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藤井さんのパチンコ日記【紙一重】



夏は過ぎたが、今年は友人が訪ねて来て何もしない夏という汚名はかろうじて拭えた。

秋風がシャツの袖をすり抜けていくが、首筋にはまだ汗が溜まる。
健康のために始めた日課のウォーキングも順調で、多い時にはたっぷり5kmは歩く。

海岸線を海風を浴びながら散歩をする心地よさは、都会ではできない贅沢だ。

一汗かいた体をシャワーで冷やしながら、ダイナムに入った新台「リング3」のことを考える。

私はいわゆる「専業者」ではない。専業者というのはパチンコで生計を成すパチプロのことである。
年々先細りしていく業界なのだが、それでもいまだに億越えの産業である。
雑誌やテレビなども黎明期と比べると、ずいぶんと露出は減った。

パチプロも一時期はそれだけで食えていた人間も専業だけで食うのは難しい。
雑誌の編集部や専属ライター、パチンコ芸人、ホールアドバイザーなどと門戸を広げて、才能を他に向けている人も数多い。ことのほか女性パチンコライターと称してアイドルまがいの活動を行っている人も多い。

私(藤井)のような昭和からのパチンコファンは、テレビ番組で何も知らないでただ打っているタレントのどこに需要があるのかはなはだ疑問だ。
テレビに出て打つなら釘とかはともかく、せめて台のことを勉強して演出等の解説とかできないものか。
ただ若い娘に打たして、キャーキャー言わせているだけの番組を見ていると、胸にもやっとしたものが走る。

最近の台は、とにかく演出が派手だ。
役物と呼ばれるギミックの多彩な動き。エフェクトに合わせて光輝くまばゆいばかりのフラッシュ。
果ては、大当たりした時の耳をつんざく高音の電子音など。
よくこれで高齢者が心臓発作を起こさないなと呆れるほどだ。

かくいう私も最近の台に触れるうちに、次第と慣れていくのが恐ろしい。
最初は耳栓をしないととても耐えきれず、サングラスをかけながら無駄なフラッシュを避けていたものだが。

そんなことを考えながら、シャワー後の体に風をあてて一息いれた。
時間はそろそろ10時を回る。

出撃の時だ。
パチンコ店は私の第ニの鉄火場である。
今時のパチンコは楽しんで打てるほど余裕はない。
とにかく打つなら勝たねば!である。

専業ではないと言え、負けるということは死を意味する。
勝負事にタラレバは禁物男は金もつ骨きしむゾウだ。

かるくシャツを羽織って短パンにサンダルでいきつけのダイナムに向かった。

歩いて10分ほどの国道にダイナムはある。
ダイナムに着くまでの間、戦術を立てながら歩くのは唯一の楽しみだ。
打たないで良い結果だけ想像するのが一番精神的にも経済的にもいいことは誰でもわかっている。
しかし、見返りのない妄想だけの世界は虚無が後から追いかけて来る。
やらずに死ぬかと言われれば、やって後悔してから死ぬ。
それが私の生き方である。誰に何と言われようともこれだけは譲れない。

勝手な妄想をあれこれ抱きつつ、歩いて行くとダイナムにはすぐに到着した。

顔を両手でぱぁん!と叩く。
さぁ、パーティを始めようか。

自動ドアを抜けてアマデジコーナーのシマをゆっくりと通り抜ける。
店員が声をかけてきた。

「いらっしゃいませ!今日は早いですね」

顔見知りになってもう一年ほど立つが、相変わらず元気がいい店員だ。
まだ30手前だろうが、腰が低く態度もよい。
パチンコ店にいるより、量販店の営業マンでもやったほうが似合うような男だ。

「ああ…。今日は非番でね」

「へぇえ。じゃあ今日はジャンジャンバリバリと出してってください!」

「そのつもりだけどねえ。こればっかしは運だからね」

力なく笑いながら、店員を後にする。
そうなのだ。今時のパチンコはとにかく勝ちが読めない。
昔は釘を読んでそこそこ稼げた。CR機の導入で合わせ打ちで連チャンさせる体感器などの技術介入もあり得た。しかし今はもう運だけである。
ボーダー以上回って、流れがよい台を掴む。それしかない。
もちろん引き際が一番肝心になる。その台で500円で当たりをひく事もあれば、粘って10万使おうがノーヒットの場合も当然ある。何回転回したからもうすぐ当たるとかのオカルトは、天井知らずのパチには存在しない。

自販機のボタンをおして缶コーヒーを買う。
私はパチ屋の朝一の飲み物は必ず金缶のコーヒーだ。
単なるゲン担ぎなのだが、これが割とジンクスがいい。

とにかく低投資でできるだけ連チャンを伸ばす。
これは昔から変わらぬ普遍の勝利の法則である。

私のお目当ては、10台導入されている新台のリング3だ。
リング2の続編機でスペックは対して変わらないが、FUJI商事の台とは相性がいい。
しかも映画のリングも全て見ているし、最近、流行のロングSTじゃないところも気に入っている。

爺さんと若いのが端と端に座って打っていた。当たりはまだない。
ここは小当たりはカウントしないのでお互い潜伏も引いてないようだった。

カウンターは、どちらも150回転を超えている。
座らずに一台一台のデータを見てみる。
どれもここ数日大当たり30にも届いていない。

私は首を捻りながら、渋ってるなぁとため息を漏らす。
すると右端の角台の爺さんの台がにわかに騒がしい。


「うあっ!?」

左角の若いのがいきなり声をあげた。
なんだ?と思って見ると

爺さんがひっくり返っていた。
70を超えてるだろう細身の爺さんは体をのけぞらして椅子ごと体を床に打ち付けていた。
いきなり両手が落ちてきて、驚いたらしい。

「おい!大丈夫かい?」

私は咄嗟に爺さんのもとにかけよったが、気を失っている。
店員がかけつけてきて、他で打っていた客も集まってきた。

爺さんは気を失って昏倒していた。

「あっ…えっと…救急車!救急車!!」

若い女性店員が金切り声をあげて、店長のもとにかけよった。
飛んできた店長が、他の店員に救急車を呼べと指示しながら不安そうに爺さんを覗き込む。

俺は爺さんを抱えながら、愕然とした。
心配そうに見ていた店員達に、私はある事実をつたえねばならなかった。

首を振りながら、爺さんの軽い体をゆっくりと床に寝かせた。

「まさか…」

店員と客は最悪の結末を予感していた。

「おいっ!まさか…爺さん…」

他の馴染みであろう老齢の爺さんが私に問いかけた。

私は一言静かに伝えた。

「寝てる」

凍り付いた時間の中で、激アツの貞子最終章のリーチは外れていた。
結局、救急車が来たところで爺さんは気がついた。
昨夜飲み過ぎで寝不足でパチンコを打ちにきていたらしい。
寝落ちしてひっくり返ってだけのことだったが、大事には至らず店長も安堵していた。

爺さんの 寝顔 死に顔 紙一重

私はその日は打たずに自宅に戻って信オンをやった。

チーン!今日の収支はプラスマイナス 0。
こんな日もあるのが人生である。

数日後、リングのカウンターを見たが、全台10回ちょいしか当たっていなかった。
打たないのもまた勝利だ。

と、日記にはつけておこう。

私は藤井。下田に住まうパチリーマンである。

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テーマ : パチンコ・パチスロ
ジャンル : ギャンブル

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No title

>藤井さん
この前、超久々に1パチやった!
ガロfinalで1k25以上回るけどノーヒットw
3k使ってギブアップしたけど、1パチは気楽でいいねえ

No title

リングの新型1パチ打ちたぁーい

猫が好き
プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
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