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信On創作ショートショートストーリー 夏の陣【その弐】



よぉ!

毎日暑いなご同輩。夏は暑いさ当たり前。

昨晩もよー、仕事から帰ってきてよー、茄子と豚肉の和え物と、海鮮風パスタを作ったんだが、まぁとにかく汗がだらだら吹き出す始末。この時期、火を使うのはほんとたまらんわ。あえてエアコンかけないで作るから尚更。
その後のビールがうめーんだけどね。

んじゃ暑いのでホラーといくか。
ホラーの血を浴びた藤井さんは俺が斬る!


呪怨

つよい恨みを抱いて死んだモノの呪い。 それは、死んだモノが生前に接していた場所に蓄積され、「業」となる。 その呪いに触れたモノは命を失い、新たな呪いが生まれる。

不動一葉がその男に会ったのは、関ヶ原のクエの時だった。

特化は武芸。とにかく野良徒党なのによくしゃべる。
まるで穴の空いた風船のごとく次から次へとよた話。

今時の野良徒党など、作業をこなすルーティンでしかない。
片言の会話すらわずらわしいのだ。
何ともお寒い状況だと思われるが、10年も経ったMMOなんぞ皆そんなものである。

徒党で完全に浮いてるのだが、気にせず一人テンションをあげる武芸。
一葉は従来の天然ぶりが手伝ってか、いちいちこの武芸の所作に相づちをうつ。
人が良すぎるのか、なんも考えていないのか。
これで誤解を招くこと多々あるだろうと、兄貴分の凸などによくたしなめられた。

クエが終わると、対話で知人登録を申込んできた。
一葉的には、結構ツボだったらしく断る理由ないので、申請を快諾して受入れた。

一週間も経った頃、その武芸から対話がきた。


「やぁやぁ、この前はどうも」

「あらん、こんばんわぁ」



一葉は屈託なく答えると、武芸はいきなりとんでもないことを聞いてきた。

「ねぇねぇ。一葉さんは彼氏いる?」

「えっ!?」


よくあるパターンだ。ネトゲ内ではリア女は四葉のクローバーをみつけるより難しい。
今はそうでもないようだが、少なくとも昔はそうだった。

そして、こうやってずけずけとリアルに踏み込んで来るプレイヤーも数多くいる。
親密度が増せばそれもありなのだろうが、1回こっきりのクエで一緒になっただけであるのにこれはない。

「ええっと…」

一葉は口ごもった。

そう言えば以前にもこんなことがあり、凸に相談したことがあった。

「隙がありすぎるんだよビッチ!」

そう怒られたが、自分ではよくわからない。
よくわからないが悪口を言われてるのは分かった。
悔し涙がでてきた。

あまりにも悔しかったので、凸の屋敷の茶釜に大量の唐辛子をぶち込んでおいた。


「ぐあーーーーーーーっつ!!!」


甲府の町に何ともいえない苦悶の悲鳴が鳴り響いた。

数日後、口をタラコのように腫らした凸が泣きながら水を飲んでいたのを見かけた。
計画通りだった。

なんとも怒らせるとおっかねぇ女であった。

武芸はじれてまた聞いてきた。

「ねぇ、いるのいないの?」


うざーっ!

かずはは呆れた。小学生かこいつは。
さすがにうっとおしいを通り越してる。


こういった手合いには直球に限る。

「いますけど何か?」


突き放す様に言い放つと、しばらく武芸は無言だった。

ふぅ…。信オンをなんだと思っているんだろう。
女をひっかけたけりゃ、外に出て街で軟派でもすりゃいいのに。

絶好に入れようかしら。

そう思っていると、武芸から対話がきた。

「嘘だね」

「あ?」

「君は嘘をついてる」

「…あ、あの〜〜…」

「君はシングルだ。そして僕達は結ばれる運命にあるんだ」

「……あの…」

「照れてるんだろ?わかるよ。俺も初めはそうだった…」


きめぇえええええ!!!!!!!!
何こいつぅ;まじきもなんすけどー;。

つーか、これやばくない?ストーカー?
ネタだとしても悪質で笑えない。

絶好いれよう。そうしよう。

一葉は無言で武芸を絶好に放り込んだ。

その瞬間、もう一度対話がきた。


「いつでも一緒だよ」

「……」


一葉はまじで怖くなった。気丈なようでいても所詮女である。
しかもネットをカイザイした嫌な事件もこのところ続いている。
絡み付くような嫌な視線を感じる。思わず背筋が寒くなった。

