スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

信On SS番外編 願太編【冤罪?有罪?もうお終い! PART.2】

cdfvdbdbhfd

居場所は自分で創るものだと人は言う。
僕はそうは思わない。
居場所など人である限りないどこにもないのだ。
居場所を探すよりネグラを探すほうが人生は有意義だろう。
だって人生の半分以上は寝て過ごすのだから。

ニシ・ン・ジョー 2012



その日の願太は忙しかった。

高レベルの陰陽はこの時代はスターだ。
もてる。超もてる。
パプアニューギニアにいる妖怪モテモテだ。
侍もそれなりにもてたが、やはり華は陰陽だ。
特に火力の高い火陰陽、煉獄陰陽がもてた。

願太がその時、火陰陽だったか知る由もない。当人ももう忘れていることだろう。
丹などももちろんバラ持ちである。5輪丹すら当然ない時代だ。
属性丹と強壮丹を持てるだけもって狩りをする。
古き良き時代だった。

狩人2丹、その後は上野屋敷で1丹。
フリーの陰陽であればすぐさま対話が飛んで来る。

まだ若く体力・気力が充実していたあの日々。
休日などは、狩人連続5丹なども経験した。

さすがに疲れるがそれでも心地の良い疲労感がある。
狩りをしながら初めて徒党を組む人と、知人登録をしたり雑談をしたり。
MMO RPGにおいてレベルが上がりにくいというのは、プレイヤーのモチベーションを持続させるカンフル剤だ。

今ではあまりにもチープにレベルがあがる措置が施され、レベルの価値観が損なわれている気がする。
それも時代の趨勢か。それとも単に老いたのか。

ともあれ願太のMMOライフはバラ色だ。

たわいのないことでも喜びに繋がる。
丹がキレて狩りの終わりを告げる党首。

「では道中お気をつけて。またよろしくお願いします」

党首が慇懃に挨拶をして解散のコールをする。


陰陽は移動スピードの上がる技能があるからいいのだが、侍鍛冶などは行進がないと鈍足な時代だ。
早馬もない時代だ。神に行進をかけてもらいえっさかほいと移動する。
市もないので神足薬などなかなか手に入らない。

ともあれ、今日も狩りが終わってそんな充実感を味わえた一日だった。


甲府に戻って来ると、いきなり対話がきた。


武田の知人であるリアル女性プレイヤーからだ。
ここではあえて、桜子(仮名)としておこう。

桜子は噂ではリアルでもかなりの美人であるとの情報があった。
既にオフ会などもやっていたプレイヤーも多い。
別の知人がそのオフで桜子の印象を願太に教えてくれていた。

「願太さん、こんにちわ〜」

「こんにちわ桜子ちゃん^^」

どうという関係でもなく、ただの仲の良い知人同士だ。
特別な感情はない。しかし女性プレイヤーでリア美ちゃん。

ここで希代の色事師タッチャマソなら、こんな美味しい獲物は見逃さない。
BGMにDURAN DURANの「美しき獲物」のテーマが流れ、まさにハンターの眼をした肉食獣になるはずだ。
しかし、それすらRPの彼にはベタッとしたいやらしさは無い。
小学生がスカートをめくる感覚で下ネタを連発するのだ。


願太はもちろん、タッチャマソのようにはじけるキャラではない。
下ネタ話には加わっても、セクハラまがいのことは口にしない。

……しないと思う。しなかったはずだ。しなかったよな願ちゃん。

桜子がしばらく間を置いてまた対話をしてきた。

「願太さん、あのね、ちょっとね…」

何か言いにくそうに、言葉を切る。


「ん?な〜に?何かあるの」

「えとねぇ、少し聞いてもらいたいことがあるんだけど…」

「なになに?何か相談ごとかな」

「うん…実はね」


願太はよくこのような相談事を持ち込まれる事が多い。
キャラ的にほのぼのというか、のんびりというか、せかせかしていないのだ。
当時、武田には夫婦プレイヤーが数多くいた。

