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信On創作ショートショートストーリー 夏の陣【その壱】


唄はいつもながらかっこいいんだがPVもうちょっと何とかならんかったのかこれw
武士が強化されたらしいな。ということで武士の花。

コミケ2013

葉月─現在の八月。
織田城下である那古屋も昼にもまだだと言うのに、厳しい暑さである。

そこらの軒先で水打ちをしながら凉をとろうと、長屋の住人や奉公人が柄杓で水をまき散らしている。
土が水を吸収して気化熱で気温を下げるといった合理的な手段だ。
これがコンクリやアスファルトだったら水打ちなどほとんど意味が無い。

文月の中頃までは寒くなったり、暑くなったりとはっきりしない天気が続き、今年は冷夏になるのではと予見もされたが、ここにきて連日の猛暑だ。

庄屋「藤井」で番頭をしているタッチャマソも、丁稚に水打ちをさせながら、舌打ちをしていた。

「あ〜〜;あっち。今日もあちぃなぁ。こう暑くちゃ摩羅もたたねぇぜ;」


なにせ、この時代はクーラーはもちろん扇風機すらない。
昔の人は糞暑い夏をどうやり過ごしていたのだろうと、興味も沸くところだが、それはまたの講釈にて。

さて、その暑い中を団扇をパタパタと扇ぎながら歩いてくる女がいた。
女はマソを見かけると、タタッと目の前に走りよってきた。


「おや、こりゃ藤川のみさおさんじゃありやせんか。今日はどちらに?」

「こんにちはマソさん。今日もあっついわねぇ…。ちょっとタツヲさんに用向きで甲府までね」



マソはほほぅと合点がいったように頷いた。


「ほ!あの僧兵のタツヲさんのとこですかい。するってぇとあれですかい、例のC84ってイベントの…」


「察しがいいわねぇ。それよそれ。あたしも行くのはもうかなり久々ですからねぇ」

「はは(笑)。みさおさんが行ったのはもう20年ぐれぇ前じゃないんですかい」




そう言い放った瞬間、マソは「しまった!」と後悔した。

みさおの負のオーラが通常の3倍にふくれあがったからである。
しかし、みさおは冷静に笑っていた。はたからみれば、顔をひくつかせながらの笑顔は顔面神経痛のようである。

軽卒な言葉は死を招く。
仮面ライダーに出てきた怪人シオマネキング がマソの脳裏をよぎった。

みさおは笑いながら、袂に中で印を結んでいる。
明らかに何かの攻撃術をマソにくり出そうとしていた。

「ほほほ…。マソさんは相変わらず面白いわねぇ。でもね…20年は言い過ぎじゃない?」


「あ…、いやこりゃジョークでさ。アメリカンジョークっすよ(汗」



身の危険を感じたマソは、ほいじゃ仕事があるんでと店の奥に逃げて行った。


「ちっ…猿が」


みさおは苦々しく罵詈を吐いて踵を返した。

軒先の風鈴がチリンと鳴った。
しかし、暑さは変わらない。遠くの景色が蜃気楼のように揺らいで見える。

町は外に出ているものは少なくなり、日陰で涼をとる人足ぐらいしか見かけない。


「さて、急がなくちゃ…」

みさおは団扇を大きく仰ぐと、早馬のほうへと向かった。


その頃、甲府ではタツヲと地獄突が屋敷で何やら話をしている。

隣の座敷では周防玄徳がごろんと仰向けに寝ていた。
この暑いのにどうしてこうも無防備に寝られるのかまったく不思議である。
コーホーとダースベイダーのように息を吐きながら、すやすやと爆睡していた。

