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【あんた乳首が】信オンよもやま ★2【煤けてるぜ】

源は精神的にも肉体的にも追い込まれていた。

たかがネトゲ。されどネトゲ。オンラインに巣食う魔物は容赦なく源に襲いかかる。

汚れちまった悲しみに. 今日も小雪の降りかかる
汚れ ちまった悲しみに. 今日も風さえ吹きすぎる

死にたい。でも死ねない。このままではブルーコメッツ、いや破滅だ。
冗談をかましてる場合じゃない。

何とかしないと。

しかし、この場合の妙案なぞあるわけがない。アミダのように取捨選択しかないのである。

逃げちまうか。
あらほらさっさーで姿を消して1〜2年ほとぼりが冷めるまで大阪の南に潜伏してればいい。
時間が解決してくれるだろう。いやきっとそうだ。

逃げれば全て解決すると思っている時点で救えない外道だった。
この場合は腐れ外道の形容が正しい。

しかし、そんな奴こそ生き延びる。しぶといからだ。
戦場の前線で生き残る奴は、運がいいか極端に臆病かのどっちかである。
徳川の本多忠勝のような化物などそうそういるわけもない。

源は性にも執着があったが、それ以上に生に執着していた。
世をはかなんで自殺をするなど愚の骨頂と考えている。
それなら女を犯しまくって死刑になるほうがいいと考えている。

絵に描いたような性戯の味方だった。

そうと決まればこうしちゃいられない。
家に戻って旅支度だ。
マイレージも貯まっている事だし、エアプレーンの一人旅もひさびさに悪くないだろう。


ポロリン♪

おっと、信書だ。
まさか、あの女からじゃないだろうなあ。

女とはあれから三日ほど連絡を取っていない。
向こうからもコンタクトはなかった。
それが余計に不気味だった。



信書を開いてみると、地獄突からだった。


なんだよ、おっさんからかよ。
なんだよ一体…。

ほっと安堵しながら読んでみる。


____________________________________________________

源へ。さっきは悪かったな。
とりあえず俺からひとつアドバイスをしてやろう。



           ,,x-ー:: ":::::
        ,x '"::::::::::::::::::::
      ,、'":::::::::::::,, x-‐ ァ:  
    ,,x '"::::::,,、- '"     |:::  
    `"i`ー'"        ヾ  
      !  、 、,,,,,,,,,;;;;;;;;;彡ミ  
     |,,,,ノi `ーヾ;; '"----、  
     ヾ::ヽ     -┴'~   
      ~|:/ ' ' ' `ー ' "'"   
      /_              
     l    '' )    i   
      ヽ,,、'~`      U
       ゙, __ ,-、_,ノ`
 |/      ゙, `'" ,,y
 |/  彡  ゙、`-'"
   /|/     i
   /        !    ,, -'"
    |     `ー '"|::
    |      /|||ヽ
          /|||||/心
          |ヾ/ /`ー



以上。キモに命じておけ。

----------------------------------------------------



源は読み終わると、自分の父親に電話をかけた。

「もしもし父さんかい?ちょっとお願いがあるんだけど、居間にあるショットガンちょっと貸してもらえないかな?」


さすがに父親には銃の免許がない奴には貸せるわけがないと断られた。
源はバッくれる前に、とことん調子に乗っている地獄突をいわそうと思ったが、
あえて犯罪者になるのも馬鹿馬鹿しいので止めた。

とにかく、ひとまず退散だ。女や婚約者には悪いが、俺にはまだやることがある。
ネトゲでアジアの歌麿になるまでは止められない。

源はパスポートとカードを懐に入れて、スーツケースに衣類その他を詰めてアパートをあとにした。
成田空港につきエミグレーションを通る。
行き先はマニラになっていた。

「さらば…日本ってとこだな」

源は浮き上がる機体を感じながら目をつぶって、今までであった女達を思い浮かべていた。



──10年後。

信長の野望オンラインもコンテンツとして存続できなくなり今はもう既にない。

阿佐ヶ谷のある居酒屋。

一人の老人が背中を丸めてカウンターで一人手酌で飲んでいる。
徳利が2本ほど横に転がっている。相当飲んでいるようだった。

何かをぶつぶつつぶやきながら猪口を舐めている。
横にこんな酔っぱらいがいたら誰もが席を替えたくなるだろう。

酒を仇のようにして飲んでいた。
かっての信オンプレイヤー。地獄突の成れの果てである。

酔っぱらっていても、どこか思考は冷めていた。
10年前、源が海外に逃走したらしいと秋山左京太夫から聞いた。
あの野郎…とっととケツまくって逃げちまいやがったが、あの後、できちまった女はどうなったのか。
今となっちゃあ知る由もねえが。
最近どうにも昔の事が思いだされてくる。

