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藤井伝2

)

気になるあの娘から突然の電話をもらった藤井さん。

いきなりのことで頭が暴走モードでてんやわんや。
まず何を話していいのかわからない。
まぁそりゃそうなるのも無理はない。
顔は恐いがなんだかんだでサイチバのチェリーボーイと変わらんのだもの。


「ど、どどどど、どうも;」

「あの…いきなりすみません。ご迷惑でした?」

「い、いいいい、いやいやいやそんなこたねえーし、俺長男だし!」

意味が分からない。どもってとちってとっちらかって。
藤井さんはこれ以上ないほどテンパっている。
例えるなら南四局ラス親で残り4巡。上がればドベからTOPの親の役満をテンパっているようなもの。
頑張れ藤井さん!

「藤井さんは長男なんですか。わたしも長女なんですよ」

「そっ、それはっ、どっつどっどど土偶ですね!!」

もちつけ!それを言うなら奇遇だ藤井さん。


「ぷっ…くっ」

携帯電話の向こうから弾けるような笑い声が響いてくる。
恵美が藤井さんのトンチンカンな受け答えに我慢できずに笑っている。

「ごめんなさい…。でも、藤井さんって…もっと怖い人かと思ったけど…すごく面白い人なんですね。くすくす…」

藤井さんはその笑い声を聞いて、ようやく落ち着いたのさ。
何やら心がほっこりしてきて、自分も何故かつられて笑ってしまう。

”繋がる”想いってこーいうことだね藤井さん。

藤井さんの携帯の連絡欄は家族とアントキ、それによく行くショップぐらいしか登録してない。
だからほとんど携帯なんざ使うこともなかったし、電話がこんなに楽しいものだと感じたことはなかったのさ。
ビバビバ携帯!ビバ携帯!この時代はまだスマホはないのだよ。悪しからず。

とりとめのない話をした後に、恵美が口ごもりながら提案をしてきた。

「あ、あの…次の日曜日なんですが…お暇でしたら私とデートしていただけませんか」

「でっ…デェトぉ…!?」

「あっ、あのあの、お忙しいなら結構ですけど」

やったじゃん藤井さん!っていうか女から言わせてどうすんねん!もっと頑張れ藤井さん。


…いきます

「えっ?すみません、よく聞こえなかった…」

いく!いっちゃいます!!

藤井さんは興奮して叫ぶように声を荒げて返答した。

さすがにびっくりした恵美は、思わず携帯を床に落としてしまった。

ガコン!と鈍い音がして、ツーツーとしか聞こえない。
切れちまった…。


やべぇ;やっちまった…俺って奴はと自己嫌悪。
さすがに引くよなあれは引く…。やっぱり野蛮で下品な男に思われたに違いない;

死にたい;
いや、いっそ死のう。死んで生まれ変わったら白馬に乗ったアンソニーに生まれ変われますように。

さすがにそれは無理だよ藤井さん…。


頭を抱えていると、携帯がぴぴっと鳴った。恵美からのリダイヤル。
まさに地獄から天国。
かろうじて生き返った藤井さん。

「すみませんっ;携帯落としちゃって…。じゃぁOKってことでいいんですよね?」

「もっ、もちろんバブロンっ!」

「じゃあ…」


そこからの会話はよく覚えていなかった。
とりあえず待ち合わせの時間と場所を決めて携帯を切る。

藤井さんは浮かれた。
今なら空だって飛べそうだ。

夢じゃないよな。藤井さんはぎゅ〜〜つと頬をつねってみた。
いてぇ;この痛み別次元。

兎にも角にも瞳キラキラ 胸がキュンキュンしちゃって(キュン♪)

「はっ!」

浮かれてばかりもいられない。

今日は木曜。

まず床屋に行って着ていく服をどうしよう…。


藤井さんは衣装箪笥から持っている服を全部だして考えた。

学ラン以外は、灰色のスエット、ヤクザ風の縦縞の入った上下のスーツと玉虫のシャツ。
今時のカジュアルな服なんぞ一切持っていない。
それ以前に今風ファッションとか皆目見当がつかない。
いまさらFineやGainerを見て衣装を見繕っても、先立つものもありゃしない。
いきつけのショップはマルカワか寅屋ぐらいしかねぇときたもんだ。
密かな憧れはSamurai Magazineのストリート系なんだよね藤井さん。

どうしよう…。

あれこれ悩んでいると、携帯でアントキから連絡が入る。

「どうよ?うまくいったかい。いきなりで驚いただろうが白百合のクラスメートに伝言でお前の携帯を教えて段取りしたんだぜ。苦労したよ」

「…デーとすることになった」

「まじかよ!やったじゃん!!」

「色々世話ぁかけちまったな…。ありがとよ」

「水くせぇな。ダチじゃねぇかよ。じゃぁ頑張れよ」

「あっ、ちょっと待ってくれ!実はよ…相談があるんだ」

「ん?」



日曜日─。

駅前のロータリーの電話ボックス付近で11時に待ち合わせだが2時間も前に来てしまっている。
緊張しすぎてもう5回もトイレに行っていた。

まぁ好きな子との初デートってこんなもんだよね。
君たちも経験はあるだろう。ここは温かく見守ってやろうじゃないか。


藤井さんはアントキに頼み込んで服を貸してもらった。
幸いアントキも細身ながら体格は藤井さんとそうは変わらない。

「いいけど…どんなイメージがいいんだよ」

「イメージ?なんだそりゃ…」

「お気に入りの映画俳優とかいるだろ?真似したいって思うようなファッションってないか?」


藤井さんは自分の好きな俳優を思い浮かべた。
その中でも真似したいような俳優とか…。

思い浮かんできたのは、哀川翔とか…竹内力とか…的場浩司とか清水健太郎とか…。
だめだ;極道っぽい俳優ばっかだし、そもそも若さがない。

それに彼らは坊主じゃねえし…。坊主でかっこいい俳優と言ったら…。

渡辺謙!
だめだ…俺みたいなガキが真似したってあんな渋くはならねえし。
せいぜいが松本ひとしか織田無道がいいとこだろう。

う〜〜ん;誰かかっこいい坊主…

「あっ!!」

いた!かっこいい坊主が。

藤井さんは先週借りて見ていたプリズン・ブレイクを思い出す。

ウェントワース・ミラーだ!

dcasvsdvw


確か…自分はゲイだとカミングアウトして話題になってたな。
まぁかっこよけりゃどうでもいい。


「ウ、ウェントワース・ミラーっぽい感じでお願いします!」

藤井さんなりのイメージでアントキにお願いする。
まぁ…ちょっとハードルが高すぎやしないかと思うのだが、そこは気合いと根性と浪花節で乗り切るしかないよね。


ということで─
アントキに服を借りてビシっと決めてきた藤井さん。
やはりここはシックに決めるのがいいんじゃないかとアドバイスをもらう。
ネクタイとシャツは親父から借りた。フランネル地のラルフ・ローレンのボタンダウンとダンヒルのネクタイ。
カジュアルなポール・スミスのスーツもなかなかいい感じにきまって…




matumoto


…ただのおっさんやん


果たしてデートはどうなるどうする藤井さん!
何が欲しい何がしたい何処にいきたい?

dscvrsgndrn

調子に乗ってる藤井さんだが、このまますんなりいくはずもない。
この後に待ち受ける超ド級のシリアス展開を藤井さんはまだ知らないのだ。うけけけ。
一人だけ幸せにはさせ内臓。

では続きはまた明日!

【終】

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テーマ : 日記というか、雑記というか…
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凸

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