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森とみさおの戦国はらぺこ道中記2

森達が宿場に辿り着いたのは、既に夜半である。

街道に点在する宿場だけあって、そこそこに賑わっていた。
師走の喧騒も手伝ってか、往来する人々もせかせか歩いてるように見える。

安宿を見つけることが出来たので、野宿だけはまぬがれたが、腹の虫はぐぅと鳴く。

二人は宿で記帳を済ませて、なけなしの金でコンビニのオニギリを買うことにした。
何も食わないよりはいい。

みさをがそこらの店を物色している。
獅子鍋を出している店の軒先から味噌のいい匂いが漂ってきているのだ。

「ごくり;」

森の袖を引っ張って、無言で指を指すが、森は首を降ってNGサインを出す。

みさをは泣きそうな顔をしながら、指を加えて通りすぎるしか無い。
森だって腹は空いていた。なにせ、みさをが通常の4倍で飯を食うものだから、おのずと自分の分は減らすしか無い。

コンビニのおにぎり一個ではとても満足はできないが、懐がこうも冷え込んでいてはいたしかたない。
二人は肩を落としながら、コンビニを探したがこの宿場にはコンビニどころか吉野家や松屋もない。

「これは帰って寝るしか無いか」

森がそう言うと、みさをはいきなり道の真ん中で叫び出した。

「ノーモアー ヒロシマ!リメンバー パールハーバー!アイアム ベリー ハングリィ!!」

「ちょっ…みさをさん;」

みさおは狂ったように異国の言葉をわめきちらしている。
往来の人々も、なんだなんだと足を止めて二人を見た。

みさをはへたりこんで、しくしくと泣き出した。空腹でみじめな気持ちになってくる。

腹が減っては戦もできぬ。しかし先勃つものが無ければSEXもできない。
森は途方に暮れてしまった。
せめて日清のカップヌードルが売ってる店でもあればいいのだが。

へたりこんでいる、みさをの手を引っ張りあげながら、周囲の人々にお騒がせしてすみませんと一言詫びた。

よろよろとその場を去ろうとすると

「チョットマッテクダサーイ」

と、妙なイントネーションの男に声をかけられた。


「はい?」

森が振り向くと、何やら珍妙な出立ちの男がニコニコしながら立っている。
イスパニアの鎧をつけ、三銃士のような格好だ。
顔が真っ黒でまるで土人のようである。

「アナタ達おなかペコペコデスカー?それならちょっとバイトシテミマセンカー?」

「は?バイト」

男は、うんうんとうなずいて顎をしゃくりながら近づいて来た。

「失礼シマシータ。ワタシこーいうものデース」

男は名刺を差し出しながら、くるりと回って西洋式の礼をした。
やることがいちいち芝居がかっている。

名刺を見ると白い上質紙に筆書きで「ジョナサン藤井」と書かれている。

「どうぞ気さくにJ(ジェー)とお呼びクダサーイ」

みさをが目を丸くして驚く。

「藤井って…まさか突さんの知り合いの藤井さん?」

「OH!凸さんと縁故の方デシターカ!それなら益々チョードイイデース」

「っていうか…なんでそんな話かたなの?」

「これは失礼シマシータの松本コンチータ。ワタシ大航海時代が長かったもので、日本語が片言にナッテシマッターノデス」

「英語になるならわかるんだけど…なぜに片言…」

「細かいコト気にしたら負けデース!働かざるモノ食う寝る藤井デスヨ!とにかく腹一杯食いたいならバイトするしかないのデース」

森が胡散臭そうに、J(ジェー)と名乗る男を見る。
いまいち信用できないのである。

「凸さんと友人ということだが…見ず知らずの我々にバイトを斡旋するとか、あんた一体何者ですか」

「ワタシ?私ストロベリー!貧乏人のメシヤでーす!」

「おい…さっきJ(ジェー)とか言ってなかったか?それにあんた飯屋には見えないんだけど」

「Oh〜;このアメリカンジョークが理解デキナイトハ;;よっぽど貧しい暮らしをシテキタノデスカネ」

「大きなお世話だ。行こうみさをさん。こんなんに関ってる暇はない」

そう言って背を向けて歩き出そうとしたが、みさをは動かない。

「みさをさん…」

みさをはそれこそ捨てられた子犬のように、森を見ながら哀願ポーズをとった。
下を向きながらいやいやするポーズである。

「モリリン…。お金ないよ、バイトしてみようよ…。凸さんの知り合いの藤井さんだし悪いようにはしないと思うの」


人は空腹になると、生気もなくなる。はじめにイライラ、そして徐々に元気がなくなり、何もしたくなくなる。
エネルギーが精神的にも肉体的にも切れるのである。
みさをはまさに今その状況であった。


「HaHaHa!おkほーけ〜。東京コンドーム!お嬢さんのほうが話ワカルネー!バイトなんて簡単なお仕事デスヨ。ベリベリーチープね〜。それで飯ウマ腹イッパイネー。あなたもハッピー私もハッピー!」

「ごはん…。バイトすれは本当にごはんくれるの…:」

「マッカセナサーイ!貧乳ガール!!ごはん食べればオッパイもデカークナルネー!!これホント、ホントのこと!」


バキッ!

