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無敵看板むらむすめ



8月某日。

マソが金沢のカラオケ屋で牙狼の歌をソロで熱唱している頃─

紀伊のとある道端。
僧兵のむらむすめが、「ガツン、とみかん」を買って帰る途中で、うつむきながら歩いて来る侍がいた。
何やら肩を落としてしょげ返っている。

よくよく見ると、武田の軍学侍、地獄突であった。
なぜ武田の侍が紀伊などに?

とまあ、それはどうでもいい。
むらむすめは、みとがめて声をかけた。

「あら、突さん。どうしたんですか、こんなところで…」

突はむらむすめに声をかけられて、顔をあげたが目はうつろ。

「やぁ…むらさん。こんにちは…」

そう言うと青い顔をしながら、通り過ぎようとする。

いつもなら、ドラクエでメタルスライムを見つけたようにはしゃいで寄ってくるのに、これはおかしい。


「あ、ちょっと突さん!待ってくださいな。そこらでアイスでも食べません?」

様子がおかしいので思わず引き止めてしまった。
いつもなら軽く挨拶をして別れるところだが。

「え…。あぁ…いいすね。暑いすからねぇ…」

突は力なく答えると、先に見える大樹に向かって歩き出した。

むらむすめは、ぴょこんぴょこんと並んで歩いた。

突のいかにも辛そうに歩く姿は、まるでゾンビだ。
歩調もゆっくりとして、身体を左右に揺らしながら歩いている。

「どこか具合でも悪いんですか?」

むらむすめが、そう聞くと、突はだるそうに「いや別に」と短く言う。

いつもの元気なセクハラ親爺の面影はない。
これはおかしい。

大樹の下に辿り着くと、日陰になっていて日差しから逃げるにはちょうどいい。

袋からごそごそと、買ったばかりの「ガツン、とみかん」を2本出した。
店でドラアイスをもらっているので、溶けたりはしていない。

「はいどうぞ」

はぁ、と息を吐きながら大樹に身を預ける突に、「ガツン、とみかん」を差し出す。

「ありがとう」

突は受け取ると、ガシガシと齧りながら舌鼓を打つ。

暑い日には、アイスキャンデーは最高だ。
そんなことを言うと、いつもの突なら「小学生は最高だぜ!」とか意味不明のセクハラをしてくるのだが、無言でアイスを齧っている。

むらむすめは、ぱくっとアイスを口に含むと、口の中に広がる無尽蔵な冷たい甘みに幸せを感じた。

突は既に食べ終わってバーを手で遊ばせている。
もう一本どうですかと、むらむすめが、おかわりを与える。

突は短く礼を言って、またガシガシと齧る。
もう一本もう一本と与えるうちに、結局全部なくなってしまった。
むらむすめが食べたのは結局2本だけである。
身体も十分冷えただろう。突の顔に生気がいくらか戻ったように見えた。

アイスを全て食い尽くしても、なにやら突はものうげである。
いつもと違うのですっかり調子が狂ってしまう。
むらむすめも何やら気まずいものを感じて、言葉が出てこない。

