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信オン 三浦を訪ねて三千里①



師走も近づいたある昼下がりのこと。
地獄凸は身を縮こまらせて美濃の街道を歩いていた。
最近になって急激に冷え込んできた。この調子だと冬将軍のお出ましは例年より早そうである。

すると前方から馬を飛ばしてくる者がある。

おや?と思って馬上の主を確かめると、織田の古参、藤川みさおだった。
お互い目があった瞬間に嫌な予感がした。

「あら凸さん、妙なところで」

みさおは、どうどうと馬をなだめて落ち着かせる。
凸は罰が悪そうにみさおを見上げた。

「おや、みさおさん。こんな時間にそんなに急いでどこへ行くんだい」

地獄凸はいかにも興味もなさげな風で聞いた。

「合戦ですよ、合戦。武田と織田は今や敵同士ですからね」

「はは〜ん、合戦か。そういやとんとご無沙汰になっちまったので興味もねえな」

「国から俸禄をもらっている身として、合戦に出るのは義務ですよ。そこらの犬や猫でも恩ぐらいは感じますがね」


うへ、こりゃ薮蛇だったな。地獄凸は身をすくめて舌を出す。


「おっぱいぶるーんぶるん!ちきしょうめー!!」

凍り付くほど寒いネタでごまかそうとしたが、みさおは表情を変えない。
冷ややかに馬上から睥睨している。

「犬猫の畜生とかけたギャグのつもりでしょうけど、まったく面白くありませんねー。ださっ!」

「相変わらず、きっついな。そんなんだから会議で揉めるんじゃねえの?」

「…大きなお世話ですね」

「しかし、小さな親切」

したり顔で地獄凸がおどけてみせた。

「口の減らない…。凸さんて屁理屈だけはガリクソンなみねぇ」

「ガリクソンとか…。せめてダルビッシュぐらいにしといてくれよ。それに俺じゃなきゃわからねえよそれ」

「と・に・か・く!せめて1度くらいは合戦に参加しなさいな」

「やだよ〜〜ん!あっちょんぶりけー」

「子供ですか!」

「大人だ俺は」


そんなやりとりがしばらく続き、ふぅとため息をつきながら、みさおは合戦場に向かっていった。

「合戦ねぇ…。今の合戦って確か、全鯖対抗になってたよな。単鯖ですら一枚岩にならねぇのに、まとまるんかねぇ…」

合戦の仕様も大きく様変わりをしたが、今の仕様で遊べてる人たちを凸は正直うらやましく思えた。

ついていけないのである。装備もスキルもモチベーションも。

あの頃は若かった。
…いや若くねーけど、少なくとも覇気はあったな。


まぁしょうがない。
10年経てば、いろいろ変わる。

かずはの体重も増え、俺の白髪も増え、藤井さんの痔も悪化する。
みのもんたは降板し、いいともも終わる。花丸マーケットも終わるというが、薬丸は聞いてないぞと発狂したと言う。じたばたするなよ少年隊。

