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壁が足りない僕ら

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恋は盲目と昔の人は言ったもの。

一目を憚らずいちゃついてるカップルを見ながら、よくもまぁ恥ずかしげもなくと池田の源は思っていたが、いざ自分がその身になると、確かに周囲は見えなくなるものと理解した。

真紅の種馬、池田源十朗は彼女がいる。セフレも2名キープしている。
現在、コナをかけている女も3名ほどいた。

別鯖で稼動していた時にも、別の彼女はいたのだが、3股がばれて包丁で刺されそうになった。

自宅にまで押し掛けてきて、ドアを開けるなり、包丁を取り出して「一緒に死んで!!」と泣きながら言われた。
なんとか説得して事なきをえたが、生きた心地はしなかった。
別れるときも、知人の仲裁でどうにか別れる事ができたが、元カノのストーカー行為は2ヶ月ほど続いたという。

さすがに懲りたのかそれ以降は、バレないように痕跡をまったく残さず処理をすることに心掛けている。

源は「処女はおっかねぇ」と口癖のように言う。
だから源が遊ぶのは主婦なのだ。

主婦の手練手管のテクニックと、甘えさせてくれる寛容なスタンス。
これこそが大人の男女の開放されたあり方だろうとうそぶいている。

そんな、好色一代男の源に晴天の霹靂が訪れる。

なんと、源がある女性プレイヤーに本気で惚れてしまった。

惚れてしまったら、恋の暴走特急はやめられない止まらない。
日を追う度に募る想い。せつない気持ちがこぼれ落ちる、胸がきゅんきゅん絞めつけられる。

本気の恋は人を変える。
逆に言えば、本気の恋もしたことのない奴は成長しない。

源はそう思っている。
しかし、本気の恋ができなかったからこそ、手当たり次第に女とつきあっていたのだろう。


野良で知り合ったその子は女侍である。

キャラネームは秋穂といった。

キャラクター越しに見える品の良さ。チャットをしていても、知的でいて暖かさを感じさせる受け答え。
聞けば、新規で友達と一緒に始めたのだそうだが、友達はみんなやめてしまって自分だけ残ったそうだ。

戦国武将が好きで小説も相当読んでいるとのこと。
歳は20代で家事手伝いということだけは教えてくれた。

源と秋穂は急速に親しくなった。
友達がいなくなったばかりで心細さも手伝ってか、秋穂も源に心を開いていった。

インしたら、まず秋穂のリストが光ってないかを確認する。
いれば、対話をいれて予定を決める。それが日課になっていた。

チャットの内容は他愛のないものだったが、それだけで十分すぎるほど楽しかった。
源が、たまに下ネタを言ってからかうと、秋穂はぷぅとむくれて「エッチ!もう知らない」と怒る。
そんなところもたまらなく愛おしく思えた。


ますます源は秋穂にのめり込んだ。

しかし、その異変にめざとく気がつくのが女である。
源のリアル彼女がこの頃ちっとも遊んでくれないとメールをしてくる。

「わりい、仕事が忙しくてな」と簡単なメールを返すが、それすらも鬱陶しい。
セフレの主婦からも連絡は来るが、会う気になれなかった。

それよりインして秋穂と会いたい。
そればかりが頭に浮かぶ。まるでこれでは中学生だ。なんてこった、この俺が。

そう思いもするのだが、この込上げてくる甘酸っぱい感情は止められない。
恋は誰しも人を詩人に変える。

源は以前のような節操のない軟派は影をひそめ、ぼーっともの憂げに沈む事が多くなっていった。


ある日、リアル彼女の誕生日にデートをすることになった。
当然乗り気ではない。
以前なら、まめにプレゼントを用意してレストランに予約をいれてホテルで宿泊といったお決まりのコースを考えていたものだが、今回はノープランだ。
しかも、デートをしていても心ここにあらずといった調子で、彼女はすっかり機嫌損ねている。

「まさか…浮気してないよね?」

「……」

そう言われて、心の蔵がばくばくになった。
そして答えられなかった。
これは浮気なのだろうかな。いや浮気じゃない。

本気である。だから最悪だ。
彼女に抱いていた、親しみや愛情が今はまったくないのである。

途端に、目の前にいる彼女にとてつもなくすまない気持ちになった。
二股三股をしていた頃はありえなかった感情である。

それだけ本気になってしまったのである。

単なる肉欲ならそれはもちろんあるが、本気で大事にしたものができると人は臆病になる。
秋穂には、つきあおうとか、リアルで会おうとかは一切口にしたことはない。
秋穂もそれを口に出す事はタブーであるかの如く口にはしない。

お互いが見ているのは、源と秋穂という人格が投影された仮想のパーソナリティである。
鏡の中にいる決して触れることができない2次元の投射物、すなわち入れ物である。

彼女は、食事を済ませると無言で手を振って帰っていった。
答えられない源の様子を見て、無言でかすかに笑っただけだった。
目が哀しそうに乾いていたのが、印象的だった。


終わったな。そう思ったが、逆に重い枷が身体にまとわりついた気がする。
自分には過ぎたいい女だったのかもしれない。

最低だ。そう思いながら、帰宅の途を辿る。


帰宅してインをすると、一通の信書が入っていた。
秋穂からだ。

急いでクリックして信書を開く。


「源ちゃん。いきなりのお手紙でごめんね。今日はインしてないようなので、明日ちょっと話したい事があります。とっても大事なお話です。夜の10時に私のお屋敷に来てください。待っています。 秋穂」