タツヲが机に拡げた会場マップを見ながら神妙な顔をしている。


「当日は、飲食類は持って行くしか無いぞ」

「ほう…」

「トイレもかなり並ぶぞ」

「きっついなぁ。まぁそりゃああいうイベントは基本そうだろうが」

「コミケに行くには断固たる決意が必要なのさ」

「お前なんで半笑いなん?」



タツヲは昨年、マチュピチュに一人で行った。
しかもそれが海外初の旅行だった。そのことがタツヲに大いなる自信をもたらしているようだ。

「とにかく飲料水は持参な。コンビニなんかもとても買物はできないぞ」

「まかせとけ。予備知識ならげんしけんを観てばっちりだ」

「あんなもんじゃない!現場は戦場だぞ」

「いや、俺はただ雰囲気がどうなのかなと見に行くだけだが…」

「一流のコミケッターは、最終日に勝負をかける。これ豆な」

「俺コミケッターじゃねえし。それに一流とか(笑」

「いけばわかるさ。そして味わうがいい。本物の地獄をな」

「行く前から気を削ぐようなこというんじゃねぇよ。ところで…みさおさんはまだか」


突は溜息をついて、冷やした茶を飲んだ。
屋敷の中もやはり暑い。
座っているだけで汗がこめかみから雫となって流れ落ちていく。

麦酒が飲みたかった。それもとびっきりにキンキンに冷やした麦酒。
もっともこの暑さでは、幾ら飲んでも身体が冷えるということはないだろうが。


「あと一時間ほどで来ると信書がきてた。あの人も元気だなぁ」

「あの人から元気を取ったら、なんもないだろう(笑」

「そりゃそうだな。はっはっはっ!」


二人して大笑いをした。


ガキィン!!!

タツヲが大笑いをしていると、何か大きい金属音がして地獄突がいきなり固まった。


「お、おい…突さん。どうした!」


タツヲが声をかけると、突は白目をむいてその場に崩れ落ちた。

その後ろには金属バットを持った、みさおが鬼の形相をして立っていたのである。


「ひぃっ!?」


タツヲがするどい悲鳴をあげた。
みさおはまるで生成(なまなり)の能面のごとく白い顔で微笑んでいる。

金属バットについた血が生なましく禍々しい気を放っている。


「タツヲさん、お久しぶりですね。ふふふ…」


みさおは幽鬼のごとく静かに佇んでいる。
むきつけにぶっ倒れている突を足で踏みつけて、金属バットを放りだした。


「み、みさおさん…。は、早かったね来るのが」

「いつも遅刻ばかりじゃ悪いでしょう。あたしもやる時はやるんですよ。うぷぷぷ」


すると突がいきなり起き上がって、みさおに詰め寄り、襟を絞めあげた。


「いってぇえな!この糞オタク女。バットで殴る何ざ鬼かおめーは!?死んだらどうすんだよ!ええ?」


するとみさおはその手を振り払いながら、落ち着きをはらって言った


「時はきた。それだけだ」


その瞬間、タツヲがぷっと笑った。

突は呆れて憮然としていた。だめだこりゃとかぶりを振って頭をさすりながら寝ている周防を呼んだ。


「起きろよツカさん!いつまで寝てんだ。打ち合わせすっぞ」


周防に突の声は届いていない。

周防は夢の中にいた。そして藤井とともにカラオケ屋で聖戦士ダンバインをデュエットしていた。


「オーラバトラー!!」

周防はいきなり叫んだ。周防を起こしに行った突はうわっ!と驚いてひっくり返った。
周防は寝言で歌を歌っていたのである。


それを聴いたみさおは、クスッと笑って

「まだまだね」

と厳しい判定を下した。

当日の打ち合わせをしながら、みさおは出展していた時の興奮を思い出していた。
何もかも輝いていたあの頃…。あたしの青春。何もかもが…。
遠い記憶、せつない想い。その全てがあそこにはあった。確かにあった。あった気がする。
あったかもしれないような。ないと困るぞ。


「みさおさんって経験者なんだよな?特に説明いらんよね」


タツヲがそう聞くと、みさおはあわてながら、とんでもないことを口走った。

「わっ、わたし、しょっ、初心者です><!!」


さて、もう今週末から始まるらしいがどうなることやら…だな。











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No title

>藤井さん
くるーしゅーない!

>みさおっち
当日はスケ番刑事のコスプレで!

No title

生涯青春!
売り子は3年くらい前までしてたよw
ハリポタだけど~ BLだったなんてとてもいえない!
前をタツヲさん 間に凸さん周防さんで 後ろをみさをが守るからねっ♪
うぷぷぷ

No title

ワクキタw
人生何事も経験!しかし神奈川以東は行けないから代わりにゴホゴホ
プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
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