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藤井伝1




高校生時代の藤井さんは、ヨーラン背負って丸坊主だった。

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 ↑©地獄突:高校時代の藤井さん


休日でも詰め襟学ランを着てよたって歩く。
もちろん裏っパリは虎の刺繍のベンクーガー。
ズボンはタクトンのツータックドカンに学校の上履きを履き崩し、ケツの財布は黒ビニールのクリームソーダ。
ちんたらちんたら歩いて流す。

眉毛までそっていたので、街を歩くと誰も目を合わせない。
そりゃどう考えても危ない人ですよね。見た目が菊リンのようなヤクザ予備軍だもん。
だから敵も多かった。近隣の不良どもからはいきなり襲われることもしばしば。
しかし全部返り討ち。とにかくユダのように強かった。

なにせ藤井さんは、伝説の格闘術、藤井園冥流の正統継承者だし。

その日の藤井さんは暇だった。
藤井さんはゲーセンに入ったり、CDショップを冷やかしたり。

「あ〜〜あ。せっかくの休日だと言うのに金はないし女はいない。青春という字は虚しいと書くのかのぅ」

そんなことをつぶやきながら歩いていると、いきなり女性の叫び声。

「きゃぁーっ!誰かー!」

商店街の路地裏から聞こえた悲鳴の主はなんと可憐な女子学生。
黒髪ロングでストレート。清楚なお顔に淡いブルーの制服は、あのお嬢様学校で通名な白百合女子高。
如何にもって感じの二人のヤンキー小僧にしつこく軟派されて怯えている。

見た目はあれだが、こう見えても熱き血潮の正義感。
藤井さんの男を魅せる絶好の機会。


「しつけぇのはよくねぇな…」

藤井さんが颯爽と登場だ。かっちょいいー。

二人のヤンキーは、一瞬ガンを飛ばして睨んだが、藤井さんを見た瞬間に顔色が変わる。

さ、三高の大魔神藤井!

「な…なんすか。僕ら、この人に茶でもどうかとお誘いしてただけなんで…」

藤井さんはギロリと睨んで無言で消えろと促すと、ヤンキー二人は小声で悪態をつきながら去っていく。
お嬢様にしては似つかわしくねぇ場所で軟派されたもんだなと不思議に思う藤井さん。

そんなことより女子高生は、藤井さんの風貌に怯えるも会釈をして礼を言う。

「ありがとうございました。あの…」

「俺は何もしてねぇよ…それに、ここはあんたみてぇなお嬢様がうろつくとこじゃねえよ。さっさと帰んな」

よく見るとすげぇ可愛い女子である。男ばっかの男子校にあってこれは破壊力抜群の兵器だ。
あまりにも可愛くてまともに顔を見れない藤井さん。
藤井さんは顔に似合わず女に関しては超絶ウブだった。
可愛いね藤井さん。

女子はもじもじしながら、肩を震わせている。
まるで寒空に凍えた小鳥のようだ。

「あのぅ…何かお礼を」

「礼なんざ…いいってことよ。さっ帰んな」

<ああ!何かっこつけてんだ俺はぁ;;名前ぐらい…>

武士はくわねど高楊枝は今時流行らないゾ!藤井さん。

恵美と名乗った女子高生は、手帳にすらすらとメモしながら破り取ったページを藤井に手渡した。

「これ…。あたしの携帯です。電話くださいね…」

そう言うと顔を真っ赤にしながら、背を向けて走り去った。

「あっ…おい!」

藤井さんの手の中に残ったメモ。

電話番号とともに、日向恵美と書いてある。


メモを手渡された時に甘い香りがした。
何故か胸に甘酸っぱいものがこみ上げて来て、藤井さんはぼーーっと立ちすくんでいた。
それは今まで感じたことのない何かだった。


「ふーん、そりゃあ恋だな」

連れの安藤時貞ことアントキが言う。

「ぶぶっ;;」

藤井さんは飲んでいたチェリオを吹き出した。

「…ば、馬鹿言え!俺が恋なんざ…」

しどろもどろで答えて真っ赤になる藤井さん。
眉毛がないので、可愛いというより恐ろしい形相になっている。

あたふたしている藤井さんの様子をゲラゲラと笑い飛ばすアントキ。

「タコこいてんじゃねぇよ。俺ら花も実もある高校生だぜ?恋のひとつやふたつしなくてどうするよ」

アントキは、三高一のスケコマしで有名だ。
一度に5人の女を口説いて落としたこともあるという強者である。
携帯の連絡欄はほとんど女の名前で埋まっている。

「そんなんじゃねえ…。ただ俺は…せっかく電話番号もらっても女に電話したことなんてねぇから…」

「かーーーーーーっ;;オモダさぁ(おもいっきりださい)せっかくのチャンスじゃねえかよ。がんがんいこうぜ」

「しかし…電話をかけて何を話したらいいんだってばよ」

「決まってるだろぅ。どこか遊びに行こうって誘えばいいんだよ。簡単だろ」

「遊びって…どこへだ」

「…お前喧嘩だと頭はよく回るのにこーいうことはからっきしだな;よっしゃ!俺にまかせとけよ。悩める友人のために人肌脱いでやろうじゃんか」


アントキはそう言って胸を叩くが、藤井さんはそれどころじゃない。
あの日以来、恵美のことを考えると、動悸が激しくなり身体に力が入らない。


今日の現国の授業中も


「えーと、じゃあ次は藤井。そこを読んでみろ」

「おす…。藤井読みます。えー…ね、ねぇ、隆、もっと。もっとイジメて。そこを、噛んで……。恥ずかしくて言葉にはできないが、腰を浮かせ脚を開くことで、隆に訴える…」


ドガゥアッ!!!