「大事な話…?」

まだメアドも聞き出せていないので、メールで連絡も取れない。

源は急激に不安にかられた。
一体なんだ大事な話って。


考えられることは各種ある。


1、結婚するので信辞めます

2、実は男なんです ついてます

3、お袋だったというオチ

4、好きです つきあってください


とにかく3だけは勘弁してもらいたいが、2はありうる話だ。寝釜なんざ無数に存在するし実際それで騙された奴は星の数ほどいる。1はまぁもうしょうがない。
4もありえない話ではないが、期待をすると必ず裏切られる。

人生はすべからくそうしたものなのだ。

驚天動地の結末になるのが、たまらなく怖かった。

が、彼女とも終わって、そろそろこの恋のにも決着をつけなければ、前に進めない。
腹をくくるしかないか。

源はその晩、布団に潜り込んだがなかなか寝付けなかった。

会社から帰宅すると夜の9時である。いつもなら、速攻でインして秋穂を探すのだが、今日はそんな気になれない。怖いのである。大事にしてきたものが一瞬のうちでガラクタになる瞬間。
それがたまらなく怖かった。

ビールを飲みながら、ログイン画面だけを表示して時間がくるのを待った。

5分前になり、ようやくインをする。

秋穂の屋敷は近江にあった。

屋敷に入ると鎧姿の女侍が正座をしている。
兜はつけずにポニーテールの黒髪が揺れているように見えた。


「あきちゃん…来たよ」

「源ちゃん」


二人は呼び合いながらお互いのアバターを屋敷の囲炉裏の前で対峙させた。

「大事な話って何?」

「うん…あのね、私ね…」


源はもう何を言われても受入れる覚悟を決めていた。

さすがに、目の前のキャラが自分のおかんとか以外は…。


「好きな人がいるの…」

「えっ」

「その人はとっても優しくて、いつもわたしを見守っていてくれて…頼りになる人なの」

「そ、それって…まさか」

「うん、すぐ近くにいる人…」


mona

「あ、あ、あ、あきちゃん!お、おれ、おれも!!」


源が動揺してどもっていると、いきなり陰陽のキャラが秋穂の隣に現れた。


「紹介するね。こちら三浦さん」

「三浦です!よろしく。ふひひ」


源の目の前には、施設でも馴染みだった三浦がいた。


「……あ?」

「源さん、おひさ!」

「あら、知り合いだったの二人とも」


困惑している源の様子など気にもせず秋穂は恥ずかしがりながら、いきさつを語った。


「三浦さんとは、源さんと知り合う前からずっと面倒みてもらっていて…。一昨日、告白されて正式におつきあいすることに…キャッ♡」

照れまくっている。小動物のように愛らしいのだが、源には何が何だかわからなかった。


「あ、あ……。え〜〜〜と…」


三浦がその様子をみて、ニカッと笑った。

「源さん。秋穂の面倒をみてくれてサンキュ。後は俺にまかせてくれ」

「………え。えぇぇぇええーーーー!?」

「驚かせてごめんね。でも、お兄さんみたいな、源ちゃんには一番に報せたかったの…」

源はモニターの前で固まっていた。頭がフラッグしていた。
あqwせdrfgtyふじこlp;

えーと…。何を言えばいいのかわからない。
カライセイロガンはタフでなければ完走できない。

おかんにナイキのバッシュを買ってきてくれと頼んで、ナイスのバッタもんを買ってこられたときのショック以上だ。
もうだめだ。

あれか。これはトンビに油揚げという結末ですか?
想定外だぜかのかっちゃん!

三浦の「ふひひ」が耳に響く。

こんなことなら、くそっ、くそっ!くそぅうううう!!!
壁がたりねぇ!

ははは…。

はははははははははははははは。

はっはっはっはっはっはっのはーだ。

その夜、源はカラオケスナックで「夢芝居」を泣きながら熱唱したという。


男と女 あやつりつられ

対のあげはの 誘い 誘われ

心はらはら 舞う夢芝居

恋はいつでも 初舞台  


源はこのあと半年ほどインポになった。

ま、めでたしめでたし。


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テーマ : 信長の野望online-鳳凰の章
ジャンル : オンラインゲーム

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No title

>烈風記者さん
源の下半身ネタはこれからも続きます!

>マソ君
今度は新宿のG街にて!

>にっかりさん
登録ありがとうございます。要望あればいつでもどこでも誰とでも!

>藤井さん
激しくどうでもいいw

No title

いんぽまん!
淫哺
淫歩
どれが正式な漢字なんだろう?

No title

おもしろ ブックマーク登録しました  今度うちも観察してください

No title

やーめん、吸ってるか?沈下すども
真紅あんだあなグラウンド乳した右乳首はカリッとな

お〜れが〜〜加賀の〜〜
たっちゃまお

あっと金澤でひとり飲兵衛なう

これは純愛物語か、と問われたら、私は素直に頷くことができない。
源、そして秋穂。二人を取り巻くリアルな人間模様は、さしずめユリシーズに似た現代社会への警鐘のメタファーであると感じる。
テニスンは謳う。
「我らにかつての力はないが、我々は我々だ。誇り高く戦う」
この詩が、源の精神の動きとシンクロする。
「ふひひ」と鳴り響く悪魔の笑い声の向こうに、僕らは何を見出すのか。
続編を期待したい。

No title

>林檎ちゃん
おおう!マソ君の一門に入ったのね!
彼は優秀な企画屋なので退屈しないと思うw
真紅NO1のコミュニケショーンの達人一門に乾杯!

No title

いつも思うんですが、凸さんは人間をよく理解していてホントすごいっす!
「たまらなく怖かった」これ、なんとゆーか・・・すごい好きです(#^.^#)
あ、マソさんの一門に入りました(^^ ばあぶうばぶうううw
プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
血液型:B

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