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森とみさおの戦国はらぺこ道中記6

近江に入った街道のすがらにあるラーメン屋ナミナミの館。

森、みさを、藤井の3人は腹ぺこだったが、銭がない。
銭なけりゃあ飯は食えない。
世知辛いご時世の風雨に曝され、往生する森一行。

2012年末、森達はみさをの悪食のおかげで飢餓の炎に包まれた。
喉は枯れ、尻は裂けあらゆる欲は減退したかに見えた。
しかし、森はまだあきらめていなかった。

世紀末モード突入〜!(岩本の声で)


ナミナミ館のラーメン無料の看板につられて腹を鳴らしながら、3人は暖簾をくぐった。

と、前回のおさらいをしてみるテスト。


「いらっしゃーい!」

暖簾をくぐると、威勢のいい女の声が店内に響き渡る。

中はテーブルが2つ、カウンターは九の字にしつらえてある。
つめて座っても10人は座れないほどだった。

客はカウンターに3名。
テーブルに2名。

カウンターの奥に、ほっかむりをした女がいて、威勢のよい挨拶はその女が発したものと思われる。

ところで異様なのは客の状態である。


「う…ううう…;;」

「し、死ぬ…:」

「ぐうぅぅ…」


5人ともうめき声をあげながら呻いているのだ。


「こりゃぁ一体…!?」

森がそう唸ると、店主であろう女がカウンターから出て森達をジロジロと眺め回した挙げ句


「アンタ達も、表の無料ラーメンをご所望かい?」

そう言って、オタマを右肩にかけてうんざりした眼差しで立っている。
声からすると30前後ぐらいだろうか。
目はちょっときつめだが、化粧映えはする顔である。


「あ…あぁ。しかしこの有様は…」

森は周りの客を見渡しながら、困惑気味に問いかけた。

藤井に至っては、頭を抱えながら意味不明な絶叫をしている。

「Oh!ジーザズ!ジーザズクライスラー!まるで地獄絵図デース。ラーメン食べたら2分で勃起デース!!」

みさをはみさをで客なんぞ目に入らないらしい。

「ラーメンラーメンラーメンラーメンラーメンラーメンラーメンラーメンラーメンラーメン」

ラーメンを食うことしか頭にないようだ。


店主の女は笑いながら言う。

「あんたらも実験につきあってくれるってわけね。じゃぁ早速食わせてやるよ」

そう言ってカウンターに入った。

森は、ありのままに今起こってる事を聞きたかったが、女は二の句もつがせないいきおいで麺をゆでている。

この女、以前確かにどこかで見たような…。

ハッ!と森は気がついたように、女に問いかけた。


「ナミナミ改!あんた、烈風初期の雑賀の廃人、ナミナミ改かっ!」

森の問いかけに、手を休めてじっと睨んだ。

「よしとくれ!その名はもう捨てたんだ。それに今は水商売から足を洗ってまっとうな生活をしている1プレイヤーなんだよ」

「あんた…、確か、織田の赤松達超廃人軍団と懇意にしていると勘違いされて晒されてたよな」

「…ふっ。そんなこともあったかしらねえ。どっちにせよ遠い過去だよ」

「噂では聞いてるよ。初期の雑賀での活躍は」

「ふうん…。あんたは見ない顔だね。新生とかからかい?」

「まぁそんなとこだが…」

あいづちをうちながら、ナミナミは再び手を動かし始めるとスープを碗に移し始めた。


「しかし…あのナミさんがこんなところでラーメン屋とはねぇ」

「ラーメン好きなのよ。あたし」

そう言ってにっこり笑う笑顔には、廃人乙女の面影はまったくない。
そこには、ただラーメンを愛する女が一人いるだけだった。

「まぁそれはいいとして…。この客のざまは一体なんなんだ?」

森は死にそうな客を眺めながら、ナミナミに不審な目を向けた。


「だから実験だよ」

「実験って何の?」

「新しいラーメンへの改革の実験さ。挑戦と言い換えてもいいかな」

「……まさか、無料ってぇのは…」

「そ!お察しの通り、あたしの新ラーメンの挑戦のための実験台になってもらうためよ(キリッ」

「………」


なるほど合点がいく。
昨日からすれ違う旅の者が、腹を抑えて青い顔をして通り過ぎて行くのが気になってはいた。

無料ラーメンは、まさにナミナミが新しいラーメンに挑戦するための実験。
そのモニターを「無料」という言葉で釣っていたのだ!!