すべて時代の趨勢なのだ。
そんな黄昏を背負いつつ人は生きていくのだ。
人はさみしい生き物だな。
子どもの頃の夕焼け思い出今何処。


そんな慕情に浸って歩いていると、道脇の木の横からうめき声が聞こえた。

「はて?」

そう思って、木の陰を確かめると、小さな尼僧兵が呻いている。

「おおい、尼さんよ、大丈夫かね?」

凸はそう声をかけて、顔を覗き込むと、これまた知り合いのむらむすめである。

「やっ!むらさんじゃないか。どうした、産気づいたのか!?」

「うう;と、とつ…さん。ただのさし込みです…。セクハラですよ、不愉快です…」

途切れ途切れに、声を出すのも辛そうだ。痛みで額に脂汗が浮いている。

「ふぅむ…。とにかくまず正露丸と水を飲むんだ」


竹筒に入った水と腰下げから取り出し、丸薬を一気に飲ませる。
苦悶に満ちた青い表情が、一瞬和らぐ。むらむすめは木に背を預けて、時折息を大きく吐いた。

しばらくすると、痛みも収まったようだった。


「助かりました。一時はどうなることやらと…」

そう言って、赤みが差し込んだ顔に安堵の色が浮かぶ。

「何事もなくて何よりだ。しかし、今日はよく人と会う日だぜ」

「あら、誰かお知り合いと行き会ったのですか」

「うむ。みさおさんと先ほどまでね」

「みさお…さん。確か、凸さんの頭をビール瓶で引っぱたいたと言う伝説のあの人ですか?」

「ああ、相変わらず合戦の鬼だったよ」

「うらやましい。うちも合戦は最初の頃だけで…。なかなか参陣する時間もないのですが」

「徹夜でわくわくしながら、徒党を組んでいた頃を思い出すな。まるで昨日のことのようだが」

「ずいぶん時は経ってしまいましたからねえ」

その言葉が琴線に触れたのか、目がやけに霞む。

あれ?なんで涙が…。

その様子を見て、むらむすめは目を丸くして驚いている。

「凸さんって普通の人間だったんですね!」

「なんだと思ってたんだよ」

「おっさんって生き物…とか」

「それ、人の年齢別カテゴリーだから。生命体のカテゴリーじゃねえよ!」

「冗談ですよー。ふふふ^^」

「ふふふじゃねーよ、まったく」

「それはともかく、助けて頂いたお礼にこれをあげます」


むらむすめは、そう言って根付けを差し出した。

小さい人形のようだったが、よく見るとどこかで見たことがあるような…。

「こ、これは…超レアもののタツヲ僧兵フィギュア!なぜあんたがこれを…」

そのフィギュアは片手に尺丈、もう一方には炭を握っていた。

「僧兵ってのは悲しいまでに炭だな…」

「宿命ですねえ。僧兵は炭によって生きるにあらず。ですよ!」

「限定品ですよ。真紅では伝説の一品です」


むらむすめは、得意そうに鼻を小さく鳴らしている。


「ご利益は…雨乞いとかにしか使えねーな。あいつ雨男だし」

「うちは晴れ女です。旅行のときもいつも快晴ですねえ」

「ほぅ。確かにむらさんは天に愛されておるわ」


凸はタツヲのフィギュアを無造作に刀の柄にひもで括り付けた。

すると、にわかに雲がわき出して風が強くなってきた。
凸はやれやれといった風で、空を見上げた。

大粒の雨だまったく…。

「ですよねえ…。雨男タツヲはフィギュアになってもその効力は絶大だ」

「因果なものですね。さて、わたしはこれにて失礼します。またどこかで」

「ああ、道中気をつけて…」


むらむすめが雨を払うように近江の関所へ向かっていった。

「さて俺も行くかね」

寒いうえに冷たい。あたりは見る間に暗くなり、まだ夕刻には時間があるというのに、宵の刻の気分である。

凸の道中の目的は、武田の戦友、三浦カズに会うことである。
三浦に会ってたまっている飲み代を催促に行くところであった。

雨はいきおいを増して、さらに強くなってきた。
どこかで雨をしのぐしかない。

「くそーっ、三浦の野郎。あいつのおかげでえらいダルシムな状況に;」

毒づいてみたが、今更しょうがない。
何せ、三浦は電話もでねえ、メールも通じねえ。FBもやってない。
オラの村には電気がねえ。

しかたがないので直接取り立てに行くしかなかった。

凸は甲府で、立ち飲み屋をやっている。
その常連が三浦だった。

三浦はゲイだという噂がある男で、女にはもてるのになぜか浮いた噂が皆無だった。
身持ちが固いのか、性技に自信がないのか…。
そして飲み代を手形だと言って大量のガバスで支払っていく。とんでもない奴だった。

性豪であるタッチャマソにしてみれば、据え膳を食わない三浦にはもったいないとわめき散らすことだろう。
なにせ、マソは正義の味方ならぬ「性技の味方」と異名を取るほどの女好きである。
本願寺時代は鉄腕ア○ルの称号を得ていた強者でもあった。

「何にせよ、ぜってぇツケは払わせる。アベノミクスをなめるなよ」

などと意味不明なことを言いながら、呪詛をつぶやく。

視界も危ういほどの土砂降りの中、道を外れて森へ入った。
まぁこれで少しは雨よけにはなる。

森は暗く、闇の底に溜まる瘴気が感じられる。

ここいらは確かえらく強い魔物が棲息しているとこだったような…。
そういや、前にツカさんが立ちションしていて教われたとか言ってたっけ。

どっちにしろ…魔物の溜まり場に人が踏み込んでいくってぇのは…

「やべぇーぞぉ…」

言い聞かせるように声に出した。

とにかく、どこか休めるところがないかと探す。
木々の葉に落ちる雨音が、妙に静かで気味が悪い。

あたりに霧が出てきた。
不思議なことにやけに香りがよく、暖かく感じられる。

食い物の映像が不意に浮かんできた。
腹減った。ラーメンくいてぇな。
とめどもなくイメージが浮かんでは消え、飛散していく。

ふらふらしてきた。寒気がする。目眩がする。
思考が錯綜していく。


「やっべ…こりゃぁ」

明らかに何者かの幻術だった。
おそらく魔物が獲物を狩るときに使う術だろう。

身体が重い。そして眠い。

やべぇ、やべぇぞ。こいつはやべぇ。やべぇのはわかってんだよダッチ。
とにかく、この幻術から抜け出さないと…。

じゃないと、食われて死んじゃうのん。
うち、田舎に住んでるのん?

なんて言ってる場合じゃねー;
なんとかしないと、激やばす。
人生ってとんでもねー。

霞んでいく意識の中で凸は、霧の中でうごめく二つの丸い物体を確かに見ていた。

それは、Gカップはあるだろうと推測されるおっぱいであった。



【②に続く…はず】


では良き週末を。

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非公開コメント

No title

>かずは
ちっぱーい!

>アントキさん
これからは自宅で更新が多くなりそうですw

投稿待ってました~♪

僧兵が使える存在になってきたので、

僧兵さん達が活き活きしてるように

見えるのは気のせいでしょうか?

(о´∀`о)

おっぱいー♪
プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
血液型:B

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