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酔夢庵戦国記 煩悩退散の章

「もういっぱい」

徳利をつまんでブラブラさせながら、大虎一歩手前の仏門僧、八馬忍北斗は大声で女給を呼んだ。

「呑み過ぎだよホクトンさん」

「まだ量のうちじゃねえよ。いいからとっとと酒持ってきやがれ」

「飲み過ぎるとなんでも毒だっちゅうの!」

女給の娘も顔馴染みらしく適当にあしらっている。

ひとりで呑む酒に苦い酒。呑まなきゃやってられない浮世の渡世。

ここは遠江の相模よりにある小さな宿場にある小料理屋だった。

ホクトンと呼ばれたその男は、顔を真っ赤にしながら誰かを待っているようである。
待ち人来らずで少々いらついているようにも見えた。

「はぁ〜。だめだ、だめだ。やっぱだめだ」

猪口を握りしめながら、仇のように睨んでいるが、その視線は想いの矛先にすべるように注がれている。

運が悪いのだ。

ホクトンは苦い想いを噛み潰して猪口から酒を一気に喉に流し込んだ。

運が悪い。まったく悪い。

あの時、1の反則技さえ来ていなけりゃあ今頃は…。
当然、徒党のみんなで勝利の美酒に酔いしれていたはずだ。
そう思うと思わず、糞が!と声にだしてしまいそうになる。

古来、勝負事にたらればは禁物だ。運が悪かろうとよかろうと勝てる時は勝てる。負ける時は負ける。
紙一重の勝負の場合はほんの天のさじ加減で勝敗は転ぶ。
勝負事はすべからくみなそうしたものなのだ。

あの時この時ああすればこうすれば。
結果論でしかない架空の理想を頭の中で反芻してしまうのは敗者の必然である。

思えば、最近ついてない。

あれもこれもどれも。みんなが敵に思える。俺の言葉が届かない。
思いが空振り、焦燥だけが胸に溜まる。

気楽にやれよと人は言う。
タイ語のマイペンライよろしく人生そのままに生きて行けたらなんと楽なことだろう。

しかし、それが出来るならこんな悩みは無く苦労もしない。

どこかでこの悪い循環を変えたかった。
それが関の幸村討伐だったのだが、見事にこけた。
あと一歩。その一歩が千歩に感じるほど遠く、己の置かれている状態から抜け出すきっかけを何かが阻んでいるような気がするのだ。

暗い夜道を果てしなく歩いている気分である。

なんとかしなくては…。
このままではおかしくなってしまう。

そうつらつら思いながら、空になった徳利を持ち上げてお代わりを頼もうとすると、
ガラッと立付けの悪い戸が空き、中年の男が入って来た。

ホクトンはその男を見ながら、

「おぅ」とくぐもった声で片手を挙げて挨拶をした。

男はホクトンの合図に気がつくと、ニコリと笑って向かいの長椅子に座った。

「すまんすまん。大分遅れた」

机台の上に転がっている徳利と食べかけの肴をちらりと見て、男は頭を掻いた。

鬢に白いものが混じり、四十も過ぎた初老である。

ホクトンは悪びれず、ようやく現れた待ち人にホッとしたように声をかけた。

「いいさ。こっちから呼び出したんだから」

「まぁとりあえず一献もらおうかな。おい!猪口をくれ」

「肴ももらおう。おう、それと磯辺揚げと豆腐をくれや」

女給は、はいはいお待ちをと言いながら盆を片手に走り回っている。


「ホクトンさん、久々だな。新田さんなども息災かい」

「相変わらずさ」

「ところで…こんな話を知ってるかね?」

「うむ?」

凸と呼ばれた男は、脈絡もなく逸話を語り出した。

その話とは

天正元年、信長は将軍義昭を追放、更に義昭に味方した三好家を滅ぼし、
多くの捕虜を捕らえた。その中に坪内某という料理人もいた。
坪内は鶴、鯛の料理の名人で、饗膳の儀式の達人といわれる人物。
家臣がこの料理人を召抱えてみてはどうかと信長に進言した。

信長「よし、では、おみゃあの料理の腕前みせてもらおうきゃ」

坪内「ははーっ、では翌朝に素晴らしき料理をご用意致します」

坪内は腕によりをかけ、会心の料理をつくり信長に差し出した。

坪内「この鶴は摂津の淀川で取れたものを一晩寝かせて……」

信長「能書きはいらんきゃ。食やぁ分かるでよ。どれ…頂くとするきゃ」

信長「こ、これは……」
 
信長「まずーい!!! なんだぎゃあ、この水ぽい吸い物はよぉ!!!」

坪内「え、ええー!!」

信長「こんなおそがい不味い料理を食えるきゃ!! 即その者の首をはねるだぎゃあ!!」

坪内「ち、ちょ、おま!ま、待ってくだせえ。もういっぺんだけ食ってみてくださいませ……」

坪内は、信長に土下座をし、再度、料理をつくらせて欲しいと願い、

それでも口に合わなければ切腹すると誓った。

翌日、出された料理に満足そうに舌鼓を打つ信長の姿があった。

信長「おぅ、この食感、この味、これは実にうみゃあづらぁ〜」

さて、坪内は料理に、どの様な味付けをしたのだろうか?

