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今年はこれまで!




最終日だっつうのに、ばたばた仕事しています。
え〜〜と、結局、年内に三浦には会えませんでしたね。
凸と美代はいつ会えるのでしょうか。そんなん風に聞いてくれと。
ま、気長に待ってみましょう。

つうわけで、今年も終わりだ。
来年はひひーんといい年でありますように。

では短いながらこれにて年内最後のご挨拶とさせて頂こう。
藤井さんはまだまだ頑張ってブログ更新してくまさい。

では皆の衆、良いお年を。
また来年!
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テーマ : 日記というか、雑記というか…
ジャンル : 日記

さすがの寒さだ

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唐突だが右から女子中高生の制服の変遷ということらしい。
俺らの高校時代は真ん中の明菜風ロングスカート女子高生。
きまぐれオレンジロード時代というか、髪型とかこんなん多かったなぁ。

一番古い袴姿のが一番お洒落に見えるのは俺だけかな。
ハイカラさんが通るの南野は強烈に可愛かった。

なんか仕事がばたばたしてるので、所感だけ書いて終わろう。

最近つとに思うのだが、この時期、車の事故で死ぬ人が多いね。
この前も狭い道でぶっとばしている馬鹿がいたが、あれで人をひっかけたらどうなるかわかりそうなもんだろうに。
人身やったら一生後悔することになるわけだが、まったく車の事故だけは起こした方も起こすほうも悲惨としか。

注意1秒怪我一生。高校時代の同級生がクリスマスに人を轢いて死なせたというのを噂で聞いたが、何とも言えないね。
天国から地獄へとまっさかさま。あの時、ほんのちょっと気をつけていれば…とみんな思うんだよな。
車に乗る人はご注意あれ。飲酒は絶対だめよ。

好事魔多し。つるかめつるかめ。

あ、そういや「あぶさん」がいよいよ終わるらしい。
一昨年だかの忘年会で挨拶されていた水島氏は元気いっぱいだったっけ。
さすがに41年もお疲れ様でしたという言葉しか出てこない。

では、皆様事故のなき三連休を。ちゃお♩

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メリーさんとマソ企画




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マソ君が適当にイベントに使うフライヤーを作って!と泣きながら頼んできたので、
ささっと簡単なイメージを作る。

ほとんど情報がなかったのでダミーで作ったが、会社の同僚にアウトプットを見つかり、「いいすね、何すかこれ?」と聞かれて「いや、何だこれよくわかんない。資料にまぎれてたんだろ」とごまかす。
アルバイトとかしてるんじゃと疑われるのもだりいw

実際のデザインは全然違うテイストになったので没案を掲載してみた。
しかしあれだね、若い人は元気があっていいねえ。
イベント企画とかよくやってるよなあ。
っていうかクリスマスとか関係ねぇ。リア充にはパトリオットミサイルを!

というわけで今日は寒いのでSSはなし。
雪ふりそうだ。

マソ君には、報酬としてアンダーグラフでもカラオケで歌ってもらおう。
ああ寒い寒い。今日ははよ帰ろ。

ではまた。


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信オン 三浦を訪ねて三千里⑬

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関所が門が見えてきた。
これを越えればいよいよ尾張に入る。

凸は一人先頭を歩き、表情を固くしている。
ここで藤井がいたならば、ちんこも固く!とか下ネタが飛んできそうだが、
さすがに失敗したら洒落にならないのでその余裕はない。

後方を振り返ると美代はタツヲと木乃の間に挟まって手をつないでわらべ歌を唄っていた。

のんきなものだ。
そう凸は思ったが、美代が笑っているとどういうわけか気が緩む。
年端もゆかぬ童のことだし、そもそも美代は敵対勢力の門はつけてはいない。

最悪、別れて一人でゆかせる算段もできたのだが、なんとしても美代は聞き分けなく駄々をこねた。
峠の宿屋で風呂を終えた後に、食事をしながら美代に状況を話したのである。しかし…


