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【カタストロフな彼氏彼女の臨界点 最終回】



ユウヤは何も言えなかった。

何も言いたくなかったというが正しいだろう。
今までの浮かれた気分が一気にグレーに染まってゆく。

そりゃ彼氏ぐらいいても不思議ではないが、好きな女からその事実を聞かされるとかなり精神的にくる。
しかし、逆に考えるとチャンスでもある。

「ごめんね。リアルの事はここには持ち込まないのがルールだったのに…」

「……」

それから、しばらくの間二人は無言だった。

次第に辺りが暗くなって、埠頭の先の当代にも灯がともった。
水面にはじける緩やかな飛沫が、メイの涙の代わりに泣いている気がする。

「あの…メイさ」

ユウヤは何を言っていいのかわからなかったが、この重苦しい沈黙をどうにか突き破りたかった。

「ん…」

「なんというか…その…。理由を聞いても?」

「振られた理由(わけ)?」

「まぁ、そうだな」

「さっきの質問のとおりさ。あたしは女らしくなくて、奴から言わせると男といるみたいなんだと」

「へぇ…だから女らしくとかって聞いたわけか」

「あいつは歳は一個下なんだけど、とにかくだらしない奴でね。あたしが世話ばっかやいて小言を言うのにも辟易してたみたい」

「メイはなんでもできるイメージだから…。姉さん女房かぁ」

「はは。なんでもはできないさ。できることだけ。でも、圧倒的に当たり前のことができない奴でね。ほっとけなかったってのもある」

「そっか…。なるほどねぇ」

「決定的なのは奴が長期の出向で福岡支社に行くことになってね。遠距離はとても無理だから…って。それは建前だろうけど」

「建前?」

ユウヤが問い返すと、メイのキャラは大きく溜息をついたように見えた。

「別の女さ。それも高校時代の同級生でね。ちょっとしたきっかけでわかちゃったのさ」

そのきっかけは聞かないことにした。とにかくメイはその女に負けて捨てられたということである。

「昨日のデートで別れ際に思いっきり平手打ちをくらわしたさ。そしたらちょっとすっきりしたよ(笑」

「それはまぁ…。何と言うか…」

こんな場合の慰めの言葉などユウヤは知らない。
例え知っていたところで、それを口にすることはできないだろう。

「元気だせよ、俺がいるだろ」

そんな臭い軽口を吐ける性格だったなら人生はなんぼか楽だろう。
自分はメイのことをほとんど知らない。
溜込んだ想いを伝えるには、状況がハードすぎた。

「なぁ…ユウヤ」

「ん?」

「リアルで会おうか」

「えっ!リアルで…」

「サシオフと言ったところさ。オフは何度か出たけど、あたしも二人っきりと言うのは初めてだが」

「でも…いいのか?」

「気持ちの整理とか…」

「まかせろ。整理整頓は速いんだ。来るものは拒むこともあるが、去る者は追わず!があたしの信条だからね。それにユウヤなら、なんでも聞いてもらえそうだし」

「でもなぁ…俺…」

「ユウヤも都心で働いてるんだろ。なにが問題なんだ?」

「なんつーか…俺オフ会とか初めてだし…」

「ああ、ネットゲームは、これが初めてと言ってたな。多少怖いのはわかるけど。でもあたしは女だよ(笑」

「それによ…。俺、普段はカッコつけてるけど、こんなイケメンキャラでもないし…」

「ぷっ!?」

思いがけないユウヤの言葉を聞いて、メイは吹き出した。
あくまでもチャットの文字と所作の表現だが、モニターの向こうでは笑い転げているに違いない。

「あーっはははは…」

「おい、笑い過ぎだろ…。こっちはかなり真剣なんだぜ」

「はぁはぁ…。いや、すまんすまん。でもユウヤはネットゲームに夢を見過ぎだぞ(笑」

「いいだろ。リアルなんざ大したことなんざあるわけないし、せめてゲーム内で夢を見たって」

ユウヤはふてくされる所作をしてみた。もちろん怒ってるわけではない。

「あんまり可愛いことを言うものだから、抱きしめたくなっちゃったじゃないか」

「えっ!?」

「冗談だよ冗談。一人でやけ酒をしてるからちょっと酔ってる」

「メイもそんな風になるんだなぁ。意外だ」

「普段はボロが出ない様に慎重になってるだけさ。仕事でもそう。隙を作らない様にしてるけどね」

「なんか、うちの会社にいる女性みたいだな。すげぇおっかねえの」

「あたしも指導する立場で面倒見てるのがいるけど、やる気があるのかないのか…。能力はあると思うんだけどね。だからきつく言うんだけど」

