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時計仕掛けの琴波

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降りしきる雨の中に俺と平社員は立っている。
肩から白い湯気が立ち上る。
暗く苦い冬の雨だった。

時刻はもう午前2時。草木も眠る丑三つ時も近い。

琴波に拉致られて俺たちは合戦の場にいる。
奴は俺が休止する前と変わらずの稼動率である。

今は陰陽の倖田來未というキャラを使っている複垢プレイヤーだ。

俺は琴波に問いかけた。

「なぁ琴」

「ん?」

気のない相づちで俺を見ながら、どこか遠くを見ているような目だった。

「お前はなんで働かなくて平気なんだ」

そう問うと、琴波は俺をじっと見ながら少し笑ったように見えた。


「ふ…。興味津々の割りにはブログネタを探していると言った顔だな、おっさん」

「……」


琴波は考え込むポーズを取りながら、曇天の空を見上げる。

「そうだな…。関係ないからじゃないか」

「なに!?」

「言い訳の言語化か…。あんまり好きじゃないしな…。いや、しかし」

琴波は言葉を区切りながら、またしても考え込む。

「案外、就職を決める道はそこにある、か」

そうブツブツ言いながら、先に進んでいく。


なんだこいつ…。
俺は正直そう思ったが、よくよく考えると琴波だから仕方ねえなとあきらめた。

平社員が俺の肩を叩きながら、気にするなと言う。

「琴波は長渕剛みたいな奴なんだ。気にしたら負けさ。そんなことより聴いてくれ。10年前の合戦に殉じた廃人たちに対する鎮魂歌 。『クローズ・ユア・アイズ』 」

「俺は巡礼歌が好きだった」


しかし…この感覚。真夜中に合戦にでて武将やるなんざ相当久々だ。
しかも人は少ないし、なんで北条と敵対になってるんだ。

ああ、そうか。合戦はもう全鯖統一になってるんだったな。
うっかりしてたぜ。


烈風の木曽川を思い出す。あの頃は──
まだ俺も売り出そうとしてやっきになってる青二才だったっけ。

レンホー、お茶屋、アンジー、黒船…etc

名だたる歴戦の猛者達が大名を倒すために、一丸となって団結してた時代だ。
合戦がまさに華やかせり。百花繚乱に咲き乱れたプレイヤー達が想いを募らせ絆を深めたあの戦。
それを思うとなぜか胸がせつなくなる。

藤川みさをの口癖が思い浮かぶ。

「わたし気になります!」


……いや、こりゃ違うな。

「まだ4年目だけど信オンが大好きです!」だ。

俺もそんな風に言えた時代があったよなぁと思う。

今はただ、ゆく河の流れを見守るだけの傍観者だ。
夢の残骸である。ジギー・スターダストなデヴィッド・ボウィ。
信に堕ちてきた男である。

武将に向かって行軍をしながら、夜中だというのに妙に頭がすっきりしていることに驚く。
酒は呑んでいた。というより、帰りがけに買った「初孫〜姫ごころ」の790mlボトルを、一門で遊んでいるうちにすっかり飲み干しているのだ。

頭をさわってみた。頭髪は無事だ。
冷えきっているから禿げたのかと思った。

琴波が、味方の知人から「まかせたぞ」と打診を受けている。
それに答えて「おぅ」と短く返事をしていた。

しかし…琴の奴は本当に元気だな。
電池切れとか起こさないのかよと不思議に思う。

琴波に追尾して背中を見ると、なにやらにょっきり銀色のものが背骨のあたりから生えている。

なんだこれ…。

そう思って覗き込んで見てみると、なんと琴波の背中にはゼンマイが生えていた。

「!?」

驚くその様子に気がついたのか、琴波が後ろを振り返って俺を見た。

「わりぃ。おっさん、ちっと巻いてくれ」

そう言うと、ケタケタと笑い出した。

狼狽した俺は平社員に話しかけようとしたが、平社員は首を振って微笑むだけだ。


刹那にミッキー・ローク主演の「エンゼル・ハート」の邦題のキャッチコピーが頭に浮かんだ。

「人間には知ってはならない事がある」

その後、どうやって落ちたのかは記憶がない。
武将にぼこられた気がするが、まぁそんなもんだろう。
奴はブリキの太鼓だったのだな。
デヴィッド・シルヴィアンも泣くわけだ。

琴波。信オンに産み落とされた烈風最後の異端児。

俺は奴にこう言いたい。


「お前平田だろ」


そして明日から3連休である。
では実りある週末を。



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No title

>かずは
ツカさんはゴム駆動だ。ゆえに反復作業が得意。

>藤井さん
いまさら感もあるが、地獄少女って別に悪くもない奴が勘違いで地獄に流されててワラタw

>みちゃおっち
もう6年とは月日の経つのも早い事。信も釣りとかありゃもちっとのんびりできそうなんだがのお。

>烈風記者さん
召喚徒党は記憶にないが、初期の浅井留学中には陰陽6で俺鼓舞ってのはよくやりました。楽しかったなあ。ちなみにその時にはふぇいの存在は知りませんw

>佐渡さん
あの後に武将に行って糞眠かったw


No title

シンデレラより早寝な自分は夜中は絶対無理ですw
合戦がもっと盛り上がって欲しいね。

在りし日の思い出

木曽川で殺戮部隊に叩かれた。
深夜0時をまわった道三本陣前だった。
「なにっ!俺、ソロなのに!まだLevel20なのに!」
あの日、あの時、俺の中で何かが弾けた。

数年後のことだ。
「殺戮部隊らしき対人徒党がいます。掃除お願いします」
合戦チャットでログが流れた。
教授もいない。アリスも去り、角栄も消えた。
しかし、俺の鉄砲魂はまだ死んでいなかった。
鉄徒党を組んでいざ殺戮部隊へ。

叩くより先に叩かれた。
「なに!召喚徒党かよ!軍だけ凸さんなだけじゃん!」
俺の心が叫ぶ。

すべてが懐かしい近未来の話。
JPホーガンのガニメテの巨人たちに僕らは踏みつぶされ、戦場の塵となった夏。

No title

もふもふー
もう6年生だにょ!
ってあれー 5年生だったかも?
まぁどっちでも信が楽しい事にはかわりなーし♪

No title

地獄少年藤井現る!

あぐりさんのおなかに電池ケース発見!
今時、四角い電池とかやめてほしい…


ツカさんはソーラー発電って本当ですか?
プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
血液型:B

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