「簡単なことよ。昨日だした料理は公方家だされる一級料理だったが、信長公は口に合わなかった。そこで田舎料理の味付けの料理を出したら大変満足したって事よ」

つまり、所詮、信長は田舎大名だったという話。


ホクトンは聞き終えると静かに凸に問うた。

「はぁ……。で、それが何か?」

「いや?それだけの話よ。面白いだろ?」

がっはははと笑う凸の顔には自己満足の愉悦が一杯に広がっていた。
相変わらずわけのわからん男だとホクトンは内心舌打ちをした。

「まぁ…、そんなことよりわざわざ呼び出したのは折り入って相談があってよ」

「相談?金ならないぞ。ほんとにない。まったくない。それこさない」

「金の無心をあんたにするほど耄けちゃいねぇよ。ベツのことさ」

「なんだい。改まって」


ホクトンの真剣な様子に多少襟を正して話を聞く気になったらしい。
凸もへらへらした調子を改め、首をすくめて越えを落とした。


「実はよ……」

「えぇーーーーーーっつ!!!!!まじかよ!!」


「まだ何も言ってねぇ」

「そうか…すんまそん」


ホクトンは一息ついて猪口を煽った。

「相当飲んでるなホクトンさん」

「飲まなきゃやってられないんだよ…。わかるか?あんたに」

「わからんな。そもそも自分のこともわからんのに人のことがわかるはずもない」

「そりゃまぁ…そうか」

「で、本題は?」

「ある一通の文をもらった」

「へぇ。請求書か」

「なんでそうなる。俺は支払い滞納なんざしたこたねえよ」

「じゃ果たし状か」

「仏門にわざわざタイマン挑むアホがどこにいる。違うよ」

「じゃ、不幸の手紙か」

「そうそう。それで20通ほど知人に同時送信して更なる連鎖を…ってバカか!小学生じゃあるまいし」

「まさか…恋文ってこたぁねえよな」

「そのまさかさ…」

「ふーん。あっそ」

「なんだよそのそっけない態度は。俺は本当に悩んでいるんだぞ」

ホクトンは凸のあからさまな投げやりな態度にカチン(死語)ときた。

凸はめんどくさそうに徳利から裂けを注ぎ足しながら、横をむいている。

「だってよ〜、それ自慢か?ラブレターをもらったぁ?そんでなんの相談があるってんだい。馬鹿馬鹿しい。いやっほおおうと飛び上がって喜べばいいだろう」

だるそうに凸が言い放つと、ホクトンは苦虫を噛み潰したような顔を下に向けた。

「ああ、俺だってそうしたいよ。相手が…」

「相手が?」

「相手が女ならな!!」

m


げに恐ろしきはネットの世界。
芸は身を助け、ゲイは2丁目のハッテンバに立つ。

皆々様も十二分に気をつけられませい。

ではまた来週。
皆様よ良き週末を。アスタ・ロエゴ。


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テーマ : 信長の野望online-鳳凰の章
ジャンル : オンラインゲーム

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ふぇふぇふぇ

>藤井さん
意味わかんねーってw

>ホクトンさん
妄想すりゃいくらでもでてくるけど日常を淡々と綴ってオチをつけるのが難しいw

>アキヤマン
楽しいときに飲むとなぜかクリーミー
酒の苦みを知ってアキヤマンも大人になったろうw

>みさおっち
ある漫画では尾張弁で描かれていたのでコピペ改竄したのよw
実際はどうか知らんが

>マソくん
そこはそれ妄想妄想w

>三浦
カミングアウト三浦の出番だ!

No title

呼ばれた気がした

No title

ほくとんのイメージがちげえwww

No title

>みさおさん
方言も男くささ&人情味で株さらにアップだな
たしかに イメージではないが。。
こら!乳首を売りにした覚えないぞw
あぁ 右胸の紋章みたいなとこかぁ。。
思わずこんな時間にキャラ画面みちゃったじゃまいか。

藤井フラグですね。アッアーorz

アキヤマさん>
歴戦の勇士に アキヤマンとは さすがに呼べねーやw

体が苦さを求めているのさ。 フッ

No title

えぇぇぇ 信様 方言なのか@@; 
みさお おみゃーとか言われちゃうのか?!
当たり前といえば当たり前だけどなんかいやw
田舎大名はまぁいいとしても;ー;

そうそうほくとんさんのボス装備乳首が目立つんです!チクビですよチクビ><
あれ見て萌えちゃったゲイさんがいてもおかしくない おかしくなぃ。。。

苦い…

なんで辛い時に飲むビールはあんなに苦味が強いんだろうか?

No title

その手できましたか(--はー やられた
俺そんなに だめだだめだいってねーけど
読んでて笑ったw


きのこ のこのこ げんきなこ おいしいきのこは HOKTO
Uついてないな

ユー ついてなくても やっちゃいなよ 幸村。
そして200X年 小田原は炎に包まれた。

凸さん
おれ 意外とみんなと知人度低いから ネタに苦労したでしょw

うまい酒はいくらでもあるが
しもたや風情の居酒屋の熱燗が あるいみ最強。


No title

キノコのホクトン!
プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
血液型:B

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