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さよなら2014

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本日仕事納めである。

2014年─
振り返ってみると、特に大きな動きはなく。

ただ、以前に比べて仕事がかなりスムーズかつ効率よくなったと実感できた年だった。
写真はボツになり使用されることがなかったデザインなのだが、一年を通してもこれはほんの一例。
もちろん何かの形で世に出る場合もあるし、このままずっと埋もれていくものかもしれない。
埋没して日の目の当たることのないものでも、時には成果物より愛おしい。

主に印刷物、WEB、動画などの企画制作業務をこなしていくなかで、こうやって形に残っていくのは何やら人生のアルバムのようでもある。
成果物になりそこねたものでも、そこに至るまでの思考プロセスや経緯などには大なり小なりひとつひとつストーリーがある。
それはどんな仕事においても大概そうだろう。

真面目に考えると、自分には創造性がかなり足りない。
技術的な部分は長年やっていればある程度の水準には達するし、アイディアの引き出しも多くなる。
だが、考えることを途中であきらめてしまうのである。めんどくさいからだ。
もう少し掘り下げてつっこんで徹底的にということができない。
ある程度までいったら、もう十分だよもういいよという逃げの姿勢になってしまう。

「考える」ということは重労働だ。

「悩む」ことは簡単だ。考えなくていいからだ。

「考える」ということは、それを実現させるための意思を生み出すものだ。
長く仕事をしてきて、それが少しだけわかった気がした一年だった。

やっとわかった、が正解かもしれない。
物覚えが人より悪いのでこれはもうしょうがない。

最近、仕事をしていて、変わってきたのは「もう少し考えてみよう」という意思が生まれてきたことである。
と、いうことはサムネもラフも数倍作って試行錯誤の連続なのだが、それが楽しめる余裕が出てきている。
それはマシンのパフォーマンスが大幅にアップしたこともあるが、何より自分の中で「考えることに立ち向かう」という意思が生まれてきたことだ。

来年はもっと考えてみよう。

あ、ブログは相変わらず全然考えないで書きますんでしくよろ。
今年もネタは藤井さんばっかだったなぁ。

んじゃ、ちょっと早いけど今年はこれでブログは終了。
皆様よいお年を。

いい夢見ろよ!



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テーマ : 日記というか、雑記というか…
ジャンル : 日記

シンクロニシティー



こんな夜は?

「ホットラムが一番さ。はぁ」

藤井は確かにそう言った。
透き通ったカクテル光線が冷えきった部屋の温度を少しだけ上げる。
実際はホットラムなどは飲めないので日本盛で代用していた。
ツマミはナッツといきたいところだが、そんな洒落たものはなくタクワンと里芋だった。
しかし下田にいても藤井の心はニューヨークのサウス・ブロンクスにあるしなびたバーにあった。
もちろん、ニューヨークどころかアメリカにも行ったことなどないのだが。


かずははいきなりタツヲにねだるように言う。

「ねぇ。猫ちゃんに餌をあげて…」

タツヲは軽く頷きながら、「にゃぁ」と鳴いた。
猫はタツヲの置いたキャット・フードにそっぽを向く。
タツヲの猫はプレミアム・フードしか食べない。
ちなみに猫の餌代はタツヲの食費の3倍であった。

その時、電車の中で高崎は急に便意をもよおしていた。
何か来る嫌な予感がしていたが、的中していた。
トイレはない。次の駅まではたっぷり5分以上かかる。
ここで漏らしたらロックンローラーとしての面子が立たない。高崎は踏ん張った。
誰しも経験があるだろうが、この状況下において体は冷たくなり、身じろぎもできず足を交差しながら下半身のある場所に100%オーラを集中させなければならない。
まるで犯罪者の気持ちになるのだ。高崎は無限に感じる監獄の中でケツから意識を離せない。
離したら…ボン!だ。

そして、みさおは信長の野望オンラインに興じていた。
新人のプレイヤーの面倒を見るために、ある決心をしていた。
「このままの私じゃダメだ。変わろう!そして立派な指導者になろう!」
そう思って、リチャード・ニクソンの「指導者とは」を読み始めた。
もちろん、読み始めて5分で寝たのは言うまでもない。

マソが新橋あたりで彼女と居酒屋を物色をしていると、奇声をあげる居酒屋があると情報がラインで入った。
彼女は「行ってみたい!」と興味津々で目を輝かせる。
しかし、マソはそれよりホテルに直行したかった。みなぎる暴れ馬を鎮めてから飲みたかったのだ。
「今日はやめとこう」と彼女を説き伏せホテル「アストロ」に姿を消した。

凸はその頃渋谷のエスパスにいた。北斗の新シリーズを打ちながら苦悶の表情を浮かべている。
「ありえねえ…。種あり無双で煽りテンパイ(前回は確定)、ジャギで負けるとか…。開発死ねよ;いますぐ死ね!」
そんなぶつぶつと呪いの言葉を発しながら、5枚以上も融けている諭吉の顔を思い浮かべて言った。
「あの諭吉は、俺たちの血!」
両隣は爆連中だった。凸はとてつもなく孤独だった。

違う場所で同じ時間に起きる事柄。
J・ジャーミッシュの映画のように俺たちの行動は共時性を伴わない。
まるでフラクタル曲線、マンデルブロ集合のように一定していない。

だがそれがどうした?
俺たちはどうもしない日常の中で勝手に生きて死んでいく。
そんなもんだ。

年の終わりにいつも気がつく。
また棺桶に一歩近づいたなと。

もっとも、それを考えていたのは俺が18の時だから、もう十数年前の…。

すごく難しいマイランキング

猫も杓子もランキングという格付けをする時代だが、自分の中で物事の順位を明確にしておくと便利な場合もある。

「何が一番好き?」と聞かれた場合に即答できるからである。
よく「う〜ん、いっぱいありすぎて…」という曖昧至極な物言いは、会話上よろしくない。
特に自分をアピールしたい場合はマイナスだ。

しかし、難しいというのもまた事実。
興味のないランキングなどを見てみると、「へーそうなんだ」程度で判断基準の1指針にはなるのだが。
例えば映画ひとつ取ってみても、様々なランキングが存在するだろう。

・好きな俳優ランキング
・嫌いな俳優ランキング
・好きな映画ランキング
・嫌いな映画ランキング

等々。
普段は意識していることではないが、よくよく考えてみるとあるよなぁ。

ふと見かけた掲示板にて「おっさん世代のアニメヒロイン」という懐古スレがあった。
見てみると「ないわー」と思ってしまい、ランキングが如何に適当でおためごかしなものかと
肩を落とすわけだが、おっさん世代も色々あるから、あながち全否定というわけにもいくまい。

