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鬼退治 地獄篇6 よしなお 鬼ヶ島上陸せしこと

日はとっぷりと暮れて町のはずれの河原で小さな灯りが見えています。
火が炊かれている周りに人がいます。

昼にうどん屋で騒いでいた徒党でした。

かずはと呼ばれた女は、すやすやと猫のように丸くなって寝ています。
まるっと太った鶏のようでした。

「むにゃ…。イベリコ豚追加…」

夢の中でもまだ食べているようです。
幸せそうな顔で爆睡していました。

その横で、みさおという女が薪をくべています。
青白い顔が火に照らされて生気をかろうじて保っているように見えました。

髭面の突は無言で火をぼーっと眺めていました。

ぽつりと突が口を開きました。


「…なぁ、みさおさんよ」

「なんでしょう」

「実は気になってることがあるんだよ」

「気になってることですか…。あたしにもありますね」

「多分、同じかもな。それ」

「同じでしょうね。たぶん」


かずはが丸まって寝ている横で、無防備に大の字になって寝ているツカという男が寝返りをうちます。


「聞いたろ?いま各地で一揆の動きありってことを」

「ええ…。凶作続きだというのに更に重い年貢を課して…。ある村では、木の皮を這いで飢えをしのいでるそうですね」

「もう百姓達も限界の底まできている。それでも税率をさげず、あまつさえあげるなんざ…」

「とんでもない馬鹿野郎ですね。中央はもうどうしようもなく腐れきった蜜柑箱と化していますね」

「そこへ来て、この鬼達のテロめいた行動だが…おかしいのは鬼が暴れた村はことごとく一揆の蜂起の噂が起きたところばかりだ」

「中央としては願ったりな展開すぎてドン引きですよ。一揆の目は潰せ、民の憎しみは鬼へと向かう。中央は凶作と鬼の暴動のために財政逼迫の言い訳もしやすい…」

「まさによ。鬼と人間は古来より共存共栄をしてきたはずだ。鬼達が伝える農法や治水によって人の生活が格段に進歩したのは誰しも知っている。第一、鬼が暴動を起こすメリットがまるでない。事実、ここでは鬼と人との友好的な関係がいまだに維持されている…」

「鬼が荒らしまわったという噂も、村人の話ではなく中央の役人の御触れによるものでしょう。この町が鬼に襲われないのも、鬼の子供達を人質として囲ってるからだと言ってはいますが…そんな風には思えませんね」

「だのう…。となると、荒し回っている鬼の正体は…鬼の仮面を被った人ということになる。ていのいいスケープゴートに使われた鬼の一族…奴らにとってはいい迷惑だな」

「推論としてはそうなりますが…さてどうでしょうね」

「中央の政権を裏で牛耳ってるのは、偽りの救世主とよばれる左大臣の三浦だ。あいつがこの腐った幻想の元凶なのは間違いない。今の上様は奴の傀儡にすぎない」

「やはり…三浦殿がこの絵図を描いたとみるのが適切でしょうね」

「ともかく、我々の任務は現地調査による裏付けだ。三浦の野郎、アミバみてぇな顔しやがって。何が俺は天才だぁ〜〜!だ。まさに民を苦しめる天災だあいつは。真実をさらけ出して絶対潰してやる」