「一人になってうちが悪い人に捕まったり、獣に襲われて死んだらどうするのん!」

「どうするって、お前…そりゃ」

「もしそうなったら、おじさんの枕元で毎晩シャドーボクシングをしてやるのん。覚悟するのん!」

「うなされそうだ;」

凸は顔に斜線をいれながら、参ったとばかりに手を上げた。
そんなことがあって、二人は運命共同体になっている。
二人はプリキュアじゃないんだから勘弁してほしいぜと凸は嘆く。

凸の強ばった表情を見て木乃が声をかけた。


「凸さん、そんな顔してると幼女にもてないよ」


蒼天の拳の張太炎 (ちょうたいえん)のような口ぶりで言う。

「幼女はともかく、ホモには好かれるからな凸さんは」

タツヲの追い打ちにいつもなら軽くキレるところだが、今はそれどころじゃなかった。

そもそも凸は気が小さい男である。
普段何でも来いというスタンスを取っているのは、己の矮小さを隠して虚勢を張るためであった。


美代が凸の袖を引っ張った。

「ん?なんだ」

美代は悲しそうな目で凸を見ている。

「おじさんはどうして幼女しか愛せないん?」

「ふ・ざ・け・ん・な」

タツヲと木乃が後ろで腹を抱えて笑っている。

美代は悪びれもせずに首を傾げて笑い転げている二人を見ていた。


山を下りきったところで、広い街道に出た。
関所までもう1里もない。

植林された色づいた木々が見える。
下界はまだ秋の装いを纏いつつ、冬化粧を待っている。
さすがに日が出ていると暖かく、冷え冷えした山中とは違い身体が軽い。

美代は防寒着を脱いで薄紅の小袖姿になった。

街道沿いにはちらほらと店が並んで行き交う人もせわしなく歩いている。

「そういや腹が減ったな」

凸がそう言うと、美代がぴょんぴょんと跳ねて空腹を訴えた。

「おなか空いたのん!何か食べたいのん!」

「ははは。美代坊は可愛いなあ。よぉし、パパおごっちゃうぞぉ」


喜ぶ美代を見て木乃が太っ腹にそう言うと、美代は木乃に抱きついてますますはしゃぐ。

「わぁいわぁい!木乃おじちゃんありがとう」

「…美代坊、ひとついいかい」


美代の言葉に木乃はにこやかに笑って頭をなでた。

「なんなのん?」

きょとんとした美代に説き諭すように語り始める木乃。

「僕はねえ、まだおじちゃんではないんだよ」

「お兄さんとかにはもう見えないのん」

「そう。確かに僕はお兄さんでもない。僕は永遠のデュエリスト。少年なんだよ」

「それってニート?」

「いや…僕には勇者という職業がある」

「勇者って悪い人を倒す人なん?」

「そうだね。その悪い人を倒すために僕は戦ってるんだ。そのためにイギリスにも渡って高等魔術も習得したんだよ」

「じゃあ、これからなんて呼べばいいのん?」

「銀河美少年とでも呼んでくれたまえ。ふふ」

「わかったのん。銀河美少年のおじさん」

「うん。おじさんはいらないね。銀河美少年だけでいいね」


凸が割って入って美代の手を引っ張って引き寄せる。

「いい加減どーでもいい。何が銀河美少年だ」

「ちょっと!まだ僕の話は終わってないんだけど。幼女インターセプトはマナー違反じゃないか」

「幼女インターセプトじゃねぇ。くだらんことしてる場合か。関所はもうすぐ先なんだぞ。どうすんだよ、おい!どうすんだぁ?」


凸は不安と焦燥にかられて目が血走っている。
相当いちびっている小心者まるだしの狼狽ぶりだった。
これが侍というのだから何とも情けない。そこらの商人や百姓のほうがよっぽど肝が座っているだろう。