その嫁方と話す機会も多く、仲のいいのは旦那より嫁のほうだった。
つまりは主婦の井戸端につきあうスキルに長けていた。

その時、桜子が彼氏か旦那もちであったかは願太にはわからない。
しかし、プレイヤーのあいだでも相当もててたらしいと噂はあった。

あっちの話だろうなぁどうせ。

そんな事を考えながら、願太は話を聞いてやる事にした。

話はこうである。

野良の狩人徒党で知り合ったプレイヤーからしつこく対話が来て困っている。
メアド交換しようとかオフをやろうとか。
頼みもしないのに、ドロップアイテムを押し付けてきて、インするとすぐに対話がくるという。
徒党内でうかつにリアルを話してしまったのが、いけなかったと悔やんでいた。

早い話がストーカまがいのプレイヤーに粘着されているということである。
ピシッとはねつけられれば問題もないのだが、桜子は気が大人しく、きついことは面と向かっては言えないらしい。

願太は、それなら俺がその男にビシッと言ってやるよと気合いをいれた。
男、願太。ここで立たねば何とする。女の涙は男の傷み。
守ってあげようあなたの笑顔。

そんな臭い事を言ったかどうかはわからない。
わからないが、人肌ぬごうと思った願太は次の日に行動にでる。

桜子に静電気のようにまとわりつくストーカーの名前を聞き出し、対話を入れた。

「かくかくしかじか、それぞれだから、今後彼女に関るのはやめてもらえないかな」

できるだけ丁寧に抑えて告げた。そのストーカーの名前をここでは、照山としておこう。
照山は侍だった。この当時、侍と陰陽のカップルはかなり多かった気がする。
狩人で仲良くなり、あれよと言う間に相思相愛カップル一丁上がりってなもんである。
侍の照山と桜子は数週間前に、狩人徒党で一緒になり、しばらく固定のように共に狩りをしていたという。

照山が願太からの対話を受けて静かに言う。

「あの…。それ桜子さんから言われたんですか?」

「そうです。本人からです」

「…そうですか。仲の良い知人だと思って面倒を見ようと思っていたんですが…ありがた迷惑だったようですねえ。わかりました。今後桜子さんには一切関りません」

「えっ、あ…まぁそうしてもらえると助かります。誤解なのかもしれませんが本人が怖がってるもので」

「いえ。私も慣れ慣れしかったのかもしれません。では、あなたも…いやいいんです。失礼します」


願太は対話を終えてためいきをついた。
話した感じでは、照山は至極まっとうなプレイヤーである。

もしかしたら桜子が、過剰に反応しすぎているのかもしれない。
でも、犯罪者って外づらはいいのもいるからなぁ。
ああは言ってたけど、もしかしたらエスカレートした行動にでるかもしれない。

とにかく、少し様子を見てみよう。
一抹の不安は残るが、それでも重い荷物を軽減できたようには思う。

何より、怯えている女性の不安を軽くしてあげられた事に悦びを感じた。

早速、桜子に対話して事の仔細を話すと、桜子は喜びを隠さずに何度も願太に礼を言った。

その一件から、願太と桜子は急速に仲良くなった。
恋人関係などではないが、お互いの杞憂などを遠慮なく相談できる間柄になっていた。
知人から友人になったのである。

あれから数週間経ったが、特に照山から対話があったとは聞いていない。
接触することを完全に止めたのだろう。
思えば、桜子の多少の勘違いだったのかもしれないが、それでもかなりしつこかったのかもしれない。