「中央の腐敗を打破してくださるあのお方もためにも…真実を暴くしかありませんか」


突はうむとうなずきながら、目を細くして消えそうになる火を薪を足して焚き付けます。

どうやら、突と呼ばれる男たちの一行は、よしなお達と同じ目的でここに来たわけではないようです。



「もう一つ、気になってることがある」

「奇遇ですね。あたしもです」


「…こいつらは…」

突とみさおは、幸せそうに寝息を寝ているかずはとツカを見ながら目を合わせました。


「こいつらは…この状況でなんでこうも心安らかに寝ていられるんだろうな」

「ええ…。まったく不思議でなりません…。あっ、そうそう突さん」

「ん?」

「ナミナミ改って人からラブレターを預かってますよぅ。うぷぷ」

みさおはそう言うと、懐から取り出した文をにこにこしながら手渡しました。

「えっ…なんだ一体」

お;おい;ぴょ

「……」

文を読むと、突は無言で火にくべてしまいました。



突はごまかすように摩天楼ブルースを歌い始めました。

すると…

「ぴしゅぅ〜きゅるきゅるきゅる…」

いきなり、かずはが不思議な寝息をたてて寝返りをうちました。

突はびくっと身をすくめました。

そこで、突がぶちきれですよ。

寝ているかずはをけたぐって叩き起こしました。

「ぴしゅぅ〜きゅるきゅるきゅる〜じゃねぇ!!!!」


突の怒号とともに、かずはが跳ね起きましたが、まだ寝ぼけています。

目をこすって目を覚ました途端、こめかみを左右から固いものが挟みます。

それは突の拳でした。必殺、梅干拳です。軍学に実装予定だった新技能です。
かずはのこめかみを挟んでぐりぐりとねじります。

「てんめぇ〜〜!こんなところで野宿する羽目になったのは誰のせいだと思ってんだ!!くぬっ!くぬっ!おまけにナミの野郎から返済の催促まできやがったしぃ!!」

「いやぁあああ;;痛い痛い痛い〜〜><;やめてぇ、にぃに〜;」

かずはは叫び声をあげて泣きわめきます。

ぱっと拳を離すと、かずはは頭をおさえて泣きべそをかいています。

「はぁはぁ;この野郎。お前の暴飲暴食のおかげで明日の渡し賃しか残ってねーんだぞ。これじゃ土産も買えねーじゃねーか!」

「うぅ、いたたた……。だってしょうがないじゃない…あたしもアホやから…」

「和田アキ子の古い歌なんざ、誰もしらねーんだよ。てめーは当分昼飯抜きだ!」

「知ってるじゃない…」
みさおが小さく突っ込みましたが、突は聞こえないふりをしています。


ツカは何事もなくすやすやと寝ています。

「えええ!!」

かずはは失神するかと思うくらい驚きました。
よろめきながら、ふらふらと立ち上がると、背筋を伸ばしてぴーんと直立不動の姿勢になりました。

「はっ!やばっ!!」

突が咄嗟に叫びました。かずはは普段はおとぼけの天然キャラなのですが、極度にストレスを与えると阿羅漢モードに変化するのです。

身体全体から気が充満していきます。こうなるとかずはを止められるものは誰もいませんでした。

かずはが呼気をひとつ吐くと、恐るべきフットワークで突の背後にまわりました。

「うわっ!ちょっ…」

「はぁはあ〜〜、意地悪なにぃにはご飯の仇ぃ!!死ねぇ!ほぁたたたたたたたたたたたた!!!!!!!!」

かずはの必殺技、無双百烈拳。あまりの早さに残像で拳が百にも見える必殺拳です。
これをかわしきれる者はいません。

「うぉあたたたたたたたたたたたたたたぁ!!!!!」

突の身体を恐るべき早さで正確に打ち抜いていきます。
拳の勢いはいささかも衰えません。

バキッ、ドカッ、グシャッ、ボキィ

骨を砕き肉を削ぐ嫌な音が聞こえてきます。

「あべぇべえ、てればび…ぎょっ……!!」


「メメタァア!!!!」

かずはが最後の拳を打ち込むと突は5間ほど吹っ飛んで転がりました。


「ぐぅううう;;」

突の身体はボロボロです。ズタズタのぼろ雑巾のようになって瀕死で呻いています。

かずはが、夜空の星を指差しながら言いました。

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「にぃに、あなたにも見えるだろう!あの死兆星が!!」

