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戦国女傑物語【伍の参】 むらむすめ

地獄突が宝具探索に放った忍びのふぇいは既に近江に入っていた。

旅装束の女人に化けて情報収集をしていくのが目的である。
忍者は情報に最も重点をおく。
伝聞、天候、国勢、周囲の状況から己の体調まであらゆる情報を糧としながら行動する。

忍者は戦闘集団でもあるのだが、実際はかなり科学的かつ合理的な集団である。
現代においての多方面のスペシャリストと考えればよい。
余談だが忍者の秘伝書「万川集海」なる忍術兵法書にもその技術形態が克明に記されているので興味深い。

雑賀家老の地獄突より聞いた賊が残した唯一の手がかりを追って近江まで来ていた。
賊の入った蔵の中に、近江の湖畔にある独特の泥土がかすかに残っていたという。


「とは言ってもねぇ…。浅井の草が雑賀の宝具を盗む目的がわからないし、大きな取引があったという情報もないし…」


旅籠に逗留しながら、細かく情報を収集していたが思うように賊の足取りはつかめなかった。


「いちいち地方の有力者に媚びうって情報とるのもめんどくせーよ!もうどうでもよくなってきたな~」

そんな愚痴ははきだしながら茶店で団子をほおばるふぇいに声をかけてきたものがある。

「よっ!ふぇい姉さん。お久しぶりぶりAKB」

「あら、マソさんか。一乗谷からわざわざ近江に商いかい?」

「そうそう。商売繁盛怪我一生。わたしゃ入れ歯で歯が立たないってね」


この調子のいい旅商人といった風体の男、マソとは別名タッチャマソといい、間諜などに長けた本願寺側の草である。
草ながら商いの芸にも長けていて全国を渡り歩いていた。
裏の情報を他国の草に売って生業にもしているが、表の顔は普通の商人に見える。
ふぇいとは、戦場で敵であったことも味方であったこともあり、古来の顔なじみであった。

「相変わらずの調子だねぇ。そういやちょいと聞きたいんだけど、最近裏の競売とかの場は立ってないかい?」

「ほ。なんだいふぇいさん、古美術にでも興味あるのかね?」

「ちょいとわけありでさ」


この時代で価値のある美術品は、一国の価値に匹敵するという。裏の競売とは闇の盗品が出回る場で、その地方の商人、公家などがこぞってその美術品を買いあさったという。

場を取り仕切るのは、スクネ衆と呼ばれる闇競売集団である。この集団はなぞに包まれていてたとえ将軍家といえど、軽んじて彼らを扱うことはできなかった。
歴史のハザマに蠢いていた闇の末裔ともいえる。

ふぇいは、不釣合いな笑顔をマソに向け、艶のある声でしなをつくった。

「ねぇん。マソさぁん、ちょいと教えておくれでないかい。事情があってあるものを探してるのさ」

「ふぇいさん、俺をなめちゃいけねぇや。こう見えたって俺ぁ巨乳好きでね。そんなあんた…洗濯(笑…」

マソが笑いながら顔の前で叩くように片手を振ると、その間から恐ろしい形相で睨んでいる。マソは生命の危機を感じた。

「あ。。いやこれは…てっへへっへ…(笑。いや言葉のあやでさぁ。いやこいつはしくじった。冗談さ、冗談さね(苦笑」

ふぇいはうっすら笑みを浮かべている。しかし目は爛々と負の焔を放っている。

「ふ~~~~ん。マソさん、ところであんたあたしの得意技知ってるかい?」

「い、、いや知らないけど。。」

「特別に教えてやるよ。忍法玉つぶしってね、あの藤井さんの玉も潰したのは私さ」

「ぎ、ぎぇ!あの藤井さんの。。ま、まさか…いや悪かった;た、助けて…」

「神に祈りな」

蒼天の拳のケンシロウのように抑揚のな太い声で答えるふぇい。

そう言うのがはやいか、マソの股間に手をいれたかと思うとその胡桃を一瞬にして握り潰していた。
まるで酔拳のジャッキーのくるみ割りのあれである。

ぐぎゃあああああああああああああああああ!!!!!!!!!

ごきゅっと嫌な音とともに、男であることの尊厳が失われた断末魔の叫び声が乾いた寒空に響きわたったという。

ふぇいはこの後、男ではなくなったマソから闇競売の情報を聞き出し近江を後にした。
情報によれば、場が立つのは来年の5日だという。場所は甲府。
両替商でいつも居眠りをしている周防という神主を訪ねろということだった。


「甲府かー。遠くてめんどくせーよ」

そう言いながら冬のあぜ道を歩きながら旅急ぐふぇいであった。


そうこうしているうちに年は明けていた。

ところでむらむすめはいうと、新年早々拾ってきたあの棍棒で餅つきを近所の人とやっていた。
新年を祝う活気の中に、むらむすめとオヤジはいた。

「新年明けましておめでとうございます^^」

近所の衆にそう言いながら、忙しそうに雑煮を作るむらむすめを、何か思惑ありげな顔で見つめるオヤジの目にはどこか悲しそうな色が浮かんでいたのは、むらむすめは知らない。

2012年。新たな波乱の潮流はすぐそこまできている。

【つづく】











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No title

藤井さんあけおめ!
正月早々あいも変わらず元気まるだしだ
予約投稿はたまたまだあよw

No title

あけましておめこ!
予約投稿と言うことは凸さんはもう亡き者に;w;
プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
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