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信オン 三浦を訪ねて三千里⑧



斬と三浦が尾張で対峙している頃、凸は街道宿場の居酒屋にいた。


「……」

男女は4−4のあわせて8名。

それぞれ挨拶はすませて席に着いている。

開始から30分。本来なら盛り上がってる頃合いなのだが、何とも楽しめない凸である。
原因は隣に座っている女だ。

一言で言えば、マイク・タイソンに似ている。
体もごつい。多分、現役の男性ボクサーとガチでやってもいい勝負をするのではなかろうか。

見ろよあのごつい腕。まるで鋼だ。血管が浮き出していて浅黒く、まるで土方のおっさんのようだ。
こいつは絶対、神がやらかした産物である。まちがえちゃった、てへ(・ω<)」とか絶対言うよまじで。

「なによぅ、もうおじさんたら!じっと見つめてぇ」

タイソンと名付けた女がほほを赤らめながら、俺をどつく。

「ぐあっ!!」

奴にしては軽くこづいたつもりだろうが、鎖骨にヒビが入ったかもしれない。
これは、やばひ;。


「い、いや何かスポーツとかやってるのかなとね…」

しびれた肩を押さえながら聞きたくないけど聞いてみる。
大人は空気を読むものだ。タイソンと言えど女である。
それなりに接するのが大人だ。

「あたしってぇ、見た目通り虚弱体質なのよねぇ。スポーツより家で音楽聞いたり読書とかしてるのぉ」

「はは…。そうかぁ、インドア派なんだな(どう見てもオメーは亀田よりつぇえだろ)」

「最近はねぇ、タッチャマソのマソ・ラップがお気に入りなのぉ」

いや聞いてねーし。
てか、藤井さんは顔を見せないし、他の女たちはまともなのになんで俺だけこんな…。
野郎、また騙しやがったな。

はっ!!まさか…。
凸は夢中になってしゃべりまくっているタイソンの胸をチラ見した。
あくまで気づかれないように。

これは…Fカップ?まさかこれが…。Fカップちゃん?
おいおい、これは犯則だろぅ;ほとんど岩石のような筋肉で盛り上がっているぞ。
これは、おっぱいというより頑健なプロテクターだ。

聞いてもいないのに、タイソンは勝手にしゃべりまくっている。
自分の世界に酔っているようだ。

「でね、デビュー前からのファンだけど別に発狂してないよ。もともと「結婚したい」「子供が欲しい」ってよく言ってたし、マソに振り回されるのは馴れてるし」

タイソンは、穴の空いた風船のようにマソのことをしゃべり続けている。

「ちょっとぉ、おじさん!聞いてる?」

また叩かれた。今度は頭をはたかれて脳震盪を起こしそうになっている。
すげぇ威力だ。まるでK-1初代チャンピオンのブランコ・シカティックのような岩の拳だ。このまま横にいたら確実にどこかの骨を折られるだろう。

「ちゃんと聞いててよねもう!でさぁ…あんな奴だけど好きなんだからしょうがないのよ。型に嵌らないのがマソだしね。プライベートは彼女が支えればいい。私達はマソの晒し=魂を支えるから。その魂は私から子供へ、子供から孫へと受け継がれていくし、そうやっていつかマソのDNAと混ざり合うから。それがあたしとマソとのEternalだし。まっ、おじさんにはわからないよね〜こんなん」

凸はしゃべりまくるタイソンに顔も向けずにグラスを抱えて軽くうなずいた。

いったい何を言ってるんだこいつは…。
マソがどうのこうの言っていたが、わけわかんねー。何がEternalだよ、エタノールでも飲んでおけ。
そう思ったが、口には出さずに笑顔をつくる。

これが、地獄流処世術の壱【笑って応えず】である。

どっちにしても、藤井さんに嵌められたようだ。
またやられたな。
そう言えば昔「犯られた刑事」ってビデオがあったっけな。タイトルに笑ったよな。

そんなどうでもいいことが脳裏に浮かんでくる。
なんかもう他の奴らはカップルが決まったらしいし、俺たちだけ超絶浮いてるし。
天網恢々粗にして漏らさずとはよく言ったもの。