突は夜空を見上げながら思いました。

<あれガセが多いんだよなぁ…>

そうつぶやくと、突はがっくりと気を失いました。

また星がひとつ流れて消えていきます。
みさおはその星に願いをこめました。

「明日も晴れますように^^」

かずはは阿羅漢モードが解けて我に返ると、「眠い…」とつぶやいてその場にへたりこみました。
そして、そのまま寝てしまいました。

ツカはやはり何事もなく寝ています。



──同時刻 大黒屋。


よしなおとマソは目の前で起こっていることに驚愕していました。


「ほら、キジ。もっと呑めよ」

「いやぁん。あたしもう呑めないよ…。あんたが呑んでぇ」

「しかたねぇなあ。ほれ、貸しな、おっとっとっと…」

「きゃぁ、どこさわってんのよぅ。えっちぃ♡」


「…………」

よしなおとマソは無言でその様子を見ています。

<なんだこりゃ…。半刻の間にこいつらに何があったんだ一体>

よしなおとマソは、目の前で起こっている不思議な事象に言葉もありません。


ふぇいと藤井はそんな目をはばかることなく、付き合い始めたバカップルのようにイチャイチャしています。


「あたし怖いのよぅ。もしかしたら明日死んじゃうかもしれないし…」

「まーかせとけって。俺が守ってやるさ。なんだ、震えてんのかぃ。へっへっ…可愛いなおめぇ」

「あたしを心配してくれるのぉ?嬉しい」

「あたりまえだろぉ、心配だよぉっ。安心しろって」


よしなおとマソはこのやりとり見て何かの悪い冗談かと目を疑います。

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↑こんなイメージ


事後だな…。こ、こいつらやりやがった…やっちまいやがった。

よしなおとマソはそう確信しました。


「おい猿。こいつら…」

「ええ、間違いありやせん…。姐さんは兄貴にやられちまったんでやんしょう;クキーッ」

「しかし…どうやって組み伏せたんだろうなぁ…。ふぇいみたいな殺人マシーンを」

「あっしと兄貴とどこが違うんでやんすかねぇ;摩羅ならあっしのほうがでかいのに;」

「う〜〜ん、生き様かなぁ…」

ふぇいは妙に艶っぽくなり、荒っぽい言葉使いも影を潜めています。
犬は終始上機嫌でふぇいにべたべたとさわりまくっていました。
ふぇいのはだけた浴衣の隙間にてを差込んでみたりもしています。

よしなおは、まぁ二人ともガキでもないし恋愛は自由だしなと思い、あえて何も言いませんでした。
仲が悪いのは困りますが、良いのは別に結構なことだからです。

マソはもう辛抱堪らずにキキーッと泣きながら、ふぇいに飛びかかっていきました。

「あ、姐さーーん!兄貴だけじゃなくあっしにもおっぱいをー;;」

しかし、その瞬間ふぇいの目がきらりと光り、マソのタックルをひょいと避けて腰のあたりをぽんと突きます。

「あぐぇえ!!」

マソは奇声を発してその場で硬直しました。


「埋蹴(まいける)という経絡秘孔を突いた。猿、あんたはしばらくそこでムーンウォークをし続ける」

「ぽうっ!」

マソはマソケル・Jになってしまいました。

マソはマイケル・Jの如く戸口の側でムーンウォークを踊り出しました。
時々「ぽうっ!」とか「あぉっ!」とか叫び声をあげています。


「またお前か」

マソを見ながらそう言うと、よしなおは、なんだか馬鹿馬鹿しくなり席を立ちました。


「ん?なんだ大将。厠かい」

藤井がそう言うと、よしなおはかぶりを振ってもう寝るよと言いました。


ふぇいは相変わらず、藤井にべったりくっついて女房のように盃に酒を注いでいます。
一心不乱にムーンウォークを続けるマソを見ながら、哀れな…と思いましたが、懲りない奴だなとも思いました。

「まぁ…ごゆっくり。明日は早いぞ」

「あいよ。いい夢をな」

「大将〜ん。明日はよろしくねぇ〜ん」

ふぇいの甘ったるい媚びた声がどうにも耳ざわりでしたが、態度には出さないで静かに廊下を歩きだしました。
短時間の間に、気味の悪いほど豹変した二人の関係に、どうもしっくりいかないよしなおですが、欺瞞のしこりは消えていきました。