すると、突がぼそっと口を開いた。


「むらさん」

「は、はいっ!」


むらむすめが、黒髪のポニーテールを揺らしてあわてて答える。


「俺さ、考えたんだ」

「はぁ…。考えちゃったんですか」


何やら深刻な話のようだ。これは地雷を踏んだのかも。
薮蛇だったかもしれない。


「わけがわからないよ。まったく…」

「え?何がですか?」

「バロム1の歌だよ。わけがわからないんだ」

「え…なんですか?バロム1???」

「マッハロッドで ブロロロロー ブロロロロー ブロロロロー…」

「……」

「ぶっとばすんだ ギュンギュギュン…」

「え…あのよく意味が…」

「魔人ドルゲを ルロルロロ やっつけるんだ ズババババーン!」

「……」

「わけがわからないよなぁ…。ちなみにサイトウタカオの原作なんだよね」

「いや、どうでもいいんですけど…何か悩んでるんじゃなかったんですか」

「いや?別に。暑くてだるくて死にそうで喉が渇いていただけ」

「…心配して損しました!」

「「ガツン、とみかん」って美味いよなあ。でもスーパカップをこの時期は捨て難い」

「あれは太りますよ」

「そーなんだよ。あれ食い過ぎるとやべーんだよなぁ」


むらむすめの杞憂は邪推に過ぎなかった。
単純に暑さにやられて朦朧としていただけだったのだ。

「そういえば…無敵看板娘の作者が自殺しちゃったんだよなぁ」

「無敵看板娘?漫画か何かですか」

「うん。少年チャンピオンで連載していてアニメにもなったんだがね」

「そうなんですか。うちはそーいうの疎くて…。まだ若い人だったんですか?」

「まぁ…34歳だから俺からすると十分若いね」


突が自嘲気味に笑うと、むらむすめもつられて笑う。


「くすくす。突さんから見れば大概の人は若くは見えますよねぇ」

「ふん。歳の刻みは俺にはないのさ」

「でも、若くて才能のあるのに自殺しちゃうなんて勿体ないですねぇ」

「うんー。勿体ねぇしどうにもやるせないね。読者も多く応援してくれる人もいただろうに」

「自殺する人に同調はできませんが…やはり自殺したくなるだけのものを抱えていたのでしょうね」

「諸行無常であるなぁ…。無敵看板娘は好きだったのに…。言いたいことは多々あれど、やめておこう。でも、自殺した人にご冥福はない」

「かもしれませんねぇ…」


空気が湿ってきた。日はいつのまにか雨雲に覆われている。
時期に雨が振るだろう。

風も出てきた。
突は立ち上がって、むらむすめを見るとかいぐりしながら頭をなでた。

「むらさんって、ドラクエで言うとはぐれメタルみたいだな」

「え、なんですかいきなり!」

「と、藤井さんが言ってた」

「嘘ですね!何でも藤井さんのせいにすれば済むと思ってません?夏のせいとかありえませんからっ」

「んじゃマソにしとくか。みさおさんでもいい」

「誰でもいいんですかっ」

CSDVSAV



いつもの他愛も無い会話である。
崩れない日常がある。
しかし、むらむすめの胸中にはそこはかとなく寂しさが漂っていた。

うちの「ガツン、とみかん」…。もう無いのね…。


黄昏れていく落日は、むらむすめの心を強くうつ

わけはないのであった。


むらむすめは、その後、突にハーゲンダッツの箱入りを買わせて帳尻を合わせた。

突は泣きながら領収書をもらっていたと言う。

ちゃんちゃん!





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テーマ : 日記というか、雑記というか…
ジャンル : 日記

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No title

>むらさん
その前にPS3かPCか、どっちにしてもPS2では辛いので乗り換えないといかんのです。しばらくお待ちになっておくれやす。
ちなみにどこかで藤井さんに出くわしたら、「反則!反則!反則!です」と3回唱えれば西の方角に逃げていきますよ!

>凸子
むらさんは、レアポップなので見れたらラッキー。遊べたらゴールデンラッキー。
リアルラックも上昇するので是非遊んでみるがいい。
親しげに「むーちゃん♡」と呼んでみるのも可。つか、「ガツンとみかん」は食っとけ!

>藤井さん
スイカバーもよろしくね!

No title

ガリガリ君は梨最強!

ガツンとみかんってなになにー???
ガリガリくんコンポタ味を探しています
にぃに、見つけたら買っててください。
あぁ、31の「ダブルたのんだらトリプルに!」に行きたい、、、

むらさんを見つけたら良いことあるある?
むらさーんあそびましょー。(о´∀`о)

普段はスーパーカップでボーナスでたらダッツで決まりです♪

復帰まだですか?
一緒に遊びに行きたいです♪ヽ(´▽`)/
プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
血液型:B

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