「ぶべらッ!!」

教師の容赦ない蹴りが顔面に入って壁まで吹っ飛ぶ藤井さん。
三校の教師は皆半端ない。
普通学科を教える者でもヤクザにスカウトされるほどの強面が揃っているのだ。

しかし他の生徒は日常茶飯事のようで特に動揺もしていない。
さすがはドグされ男子校。荒っぽい愛の鞭には慣れっこだ。

「ダボがぁ!ワシの授業中に何を読みくさっとるんじゃぁオドレはぁ!!!」

「お、押忍;ご、ごっつああんで…す」


藤井さんはバケツを持たされて廊下に立たされる。
懐かしい光景だね昭和脳。

まぁ、そんなんもあって、最近の藤井さんの様子がどうにも変だと思ったアントキ。
しつこく藤井さんに問いただして、渋る藤井さんからようやく先日のいきさつを聞き出したってわけ。


「しっかし、あの硬派の藤井さんが恋とはねぇ。よっぽど可愛かったんだなその子」

「……まぁ、例えるなら白百合のような…そんな子だった…かな」

「やめてくれ;そんなおっかねえ顔してメルヘン語られても大概は逃げ出すぞ」

「う;うるせぇ。柄じゃねぇことは俺にもわかってんだ…でもよ」

アントキは藤井さんの肩をポンと叩くと、まぁ俺にまかせとけと親指を突き出した。

いつの時代も男の友情は美しいもんでやんす。
男の道はど根性でやんす。


アントキは多方面に女の友人がいる。
女子校はもとより、小学中学、定食屋に街のスナック。
恐ろしいスケコマしだがその情報収集能力はすさまじい。

女の情報収集能力の高さをよく知っている。まるで徳川家康の如くだね。
女はどこにでも水のように入り込み、情報を聞き取っていく。
アントキはそれを駆使して、2年生ながら三高の中での四天王の座に君臨していたのであるよ。


日向恵美。白百合女子高等学校2年C組。
16歳。158cm、上から87,58,88のごっくんボディ。
成績は常に上から10番以内。スポーツ万能、テニス部所属。
性格は少し控えめだが明るく誰にでも優しく誰にでも好かれ生徒会書記も勤める…。

屋上でアントキが知り合いの女子から得た情報を藤井さんに伝えている。


「非の打ち所がねぇな…大したもんだ」

「まぁ一般的に言う、才色兼備で性格も二重丸って言うめったにいない逸材だあね。」

「俺なんかとつりあうわけがねぇ…というより、住む世界が違いすぎる…」

「う〜ん…しかしなぁ…」

「なんだよ?」

「どうにも出来過ぎなんだよ。天は二物をって言うけどよ…。女ってぇのは多少なりとも粗を探して一つ二つ欠点挙げるもんだけどな」

「考え過ぎだ。所詮あの子は俺なんかにゃ…」

「まぁ待て。あきらめたらそこでって安西先生も言ってるだろ?お膳立てはしてやっからあとはお前次第だぜ」

「…だけどよぅ」

藤井さんはふっと寂しい顔をする。

「俺は頭も悪いし顔もこえぇし、不良だし、坊主だし、眉毛もねぇし、陰毛も薄いし、長男だし、でべそだし…」

「それじゃぁいいところがないじゃぁないか…;」

藤井さんは不意に口ずさんだんだ。


電話してねと微笑んでくれた俺のエンジェル。
だけどオイラはしがないロックンローラー。
あの子の翼にゃなれやしない。
粋なツイスト、ステップ刻んでもあの子の♡にゃ届かない。
恋は辛いよせつないよ。
片道切符の青春鈍行。
坊主で眉なし海坊主。だけどオイラにゃ熱い♡が燃えている。
ララバイララバイ。
あの子の寝顔にロバータ・フラックの子守唄…



なんかよくわからんが咄嗟に浮かんで来た歌詞だった。
実は藤井さんは吟遊詩人に憧れていた。
卒業したら家を出て表参道で詩を売って生活しようと考えていたのだ。


「それ…彼女に聞かせてやったらどうだい?」

アントキがニヤニヤしながら藤井さんを煽る。

「ばっ…!?馬鹿言え…。こっぱずかしい…」

「やめろその顔!俺まで恥ずかしくなるわ」


二人はまじまじ顔を見合わせると、ぷっと吹き出して大声で笑い合った。
他には誰もいない屋上で腹の底から笑った。

青春でやんすねぇ。そして藤井さんは決心した。

ダメもとで当たって砕けよう!ってね。
って、砕けちゃだめでしょ藤井さん。


その晩、アントキがどうやったのか知らないが、恵美のほうから電話がかかってきた。


「もしもし藤井さん…ですか?覚えていますか、日向恵美です…」

「くぇrちゅいおp@「sxsdcdf!!!!!」


さぁ藤井さん、どうすんだぁ?どうすんだよ!

恋の決着はきっちりつけよう赤信号。

というわけでこの続きはまた次回。

【終】



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テーマ : 日記というか、雑記というか…
ジャンル : 日記

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