昭和のアニメヒロイン10傑というのも難しいランキングであるが、
あえてランキングしてみよう。

思ったのだが、婚活とか自分の嗜好性をランキングしてお互いに見せ合いをすれば、理解度が深まるような気もする。合う合わないというのもすぐわかりそうなもんだ。

では逆から順にちょっとやってみるか。
ちなみに逆からやるのはかなり難しい。


■俺的独断の漫画・アニメ ヒロインランキング


10位 マジンガーZ:弓さやか
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少年ジャンプ連載時に読んでた。漫画のほうがエロかったね。風呂場のシーンとか最高。後に『月刊マガジンZ』に連載された新名昭彦の漫画のスピンオフで登場するが、原作よりお色気があっていい。藤井さんなんかはこのかぐや姫カットがかなり好きだろうと予想。


9 位 どろろん閻魔くん:雪子姫
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少年サンデー連載時にリアルタイムで読んでいたが、初代アニメのほうは作画が幼くて可愛くない。漫画のが圧倒的にエロくて好きだった。まぁ…かなり今で言う過激な描写もあるから少年誌ではかなりやばかったそうな。でも永井が描くとコミカルであっさりエッチって感じなんだよなぁ。アニメのリメイクでどろろん閻魔くん めーらめらは作画が原作と近いけど、昭和ネタを乱発しすぎて頭オチになってしまったが、それでも割と好きだった。雪ちゃん可愛いし。「OVA版」『鬼公子炎魔』は救いがない暗い印象がまた別の味がある。成長した雪子姫の作画がかなりいいので必見。


8 位 機動戦士ガンダム:セイラ・マス
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多感な青春の時期に現れたヒロイン。お嬢さんでお姉さんのキャラに惹かれたなぁ。入浴シーンを見て前屈みになったのは俺だけじゃねーだろなぁ。キッカ?けっ、ロリコンじゃねーからガキには興味ねーんだよ!シャアが好きだったのかなセイラは。小説だとアムロとやっちゃうんだけど、考えてみればあまり貞操観念ってこの時代の女性にはない設定かもしれぬ。セイラよりララァが好きだと言う奴は間違いなく早漏だぜ!


7 位 ルパン三世:峰不二子
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言わずとしれた昭和ヒロインのトップにきてもおかしくない元祖ボッキュッボン。色んな不二子がいるからこれまた難しいが、俺的にはやはり東京ムービーの頃の不二子かな。初代の不二子もいいけども。ベッドシーンもあったんだぜ。しかし実際に1m以上のおっぱいなんざ奇形に近い気もするが。スピンオフの「峰不二子という女」は、やりたいことはわかるんだが、不二子の魅力はあまり出せてなかった気がする。何気にスキルすげーたけーんだよな不二子って。実写の劇場版の黒木メイサが不二子とかありえねえよな。


6 位 あしたのジョー:林 紀子
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庶民代表のヒロインって感じ。どこにでもいそうな八百屋の娘だが実際にはいねーよな。ジョーと紀ちゃんのデートシーンがすげぇ好き。当時はなんでこの二人がくっつかねーんだよ!と憤ったものだが。まだチンチンの毛も生えてないガキにはわからんかった。しかし、今考えてみると、鑑別所あがりの西と結婚するとか、あまりにも男の選択肢が狭くねーか?そこらのちょっとしたボンボンよかお見合いできると思うんだが。まぁ、涙橋界隈(今の三谷)いる時点でそうなるのはしょうがねえか。10数年前に一度、三谷を歩いてみたら本当にドヤ街で炊き出しとか、100円立ち食い寿司とか見てビビった。今じゃ三谷も相当変わったらしいけどなぁ。


5 位 ガッチャマン:白鳥のジュン
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パンチラを惜しみなく披露している希有なヒロイン。普段着はあまり色気がない服装だけど変身したコスチュームはなんかエロい。天野喜孝の原画もいい味を出していた。今考えてみるとあれはテニスとかのアンダースコートだったんだろうな。しかし、ジュンの色恋沙汰はあんまり印象がないね。実写版の剛力見てると最初はうわぁ;と思うが段々に慣れてくる不思議。それでもまぁ日本のアニメSFの実写はやめとけと言いたい。


4 位 めぞん一刻:音無響子
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めぞん一刻は、大晦日に社会人だった長男がスピリッツの創刊号を買ってきて、第一話から読んだ記憶がある。記憶違いだったらすまん。実は最終回は相当後になって読んだ。アニメはほとんど見る機会がなかったな。めんどくせー女だけど、可愛らしさ満載で嫁にしたかったキモオタも多かったろう。俺もその1人である。漫画での五代との濡れ場を見ながら胸を掻きむしった童貞どもが日本中に何人いたことか。合掌。


3 位 銀河鉄道999:メーテル
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テレビ版の作画が第一話だけは秀逸である。荒木と姫野のタッグだからね。メーテルの顔って安定して描くのが難しいと思うわ。映画版のメーテルがよかったな。哲郎にキスをするところなんぞ、同じように映画館で固まったっけ。生身でない人ではない妖しさがメーテルというキャラを際立たせているように思う。お姉さんつうか母親っうか、男にとってそのポジションが曖昧なのも良かったのでは。メーテルの名台詞「私は、あなたの少年の日の心の中にいた青春の幻影」も伝説級だわな。藤井さんだったらメーテルを第一位に選ぶはず!


2 位 サイボーグ009:003/フランソワーズ・アルヌール 
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正直、003のスピンオフを出して欲しい程好きだった。映画版の声優がジュディ・オングとか初めて知ったわ。石ノ森の描くヒロインはとにかく可愛いくて儚げで大好きだった。009との美男美女コンビだったが、ガキの頃は美人には美男が寄り添ってないと犯罪くらいに思ってたっけ。だから醜男に陵辱されるものを見るのは大嫌いだった純情君は今何処。フランソワーズはかなり日本的な女性に描かれてるが、実際のフランス女などは日本の男には合わねーだろうなぁ。つきあった経験はねーけど。リメイク版の新しい映画版も嫌いじゃないが、フランソワーズがかなりビッチ臭いぞ。まぁあれはあれでいいとは思うがw


1 位 キューティーハニー:如月ハニー
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永井豪は魅力的なヒロインを作る天才だわ。可愛い・綺麗・かっこいい・セクシーを存分に体現しているまさに昭和のスーパーヒロインだろう。変身する前のハニーが好きだった。とにかく尻とおっぱいがこれほど魅力的なキャラもなかなかいない。これ見ると昭和の時代が如何に大らかだったか分かるってもんよ。お色気と卑猥の違いと言うか、低俗のようでも知的な部分もちゃんとあるというか、そんな匙加減が昭和の作家達はバランスが取れてた気がするな。リメイク版はやっぱいまいち。幸田の歌はだせぇし実写版は言うに及ばず。