「凸さんよ。慌てる童貞、ちんぽ入らずという諺もあるだろう。まぁ落ち着け」

タツヲは凸の肩を叩いてなだめる。

「そんな諺ねーよ!お前らいい加減そろそろ真面目にやろうぜ。なぁ、もう今年も終わりなんだ。最後ぐらいびしっと決めようぜ。頼むよ」

しかし凸の悲痛な慟哭は一瞬にしてかき消される。

「だが断る!」

タツヲと木乃は声をそろえて一蹴した。

「こいつら…」

がっくりと方を落とす凸を尻目に、美代はタツヲと木乃の連れられてうどん屋の暖簾をくぐっていた。

「…とりあえず飯だな」

凸は深呼吸をして気を落ち着けるように息を吐く。
ここまで来たらのるかそるかの強行突破。
あとは運を天にまかすのみか。

タツヲの作戦を道行きに聞いてみたが、かなり不安が残る。
木乃にも作戦があるというが、これは謎のままだ。


店に入ると手前の4人がけの机に3人は座っていた。

「わたし、卓袱」

「僕はエビ天、ダブルで」

「うちは、天ぷらうどん」

それぞれに注文をしている最中で、凸も席に着くと天ぷらうどんの大盛りを頼んだ。

女給の運んできた出がらしをすすると気も幾分か落ち着いた。
凸は正面に座ったタツヲをじろりと睨みながら聞いた。

「タツヲ、奴は?」

「うむ。もうそろそろかな」


タツヲがタイメックスの腕時計を見ながら時間を確認した瞬間、店の奥に座っていた男がのっそりと立ち上がっで近づいてきた。


ひょろっとキリストのように背が高い神主だった。目が細くあけているのかつむっているのかわからない。

「やぁ、ひさしぶり」

そう言いながら、別の席からいすを引き寄せてするっと座った。

美代がまた増えたおっさんを不思議そうに見た。

「誰なん?」

武田所属の古神神主、周防玄徳である。
別名「寝落ち神主」。

「最近忙しそうだな」

凸がそう云うと、周防は首をまわしながら肩を揉んだ。


「青森まで出張でね。マグロ丼食い過ぎて気持ちわりい;」

「結構なことじゃないか。うらやましい」

「3,000円のマグロ丼だが、あまりにマグロが多すぎて食いきれねぇ」

「たけぇ…。観光客相手にぼりすぎだろそりゃ」

「量がね…。まぁそれだけの価値はあるんだろうが」


周防はいつものように、ぶつぶつと文句をこぼしながら、見慣れない幼女をじっと見た。


「なに、この子。誰かの隠し子?」

そう云われて美代はにっこりと微笑んだ。
必殺親父殺しの技だ。
ガチのロリコンだったら、まじ天使!と狂喜乱舞することだろう。

ツカさんはその笑顔を見て一言。

「おじさんの子どもになるかい?」


タツヲがすかさずつっこむ。

「三浦マンの子どもだぞ」

「あ、そうなの。じゃいいや」

周防は興味を失ったかのように、そっぽを向いた。

「なんだお前は」

凸がなじると周防は「他人のものには興味がない」

そう言って茶を啜った。相変わらずマイペースな男だ。

しかし、今回のタツヲの提案する作戦にはこの男の助力が必要不可欠である。

凸はこれまでのいきさつを話して、周防に助力を求めた。

「そんなわけで美代を三浦にあわせにゃならんのだ。頼むよひとつ」

「ふむ。まぁいいけど、期待はしないほうがいいぞ。最近のどうも調子が悪いからな」

「あんたなら出来るさ。やってもらうしかねえ」


それぞれの注文の品がきて、うどんを啜りながら作戦の仔細をタツヲが語る。

「まず、わたしが先に進んで門番の注意を引く。少し離れてツカさんが子守り唄を仕掛けてくれ。門番は多分7人だろうから、眠らなかった奴は木乃さんが対応してくれたまい。寝てる間に神隠しでさっと関所の門を突破するしかない。一見単純な作戦だが、かなり難しいぞ。なにせ運まかせだしな」

