スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

黄金騎士

戦国レシピ#11

bar03


私は甲府でBAR「SENGOKU」を営業している地獄突という侍。
世は戦国時代。未知なるリア美を求めて探求する時代。


ふぅ……。


ようやく娑婆に戻って来た。
店をほっぽらかしてどこへ行ってたのかというと…。

イギリス・オランダ・ブルガリア氷の海もなんのその。って感じなところに行ってたような。
とにかくようやく開店できるこの喜びを今日もどこかでデビルマン。


さて。
掃除をひととおりして開店準備OKだ。

まぁ、1週間も閉店してたんだ。そうは早く客はこないだろう。
ゆっくりと待とう。スコッチでも飲んで。

しかし、最近の激務からかスコッチを流し込むと、強烈な睡魔が押しよせてきた。

どれくらい時間が経ったのか。

気がつくと一人の男が店内にいた。

「わっ!」と声を出して私は飛び起きた。

客が来ているのも気づかず寝こいてしまったようだ。
なんたる失態。


その男は大分前からいたのだろうか。カウンターに座って私をじっを見ていた。


「し、失礼しました」

あわてて謝罪をして背筋を伸ばす。プロ失格だなこれではと、自身に対する呪いの言葉を反芻した。



「……。お疲れのようだな」


その男は、寝起きでとっちらかってる私を見て、静かにそう言った。
白いコートをはおり、黒い甲冑を身に付けている。
背中にはかなり大きい剣を背負っている。

侍か?いやしかし…こんな装備は見た事は無い。

よくよく見るとまだ若い。何より目が涼やかでキリッとしたイケメンである。
BARなどで一人で飲んでいたらさぞやもてるだろう。
まぁ私はホモではないから、いい男だろうが不細工だろうが、金さえ払って飲んでくれるならどうでもいいのだが。


私が注文をとろうとすると、その男は懐から1枚の写真を出してカウンターに置いた。
男は私をじっと見て、写真を指差して言う。

「この女を探している。見た事はないか?」

「女…?」


その写真を拾い上げて見てみる。
見た事はある顔だ。

「失礼ですか…この女性とはどういったご関係で?」

込み入った話に立ち入るのは主義ではない。
が、それを制して好奇心のほうが前衛に立ってしまった。


男は下を向いて両拳を固く握りながら、絞るような声で

「この世でたった一人の家族…。俺のすべてだ」

そう言った。

なるほど…。愛しているのかこの女性を。
しかし、


MIKU


これ初音ミクじゃねぇか。

私はできるだけ冷静に答えてやった。
この男の目はそれだけ真剣だったからだ。愛にテンプレートやガイドラインはない。
ましてや、次元を超えた愛も今風でいいじゃないか。

「この娘ならヨウツベ居酒屋にいけば、いくらでもいるんじゃないですか」

そう言って男に写真を返した。

男は私の答えに怪訝な顔をして写真を受け取ると、
写真を見て氷のように固まった。


「………」


「………」


私も押し黙ったまま。コースターを出して男のリアクションを待つ。

「…すまん間違えた。それは秋葉イベントの時のブロマイドだ」

そう言って私をキッと睨むと力強い声で

「俺の趣味だ」

そうハッキリ言った。なんかカッコいい。
けど情けない。
何がしたいんだこの男は。

酒場に来て酒を飲まない奴は客ではない。

前に藤井さんが連れてきた奴は、名前が「隣の客はよく柿食う客太」とかいう奴だったかな。
BARに来て、ウーロン茶くださいとか言うものだから、思いっきり濃いウーロンハイにしてやったな。
飲んだら一発できりきりまいしてたっけ。

BARに来たら、まずとにかく酒を一杯頼め。鉄則だ。


「で、何か飲みますか」

「あ、ああ…すまん。では、ウイスキーをロックで」

WYSKY

グレンリベット 12年 をだしてやる。定番だが飲みやすく口当たりも軽い。
何か込み入った事情がありそうだ。
今夜はリハビリがてらにこの男につきあってやるとしよう。