以上。おわかり頂けただろうか。
ランキングというものは、個人単位でも年月によってその位置は変動していくもので
かなり曖昧だ。
これを見るとポニテ属性の俺が一人としてポニーテールの美少女がランクインしていない。気まぐれオレンジロードのポニテの鮎川まどかとかなんで入らないのか?それはやはりヒロインとしての格が違うからである(俺の中では)。
人によっては、魔女娘メグとかキャンディ・キャンディとかキャシャーンの上月ルナとか、ヤマトの森雪。セーラームーンとか列挙できないほどのヒロインはいるが、何故かポニテのヒロインはあまり思い浮かばない。
ポニテはモブとかサブヒロインとかに向いてるのかねえ。
ツインテはキャラ立ちが簡単だから印象にも残りやすいのか。
髪型も重要だよなヒロインは。


いやぁランキングってほんと面白いですね。じゃまた別のランキングでお会いしましょう。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

藤井さんの好み

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藤井美菜:モデル・タレント

この娘がど真ん中だと俺は思った。
藤井さんは本当に面食いだ。
しかし惜しむらくは…。だが、まぁそれはいいんじゃないか。可愛ければ。
最近の流行は肉より野菜だし。

そんな会話で始まる藤井さんと俺の毒にも薬にもならない話。


「藤井さん、こんな娘が奥さんだったら毎日がパラダイスだよな!」

「そうだねぇ…。あと50年若けりゃねえ」

「だから生まれてねーだろが」

「こーいう娘にクノイチのコスプレさせたいね!」

「うーん、俺の世代だと、かげろうお銀だなそれ」

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水戸黄門シリーズ/かげろうお銀:由美かおる

「なんか頭身が…w」

「昔の人だしねえ。今みたいなモデル体系じゃないな」

「お風呂のシーンとかでおっきした?」

「もちのろん!フルボッキして親の前で前屈みさ!」

「性春だなぁw凸さんの時代は11PMも全盛期だったろうし」

「今よりオープンでクリエィティブだったなテレビ番組も。特に深夜テレビはね」

「僕の世代のクノイチは不知火舞かなぁ。インパクトがすごかった」

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餓狼伝説2:不知火 舞

「それゲームキャラじゃん。じゃあ俺はDOAのかすみだな。なんたって可愛い」

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デッドオアアライブ5:かすみ

「これってさ…美少女で巨乳だから許されるコスプレじゃない?」

「確かに…。つーか、現実にこんなコスプレが似合う人がどれだけいるかだが」


「じゃあ少し現実的に。鉄拳のニーナとかならいいよね!」

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鉄拳:ニーナ・ウィリアムズ


「それもっとハードルあがってない?金髪だしスタイル抜群だし」

「考えてみれば、あのコスも似合うのは日本人じゃほとんどいないかもね」

「海外のレイヤーあたりならすげぇのがいるだろうねえ。実際こりゃ本物だろ!ってのがいるし」

「というか…僕たち何の話をしてたんだっけ?」

「あ、そっか。クノイチの話じゃなくて幕の内だっけ?」

「凸さん、それはじめの一歩だよ」

「藤井さんって、女とやるときってデンプシーロール使うの?」

「意味わかんないwww」

「ほら、左右にグラインドしながらさ」

「ますます意味わかんないwww」

「とにかくさ、藤井美菜みたいな娘とクノイチ・プレイをしたいんでしょ」

「それ凸さんの願望じゃないのwwwww」

「うむ。確かに俺の願望でもある。だが、しかし…」

「なにw」

「男はみんなクノイチが好きなんだよ藤井さん」

「そうなのw」

「そうさ。結局はクノイチさ。じゃあ行こうか!」

「どこにw」

「俺たちのクノイチを探しに。どこかに必ずいるはずさ。俺たちを待ってるクノイチが、さ」

「そう言えば…凸さん。五反田にクノイチってソープが新装開店らしいね」

「ギクッ!」

「ギクッじゃねえよwwww」


今年あとわずかだ。気張るか。
じゃ今週もよろしく。

テーマ : 日記というか、雑記というか…
ジャンル : 日記

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とある都内の洒落たバー。

店内は間接照明が申し訳程度に光を落とす。
シックな黒のスツール10席が並ぶカウンターとテーブル席が4つ。
大窓には都会の夜景が広がり、流れるBGMはコルトレーンのBLUE TRAIN。
控えめな乾いたサックスの音色は恋人達が愛を囁くには十分すぎるテイストだ。
芸能人や著名人の顔も見かける都会のスポット。

カウンターに女性を挟んで男が二人。
どうやら女性は今夜のパートナーにどっちが相応しいか値踏みをしているらしい。
男性二人は如何にも高そうなブランドスーツに身を包んでいる。
時計も靴もブランド品だ。レースアップのフェラガモ、オメガ スピードマスター。
いささかスタンダードすぎる感はあるが、悪くはない。
スーツは奥の男がヒューゴ・ボス。手前の男がポール・スミスか。まぁ今の流行だが及第点だ。
女性はアウターとトップスを白黒のコントラストで決めてスカートは、ベージュのミディスカートだ。
3人とも30歳をやや超えているように見えるが私から見たら十分に若い。
バブル期のわたせせいぞうの漫画に出てくるような男女だ。

独り身の私は彼らから3席あけたカウンターの端で飲んでいる。
寂しく飲んでいるように思われるが、これはこれで楽しい。
特にまったく関わりのない男女の会話をツマミに飲むのは、このうえもなく下卑た中年の本道である。
その背徳感に酔う最低な男を演じるのは至上のエクスタシーだ。

ジャック・ダニエルご免なさい。
わたしはジャック・ダニエルに謝りながら、聞き耳を立てている。
老年で体のあちこちガタは来ているが、聴力だけはいまだに自信があった。
測定値は未だに成人男子の2倍はある。まさにデビルイヤーは地獄耳だ。
時に雑音が煩わしいことも多々あるが、それでもこの能力のおかげで命を落とさずに済んだこともあるし、
ありがたい能力であることは間違いない。

私はカランと落ちるアイスブロックに目を落としながら、今夜のターゲットを定める。
お気に入りのアメリカン・スピリットに火を点けて
さて、一体どんなお洒落な話をしているのか。
こっそりと耳を傾けてみよう。