みさをは、ふらつきながら藤井のテンプルに渾身のショートフックを放った。
元気な時の半分以上の力ではあるが、藤井はよろけてもんどり打って転がった。

「はぁ、ふぅ;;か、歌舞伎町のゲーセンで、250kg出した拳をなめんじゃないよ!こんど貧乳言ったら鼻を砕くからねっ」

ふらふらしながら、担荷だけは衰えていない。

藤井はむくりと起き上がって笑い出した。

「fufufufu!HaHaHaHa!ジャパニーズゴリラガール、ファンタスティック!ナイスパンツねー」

みさをの攻撃がまったく効いていないようだった。
森と同じくタフな男である。
半減しているとは言え、みさをのパンチは全盛期のタイソンと同様の破壊力を持つ。
常人なら昏倒して1時間は起き上がれないはずだった。

みさをは全ての力を出し切ったように、憔悴している。
目がうつろだった。空腹でいよいよ限界にきているようだった。

J藤井はダディクールのような目をしながら、ふらついてるみさをの肩を抱いて繁華街の方へ歩いて行く。
森は舌打ちをしながら、それを追った。

「やっかいな事にならなけりゃいいが…」


同時刻─甲府。

周防玄徳の屋敷では、一門員を集めて鍋料理が振る舞われていた。

「あーーーっ!!!おまっ!やめろよ!!」

「このほうがコクがでるんだよ」

豚すき鍋にビールを入れる周防に地獄突が怒鳴っている。

「そうは言っても俺は嫌いなんだよ…」

地獄突はぶつぶついいながら碗に汁を入れていた。

他は、奥多摩と新田のメンツがいる。

一門の中心である長瀬と冬場、にゃん娘の足利メンツは京に滞在している。
誘ったのだが、甲府まで来るのは億劫だったようである。


「しかし…森さん達は大丈夫かね。無事に京に辿りつけるといいが」

突がそう言うと、たまちゃんと呼ばれる奥多摩が、十分に味の沁みたブリを齧りながら

「みさをがいるから安心できないね!下手すると森さんまで食べちゃうから」

笑うでもなく表情を変えずにそんなことを言う。
たまちゃんは、人見知りで変わった子だが妙にみさをになついていた。
二人で話しているのを聞くとまるで兄弟のようにじゃれている。

新田は、無言でもそもそと食べている。
時折うなずきながら舌鼓を打っている。
食事中にしゃべるのは罪悪だと言わんばかりに、一生懸命食べていた。
しかも、肉ばかり食っている。
突から野菜も食えよ!と言われてしぶしぶ白菜を碗に盛ったりした。


「死にゃしないだろう。いい大人なんだし」

周防が好物のポテトフライをつまみながらビールを飲み干した。
周防はとにかくポテトフライと唐揚げさえあれば、何にも要らない。
鍋にもほとんど手をつけていなかった。


突は、何やら胸騒ぎがしている。
他の3人は鍋をつつきながら、思い思いに楽しんでいるようだが、突はどうにも落ち着かず楽しめない。

「じゃ、うどんで閉じるか」

周防がそう言い出すと、新田と奥多摩は異存無く頷いた。

突は思いだしたように叫んだ。

「おい!玉子で閉じるのも忘れるなよ」

「めんどくせぇ;」


悪態をつきながら、周防が台所に向かうと突は鍋を見ながら考えた。

オジヤのほうがいいかもなと、二人の心配なんぞすっかり忘れていたのは言うまでもない。


【続く】





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テーマ : 信長の野望online-鳳凰の章
ジャンル : オンラインゲーム

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No title

>藤井さん
ティンポを握れば2分で(ryどぴゅっどぴゅっ!

>みさをん
無駄無駄無駄ァ!うりぃいい!

No title

藤井さんも美味しそうだけどお鍋も食べたい>< 豆乳鍋で脱ヒンニュウめざします!

No title

怪しい斡旋人になっている件w

鉛筆持ったら未来の党!
このニュースを見たらこの世の終わりかと愕然とした。
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凸

Author:凸
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生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
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