<ま、所詮一皮むきゃ男と女か>

などと、ガキのくせにいっちょまえな事を思ってみたりもします。

しかし、これで態勢は整いました。明日はいよいよ鬼ヶ島です。
布団に入りながら、はるか故郷のジジイとババアを想います。


「やるぞ、やるぞ、やるぞ。オーシツクツクオーシツクツク…」

よしなおの子どもの頃からの緊張した時のおまじないです。

いつしか、よしなおは深い眠りについてしまいました。

マソはと言うと、まだムーンウォークをしながら泡を拭いています。
マソのあげる奇声は明け方までやむことはありませんでした。


明朝、よしなお達は宿を払い、港へ向かいました。

渡し場のところに数名の人影が見えます。


「あっ、あいつら…」

渡し場には昨日うどん屋に入ってきた突の徒党がいたのです。

特務の現地調査で来た突たちのことなど、よしなおは知る由もありません。

<鬼退治の手柄も早いもの勝ちってわけだなあ>

よしなおは、突を見ると険しい顔で睨みましたが、突はその視線にはきづかないのかさっさと船に乗り込みます。
見ると、どうしたことか突の姿はボロボロになっていました。

船は10人ぐらいでいっぱいになる小さなものでした。

<呉越同舟とはよく言ったもの>

よしなおは、ぷいと横を向いて海面を眺めています。
馴れ合ったら、手柄を横取りされてしまうかもしれないと考えていたのです。

しかし、よしなお以外の3名は、気さくに突達と打ち解けています。

「いやぁ、いい日和でよかったでやんすねぇ」

マソがそう言うと、みさおがそれを受けて応えます。

「ほんに。陽の光が心地よくて…あら?あなた何やら相当お疲れのようですが」

「ああ、いやぁ。昨日はちょっと寝れなくて寝不足なんでやんす」

目が落窪み、げっそりと頬がこけたマソは自嘲気味に笑い返しました。


かずはが、キャッキャッとはしゃいでいます。ふぇいと藤井は、カップルの如く肩を組合ながらニコニコ笑っていました。

ツカは相変わらず寝てました。まるで猫のように一日中眠っている男です。

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画面はイメージです



船頭が声をあげます。


「見えたよお客さんら。あれが鬼ヶ島だぁよ」


「おおっ!」

みんなが一斉に声を上げます。

うっすら霧にかすむ島を前に、否応無しによしなおの気持ちは昂ってきます。


<天よ。願わくば我に御加護を与えたまえ!>


波に揺れる船上で、一人拳を固めるよしなおでしたが、他のメンツは観光気分です。

<こいつら…。まじでやる気あるのか。俺たちはこれから戦場へ赴くんだぞ>

よしなおは、この緩い空気に憤怒すら覚えましたが、上陸してみればそんな気分もふっとぶだろうと我慢をしました。


船が渡し場に着くと、2名の大きな身体の男が出迎えています。


「はいはい。ご苦労さんです。本日は二組様のご案内〜」

「ようこそ!鬼ヶ島へ」


2名の男は鬼でした。一方が蒼い肌をして、一方が赤い肌をしています。
しかし、恰好は普通に着物をきて普通の村人のような恰好です。

これを見てよしなおは驚きました。

思っていた鬼とはイメージが大分異っていたのです。
角は小さく出ているのですが、顔かたちは尋常に整い、すらっとした体躯です。それどころかかなりの美形でした。


船から降りると、逞しい蒼い肌をした鬼が進み出てきて慇懃に挨拶をしました。

「初めまして。僕は観光案内人のアントニオ言います。トニーとお呼びください」

もう一方の赤い鬼も進み出てきて頭をさげて挨拶をします。

「よろしくです。同じく観光案内人のアンドロー梅田と申します。よろしくお願いします」


よしなおと突の一行は、このイケメンの鬼達に案内されることになりました。

かずはは、わぁい筋肉筋肉!とイケメン鬼に飛びついていきました。

みさおやふぇいもうっとりとして「鬼の若い衆っていい男なんだねぇ」と見とれています。
それを見た藤井とマソはぶすっとした顔でくさしています。

「なんでぇ…。鬼のくせにとっぽい野郎どもだ」

藤井はそう吐き捨てると、行こうぜとふぇいを抱き寄せました。

「ちょっとぉ、痛いよあんた」

藤井は、そう言ってもがくふぇいの身体を強引に引き寄せます。
藤井のあきらかな嫉妬に、ふぇいも身体の力を抜いて身を預けました。

よしなおは、警戒しながら鬼の後をついて行きます。
鬼達の背丈はよしなおよりあり、鍛えられた鋼のような肉体を有していることは、着物の上からもわかりました。

<ふむ…。こいつらかなりできるな>

よしなおは、この鬼達がただの案内人でないことを悟っています。

突のほうは辺りを確認しながら、三人に目配せをしています。
明らかにみさお、かずは、ツカの顔つきが変わりました。
特務調査隊として潜入捜査の開始です。


果たして鬼ヶ島の真実は。

物語の破滅へ向かう終焉の歯車は、まさに今、回り始めたのでありました。



【続く】

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テーマ : 信長の野望online-鳳凰の章
ジャンル : オンラインゲーム

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No title

>みさおっち
俺の願望は可愛いにゃんこを飼うこと!にゃんにゃん!!

>藤井さん
ミドルでも下手すりゃ1,000とかはまるから注意ねw

>かずは
まるは…チャーシューになるときが来たのだ!

むにゃむにゃ

「てめぇブッコロス!!」と寝言で叫んで飛び起きた事ならアリマス(笑)

ぴしゅう~きゅるきゅるきゅる…

No title

ぴしゅぅ〜きゅるきゅるきゅる
吹いたw

こわいこわい;w;
700回転はまっていた本日大当たりなしの
新・子連れ狼1/299をやったら1200円で合計17連荘して(゚Д゚)ウボァー
息を吹き返しますた!これでP休止!

No title

凸さんの願望を藤井さんで。。。
うぷぷぷ
ふぇいさん イチャイチャしてあげてくまさい!
プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
血液型:B

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