割とどうでもいいことのほうが妙に鮮明に記憶している。
当時の奴らは今頃どうしているのやら。

そういや源の野郎はあれだな。自業自得とは言えちいっとばかし可哀想だったかな。
中国の四大寄書の「金瓶梅」に出て来る西門慶ってえのが、あの野郎そっくりだった。
好色一代記。海の向こうでもやらかしていることだろう。気楽なもんだ。
そう考えると、妙に懐かしくもあり羨ましくもある。

信オンというコンテンツは自分という時代の1ページだったのかもしれないな。
そう考えると自然に笑いがこみ上げてくる。
木乃なんかに言わせれば信は遊びじゃないんだよ、か。

木乃や清音やコロッケもどうしたろう。
ふぇいふぇいもおばあちゃんになってることだろうな。


「信か…。何もかもみな懐かしいもんだ」

手元に置かれた突出しを箸でつつきながら、ふと考える。

もしかしたらあの野郎、とっくに帰ってきて信に復帰してたのかもしらん。
鯖を変えてキャラを変えて復帰している奴は多い。
信はMMO RPGの中でも復帰率がかなり高かった。

ひとえに本格的な国産の戦国MMOがなかったり、クローズ戦闘でのまったり感は年寄りにも優しい。
FFなどのオープンバトルなどはチャットをしている暇もないし、かといってそのためにスカイプをやる気力もない。まぁ…丹縛りの狩りなどは退屈極まるものだが。


今は亡き藤井さんがいまわの際にくれた信書にこう書いていたっけ。


僕たちは、信オンと言う世界で生きている。
それは時としては、平穏からは、ほど遠く。
だから僕は、この世界を晒して行こうと思う。
マソと共に。
いつかまた、戦国の大地で、凸さんと再会出来る日を祈って。

地獄凸殿へ。
藤井駿河守より。


「藤井さんか。思えばおかしな人だったな」


感慨にふけっていると、がらりと戸が開いて新しい客が入って来た。
長年の信友のほくとんだった。

ほくとんは地獄突を見ると呆れ顔で肩を叩いた。

「大分飲んでるなぁ。またリストラくったのかい」

「てやんでぇ。こっちから辞めてやったのよ。俺の見つけた空き缶をバカにしやがってあの小僧ども…。俺があと50年若けりゃぁあんなガキども…」

「空き缶拾いの凸も老いたなぁ。俺も歳をとるわけだ」

「けっ…」


ほくとんは、生を頼んで地獄突の横に座った。

「そういやちくっと聞いたんだがさ、ほら昔、女でしくってバッくれたとかいう凸さんの知人がいたろう」

「うん?あぁ、源のことかい」

「そうそうそれよ。この前マソに会って聞いたんだがな。なんでもマニラの夜王とか言われてるらしいぜ」

「マソ?奴がなんでそんなことを知ってるんだい」

「ああ、マソはフィリピンルートで密輸をやっているからな。マニラの事情にはかなり明るいんだ」

「ほう…。しかしやっぱあの野郎生きてたか」

「なんでも向こうで立ち上げた主婦カフェが馬鹿アタリだったそうでな。いまじゃ向こうでちょっとした顔役らしい。ちかじか日本にも支店をだすらしいが」

「あの野郎もえらくなっちまったもんだなぁ」


そうか。生きていたか。
しぶとい奴だ。

「信にもたまに顔を見せていたようだぜ。もちろん別鯖だったようだがな」

「こすい野郎だぜ」

しかしなんとも笑いが込み上げて来る。
好色一代記。サイコロふって己を投げる。どっちに転ぶかわかりゃしねえ。

ネトゲに興じてしんしょつぶすか成り上がるか。
俺しがない空き缶拾いだが、それでも悔いはねえ。


だけどよ…。だけれどもよ。俺は…。


「どしたい凸さん。急に元気がなくなったな。おや?泣いてるのかあんた」

「ば、バカヤロウ;目にゴミが入っただけでぇ。いい歳して泣くわけねえだろ」

「そうか…。あっ、おかみさん、おかわり!」

ほくとんは突の肩を叩きながら、生をもう一杯頼んでいた。


しかし誰が知ろう。

目の前の女将が、あの時の源の相手の女性とは。
そしてせわしなく動き回っている若い娘があの時の子供とは。

サーバーから生ビールをつぐ女将の目は冷たく蒼く光っていた。

【おしまい】


あれぇ、何か意味不明なオチになった。まあいいか。

ではまた。

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テーマ : 雑記
ジャンル : ゲーム

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No title

>モモ
生きてたかこの野郎!

No title

僕は永遠に十代。

No title

>藤井さん
あんたティンポが煤けてるぜ!

>アキヤマン
駿河湾のがリアルだw

No title

>源
インドになったらレインボーマンになってまうんだw

No title

何か良いストーリーだったんだけどw
マニラじゃなくて、インドだったらリアルだねwww

まぁアレだ。

その内にマニラ湾に浮いているでしょうなぁ~

No title

倶利伽羅峠でふぇいふぇい様と決闘して討ち死にする予定だったのに!w
プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
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