スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

リターン・オブ・ザ戦国BAR



ここで2年前に書いた戦国レシピシリーズだが、さて今書いてみるとどうなんだろうと思い筆をとる。
あれから2年か。遠い昔に思える。まだ信オンも現役だった頃だ。

では…僭越ながら再開といこう。


cxdvfbrc


わたしは甲府でBAR【SENGOKU】を営むマスター凸。

今宵もまた人生に迷えるプレイヤーが、いくばくかのドラマを演じるだろう。
わたしはそれを脇から眺める傍観者だ。

プレイヤー達はそれぞれの夜を煌めくネオンのように彩り消えていく。
プレイヤーの数だけドラマがあり、そのどれもが例外なくドラマティックだ。

そんなプレイヤー達の物語に、わたしはほんの数滴ビターをたらす。
これは戦国に生きる粋な大人の小話である。


【ドルジ】

グラスを磨きながら、時計を見ると既に夕方の5時だ。
そろそろ、つまみの仕込みでもしておくかと冷蔵庫を開ける。

ふむ…。
生ハムサラダとズッキーニのカマンベールグラタン でも作っておくか。

ブラックペッパーはまだあったかな。
キッチンの収納スペースに収まっている各種調味料を物色していると電話が鳴った。


わたしは今時の電話の形が嫌いである。
電話は昔ながらの黒電話。これがやはりいい。

あれだ。ある知人デザイナーが、醤油鬢のあのデザインは日本が誇るデザインの一つだと言っていたが、
黒電話にも共通の感覚があると思う。

スマホやタブレットPCの滑らかなフォルムも悪くはないが、昔のものはやはり人の温もりが感じられるデザインが多かったように思う。

おっと、そんなことより電話だ。
急いで受話器をとり、わざとらしい低い声をだす。

「もしもし。BARセンゴクです」

受話器の向こうから聞こえて来たのは馴染みのある声だ。


「凸さんー。お昼だよ!ぺぺろんち…」

ガチャン!!

藤井さんである。三日に一度はかけてくるのだが、まともな要件であった試しがない。
ネタで生きているような人だから、しょうがないのだろうが、それにしても暇すぎるだろう。

気を取り直して、ささっと、本日のつまみを作り開店を待った。

表の看板をオープンにする頃に、早々と一人目の客が来る。


「しゅっしゅっしゅっ〜〜!こんばんちんこ」

意味不明な祇園を口走って入ってきた男。

常連のタッチャマソだ。


「…またお前か」

わたしはマソはチラっと見ただけでカウンター内に入って開店の支度をする。

マソは店を開ける頃合いになると一番で飛び込んでくる。
週に2回ほどのペースだが、土日はこない。
キャバクラかソープに行くからである。


「ぷしゅうぅう!今日もつかれたぽん」

「お前なぁ…。いい加減その痛いアニメキャラのような口調はやめたらどうだ」

「ひょほひょひょ。これはボクチンのアイアンメイデンなのよぅ」

「それを言うならアイデンティティだアホ」


コースターを差し出し、注文を聞く。

マソは少し悩んだふりをして人差し指をたてた。

「ずばり!!ダークフレイム・レボリューションをロックでちょーちん!!」

「そんな酒はねぇ」

中二病全開の注文を一蹴するとマソはしょぼーんとしてうなだれた。

「…じゃ、ギネスでいいや;」

「なんだお前は」


ギネスを出してやると、マソは泡立ったグラスの縁の泡を舐めながら一口飲んだ。


「ふぅ…。あ、そうそうマスター。さっき堺の両替に変な奴がいたじょ」

「変な奴なら目の前にいるわけだが」

「オイラじゃないっちゅう!大声でなんか演説してるんよ、宇宙がどーたら、アスペどーたら」

「新手の新興宗教かそりゃ」

「で、周りの奴らがいい加減うるせぇ!ってキレたわけよう。やるなら徒党でも組んでやれってね」

「ま、そりゃ正論だな」

「でも、そいつは全然気にしないで演説つづけてるわけ。さすがにうざいので色んな奴がそいつを囲んで、グループチャットを作ってそこでとことんやれって詰め寄ったんよ」

「ふむ」

「そしたら、そいつも、望むところです!と言ってグルチャ作って呼びかけたわけ。来てくださいーって」

「なんだかなぁ…周りの奴らも乗せられてるな」

「笑えるのがこの後よん様冬ソナ仏像返せ」

「ほう、なんだそりゃ」

「そこそこ人が集まって、ご清聴感謝しますと言いながら【侍と忍者がまだいませんので開始できません】とか言ってるし(笑」

「アホか(笑  狩りに行くわけじゃあるまいし」

「それを大声でやってるもんだから、そこにいる奴ら全員爆笑してたん(笑」

「狙ってやってるのかなぁそれ」

「さぁ〜〜〜?どうでしょん」



面白い奴がいるもんだ。
確かに既に成熟しきったネトゲにおいて、繰り返されるルーティンのクエストやイベントはもう食傷気味だ。
こんなネタキャラでもいないと盛り上がらないのかもしれない。

しばらくすると、チリンとドア鈴が鳴り客が入って来た。

最近見知った顔である。アントキのいのき。
最近、ちょくちょくと顔を見せるようになった。

「やぁ、マスター」

「やぁ、いのきさん」


軽い挨拶を交わしてマソから二つ空けてカウンターに座る。

闘魂と書かれた昇りをつけている。
誰が見ても猪木信者だ。

私は昔、藤井さんが「男根」と書かれた昇りをつけて、晒しで叩かれまくったことを思い出していた。
そういや…男色ディーノとか言う奴もいたっけなぁ。見かけただけだがネタとして懐かしい。


「いのきさん、今日もギネス?」

マソも知った顔が来たのが嬉しいようで声をかける。
しょっぱなはいつもギネス。しかもビンだ。
これが彼の定番だ。

しかし、気になるのは表情が暗い。何かあったのだろうか。

「おりが抜いてやるじょ」

ビンを持ったマソが栓を抜いてやろうとした。


その時─

バシィン!!