「最悪、僕が何とかしよう。安心していいさ」

木乃が自信たっぷりに云う。

「ちょっと待て!」

周防がいきなり立ちあがって叫んだ。


「どうした」

凸が驚いて聞く。

「け…」

「け?」

「けつが…いてぇ;」


「また下痢か…」

タツヲがやれやれと頭を掻いた。

周防は極端に胃腸が弱い。ガラスの胃袋と云われ、万年下痢気味だった。

「くそぅ…。やっぱマグロを食い過ぎたせいだな」

「やめてよツカさん。食事中だよ!」

「はよトイレいけってば」


ぎくしゃくと妙な動きをしながら、周防は奥のトイレに向かった。

「大丈夫かよ…」

凸は猛烈に不安になってきた。


店を出ると、雲が少し出てきた。
風も先ほどより冷たくなってきている。

「さて行くか」

凸が号令をかけると、一行はもうすぐ先にある関所へと足を向けた。


関所の手前はさすがに空気が重くなる。
加えて威圧するような屈強な兵士がその周りを固めている。

関所の門が見えてきた。


「さて、作戦開始だな」

凸と美代を残して、タツヲ、周防、木乃の三人は関所の門へと進んだ。

まずはタツヲが仕掛ける。


タツヲは錫杖をじゃらんと鳴らしながら、関所の門番に近づいていく。
左に3人、右に4人。
いずれも尾張の精鋭兵だ。

「なんだお前は」


赤ら顔の門番の一人が高圧的な物言いで聞いてきた。
槍を両手に持って戦闘態勢である。
ありの子一匹見逃さないといった風である。

大きい上にたっぷりと太っているので、まるで豚か意の椎野ようである。

「私は見てのとおり僧兵だ。僧兵に何か文句があるのかね」

タツヲは動じず答える。

「あ〜〜ん?僧兵だぁ?何用だその僧兵が。しかもお前は武田だろう」

「いかにも。しかし神仏職にあるものは敵味方は関係ないはずだが」

「ここを通りたいのか」

「いかにもタコにも」

「通行証を見せな」


そういわれてタツヲは通行手形を見せた。
全国の神社仏閣に配布される天下御免の通行手形。

さすがに敵方の門番と言えど、僧職神職の通行を妨げる権限はない。
神事妨げることにあらず。高いレベルになるほど、お尋ねでない限りは、敵対国への入国」もほとんどフリーパスだった。