「俺も尻を叩かれないとやらない性格だからなぁ。その人は厳しいけど、見るとこはちゃんと見ていてくれるだとわかったのは良かったな」

「へぇ…。ユウヤもいま研修中なのか」

「ああ。毎日くたくただよ。でも少しやる気出てきたけど」

話しているうちにさっきのショックは和らいでいた。
もちろん、振られたばかりのメイは落ち込んでいるだろうが、これで完全にフリーになったわけだ。

ここでfujisanだったら、クックロビン音頭を踊ることだろう。
fujisanは、ユウヤがここで初めて出会った変わったプレイヤーだった。

何かクエの最中に下ネタばかり言ってパーティを盛り上げていたが、不思議と嫌な感じはしなかった。
最初のフレ登録もfujisanである。

噂では、女ミスラの前で「お○んこ!」と、大声で叫んで垢バンくらったと聞いている。
とことんな人だったが、今頃どうしているのか。

オフで会ってみたかった人である。


そんなことを思い返していると、メイが遠慮がちに聞いてくる。

「とにかくさ、その…ダメか?リアルで会うの」

「俺イケメンじゃないぞ。それでもいいのか?」

「あたしだって同じさ。それにこのキャラデザがリアルと同じなら今頃スーパーモデルだよ(苦笑」

「わかった。会おうぜ。サシオフどんと来いだ」

「…何かこーいうところが女らしくないんだろうなぁ…。まるっきり立場が逆じゃないか…」

「考えてみりゃ…そうだな。ははは」


話はここで終わりである。

えーっ!!と思う人もいるだろうがしょうがないのだ。
俺もここまでしか聞いていないのだから。

だが、この後の展開は誰しも容易に想像がつくだろう。

これは当時FF11を廃人クラスにやりこんでいた知人から聞いた話だ。
ところどころ脚色はしてあるが、大筋は外れてはいない。

二人のその後はわからないが、サシオフで顔をあわせた衝撃はビッグヴァンクラスだったはず。
ハッピーエンドはそれぞれの想像の産物であっていいだろう。
まぁこれが本当の話かどうかは、確かめる術はないわけだし。

でもね。事実は藤井より奇なり。
ありえないことは、ありえない。
そう思っていると、案外世の中も捨てたもんじゃない。

ねーよwwwとか笑い飛ばすより、そのストーリーを楽しもう。
このような漫画みたいな出会いもなかなか素敵じゃないか。


ネットゲームを楽しむ人の数だけ出会いがある。
願わくばその人達全てによりよき出会いがありますように。


と、藤井さんに話してみたら

「あ?俺5人食ったよww」とか言われた。

うらやまけしからん。
つくづく、この人は外道だなと思ったわけ。

よくまぁ5人も…大したもんだが勃つのか?と聞いたら、

「やる前から勃たない奴がいるかよ!」

そう怒鳴られて殴られた。うわーん;


上のPVに、みさおさんが出ていたのでびっくりした。
さぁ探してみよう。ヒントは3分30杪以降!

ではまた。

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テーマ : オンラインゲーム
ジャンル : オンラインゲーム

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No title

>凸子
藤井さんのいがぐりを取るべし!

>烈風さん
またそのうちにw

名作シリーズだった。
続編を所望する。
うむ!

さっすが藤井さん。
藤井の嫁凸子としては「キーッ!!」(。>д<)と思うけど
勃たないよりは勃った方がいいので許す(*´ω`*)
うひひ

No title

>藤井さん
さぁ甲府の中心でいますぐ大声で叫ぶんだ!

>マソ君
よくよく考えてみると、あんときって目当ての酒全然飲んでないんだがw
マルで酔っ払ってもうメロリンQ><

No title

ちゃう、藤井さんは、4人食べたって言ってた!
その話ししてた時、凸さんは、既にロレツがまわってなきなてえのちゃんが暴走してたw

No title

まんこ!まんこ!
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凸

Author:凸
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生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
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