いのきさんは立ち上がってマソの頬を張り飛ばした。

「バカヤロー!出す前から抜く奴があるかよ!!」


私はいきなり頬を張られて呆然とした。一瞬のことで何がなんだかわからなかった。
マソも目を丸くして驚いている。

「え…?」


いのきさんは怒っていた。顔を真っ赤にして怒っていた。
そうか、わかった。
彼は最近早漏で悩んでいると言っていた。
「抜く」という言葉に敏感になっているのだな。
また嫁に嫌みを言われたのだろう。


「しゅみません…」

マソがシュンとして謝った。

すると、いのきさんはマソの肩を抱いて

「いや、マソっち。俺も叩いて悪かった…。最近、嫁からことあるごとに責められるんだ。性の深夜特急とか夜の盗塁王ってね…。それで八つ当たりしてしまった;すまん」

マソは表情を崩さずに無言でうなずいた。

私はつっこみたかった。
っていうか、そんな嫁にいねーよ!とは思ったが一応客なのでつっこみは控える。

「……せつないねぇ」

それしか言えなかった。


マソは涙を流してこらえていた。

もちろん
大笑いをこらえるためにである。
叩かれた痛みより、笑いのが上位のようである。

「ぐっ…」

私もこらえた。

本人にとってはこれは笑い事ではないからである。
以前、地元の友人に勃たないと相談を受けたことがあるが居酒屋で聞いていて吹きだしそうになったことがある。

真面目な顔で言うだけに余計に笑いをそそるのだが、考えてみれば男にとってはとてつもない恐怖だ。
女どもにはわかるまいこの恐怖。


私は静かにコースターを戻しながら、グラスにギネスを注いだ。

「いのきさん…心配ないよ心配ない」

「マスター…」

「気の持ちようさ。藤井さんなんか恐ろしい遅漏で、下田のイチロウとよばれているしね」

「あの藤井さんが…遅漏…。そっか…」

「いのきさんも嫁さんに夜の山手線とよばれる日がくるよ。きっと大丈夫さ。日はまた昇る」

「うん、ありがとうマスター。意味はよくわからないけど元気がでたよ」

そう言うと、実にいい笑顔で笑った。
よかった。いのきさんに笑顔が戻った。

マソはうつむきながら、腹を抑えている。
今夜は相当腹筋を鍛えたことだろう。

いのきさんに、最中に畳の目を数えることを教えたら喜んで帰っていった。
これから嫁を狩り倒すのだろう。効率狩りにならなければいいが。

マソはようやく笑いがおさまった。

しばらく静かな静寂が訪れた。
といっても、ボーズから流れるエニグマのアフリカンな民族音楽が耳をくすぐる。

「マソ…最近、女は?」

「いにゃあぁい。ただ今リアちゃん絶賛募集中!」

「リア美ねぇ…。そもそも信にリア美なんざ、砂漠で砂金探すより難しいっつう…」


ばぁあああんん!!!!



いきなりドアがけたたましく開いた。


「呼んだぁ?」

入口に立っていたのは、不動かずはであった。
猫なで声をだしてポーズを決めている。

「リア美のかずにゃんだキュン♡」

マソと私は思わずさけんだ。

「ドルジ*!?」


*朝青龍の本名


今宵もまたひとつの物語が生まれて消える。
わたしはそれを脇から眺める傍観者だ。

では、今宵はここまで。
またのお越しをお待ちしております。
スポンサーサイト

テーマ : 日記というか、雑記というか…
ジャンル : 日記

コメントの投稿

非公開コメント

No title

藤井さんが反応しちゃいお
おっぱおぷるるるるるるーんW(`0`)W

No title

>マソ君
自由が丘のキャバクラに不知火舞ってキャバ嬢もいたw

>西さん
お久しぶりです!不定期更新になりますがよろしくです!

このシリーズ好きですw

祝!「戦国BAR」復活!!
超期待しています!!

No title

昔、歌舞伎町のキャバクラに
月城鈴ってのがいた笑

No title

>かずは
誰がミツバチハッチやねん!

>藤井さん
甘デジゴルゴはよかったなぁ

>凸子
速い安い巧い!が男の勤めだ

>いのきさん
G1両国で猪木を見ながら実際やった時は感動しますたw

>みさおん
ミサオ・コークスクリュー・ドライバーだな!

No title

もう二年もたつのか!はやいなぁ
コスモポリタンは赤くてきれいでおいしいカクテルでした♪
また変わったのを書いてくまさい~
そう。。。カクテルODA!とか!うぷぷぷ

1、2、3、ダァーッ!! は三こすり半の掛け声だったのか!!

にぃにひどい。

あんときのいのきさんが可哀想だぉ!

でも、、、でも、、、超特急はヤダ。

No title

G13型トラクター求む
標的は、かずは

うひょひょひょひょ

会社が入ってるビルの守衛さんから「壇蜜ちゃん」と呼ばれておりますです。はい。
プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
血液型:B

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ
リンク
最新コメント
ブログ内検索
RSSフィード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。