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仮想現実の決死圏



2255年。
遂に人類は不可能と言われてきたフルダイブ型のオンラインRPGの開発に成功した。

これは、立った立ったよクララが立った!おまけにインポの藤井も勃ったどころの騒ぎではなかった。
人類が初めて月に降り立ったくらいの偉業である。
開発に成功したのは、IML(インテリジェント・モデリング・ラボ)という研究機関だ。

そして翌年の2256年。遂に全世界に向けてβテスターが募集された。

ゲーム名は「タイタン・フィート」。
タイタンという惑星で冒険をしながらプレイを進めていく従来型のMMO RPGである。
世界中のゲーマーは狂喜乱舞しながら応募をした。その数なんと7,500万人。

それに対して、当選者は10万人である。数としては途方もないが、当選確立はかなり低い。
老若男女、年代を超えて当選を夢見るゲーマー達。
なにせ、体感できる本物の『仮想現実空間」である。いや、脳がその体験を実体験として認識するならばそれは現実といっても良いだろう。
とにかく、長年にわたる腐れゲーマーどもの夢が現実となったのだ。
思い描いた2次元のイケメン、リア美に触れることが可能になるわけだから、これは小躍りせざるおえない。

まさにダメのハートにクラッシュこい!ほいさっさあ!ってなもんである。

しかし、障壁はまだある。というかプレイにいたるまでも選別があるのだ。世の中そんなにあまかぁない。
βに当選しても健康状態などの事前のメディカルチェック、国民IDの照会、保証人の有無など、各種の審査がある。

も・ち・ろ・ん

18歳未満は親の承諾書がなければできない。
ヒキオタなんぞ国民IDで照会される納税証明と収入明細証明がなければできない。
当選しても、まじかよひゃっはー!ということになりかねないのだ。

そして最後に誓約書。ゲームプレイ中のトラブル対応だ。指定病院への連絡経路や緊急時における体調不良などの責任は一切自己責任で念書を提出しなければならない。


これらを全てクリアして、更に今度は、筐体に附属するダイブシステムのシンクロ率を、IML社が提供するエンパシーボックスで計測しなければならない。

その数値が規定値以下だと、これまたNG。泣くに泣けない木枯らし野郎。
お前の血は何色だとゲームできなきゃレイが泣く。

な?おめーらにはハードル高すぎるだろ。
選ばれたエリートしかできねーゲームなんだよこれは。選別上位の上級人類しかできないゲーム。

当選した10万人の中で実際ログインしてゲームができるのは、3万人ちょっとというところか。

実際、現段階では政府の管理下におけるプレイでなければ、容認されないのである。
当然だろう。脳に直接に信号を送りながら拡張現実を体感するゲームなんぞ、下手したら廃人同然になる危険もあるし、麻薬よりたちが悪い。

というわけで、俺は当選したがゲームを楽しむことができない。

くっそ!こんなんで…。と思ったが、叫んでわめいて泣いてオナニーしても状況は変わらない。

やりてぇ!本物の仮想現実空間で遊んでみてぇ!

しかし、このゲームをやるには星野鉄郎が999のパスを手に入れるより難しい。

一体どうすれば…。途方に暮れていた俺に、なんと救いのメーテルが現れた。
といっても、ただの藤井さんである。

藤井さんは俺の肩を叩きながら言った。

「あきらめたら…そこでオナニー終了ですよ?」

意味わかんねえ。てか馬鹿だろこの人。

藤井さんは馴染みの闇商人だ。怪しい不動産物件から、人身売買、シャンプーハットまで扱うブローカーである。
ようするに何でも屋である。頼めば手に入らないものは、黒柳徹子のパンティーぐらいだ。

「藤井さん…俺、やりてんだよあのゲーム!ログインしてそしてボインボインの娘にあれをやってもらいてぇんだ」

俺はありったけの情熱を藤井さんにぶつけた。すると彼は恰幅のいい体躯を揺らしながらうなずいた。


「わかってるよ凸さん。欲しいのはこれだろ?」

そう言って藤井さんは俺の前に一枚の本を差し出した。

「こ、これは…」

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藤井さんが差し出したのは、「信長の野望 Online 破天の章 プレイヤーズバイブル」だった。

「いや…これはいらねえ。しかもいまさら破天かよ!」

「はは。アメリカン・ジョークだよ凸さん。本命はこっちさ」


そう言って藤井さんはバッグの中から、もう一冊の本を取り出した。


「ほれ、これだろ欲しいのは」

「おお……!?」

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「って武将名鑑じゃねえか!!なめんな!」

俺はさすがに頭に血が上って本を地面に叩きつけた。


「まぁまぁ凸さん。あわてなさんな。あわてる包茎、ズル剥けてぃんぽって言うじゃない」

「いわねーよ」

「とにかく、不適正者があのゲームにログインするにはふたつの方法しかないな」

「ふたつ?」

「そう二つ。ひとつは…」

「不正アクセス…」

「うん。しかし、それはまだ闇に裏コードが出回っていない」

「もうひとつは…まさか?」

「そう。当選した奴にすり替わるってこと」

「しかし、どうやって…」


俺が問うと、藤井さんは凶悪な目をしながら口元を釣り上げた。

「やっちゃう(殺す)しかないでしょ、そりゃぁ」

「なに!?」


藤井さんは闇の住人である。いくら仲がよさそうに見えても、つきあいが長くても闇は闇だ。
友達ではなく、あくまでも仕事上のパートナー。闇の隣人である。
いわゆるヤクザだ。義はあるが裏切りは許さない男である。約束をたがえたら、今は猫のように大人しくてもたちまち、CR獣王のゴリラに豹変する。

俺は大事なことを忘れていた。この男は一度引き受けた依頼は絶対にこなす。
でなければ闇の世界でここまでのしあがってはこれない。闇は表の世界よりも信頼関係を大事にする。
信用信頼が己の命を繋ぐのだ。

しかし、たかがゲームで…。いや、されどゲームなのだが。


「さぁ凸さん、ゲームの始まりだ!」

藤井さんは、そう言って戦隊ヒーローばりにポーズを取ったが隣のトトロにしか見えなかった。
この先どんな運命が待ち受けているのだろうか。それは俺にもマソにもみさおにもわからない。

僧兵だけが知る術なのかも知れない…。

【終】
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テーマ : 日記というか、雑記というか…
ジャンル : 日記

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No title

>藤井さん
俺、間違えて信長の野望の攻略本を買っちまったよw
家に帰ってオンラインじゃなくて泣いたw

No title

プレイヤーズバイブル懐かしいw
初期はこれを読んだなぁ寝る前に読む本もこれだったw
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凸

Author:凸
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生息地:都内在住
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