「…みさおさんって、怒るとハシビロコウに似てるよね」

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ハシビロコウ(嘴広鸛、学名:Balaeniceps rex)
ペリカン目ハシビロコウ科の鳥類の一種。
エチオピア区の南スーダンからザンビアにかけての湿地に分布


奥の男が笑いながら云った。半身にして女性に体を向けて如何にも口説くぞという体勢だ。

「うふふ。ありがと。そういう高崎くんはアフラックのガチョウに似てるわよ」

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アフラックダック
「アフラック」とだけ話せる米国生まれのアヒル。



すると手前の男がすかさず口を挟む。

「いや、それ褒めてねーだろ。それにあれってアヒルだろ?」

すると。みさおと呼ばれた女性が人差し指を出して男の唇にすっと押し当てた。

「タツヲさん。こんな夜に野暮は言いっこなしよ。うふふ…」

手前の男はタツヲというらしい。

高崎と呼ばれた男が谷啓の真似をしながら
「ガチョーン!!」と古いギャグをかました。
寒すぎる…。こんなお洒落な都会のバーで、谷啓のギャグを見せられるとは…・

みさおはクスクス笑いながら口を手で抑えている。

「相変わらず面白いのねえ。高崎君は」

タツヲも手を打ちながら大笑いをしている。
他の客からの視線など気にもならないようだ。

それにしても…

なんという意味不明な会話だ。
お洒落なバーでお洒落な服に身を包んだ男女が何をしている。
もう少し小洒落た会話で艶っぽい話をしてくれまいか。

私はバーテンを呼び寄せて、ダニエルのダブルをおかわりして、さらに聞き耳を立てた。

「みさおさんは、どっちかっつうとアフリカオオコノハズクに似てるんだよ」

タツヲが手に持ったグラスを軽くみさおのグラスに合わせながらウインクをする。

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アフリカオオコノハズク(阿弗利加大木葉木莵、学名:Ptilopsis leucotis)
鳥綱フクロウ目フクロウ科に分類される鳥類の1種

「うふふ、光栄だわ。あんな可愛い猛禽類に似てるなんて。タツヲさんは…そうねえ。僧兵に似てるわね」

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僧兵タツヲ
1人炭堀、青だし三日放置は当たり前。様々な不遇を経て現在に至る。
かくいう私も僧兵でねAAは有名。僧兵であることに誇りを持つ。
極楽改作戦を極端に嫌う意地っ張り。


「似てるんじゃなくて、れっきとした僧兵なんだけどな」

タツヲが高崎に目配せをしながら、グラスを持ち上げる。

「織田の瞳に乾杯!」

高崎とタツヲのシンクロした所作に、みさおはにっこりと笑って自分のグラスをカチンと合わせた。

きき耳を立てていた私は困惑している。
なんなんだろうこいつらは…。
世界動物ふしぎ発見のスタッフか?
しかも僧兵とか織田とか意味のわからん単語も出てきている。
一体こいつらはどんな関係なんだ。

頭を抱えながら私は非常に興味を惹かれた。
もう少しつきあってみるか。
気を取り直して私はさらにデビルイヤーで彼らの声を聴く。


「まだこれからよね。信は。嗚呼、信長様…」
みさおが手前に置かれたホワイト・レディーに口をつけながらつぶやいた。

「鯖統合か。いよいよ時代が動くな。僧の上方修正あるで」
タツヲが眉毛を動かしながら爪を噛んでポーズを取っている。
何かっこつけてんだこいつは。

「ククク…。いよいよ高崎クリスタルの出番が来るね。武将は頂きさ!」
高崎が指をパチン!と指を鳴らしてドヤ顔で嘯く。
なにが武将が頂きさ!だよ。アホか。


私は彼らの会話にびっしょりと汗が出てきた。

こいつら信オンユーザーかよwwwwwwwwwww
俺もやってたしwwww
やめろよこんな場所でお洒落に決めて信話とかwwほんとやめてまじやめてw

思いっきりそう叫びたくなる衝動を抑えた。
信長の野望オンライン。当時は国内唯一の戦国MMOでシネマティックバトルとうたわれターン制のクローズド戦闘が売りだった。私もそこに身を置くプレイヤーだったのだ。

世の中は狭い。まさかこんなところで信話をする奴らに出くわすとは。
もう数年前に私はその世界から消えた。
卒業というわけではないが、自然に足が遠ざかりいつしかゲームそのものをやらなくなっている。
歳のせいにはしたくはないが、興味を失っただけではなく、意欲も失っていったのだ。

烈風、真紅鯖を駆け巡っていたあの頃。
何もかもみな懐かしい。

今なら彼らの話に加わることもできよう。
そこそこの武勇伝を聞かせながら、話もはずむだろう。
しかし、あそこは私の場所ではない。
ロートルは現役の場所に居座るべきではないのだ。

今日は希有な出会いをしたものだ。
この一杯で打ち止めとしておくか。

都会のお洒落なバーに集いし戦国のもののふ達か─
それもまたありかもな。

私は彼ら─いまだに現役の後輩を見ながら地球を見る沖田艦長とシンクロした。
ダニエルを飲み干して腰をあげようとした瞬間、耳を疑う言葉が出てきた。

「そういえばさ、地獄突って人知ってる?」

高崎がなんと私のハンドル名を出した。
少なくとも私の名前を知っているのは、彼らの二世代前のはずだが…。

「知ってるわよ。その人、両替前でいつも「しゅっしゅうしゅしゅう〜〜〜〜!!」とか叫んでるもの。痴漢車トーマスとか云われてるわ」

マソじゃねえかwwwwあの野郎www

「ああ、知ってるよ俺も。確か藤井駿河守という人と組んでいつもレスキルしてる。上覧とか二人で、お●こー!とか、ち●ぽー!とか騒ぎまくってGMに厳重注意受けてたぞ」

藤井さんwwwやめてよwww

かくして信プレイヤー達の熱い夜はまだまだ終わることがない。
私の戦国もいつか取り戻すことができるのだろうか。

そんなことを考えながら私は店を後にする。
それでは本日はこのへんで。
関係ないけどやっぱストレイキャッツはいいねぇ。

テーマ : オンラインゲーム
ジャンル : オンラインゲーム

鍋の夜


出来れば曲を聴きながら読まれたし。

鍋はいい。
何がいいかって楽でいい。
そして栄養を無駄無く摂取。

藤井の屋敷。
真紅の月が出ているいい夜だ。

長方形のテーブルに置かれた4つの取皿とタレの壷。
そして牛と豚の霜降り肉に各種の具材。
ガスコンロに焼べられた土鍋に綺麗に盛られた土鍋からは、既にいい匂いがぷぅんと匂ってくる。