うざいと感じるならまだしも、恐怖を与えてしまうような接し方はやはり問題がある。
照山も悪気は無かったのだろうが、あまりに急ぎすぎたのかもしれない。

「不器用だったんだなあ。気の毒に」

そう思えば、照山を少し可哀想に想う気分になる。
勝手に知人登録をして警戒をしていたが、ここ一ヶ月はイン率も少なく、週末にちらほらインしているぐらいだった。


とにかく、結果はオーライで桜子も毎日安心してインしている。
願太は桜子のインを確認すると、まっさきに対話をいれて色々と状況を確認していた。

平穏な日々が流れていく。
桜子を雑談をしていると、オフの話も出て「いつか会いたいねー」とかも言ってくれている。

そんな日が来るのを楽しみに、願太は信ライフを満喫していた。


ある日のこと。


願太が例によって軒先にぼーっと突っ立っていると、知人達が目の前を通りすぎる。
所作を送って挨拶をするが、誰も答えてくれない。

「あれ?」

いつもならすぐさま所作や対話が来るのに。

生産ギルドの仲間や、部隊会話などでも顔見知りは多いのだが、その日を境に願太は知人から対話や所作がこなくなった。

桜子などに対話を送っても、「いま忙しいのごめんね」とか言われてチャットもできない。
来るのは野良からのお誘い対話ぐらいだ。

「俺、何かしたかなぁ…」

願太には理由がさっぱりわからない。何が何やらわからない。
知人との対話のない日が続いた。

気のせいか、突っ立っている願太を避けるように知人が通りすぎていく。
願太はこれほど孤独を感じた事はなかった。

新宿の雑踏に一人立って、そこには誰も知り合いがいないという感覚。
大衆の中の孤独。
人が多いほど孤独を感じる。絶対的な孤独。
居場所がない。

人は悲しいから泣くのではない。さみしいから泣くのである
どうしようもなくさみしくて人は泣く。

願太は、今まで一人だと想ったことはなかった。
生産徒党、狩り、クエ、雑談。それをとっても誰か傍らにいたし、孤独を感じる暇などなかった。

一体何故。

なんでこうなったんだろう。考えてもわからない。
願太は泣きたくなった。いや…既に心が泣いていた。

願太は両替前に突っ立って、雑踏の中で必死に答えを探していた。
次第に気分は暗くなっていく。

しかし、ある知人からその理由を知ることができた。


理由は、

桜子に願太がしつこくつきまとっている

という噂が広がっているというのだ。

「願ちゃん、やめなよストーカーは」

lkjkyuilfy
↑想いもかけない事実に驚く願太


冗談まじりにそう言われたが、洒落にならない。笑えない。
毎日僕眠れない。愛せない。

「はぁ??」

わけがわからない。

おいおい。なんだそれは。ストーカーの相談を受けてそれを解消してやったのはあるが、なんで俺がストーカー扱いされとるねん。

意味がわからない。
しかも、話の出所は桜子本人だという。

ますます意味不明である。
知人ではなくもう友人と言ってもいいはずの関係だし、無理にオフやろうとかメアド教えてとか言った記憶もないのだが。

桜子に直接問いただしたかったが、最近はインしていない。

ただ、噂は甲府中に広がっている。Tウイルスをばらまかれたスターズの気持ちが少しわかった気がする。
ストーカー願太。
そんな噂が広がって、願太は孤立無縁となった。やってないと言っても桜子本人から誤解を解いてもらわんと意味が無い。

願太は途方に暮れた。日清のカップヌードルを食いながら思案にくれるが、肝心の本人がいないのではどうしようもない。

いっそ紹介文に書こうか。

僕はストーカーじゃありません。ふぉっふぉっふぉっ。



だめだ…。ギャグをかましている場合じゃあない。
言い訳の上塗りなど無意味すぎる。

「まいったなぁ…;」

しかし、なんであの桜子が自分のことをストーカー呼ばわりするんだろう。
話していてもそんな素振りはまったくなかったし、こちらもしつっこく対話などした覚えもない。
ただ、その後どうだいと心配して対話をいれていたくらいだが…。

はっ!