「ふん、さっさと通れ」

門番は手形を確認していまいましそうに門を開ける。

「ちょっと待ってくれ」

「なんだ坊主」

「あなたは、かなり業の深い顔をしている。だからそんなに太って豚に似てくる」

「ぶっ、豚じゃない!」

「じゃぁデブだな。とにかく太りすぎている。このままでは近い将来確実に死ぬよ」

「デブだとぉ〜〜!お、おっ、俺はな〜〜…」

門番は赤ら顔が真っ赤に染まって激昂している。

敵方といえど無抵抗の僧などに手をあげるのは御法度だった。
しかし、門番は怒り来るってもう止まらない。

「人よりちょっと体格がいいだけなんんだよぉお!!!」

槍を振り回しながら、タツヲに挑みかかった。

それを見ていた他の門番数名が赤ら顔を抑えて制止する。

「ばかっ、やめんか!」

「御法度を犯したら斬首だぞ」

「やかましゃ!!はっなぜぇ〜〜!この僧兵をぶっ殺させてくれぇい!くそっ僧兵のくせに!!」

じたばたと暴れるが、さすがに他の兵士も頑健な強者でタツヲに近づくことすら出来なかった。


「失礼した僧兵どの。いまのうちに行かれるがよい。そしてむやみに挑発をしないで頂きたい。合戦の影響でかなり総毛立っておるでな」

「その御仁は何か僧兵に恨みでもあるのですかね」

「ああ、前に合戦の戦闘で極楽改を実装してない僧兵に出くわして、それ以来僧兵を憎んでいるのです」

「なんじゃそれ」

「とにかく目立った行動は仏職といえど控えてもらたほうが御身のためでもある」

「それは失礼した。では…」

頭をさげて、門をくぐる時に右手の錫杖をじゃらんと鳴らす。

これがつぎの合図である。


後方にいた周防は、凸と美代に神隠しを施しながら、
笛を取り出して、子守り唄をかける。
西洋ではスリープという催眠スペルである。

対象は7人まで。魅力のステータスがものを云う術で、高いほど効果時間は長く対象も多い。
が、失敗すると一人も寝ないということもある。

ひょろろ〜〜〜と笛が哭く。

「なんだ…急に眠気が」

門番たちが目をこすり始めた。

赤ら顔の門番は興奮状態にあったが、まっさきに寝てしまった。
他の門番数名も地面に伏して寝息を立てている。

4人寝た。しかし3人の門番はまだ朦朧としながらも持ちこたえている。

「4人か、まぁ上出来だろう。あとは木乃まかせるか」

凸がそう言って周防の肩を叩くと周防はぐらっと重心を崩して地面に倒れた。

「おい!ツカさん!?」

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周防は気持ちよさそうに寝息をたてていた。

「お前も寝るんかい!」



自分の子守りで寝てしまった周防。さすがに揺るぎがない。
木乃は隠形を使って消えている。関所の手前にいるはずだった。

凸と美代は手を繋いで開いた門めがけて駆出していた。

意識を失っていない門番はさすがに、これが術者の仕業と気がつき、武器を手に辺りを伺いながら寝ている仲間を揺り動かしている。しかし子守り唄の強力な術は効果時間が解けるまで絶対に起きることはない。