「ふっふ〜ん。鍋は単純明快もういいかいってね」

藤井は上機嫌で冷蔵庫のビールの冷え具合を確認した。
鍋から溢れる煮佛の音がリズムよく耳にさえ心地いい。

「え〜と、箸はどこだ。箸、箸っと…ハッシ32てか」

キッチンの収納をまさぐりながら鼻歌まじりに箸を探す。

「おぅ、あった。割り箸サイ箸日本橋」

買ってあった割箸を袋を見つけて、煮立ち始めた鍋の火を少し緩めた。
あと少しすれば、十分に美味しい具に出来上がる。
まさにこれが至高の鍋。

鍋は盛りつけも重要だ。如何に美味しそうに見えるかも食欲をそそる大きなファクターになる。
藤井は均等に盛りつけられた野菜、肉と総菜のコラボにご満悦といった様子でニヤニヤと眺めている。

「冬はやっぱり鍋だぁね。よくぞ日本に生まれけりって痛いよ上段廻し蹴り」

鍋は宇宙と一体になる儀式である。
─と、室町時代のある食通は言ったとか言わないとか。

古来より倭人は医食同源にあり三里四方の野菜を食し琴棋詩酒を珍味佳肴で宴を楽しむ。
鍋はその宴の中心にあり、鍋を食するということは、人が宇宙と意識を一体化させるものだと言う。

春菊、白菜はエンベロープ。豆腐やつくね小惑星。椎茸、榎は流星群。霜降り肉はあまたの星々。土鍋は宇宙の一部を現す無限大。

そうだ。鍋を食する日本人は日常から宇宙へと意識をシンクロさせることに成功しているのである。
なんと素敵なジャパネスク。愛と希望のコスモゾーン。

友人達を待つこのひととき。
すべてが満ち足りたこの空間。

心から日本人に生まれてよかったおっかさん。
藤井は天に感謝する。そしていまだに天中殺を信じてる。火星に生物がいると信じてる。
ドラキュラ伝説を信じてる。どこでもドアを信じてる。夢は必ず叶うと信じてる。
最後に日本を信じてる。日本人を愛してる。

だからこそ、鍋を食せるのだ。
鍋は正直である。作った人の心を映す。

若い頃、やさぐれて組の構成員になりかけた時も、鍋が救ってくれた。
鍋を作ってくれた当時の彼女に言われた言葉を思いだす。

「ふーちゃん、あなた忘れたの?鍋は心の眼で食べるのよ」

転落しかけていた人生を救ったひと言である。
その彼女とは性癖が合わずに別れてしまったが、いまだに彼女の至言は心に残る。

心正しく安らかに。
鍋を食べる前の心得だ。

日本の鍋は宇宙一の食である。
鍋の中で息づく具材には全て小さな宇宙が宿っている。
欧米人は外へ外へと宇宙を求めるが、東洋では内へ内へと宇宙を探る。

そう。宇宙とは鍋そのものなのだ。
つまり宇宙鍋。
深淵なる宇宙の神秘にせまるには宇宙鍋を食し、
その精神を宇宙に浮遊させて幾億光年もの時を超えるしかない。

どれくらい、そんなことを考えていただろう。
長い時間だったような気もするし、刹那だったような気もする。


玄関の呼び鈴が鳴った。


「藤井さーーん、きたよぅ!」

友人の高崎の声だ。

続いて、みさお、タツヲ、周防の3人の声。

「お邪魔しますー」

友人の凸やマソも呼ぶはずだったのだが、凸はサラエヴォから帰国中に空港でエボラの疑いをかけられて出国できないと聞いた。
「ボスニア!ヘルツェゴビナ!」
そう云いたいがためだけに、サラエヴォに行ったらしいが、ジェットコースター級のアホである。
マソはマソで彼女ができたのだが、夜の打席で腰を痛めて療養中である。
さすがのマソでも、彼女相手にサイクルヒットを打つのは難しかったようだ。


「やぁやぁやぁって、ビートルズのズウトルビのゆっとるびー」

藤井は4人を迎えて冷えたビールを急いで冷蔵庫から取り出す。
4人は思い思いにツマミや酒を持ち寄ってきていた。

高崎が白いビニール袋からスナック菓子を取り出すと、タツヲ、みさお、周防も持ってきた土産をひろげはじめた。

広島名産伝説の「牡蠣チップス」、幻の横須賀原産大吟醸「兄者」、茨城の珍味「海老納豆」、湘南特産地酒「サザン」

藤井は4人を座らせて、キンキンに冷えている缶ビールを配った。

「いやいやまぁまぁ、よくぞ忙しいのに来てくれたもんたよしのりダンシングオールナイトってか」

「相変わらず寒いわね藤井さん。死ねばいいのに」

みさおがお決まりの毒舌を吐くと、追蹤して高崎がたたみかける。

「シベリアジョークの藤井さん、能書きいいから乾杯しよう…って」

見るとタツヲと周防は既にプルトップを開けて飲んでいる。

「あんたら、まだ乾杯もしてないのに早いよ早いのござ早漏のウサインボルト;」

藤井は頭を抱えて嘆くが、タツヲも周防も気にしない。
ちいせえことはいいんだよと、構わずぐいっと飲み続ける。

それにつられて、高崎、みさおも飲みはじめる。
鍋を始めるにあたっての禊とも言うべき「ご挨拶」はフライングによって流された。

藤井は一瞬殺意が湧くほど激昂しかけたが、深呼吸をして呼吸を整えた。

鍋は楽しく優雅であるべし。
些末な怒りに捕らわれて、宴を台無しにすることこそ愚の骨頂。
大人になれ俺。
そう自分に言い聞かせて、怒りを胸の箪笥にしまい込む。


「ま、まぁいいや。それじゃあ始めると師走かしますかパラダイス」

ところで鍋にも無限に種類はある。

今日はスキヤキ鍋だ。霜降り牛肉プレミアム。
藤井が回した商店街のクジで当たった最上級の肉である。

このとき藤井はまだ気がつかない。
4人の眼に光る怪しい揺らぎを。

一見、普段は仲良く温和に見える友人達だが今日は違う。
これはまぎれもなく「戦」だった。

野菜や他の総菜の具はもう準備完了だった。
割下に藤井は、山積みされた生玉子を一つ割って自分の椀に入れた。

「みんなも玉子は適当納豆ありがとうっと入れてね」

そう促しながら割下の玉子を溶かす。


みさおは既に缶ビールを3本あけて日本酒に突入している。
驚異的なスピードでアルコールを消化しているが、これはあとが怖い。
そろそろ目が据わってきている。

「おらっ!藤井。肉入れろ肉!」

待ちきれんとばかりに肉を催促するみさお。
既に酔っぱらってるのは明白だ。

「ペース速すぎつうのよ、スリーフォーファイブ。君ってばさぁ…」

トングで豚肉を鍋に入れて食す。うまし。
豚肉もスーパーとは言え高値の高級品。
最高品質の黒豚である。

そりゃ食うペースも速くなる。
一心不乱に肉にかぶりつく。
そして喜悦の表情を浮かべながら感動の嵐。

「こりゃうめぇ!」

周防が叫ぶ。タツヲが笑う。高崎食べる。みさおは食う飲む遊ぶの大乱調。

あっさりはまぐりペロッと2kgの豚肉を平らげて、いよいよ「和牛プレミアム肉」を投入する。
きめ細かく、肉と脂の色が美しい和牛のプレミアム。
肉の宝石流れる銀河。まさに芸術品と言っていい。
まだまだ、このグール達の腹は朽ちることなしこの上無し。