ババーン!!(JoJo調効果音)

ただほど怖いものはない。
しかも、客の様子をみると、ただ事ではない不味さ、いや生命の危険すらあるものだ。

なんてこったぁー!
無料に釣られて腹を空かせて入った店で、惚れた男のためにラーメンを作ってる烈風の初期廃人ナミナミ改の新ラーメンのモニターになっちまうとはー!(スピードワゴンさんの解説風)

と、森は口に出して解説した。

「簡潔な説明ありがとう」

ナミナミは、投げ捨てるように言うと、くるりと向きを変えて厨房に戻って行った。

「ただほど怖いものはない。まったく至言だ」

森はそう言って、出て行こうと出口に向かった。

その瞬間、入口の戸の壁にひゅんと何かがつきささった。

びぃ〜〜んと出刃包丁が壁につきささってしなった音をあげている。


「Oh〜〜!オッカネーデース!!!ビンビンイッテマスネー」

「なっ、何をする!?」

森が怒気をこめて咎めると、ナミナミは目を吊り上げて怒鳴った。

「にがしゃしないよ!一度ここに入った客は何が何でも食うまでは帰さないからね」

ナミナミは包丁を投げたままの姿勢で怖い担荷を切っている。
やはり、元は初期廃人。一筋縄ではいくはずもない。

被っていたほっかむりが外れて、ふわっとした髪が肩に落ちた。

「ほぅ…」

その姿を見て森を含め、みさをと藤井の二人も思わず息を飲んだ。

「意外だな。なかなかの別嬪じゃないか」

「オーマイ!!エクセレーント!ゴージャスでぇーす。これは一晩お願いしたいレベルデスネー。カックンカックン、メイクラブハウマーッチ?」

「ふ、ふんだ!あたしのが可愛いもん!!」


みさをがぷぅとふくれると、藤井がすかさず突っ込む。

「ヒャッハー!ネーヨ!それはネーヨ!ナイナイ恋ジャナーイ!youの頭、日本沈没デスカー?アーユー池沼??」

「あー?お前これ以上喋ったらまじで泣かすぞ。豆泥男がよ!いますぐ西向かせたろか!」

みさをが藤井の首を絞めながら、メンチをきりまくっている。

「Oh〜〜〜!の〜〜><;オマワリサーン!コノヒトデーエース!!!」

藤井はひきがえるのように、声をかきむしりながら逃れようとするが、みさをの豪腕からは逃れる術はない。
さすがに、元関東連合、紫の薔薇2代目総長だっただけのことはあった。
すげぇ迫力と胆力である。
くれぐれも調子のってマジギレさせないようにしよう。
森は改めてそう思った。

その様子を見ながら、ナミナミはほっかむりを被り直し、ため息をついてぽつりとつぶやく。

「…男がいたのさ。本気で惚れた男がね」

「へぇ…」

「その男は烈風で共に活躍していたんだけど、ある都合でインできなくなってさ。それっきりさ」

「まさか…その男がラーメン好きだったとかかね?」

「…笑っちゃうだろうがその通りさ。あの人が好きだったラーメンで天下を取れば、私の事も思い出してもらえるような気がしてね」

「悲恋だのう。メンマの先に滾る想いか」

「いや…あの人はメンマは苦手だったわね」

「;;」


みさをはその話を聞くと涙ぐんで鼻水をたらしている。
素直に感動しているようだが、笑うとこじゃないのかここは。

「ラーメンを作って待つ女の心…。わかる、わかるわぁ;」

みさをはぐすぐす言いながら、泣きじゃくっている。
なんだこの女。

藤井は藤井で、ナミナミの胸の谷間をのぞきこもうとして、背伸びをしている。
それをナミナミが気がついて、菜箸で額を貫かれて、ぎゃあと叫んで転げ回っていた。

何やってんだこいつは…。


森は腹を決めた。

長渕の唄がいきなりリフレインする。
食うなら今しかねえ。食うなら今しかねえ。

とにかく出るには、あの地獄ラーメンを食うしか道はないようだった。

3人はテーブルに着いた。
5人の客はようやく息を吹き返して、今しがたよろよろと外に出て行った。

恐ろしい。そもそもラーメンなんぞを不味く作るほうが才能がいる。
セオリー通りにやっていれば、うまくはなくともゲロ不味ラーメンなどはそうはないものだ。

ナミナミ。恐ろしい子。

惚れた男のために作ってみましょうこのラーメン。
包丁一本晒しに巻いて、ゆくは冥府魔道の恋の道。
ラーメン乙女よ永遠に。

「おまちどう!」

テーブルに運ばれたラーメン。

スープは黄金色で一見、普通のラーメンに見える。
匂いも醤油豚骨の香ばしい香りがしていて何とも食欲をそそるものだった。


「……では」

そう言って、森達は割り箸を割って、目の前のラーメンを食い始めた。

「ぐ!?」


3人の運命は如何に?



【続く】

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No title

>みさおっち
泣くな10円!つのだじろう
そのうちいいこともあるだろうw

>佐渡さん
さぁ、食べるのです。今日も明日もラーメンをw

>藤井さん
モデルはあんたですがなw

No title

この藤井って言うのはキテイ過ぎて笑える!

No title

ラーメンはドラマですなぁ。。。

No title

顔は負けてもわっわたしのほうが巨乳だも。。。ウソです しくしく
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凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
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