのパーソナリティを持ったキャラクターとして生まれてきます」

「クエが達成したらあんたどうなるんだ?」

「どうにもなりません。ただこの世界で生きていくだけです…」

「………」


藤井は考えた。そして悩んでいた。
さすがに藤井も人の子下田の子。
そうそうむげにもできないことは感じている。
良心の呵責と言うか、人としてやっちゃいけないことというか。

それに、だ。
ここまでけなげな娘の生を自分の勝手で奪っていいのか?
しかも処女まで奪っている。
でもでも、所詮は疑似生命体とは言え高度なファジーAIには変わらない。
一年もこの娘と付き合いながら、クエをやるとか窮屈極まりない話だ。

う〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん;


娘はシクシクと泣き出した。
今度は哀しさに染まった涙だった。

それを見て藤井はある決断をした。


もう一発やってから決めよ。

ここで俺に任せとけと云わないところが藤井という男の人間性であった。



ではまた来週。
よき連休を。







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テーマ : オンラインゲーム
ジャンル : オンラインゲーム

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No title

>みさおん
おおっ!
テンション上がってきたじゃねーかw

No title

薬師ですが腕力装備もってます♪
最近は拠点で足腰も鍛えてバッチリです!
マンボー!ブラボー!相模湾に沈めるデス^ー^ノシ

No title

>藤井さん
結局それかい

>かずは
お前もか!

おっぱいブローック!!

No title

おちんちんアタック!
プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
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