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戦国女傑物語【伍の四】 むらむすめ

新年が明けて早々に、地獄突は今川領のある屋敷にてある人物と対峙していた。

「やってくれるんだろうね。頼むよ」

囲炉裏を囲んで対峙している人物に地獄突はそう訴えた。

相手は藤井駿河守である。烈風今川の影のフィクサーであり、闇の実行部隊の頭領。
彼がその謀略でこの戦国から消し去った人間は両手でも足りなかった。

目は笑っている。骨太なその顔に笑みが溜まっているのだが、油断をさせない破顔である。
隙を見せたら今にも斬り掛かってくるような、そんな怖い気を纏っている。

藤井はその破顔を保ったまま、はっきりと強い口調で

「いやだ」と断った。


「ふ。そう言うと思った。何しろお主とふぇいとは烈風晒し連合の仲間であったしな」

「僕はもう卒業したのよ。色々と」

「ふぇいが怖いかね」

「怖いさ。ありゃ人じゃない。からかってあやうく男を喪失しかけたしね」

「やれやれ。やっかいことだのぅ」

「長年手飼だったふぇいたんを始末するとは、よっぽどの秘事に関ったようだ」

「根は知らんほうが身のためよ」

「怖い怖い」

藤井は、笑いながらぱんぱんと手を打つと、2名の器量の良い端女が膳を運んできた。

「この寒い中、長旅は疲れたでしょう。とにかく今日はゆっくりしていってよ」

藤井はそう言いながら、端女にあれこれ指示をしている。

突は内心舌打ちをしながら、頷いた。
かわされたか。まぁしようのこともあるまい。突も最初から快諾するとは思っていない。
むしろ想定内なのだが、藤井は各国の草に多大な影響力を持っている。
彼自身が動かずとも、手練の代役を紹介してもらうだけでもいい。

腹の中でため息をつきながら、酒の入った碗に口をつける。
ぐいっと飲み干すと、端女がとっくりを傾けて酒を注ぎ足した。

藤井はそれを見て満足そうに頷きながら、話題を変えた。


「まぁ、そんなことよりまずは飲もう。3年ぶりなんだしさ」

「う、うむ」

ま、そう急く事もあるまいと突は考えた。
無理強いをするとますます頑なになるこの男にはタイミングこそが重要である。
なぁに、今川忍軍の手を借りずとも、武田忍手を借りるための口添えをしてもらうだけでもよいさ。
気の効いた下ネタのひとつもしてやれば喜んで協力はしてくれるだろう。
そう思うと、固い気分も徐々にほぐれてきた。

酒の肴は、佃煮、酢の物、煮物、川魚、豆腐などが出ている。
どれも美味かった。加えて燗にした酒がこれもまた実に美味い。

肴に舌鼓を打ちながら、酒を流し込むと身体が芯から暖まって来る。
囲炉裏の熱が更に顔を炙って、汗さえ出てきた。

「しかしうまいなこの酒は」

地獄突は正直にそう言った。酒も大分進んで先ほどより口調が滑らかになっている。

「水がいいしねこのあたりは。鴨ちゃんも喜んでる」

「やはり水かね酒は」

「そりゃ酒は水が命さ。みんなそう言うよ」

相変わらずの破顔で、当然だとばかりに藤井は答えた。
自分は端女に酌をさせずに手酌で勝手にやっているようだった。

突は急に足を崩して胡座をかいて藤井をジロリと睨む。


「話は変わるがよ、藤井の」

「なんだい」

「実は昨年の10月だが、大阪の道頓堀でな。蛾さんと飲んだのよ」

「ああ、確か河豚のテッサを食ったとか言ってたね」

「うむ。その席でな。蛾さんから藤井さんに聞いて欲しいことがあると言われたのよ」

「へぇ?何かな」

「それがな…。烈風今川時代に俺を無視しだした理由を教えて!と言っとるんだ」

「なにそれwwwwwww」

「ワシもわからんよ。何か施設に入ったらパスがかけられていたとか、誰もいなくなってたとか言ってたっけ」

「そんなことあったかなぁ」

「其の頃から藤井さんが俺(蛾)を無視するようになったとか言うてたぞ」

「わからないww」

「怖い男だなあんたは。敵にするとケツの毛までむしられ晒される」

「ちょっとwwwそれ絶対何かの誤解だってw」


このような藤井と突の他愛もないヨタ話が深夜まで続いた。

翌朝、やはり藤井には断られたが、ではせめて武田忍に口添えをしてくれまいかと頼むと、甲府に「こもも」という忍がいるから紹介の書状を出しといてやろうと言われた。
猿飛の裔で腕は確かだと言うことである。

「こももたんに会ったら、あけお●こ!と言っといて!」

「おまわりさんこの人です><って言われるな」

藤井は終始その破顔を向けて、こらえきれないという風に口元を歪めている。
今にも吹き出しそうに肩を震わせていた。

一体何がそんなにおかしいのやら。おかしな男だ。
突は気にもしない様子で、ではおさらばと馬に乗った。

行き先は甲府である。
ここからだと武蔵を抜ける街道を目指したほうが早い。

「甲府か。所用もあるしちょうどいいかの」

この時、突はまだ知らない。

藤井が夜中に悪戯をして額に「肉」と書いた事に。
これに気づいて烈火の如く怒り発狂するのはまだ少し時間がかかるのであった。


むらむすめはと言うと───────────

友人の北斗斬(通称カニッちゃん)が遊びに来ていた。
おっさんと3人でこたつでみかんを食べながら、新春隠芸大会を観ていた。

「平和ねぇ~。ぬくぬく」

むらむすめはまさに羽化登仙の境地にあった。

そのほんわかした糸目が苦痛に歪み、恐怖の血反吐を吐き出しながらのたうち回るのは、そう遠くない。
くくく。

っていうか、拾ってきたあの棍棒は餅をついたり伸ばしたりする万能具になっていた。
その棍棒こそがこの話の根幹であることも知らずに。


突を見送った藤井駿河守だが、フルチンで信にインしながらチャットで
「ポロリもあるよ」と必死に打っていた。

後に紺碧鯖内で、「崖の上のポニョリ」と呼ばれることになるがそれはもう少し後の話である。


【続く】


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No title

>御堂筋さん
これにてデビューです!以後活躍を期待しますw

>レッズ
だから競馬はやらねーんだってw

No title

凸さんへ
ビール掛けられるのを承知で中山1R3-14 馬連1点どうでしょうか?

いいか?みんなかうなよ はずれるからww


レッズ万歳!!!!!!!!!

No title

無理やりなポロリだw
ストーリーとなんの関係も無いw

No title

>かずは
チチカカ湖はどしゃぶり
この暗号が解けたら認めてやろう!

プニョリもあるょっ!

No title

>藤井さん
死人はもともとアンチ極楽カウンター技能だったのに
合戦で単なる嫌がらせ技能になったからねぇ
晒し晒されああ無情w

No title

死人やる二人の人物の飛び火でブログ晒された;w;
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