絶好に放り込むと、早々にログアウトをした。

その後、その武芸からは対話はもちろん、野良でみかけることもなかった。
一葉はそんなことがあったこともすっかり忘れ去っていた。


蒸し暑い夜だった。
インして私設に入るとタツヲと三浦がいた。

例によって挨拶だけしてあとは放置だ。

さて何をやるかと考えていると、姉貴分のみさおから対話が来る。


「こんばんわ〜」

「みさおさんだぁ!こんばんにゃ」

「かずはちゃん、知ってる?最近話題になってる怖い話」

「ううん、知らない〜」

「一門で話題になってたんだけど…信やってた人が一ヶ月ほど前に自殺したらしいの」

「ええっ!?」

「それも真紅でね…。その人ってちょっと精神的におかしい人だったらしくて、ハラスメント行為でGMからしょっちゅう警告されていたみたい」

「なんで自殺したってわかったの?」

「ちょっと前にテレビのニュースでやってたの見てない?オンラインゲームをやっていた自営業の40代の男性、謎の自殺!っていうやつ」

「あー、あれかぁ。特に気にもしなかったけど…」

「なんかオフ会で一度会ったことがある人がいて、特定したらしいのよねえ」

「ふぅむ。なんで自殺なんかしたのかしら…」

「ある女性に冷たくされて絶好されたからと遺書に書いてあったと警察が公表していたわね」


一瞬、息が詰まった。背中を走りぬける強烈な悪寒。

忘れていた恐怖が鮮やかに甦る。


「……絶好?まさか…その人って、特化は武芸とかじゃないよね…」


キーボードを打つ手が震える。
モニター上のフォントも心無しかぶれているように見えた。


みさおは答える。


「…武芸だよ。かずはちゃん、もしかして知ってる人?」

「………;」


まさか…。

あの武芸の人だろうか。
でも、一度クエで一緒になっただけのことだ。他に接点も無かったし親密度もほとんどない。
普通に考えたらそうだ。あくまで一般的な常識での範疇では。

しかし、狂人には常人の論理は通用しないのだ。
「馬鹿」と言われただけでナイフを持ち出し、「いい人だね」と言われただけで運命を感じてしまう人もいる。

とどのつまり、関ってしまったのが運が悪い。


でもそれって…あまりにも理不尽だ。それってどうなん?それって日テレ(古い)


でも、じゃぁ、あたしが絶好入れたから自殺した…!?

その瞬間、画面が揺らいで、かずはのキャラの背後に何やら黒い陰が浮かび上がった。

その黒い陰は、まさに……

い、いやぁああああーーーっ!!!!!!

かずはは、モニターの前で悲鳴をあげた。
その瞬間、意識が薄らいで、昏倒して床に倒れた。
何かが首の周りに這いずる感触を感じていた。


数分経ったが返信がこないので、みさおが心配して対話を送った。


「かずはちゃん、大丈夫?」


プレイヤーは存在しないとログが出る。


「怖くて落ちちゃったか…。にしても、武芸って変な人が多いってほんとよねぇ…」

みさおは、独り言のようにつぶやくと、一門チャットに戻っていった。


その日から、かずはも消えた。

いつしか甲府の奥の両替で、武芸と寄り添うように立っている女薬師を見るようになった。
見かけるのは、決まって午前2時頃だ。それも一瞬。

所作もせず無言で立っている二人は数秒で消えるそうだ。


一門にて。

「凸さん、かずはちゃんて全然みかけないけど元気?」

「さぁ…。でもメールはこの前来たなぁ」

「あら、メールが来るってことは大丈夫らしいね」

「何か旅行に出てるらしい。涼しくてすっごくいいところだから、にぃにも早くおいでよと書いてあった」

「……早くおいでよって」

「藤井さんを連れてけよと返したら、そうする!って返信きたよ」

「……藤井さん;いい人だったのに…。ま、いっかー藤井さんだし」

「ま、いいよな。藤井さんだし」


近くでひぐらしが哀しそうに鳴いていた。


【おしまい】

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テーマ : オンラインゲーム
ジャンル : オンラインゲーム

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No title

>ムネ
いや、ネタもないので無理矢理にw

>かずは
俺をまきこむんじゃねー!

うふふ

にぃに~
すずしいしおなかもすかないよ~
いたいこともさみしいこともないよ~
はやくおいで~

No title

ふらりと来てみたら何書いてるんですかw

⇒旦那の藤井さん
まじで?!それ武芸じゃなくて軍学のおっさんじゃなかった??
こわぁぁぁ!

No title

>藤井さん
暑いよー!助けてー

No title

無関係な俺が何故あっちの世界に連れて行かれるのw
そういえばこの間、甲府門前でだべっていたときに凸子の背後に
武芸がずっといた
プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
血液型:B

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