童女をほっぽって、邪な性根を起こした罰だな。


「すまん、ちょっとトイレ…」

「いってらん〜!桜子ちょっとよっぱらってるしぃ〜」

タイソンが手を振っている。
桜子とか…。肩を震わせて転げ回るほど笑いたいが、恐怖心のほうが勝っている。


トイレから戻ってくると、他の3人組は自分たちの世界に入ってイチャイチャしていた。

タイソン、桜子が凸にしなだれてかかってきた。

「ううん〜、桜子まじで酔っぱらっちゃったみたい〜。お・じ・さ・ん♡」

凸はまるで獰猛な肉食獣に睨まれた小動物の気分を理解した。
これは犯られる!脂汗がどっと吹き出してきた。
なんと恐ろしい。

凸は思った。

俺は……

これでもそこそこ腕は立つ。

修羅場もいくつかぬけてきた。そういうものだけに働く勘がある。その勘が言ってる。

このままだと

俺はここで死ぬ。

さてと。
凸はすっくと立ち上がって数回、深呼吸をした。

逃げるか。

そう思った瞬間、凸はタイソンを振り切って一気に居酒屋の玄関口にダッシュを決めていた。



夜もとっぷり暮れた頃、凸は宿屋に戻ってきた。
満身創痍だった。途中までタイソンが追いかけてきたのだ。
タイソン・ゲイのごとく恐るべき脚力で追いかけられ生きた心地がしなかった。
2時間ほど追い回されたあげく、ようやくあきらめて帰っていった。

今までにこれほど恐怖を感じた夜はなかった。

あんどんに灯を入れると、きちんと布団がひいてあり、美代が寝ている。

「疲れた…」

吐き出した言葉が重い。

凸は美代の寝顔を見ながら、すごくすまない気持ちになっていた。
いきがかり上、尾張までの連れの旅路となったわけだが、それが猫や犬でも情はわく。

ましてや、年端もゆかぬ童ならば当然である。
それをほっておいて、何をしてるんだ俺も三浦も。

「三浦の野郎…不憫なことをしやがるなぁ」

ちょっと涙が出た。

寝顔を見ながらそうこぼすと、美代が灯りをきらって薄目をあけた。

凸に気がついた美代は、恥ずかしそうにかけ布団を少し上に引っ張った。

「おじさん…泣いてるのん?」

凸はあわてて、顔をそむけて涙を拭いた。


「なっ、泣いてなんかいるか馬鹿野郎。殺すぞ!」

「まだ眠い…」

「わりいな起こしちまった。飯は食ったのか?」

「うん。お魚と味噌汁」

「そうか。ちゃんと留守番していたようだな。偉いぞ」

そう言って頭をなでた。

美代はくすぐったそうに、布団にもぐりながら顔を半分だした。


「宿のおばちゃんのお手伝いしたのん」

「ほぅ、えれぇな。じゃまた寝ろ」

「おじさん」

「なんだ」

「おじさんはなんで働かないのん?」

「ぐっ…;い、今は休業中だ。お前の父ちゃんへの取り立てでな」

「お父ちゃんは悪い人なのん?」

「俺にとっては悪いな。うん…悪い。てかあいつは烈風武田の偽りの救世主と呼ばれていた男だしな」

「アミバ?」

「うむ。奴は三浦だがな。さ、また寝ろ」

「うん…」



美代はまたすぅすぅと寝息を立て始めていた。
子供の寝顔は邪気がなくどこまでも清らかに見える。

美代の寝顔を見ていると、何とも言えない優しい心持ちになっていく自分がいる。
癒されていく心か、それとも魂魄の浄化か。

この寝顔を親である三浦が見てやれないとは…。
他人事ながら何とも情けない。


明日はしっかりと買い物をしよう。
あと藤井さんは絶対探し出して〆よう。
今日のお詫びに美代に何か買ってやろう。

灯りを落として美代の横に敷かれた布団に入ると、酒の酔いも手伝って泥のように昏睡していった。
しかし、凸は尾張に入る前に一番肝心なことを忘れている。

それに気がついたとき、大いなる試練が凸と美代に襲いかかるだろう。
それはまた次回の講釈にて。


一方、姿を見せなかった藤井はと言うと、泡を吹いて膣痙攣を起こした女にはさまって救急車で病院に運ばれていた。

藤井さんは、医者に事情を聞かれて「トゲイボ付きコンドームがまずかった;」と反省していたと言う。

ま、めでたしめでたし。


【次回もサービスしちゃうわよ〜ん】



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テーマ : 日記というか、雑記というか…
ジャンル : 日記

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自分の知人に 邪険ぽろり さんという忍法んいますw

No title

>マソ君
あっ!それ俺も参加したいw

>藤井さん
もう何回もこのネタやってるw

No title

ちんぴろろろろんりーっしこぱうだー!!

しこぱうだー♪
sこぱう
最近はもっぱら地下にもぐって潜伏ちう
藤井さんとそいえば原発推進or反対かでバトルちぅ>W<

No title

アミバわらたw
プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
血液型:B

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