願太はこの時、気がついた。

照山が会話の最後にいいかけた言葉。

「では、あなたも…」
確かにそう言っていた。照山はこのことを想定して言っていたのかも知れない。

ということは……。


数日経って、昔馴染みの知人でもある竜(仮名)から対話がきた。
夫婦で信をやっており、願太とは夫婦両方とも懇意にしてる知人である。


「願太さんおひさぁ」

「あ、竜さんおさあ!最近みなかったね」

「いや、ちょこちょこ入っていたんだけどね。ちょっと信内で色々あってね」

「色々か。こっちももうなんか大変だよ;」

「ああ、聞いてる聞いてる。ストーカー扱いされてるってことね」

「うん…;」

「それさぁ。俺もやられたんだよ」

「えっ!?竜さんも?」

「実はさ…」



竜が桜子に相談を受けたのは2週間ほど前だ。
願太がしつこく対話してくるので困っている。何とかならないだろうかという内容だった。


「おおいーー!なんだそれ…」

願太が悲鳴のような声をあげる。チャットだが表示フォントに意志がこもっていた。

「だろ?…だから俺はそんなことはないとしつこく言ったわけよ。あんたの勘違いだってね」

「ありがたや;竜さん」

「で、商売柄、説得して納得させるってのは慣れてるから、その後も説得してたわけよ。そしたらさ…」

「ストーカー扱いですかw」

「それがさぁ、うちの嫁に相談してきたんだよ、桜子の奴(爆。夫婦だってこと教えてなかったからさ」

「うはっ」

「そんで嫁が怒ってさぁ、旦那から聞いてるけどあんたおかしいんじゃないの!とぴしゃりさ」

「うへぇ〜」

「自意識過剰すぎるのと、メンヘラだったんだなぁ。ちょっとやばいねあの人。素行がみんなにばれたから引っかかる人ももういないだろうけど」

「そうだったのか…」

「願ちゃんの冤罪はもう晴れてるよ。それ以来、桜子はインしてないみたい。聞いてみると、他にも被害者がいて相談に乗った奴かたっぱしからストーカー扱いしてたらしいね」

「……」

「ま、触らぬメンヘラに祟りなしってことで。俺も嫁がいなかったらどうなってたことか(笑」

竜はカラカラと笑うと、約束があるからと狩りにでかけていった。

結局、あの桜子とのチャットはなんだったのだろう。
人のためによかれと思ってやった結果がこれか。

オンラインには様々な人種が往来する。
その中には悪意を持って人と接する輩も少なくない。

また、こちらの好意が必ずしも相手の益に繋がるとは限らない。
過ぎたるは及ばざるが如しだが、この場合はちょっと特殊であろう。

精神的に病んでいる人に対しての過剰な接触は、己のためにも本人のためにもならないということだ。

こうして願太は、はからずも、知人のトラブルがきっかけで冤罪を解くことができた。
桜子はその日から姿を消したと言う。


酒を飲みながら、願ちゃんは笑いながらそう語ってくれた。
私も大いに笑った。

なんてことのない、MMOの日常を切り取った話ではあるが、
こんなオムニバスストーリーがいくつもあるんだろうなと思った。

それこそあなたにも、私にも。

だからこそオンラインは面白い。
人がそこにいるのだから。

nhgkmuiluhtdd


【終】

スポンサーサイト

テーマ : オンラインゲーム
ジャンル : オンラインゲーム

コメントの投稿

非公開コメント

No title

>Gちゃん
本当はもっと掘り下げてじっくり書きたかったんだが、かいつまんだ話しか聞いてないんでしょうがないなぁw
もっとおもしろ怖くはできたはずなんだが、まあ力量が足りんね

No title

亀レスすまぬぅ>w<
久しぶりに見に来たら僕の事書いてあってワロタw
懐かしいねぇ・・・何年前の話か忘れたけど、あの人は今何をしてるんだろうか?w
別ゲーで被害者が出ていないことを願ってますw
とりま、僕のような小者をネタにしてくれてありがとさーん!!
あと、僕のネタって言ったら煉獄事件くらいかなw

No title

>マソ君
コンパってもう死語だよね!
(枯れたおっさん達には…)
あ、殴る壁が無い!

No title

コメント一番槍ぃ〜うぃ〜^^^^^^
すげえ話でしたwww
ぽっくん、今週と来週でコンパ②回してきましゅ^q^
がんたがんばれ!ぽっくんもがんばる‼
プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
血液型:B

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ
リンク
最新コメント
ブログ内検索
RSSフィード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。