藤井は皿に盛られた肉を調理トングで挟んで一回二回とくるっと回す。

「さぁ、入れるぜぇプレミアム肉をばよぉってばよぉヨーヨー剣玉」

たっぷり勿体をつけて、鍋に投入。
う〜〜ん、肉の煮える匂いも上品な趣がある。

続いて肉を入れ続ける藤井。
この瞬間こそがホスト役の至極の誉れ。

─だが

4人の眼は既に獲物を狙う野獣の眼である。
いわばゲリラで武将に取り憑き武功を稼ぐ一匹の戦士。

お互いを牽制しながら出方を見ている。

高崎はまず外堀から埋めていく「野菜総取スプリット」
みさおは肉だけに焦点を定める「直取りクリスタル」
タツヲは手前の肉と野菜を入れ替える「肉返しサイクロン」

周防は…
具材に関係なく適当に手元にあるものを全部放り込んで食う「クロス・クロ肉ル」だ。


高崎の箸が掴んだ肉と、みさおの掴んだ肉がバッティングする。

「おや、みさおさん。この肉は俺が先に掴んだものですよ。他をお取り下さい」

にこっと笑って高崎は言うが、みさおも笑って肉を掴んで離さない。

「おほほほ。何をおっしゃってやがるのかしら高崎さん?肉を掴んだのは同時だし、ここはレディファーストが紳士の嗜みじゃなくって?」

酔っぱらいながらも平静さを保つ、みさおだがいよいよ化けの皮が剥がれてきた.
箸を持つ手を震わせながら、早くも両雄が激突必死、玄武と白虎。

目覚め始めている情熱が導く結末は運命さえも貫いていく。

みさおの笑顔の横に青筋が浮き上がってきている。
それは高崎も同様だった。

一方が引っ張れば一方がまた引っ張る。
そうしているうちに、漁父の利と言わんばかりにタツヲと周防が肉を食う。

目を糸にして笑いながらも、みさおの声は堅い。

「うふふふ。高崎さんも意外とせこいのねぇ。たかが肉ごときでこんな意地はっちゃってさ」

「ははは。それはそのままお返ししますよ。そもそも肉より魚を食べたほうが体に良い年頃なのでは?」

これに、みさおはぶちんと切れる。

「言うわね、言ってくれちゃうわね。切り干し大根みたいな顔して言ってくれちゃったわね」

「織田のパラジクロロベンゼンとまで言われているオイラになんてことを;」

藤井はそれを見てあわてて止めに入る。

「ちょ、ちょっと止めてよ、お二人さんかく又来て四角。、せっかくの鍋で喧嘩はだめヨン様冬ソナ、ペヨンジュンとかなんとか言っちゃったりなんかして」

みさおの耳に藤井の声は届いていない。
高崎があきらめて肉を離すと、みさおは親の敵とばかりに肉を割下につけて口にほうばる。
鍋の中の肉をあらん限りに掬い取り、自分の椀にわっせと持った。
どんだけ肉が好きやねん。

食べると鬼面の顔もほころんで相が変わる。
とろける食感、溢れ出す肉の甘み。
本当に美味しいものを食べてる時は、人は皆菩薩になると言う。

しかし、すぐに新たな獲物を求めて鬼の貌に戻ってしまう。
高崎はその凄まじい形相を、後にこう語っている。


「ええ…。あの時のみさおさんは、まさにキレた時の新日本プロレスの永田裕志でしたね。肉を食う度に敬礼してましたからね。いやぁ思いだすだけでも恐ろしいです(笑)」
織田議会所属 高崎談

するとタツヲが周防を何やら止める仕草をしている。
周防が手に持っているのは、山盛りの残りの具材だった。

「やめろってツカさん!まだ入れなくていいんだよそれ」

「いいっていいって。大は小をかねるんだから煮ちゃえば同じよ」

「おおぃ!」

周防の手から鍋にあらんかぎりの具材が投げ込まれた。
肉は具材の下に埋もれて視界から消える。

「何さらしとんじゃぁ!わりゃあ!!!」

みさおのガゼルパンチが周防の顎にヒットした。

「がはっ!?」

虚をつかれた周防は庭先まで吹っ飛んで気を失った。
半ケツを出しながら仰向けにひっくり返っている。
ここで肉争奪戦は1人脱落。

残るは藤井を含めた3人。高崎はすでに飲む方にスライドさせたようだ。
が、肉をあきらめたわけではない。
タツヲはてんこ盛りの野菜をどけながら肉を探索している。

藤井は肉には手をつけず、うつむきながら様子をただ静かに見守っていた。

みさおが咆哮しながら肉を食う。
高崎はやけになって、鍋にビールをいれて「コクがでるんだ」としたり顔。
タツヲは、周防の悪戯の後始末をしながら、プレミアム肉をくべ続ける。

もちろん藤井はプレミアムを一切れも口にいれてはいない。
テーブルのビールはひっくり返り、野菜や総菜の残骸がそこらにちらばる。

みさお、高崎、タツヲはもう肉のことしか眼中になく、奇声をあげて肉を争奪している。
周防は以前、半ケツで庭にぶっ倒れている。

とびちる煮汁。耳をつんざく罵声と怒号。
ほとんど、みさおと高崎のものだったが、そんなことはどーでもよかった。

藤井は傍らにある一升瓶をそのまま飲んだ。
しらふじゃもうやってられない見てられない。
程よく酒がまわってきたとこバシッと顔に肉キレが飛んでくる。
みさおと高崎が奪い合いをして、肉が滑って飛んできたのだ。