男は、ウイスキーをガブリと一気に流し込んだ。
グラスを持ち上げて、ゆらしながらおかわりを催促している。

早いなペースが。すぐ潰れるぞこれは。
私は何も言わずにグラスを受取り、お代わりを作って差し出す。

男は、大きなため息をひとつ吐き出して、とつとつと語り出した。


「俺は黄金騎士だ」
GARO2


男は真面目な顔でそう言った。

私はこの時点で叩き出そうと考えてしまった。

お前はGAROか 私が平常時ならそうつっこんでやれたかもしれない。
しかも昨日最終回だったろうが。


しかし、疲れていたとしてもカウンターに立っている以上は、私はマスターで彼は客だ。
客をあきらめない。それがモットーである。

「へぇ。それは大変なお仕事ですね」

「ホラーを狩るのが俺の仕事だ」

「ああ。あの匿名掲示板に貼り付いてる奴らですか。それはまた難儀な」

「……違う。それはネラーだ」


真面目に会話しているのがアホらしくなってきた。
リハビリにはなりそうにないな。

まったく…。こっちは忙しくて鳳凰どころか家にも帰れなかったというのに。
開始早々これかよと。


「とにかくマスター。この写真を見てくれ」

男はまた写真を出して私に見せた。
今度は若い女性だ。2次元ではないリアルの女性だ。

これは…巫女のコスプレか?
顔の部分は、何故か黒く塗られていてわからない。

「この人は恋人ですか」

「いいや…。妹だ」

「妹さんですか…」

ふぇいふぇいって言うんだ。もう何年も探している」

「……!?」


ちょっと待て。
いま何かおかしなことを言ったぞこの男。

「あの…ふぇいふぇいって…」

「知ってるのか?」

「あ、いや…。まぁ、同一人物とか限りませんがね…。名前が同じ女性なら…」

「歳や背格好を教えてくれ」

「ええと…」


私はできるだけ正確にふぇいのパーソナルデータを男に伝えた。
もちろん貧乳であることもだ。

「!?間違いない。妹だ…。ようやく…ようやく見つけた」

…ふぇいに黄金戦士の兄貴がいるとは聞いてなかったが…。
人にはいろいろ言えない事情もあるか。


「待ってれば…今日あたり来るかもしれませんがね…」

「待つさ。待たしてもらおう」

そう言ってもう一杯お代わりを要求してきた。
それにしても、ふぇいにこんなイケメン兄貴がいるとはねえ…。


しばらく彼は無言でグラスを傾けていた。
私も言葉はかけずにそっとしておくことにした。

兄弟の感動のご対面に水をさすほど野暮じゃない。


1時間ほど経ったが客は来なかった。
さすがに1週間安んでいると今日も休みだろうと思われるのは当然か。


電話は一回鳴ったが、相手はやはり藤井さんだった。

「凸さんおひさ。今度【これは藤井ですか】ってタイトルでお話作って!」

「ねーーーよ」

藤井さんは相変わらずだった。


今日はもう誰もこないかなと思いはじめた頃カランとドア鈴がなる。

「やっほー!おひさ~」

闊達な声を張上げて入って女性が入って来た。

ふぇいふぇいだ。
いいタイミングだな。

「待ち人がきたようですよ」

私の言葉が届く前に彼は振り向いてふぇいを見つめた。

感動の兄弟の再会か。俺にも妹がいたっけ。
もう9年も会ってはいないが。いいものだな。兄弟は。

ふぇいは、カウンターに座っているその男を見ると目を丸くして驚いた。
震えている。いつものふぇいではない。

男はスツールから腰を浮かしてふぇいのもとに歩いていく。
そして、背中に背負った大剣を抜いた。

え?何する気だ。おい、何をする気だ!?


「お、黄金騎士…!?」

ふぇいは震えながらあとずさった。

男は剣を頭上に構えてふぇいに斬り掛かろうとしている

私は大声で叫んだ。

「おい!妹なんだろ!?何する気だお前」

「妹というのは嘘だ。3年前にホラーの血を浴びてから、ホラー化して人々を晒しまくるようになったプレイヤーがいるという噂を聞いてな」


「ホラーだとぉ?んじゃ、そこにいるふぇいは…」

「こいつは、あんたの知ってるふぇいふぇいじゃない。本人は既にホラーに精神を食われたのだろう」


…いや。それ俺が知ってるふぇいのまんまなんだけど。


えーと……



後半来週に続く。と思う。



私は甲府でBAR【SENGOKU】を営むマスター凸。
やっと通常業務にもどりまちた。つかれまちた。念のため。





スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

>あいす
次はお前に来てもらおうw

>藤井さん
かっこいい登場させるのは難しいんだよw

> ふぇい
貧乳につっこまないのはお前が大人の女だということにしておこうw

>源
何を言ってるw

>アキヤマン
おいおい本当にアキヤマンかよwたまには顔を見せろよな

やぁやぁ

久し振りぶりだな(ナディアのガーゴイル風に)…ネモ君でなく凸っあん。
何もかも懐かしい。

No title

どうでもいいんだけどさー。


いややっぱよくないな。


でもどうでもいいんだけどさー。

No title

黄金騎士
ゴールドナイトかぁ
ナイト・オブ・ゴールドなら範囲内なんだけどなぁw

No title

愛銃、南部十四年式を持って颯爽と現れる俺な展開を!

No title

お疲れさんだね!
昨日は、疲れすぎてて21時ごろ布団に入った谷津君です。

最近は、ゲームやる時間が無いので、為替でチョコチョコ遊んでおります。
その早く寝てしまった、昨日に大きく動いた為替相場で

おっきく損しました^-^

早く取り戻したいです。
儲かったお金で貫を買って、みんなに配りますね
プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
血液型:B

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ
リンク
最新コメント
ブログ内検索
RSSフィード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。