藤井はぶるぶる震えながら、この阿鼻叫喚の無限地獄を見ていたが、さすがにキレた。

「いー加減にしろてめぇらーー!!!」

藤井は高崎の後頭部にケリを見舞って、みさおの頭に拳骨をくれた。
タツヲは無言で肉を探して鍋をかき回している。

「人が下手に出てりゃあいい気になりやがって。おめーら見たいな悪(わる)は茶碗か皿かっくらいに覚悟しなって支那と韓国紙一重」


高崎とみさおが頭を抑えながら、ニカッと笑った。

「なにさらしとんじゃぁ禿げ…」

「やるっちゅうんかい、藤井の」

完全にバトルモードスタートである。

藤井は右手で来いよとばかりにクイックイッと合図をした。


「上等じゃあー!!!!」

高崎とみさおは藤井に同時に襲いかかった。
もう鍋どころではない。

肉をめぐってのバトルロイヤルだ。
絶対に負けられない戦いが始まった。

タツヲが顔をあげると3人が交差した火花が、美しい火花に見えた。


─数時間後

タツヲは深い眠りにおちていた。
周防は以前として気を失ったままだ。

藤井とみさおと高崎はというと…

殴り合って力尽きて3人ともにボロボロになって倒れていた。

高崎は空になった鍋に顔を突っ込んで気絶。

みさおは、襖をやぶって体を半身出しながらこれまた気絶。

藤井は血まみれになって、最後の一切れを食べようとして椀を持ったまま気絶。

壮絶な鍋の夜はこうして幕を閉じた。



一週間後の名古屋の茶店。

「藤井さん」

茶店で団子を齧っていた藤井に、みさおが声をかけてきた。

「やぁ」

「このあいだはごちそうさま。おいしかったぁあの肉。途中で記憶とんじゃったけどまた呼んでね」

「ああ、俺も途中からさっぱり記憶がねーんだけんども、にんともかんとも」

「なーんかあの後三日ぐらい体の節々が痛かったのよねぇ」

「俺なんかムチウチ・セイウチ・田子の月なんてもんじゃなかったよ。死にそうだった件」

「まぁでもやっぱり鍋は大勢でやったほうが楽しいよね。じゃっまたねえ」

去っていくみさおに手を振りながら、見上げる青空冬の空。

高崎はあれからばったりと菜食主義者になったそうな。あの夜のことは語りたがらない。
タツヲに聞くと、寝てしまった時に不思議な夢を見たらしい。
なんでもアンパンマンとラーメンマンとスーザンアントン子がバトルをしている夢だという。
周防は顎をくだかれていまだに入院中でしゃべることができなかった。

藤井の屋敷は半壊状態となって取壊しになっている。

様々な疵を残した「鍋の夜」で藤井は何を得たのだろう。
刹那に挑むあるがままに。

得ることよりも捨てることが今の世では難しいのかもしれない。
なーんて言っちゃたりなんかして。

【終】

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なんじゃかんじゃ【後半】


多分あのOPの原型?とわかる人はわかる秀逸なOP。しかし内容はイマイチ。タイトル思い出すまで時間がかかった

結局のところ、冤罪というものは電車の痴漢行為と同じく思いがけないタイミングでその身に降り掛かる。
やってないのにやったと疑われて日陰の人生へらちょんぺ。

あの会議から既に一週間経っていた。
アルミン藤井は、対話する間もなく混乱に乗じてログアウト。
正体も掴めず藤井の評判はますます悪くなっていく。
藤井=ブロントさんと褒めそやす者もいる。
しかも藤井のみならず、織田の執行部に直接苦情がいくような事態にまで発展していた。
執行部の誰それから厳重注意のおしかりを受けた。

やってないのに;どうして信じてくれないぽ;;
以前、会議で藤川みさおがスパイ容疑をかけられた時も同じである。
ただ、みさおの時はかばってくれる仲間もいたし擁護してくれる者もいた。
だが藤井はいまや完全にアウェイ感でいっぱいだ。
信じられるものは誰もいない。タツヲでさえ半分は見限ってるような風にも見える。

みさおと高崎に相談してみたら
m9(^Д^)プギャー
一笑にふされてオワタ。ことの重大さをまったくわかってなかった。


とにかく、これでは織田の城下も暢気に歩けない。
童たちは藤井を見ると、浣腸するてぶりをして追いかけ回してくる。

さすがに、これを見かねたタツヲからは、今は大人しく静観しておくべきと釘を刺された。
以来、藤井はここ一週間、屋敷で隠遁生活を強いられている。

今日も今日とてゴロゴロしながら、屋敷で酒をくらっていた。
円形のテーブルに対峙して座しているのは、織田の良心と言われている高崎である。

「藤井さん、飲み過ぎだモナー」

ぎこ猫モナーのかぶり物をしてRPをするのが、最近の高崎のお気に入りだった。
藤井は幾分赤くなった鼻を親指でこすりながら気に入らなさそうに高崎を睨んだ。

「うっせぇ!ほっといてくれ!この徳利のお猪口もの!単細胞のスルメイカ!」

「意味がわからないモナー」


怒鳴ったかと思えばべそをかいて今度はぐずりだす。

「高崎っち〜;だって、みんなひでぇんだモンティパイソン株で損」

「っち〜とか言うの止めて欲しいモナー」

「戦友がピンチなのになんだよ!なんだなんだなんなんだ、その冷静さって手羽先き4つの持ち帰り」

「…いいおっさんが泣いてる姿がこれほど醜悪だとは思ってなかったモナー;僕もう帰るモナー」

「待てよ!待って!待って、横浜ブルーライトのエアプレーン」

腰を上げようと高崎の腰にすがっておどけてわめく
言ってることは意味不明。

「離してくれってばモナー」

「まぁまぁ座ってちょんまげ提灯ハルマゲドン。おっ、そのお守りきまってるじゃんトウバンジャン」

「ううっ;寒いダジャレのオンパレードで頭がもう;」

「外も歩けないこんな世じゃ高崎さんだけが頼りなのよ;ほら、俺ってもう有名無名チャーハンうめぇ、なんてね。そんなわけだから一人にしないで;」

酔っぱらって支離滅裂な藤井は笑ったり泣いたり落ち込んだりと感情がルーレットのように回転している。

高崎はうんざりしながら、座り直して胡座をくんだ。
テーブルの皿に盛られたエイヒレをつまむんで齧る。

「だいたい藤井さんさぁ、この前僕が貸した50万貫もまだ返済してもらってないモナー。狩りもしないでこんな生活してたらあっという間に困窮して神保町で空缶拾いの生活だモナー」

藤井はかぶりを振りながら真っ赤な目を擦って笑う。

「だいじょびだいじょび。知行で稼いだ資産はあるから問題ナシの桃栗3年柿8年」

「なら当分心配ないか…って、だったら金返してよモナー」

「と…云いたいところなんですが、おっしゃるとおりの青山通り。7垢全部の装備新調してすっからかんのカンで愛は勝つ。なんちゃって」

暢気な口調でおどける藤井に高崎はカチーンとゴチーンときちゃったりなんかして。

「おいハゲ。冗談だろ」

高崎の口調が変わっている。

「俺は禿げてねえし!高崎っち、キャラ維持できてなくない?なくなくない?のスチャダラパー子」

「…そんなことより僕の50万貫はどーなるモナー?」

「知らねーけど、大丈夫ブイの金曜日なんちゃってー」

「ぷちん!!」


きれた高崎は藤井の顔にエイヒレ掴んで力一杯なげつけた。
そのエイヒレを顔にくっつけながらも藤井はエイヒレ齧る。

「ナニするカニするペロッとタン塩!」

この期におよんでまだ寒いギャグを続ける藤井。
もう何を言ってるのかすらわからない。
いよいよ高崎の怒りが頂点に達するかと思われたその時、藤井の視界に見慣れないPCが現れた。

「あーーーーーっ!!」

「う?」

アルミン藤井と表示されたそのキャラ。
まさしく、藤井がこのような窮地に立たされている元凶がそこにいた。


「お、おまえってば、やっぱし八つ橋、アルミン藤井!」

藤井は震えながらアルミン藤井を睨みつけた。
それを気にもせずぺこりと会釈をしてアルミン藤井は藤井の前に立った。


「藤井さん、悪かったね」

「なんだなんだぁ?」

偽物の意外な謝罪に身構えていた藤井は拍子抜けをした。

「実はこのキャラは藤井さんにゲーム内から対話を送るただのメッセンジャーのつもりだったんだが…」

「メッセンジャー?それって何なのそれって日テレ。あっ!!あんた、まさか…」

「ふふふ…」

そう云うと白い子犬に化けた。

「誰だよあんた、わかんねーのよ、ねーのねーの」

「あっしでやんすよ」

「だから誰だってばさのアンバサダー」

「ふ…まだわからないのかい。あっしだよっ!さすらいの神典巫女!」

「…!!!!」

藤井は言葉に詰まった。

「お汀さん!!」

「くくく…。ようやく気がついたね」

「正体はお汀さんだったのか…知らんかったんドテチンヤリチンレンジでチン」

「藤井さんしばらく見ないうちにキャラ変わったねえ。広川太一郎にでも嵌ってんの?」

「キャラはどーでも、とにかくそのキャラのせいで、偉い目にあっちゃてるんだぞなもしかして」

「らしいねぇ…。すまんこってすこって牛」

「こって牛じゃねえよwwwwwwどーするこーするこの状況って、あーた何とかしてくれたまいのピカピカキッチンクレンザー」

「申し訳ない。されど、まぁ…人の噂も15年と言うし気にしないことだぁね」

「ちょっw解決になってないじゃんジャンバルジャン!」

「レ・ミゼラブルかぁ…。今の藤井さんにいい言葉を授けよう」

「なんだい、そりやトナカイサンタはこない」

「最高の法は良心です。マドレーヌ市長がファンティーヌを逮捕しようとするジャヴェルに語る言葉よ」

「そんなんいいから今は冤罪をなんとかしてくれたまいのアナゴ」

お汀は藤井の必死な様子を見て少し考え込んだ。

高崎はポカーンとして無言で成り行きを見ている。
爆発しそうな感情をお汀の出現によって吐き出せずにいたが、徐々に怒りはおさまってきていた。
それより何よりお汀の藤井に対する対応が妙に可笑しくて笑いすらこみ上げてくる。
お汀は藤井にとっての天敵なのかもしれない。
そう考えているとさきほどの刺々しい気持ちは霧散して、菩薩の相になっている。
おだやかで満ち足りた面持ちで、二人のやり取りを見守っていた。

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↑モナー高崎 菩薩の図


一方思案にくれるお汀は─

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やる夫になって一心不乱に考えていた。
しかしだんだんめんどくさくなってきた。

「藤井さん」

「おっ?」

お汀が声をかけると、藤井は何かよい案が浮かんだかとせかすように聞いた。


「いやまったく…。もう眠いし今日は落ちるね」

「おまえwwwwwwwww」


そして、正座したかと思うとフッとアルミン藤井もといお汀の姿は消えた。

藤井は無言でその場で屹立していた。
犯人はわかった。目的もわかった。アルミン藤井は間者ではなくお汀のメッセンジャーキャラだった。
武田が織田に圧されているのは、単純に織田が武田の力を上回っているだけのことだった。

間者なんかなかったんや!

大声でそう叫びたかったが、誰がそれを信じよう。
一度貼り付いたレッテルはなまなかなことではひっぺがせない。
お汀もあの調子では申し開きをしてくれるとは思えないし当てにならない。
かといって、あらぬ冤罪で武田・織田両国に忌み嫌われるキャラになるのもしんどい。

とうとう藤井は過激な最終手段にでた。
2chの晒しによるマッチポンプである。


96 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2014/12/2(火) 9:08:20.35 ID:+zWzt0TX0.net
なんか色々もめてるけど藤井って間者だったのかな?

97 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2014/12/2(火) 10:05:53.86 ID:qS3Nwa1N0.net
知らんがな

98 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2014/12/2(火) 19:38:56.20 ID:CYZvpMwK0.net
>>96
藤井は、ああ見えて正義感は強いけどな そもそも間者なんてめんどくさくてやらんだろうよ
あいつは基本いい奴だよ
少なくともこんなゴミためにいる奴らよりはな

99 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2014/12/2(火) 15:55:15.00 ID:Z/ZEmNDO0.net
>>98
藤井乙 浣腸 してますか?

100 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2014/12/2(火) 18:39:46.24 ID:RDyWgrnQ0.net
糾弾中に逃げ出したらしいな

101 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2014/12/2(火) 11:55:07.26 ID:wZftNQnkS
藤井=あにじゃ

102 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2014/12/2(火) 22:55:02.42 ID:xQKTlxRu0.net
>>98
藤井さんちーっす

103 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2014/12/2(火) 18:18:17.13 ID:YxHcLLUr0.net
>>98
清々しい自演すぎて草も生えない




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余計、評判が悪くなった。


その後、藤井の姿はタッチャマソと新宿の二郎で一度確認されたが、それ以降、藤井の姿を見た者はいない。

数年後に、友人だった地獄突は「藤井がこの世から消えたなら」を自費出版するが、
まったく売れずに自己破産したという。

つるかめつるかめ。

【おしまい】




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生息地:都内在住
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