門番は見破りの技を持つ。

さすがに正面から掛けぬける前に見破られてしまう。
が、チャンスはこのときしかなかった。

木乃が何とかすると言ってるんだから信じるしかない。


門番達が凸たちの気配に気づいた瞬間に、いきなり空間がネジ曲がったように見えた。

「な!?」

3人の門番たちは膝をついて身体を必死に支えている。
何か巨大な力に押さえつけられているように見えた。

どんどんその力は強力になり、門番たちは地面にべったりと貼付けられて顔すらあげられない状態になっている。

「こ、こりゃ一体…」

タツヲもそれを見ながら目を丸くして驚いている。

木乃の隠形が解けて、天に向かって両手を広げていた。
その上には積み重なった五芒星が光っている。

凸たちはその様子に足を止めてしまった。
もう神隠しも効果が切れて姿が見えている。


「木乃、こんな術聞いたことねぇぞ。なんだこのチート」

「グラヴィタス(神の重力)。イギリスで見つけた古代魔導書に載っていた禁忌呪文だあね」

「すげぇ…。急激な重力変化で敵の動きをとめるのか。妙に自信があったのはこんな切り札があったからか」

「思いきり中二設定だけどねっ!」

「このさいなんでもいい!恩にきる」


そう言って凸は美代の手を引っ張って、グラヴィタスに苦しむ門番達をすりぬけて門まで向かった。


木乃も悠然と歩きながら門へと向かう。

「すまんね。それもうしばらくすると解けるから」

門番は顔もあげられないので、誰か確認することもできない。
腕すらあげることができないのである。まさに恐ろしい禁忌の術であった。


凸と美代は尾張に入った。

四人はしばらく街道を駈けながら関所から遠ざかった。

「はぁはぁ…ここまでくりゃあもう」

「ああ、もういいだろう」

「ふぅ、僕はもう走れないあるね」


美代だけはけろっとした顔で平気なようだ。

「ここはもう尾張?」

「ああ尾張だな」

「お父ちゃんにもうすぐ会える?」

「うむ、もうすぐ…だと思うがな。さてお前らはどうする?」

凸はタツヲと木乃に確認するように言った。


「わたしは、ツカさんを拾って伊勢に行くよ」

「僕は風さ。風が吹く方に吹かれていくよ」


「そうか。じゃあここでお別れだな。ほら美代」

凸は美代の背中を押して、タツヲと木乃に別れの挨拶を促した。


「美代坊、元気でな。三浦さんに会ったら僧兵がよろしく言ってたと伝えてくれ」

「お父さんが嫌になったらいつでも僕のところへくるんだよ」

美代は二人の言葉を聞きながら、絶えず微笑みを浮かべていたが、急に表情がこわばった。
身体を小刻みに震わせてうつむいた。

そして目から一筋の涙が頬を伝ってこぼれ落ちた。
小さく嗚咽している。

美代は里を出るときも泣かなかった。
しかし、幼い美代にも彼らが恩人であることはわかっている。

何より二人は美代が今まで見てきた大人たちとは違っていた。
朗らかで優しく穏やかに接してくれていたのだ。

蛮族のような大人たちに蹴られ殴られ続けてきた美代には、それが驚きでもあった。
タツヲと木乃は、泣き止まない美代の頭をなでながら思う方角へと去っていった。

美代は二人に手を振りつづけた。
二人も何度も振り返りながら手を振った。
お互いの姿が見えなくなるまで。

美代と凸は二人でしばらくそのまま尾張の平野の景観を眺めていた。

「いくか」

「うん」


いよいよ、三浦のいる鼻先まで来た。

待ってろよ三浦。今おまえに会いにいくぜ。
懐にいれたガバスを握りしめながら、美代とともに那古屋への道を歩むのであった。


周防はもちろんまだ寝ている。


【続く】


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伊豆に一軒 箱根に藤井



年末なので忙しい。
繁忙期なので忙しい。
各省庁関係のアホどもが超絶頭が悪いので急がしい。
まさに心は動画の歌の如く、からっぺたな風が吹いている。

いい加減嫌になるのが、効率を考えない馬鹿とのやり取りである。
校正の修正指示の長文をびっしり書き込むなら、
なんでテキストで作成しないのか。FAXで修正指示送るなら原稿をそのまま送りゃいいだろ。
あまつさえ指示が曖昧で不明点が多すぎる。営業のスキルの問題もあるにはあるが、せめて暗号みたいに解読させるな馬鹿。一人二人は許せるが、ほとんどこんな奴ばかり。
経済どうこう言う前に人から何とかしてくれよ安倍ちゃん。
時間がないのにほんとユートピア脳が多すぎてなえるわ。
ギリシャみてーに公務員が多すぎて経済が破綻してるまではいかないが、使えない奴多すぎる。小学生でもできることがなぜできないのか理解に苦しむわ。
役所のノータリンどもを本当に何とかして欲しい。
最近、毎日ジャンボ鶴田のように頭を抱えて発狂しているのだ。

思いあまって電話で藤井さんに愚痴をこぼしたら

「はい、おっぱっぴー!」

そう言って電話をきった藤井さん。

ごめんよ。情けない愚痴をきかせてしまって。
男は黙ってランチャーを打ち込めばいいんだよな。
相変わらず男らしいエールをもらった。
だが死ね!

まったく、俺がフリーザ様だったら、真っ先に某庁を跡形もなく潰すわ。
ぷんすこだお!

さて明日は麻雀かねての忘年会。
最近結婚した新婚の平社員からかっぱいで泣かせる予定。

駄文小説まがいは、そろそろクライマックスだが、ツカさんが下痢気味の話を予定している。
あと2話ぐらいで終わるだろう。つか、そろそろ考えるのめんどくせぇ(笑)。
しかし…旅に出るといつも「ケツがいてぇ」とか言ってるんだよなあツカさん。
もしかして掘られてるのだろうか。
あわわわわ。
穴おそろしや。そこは不問にしておこう。

では諸君。良き週末を。かしこみかしこみ。

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信オン 三浦を訪ねて三千里⑫




翌日、宿を後にして一行は関所へと出発した。
美代はぐっすりと眠って疲れも取れたようで、ことのほか元気がいい。

それと対照的に凸は浮かない顔で歩いている。

武田と織田が敵対とはまったく気がつかなかった。
国勢を確かめれば普通わかるものだが、合戦から身をひいた凸は頓着がない。

「まいったなり…」

ぼやきながら思案にくれるが、そもそも侍は隠形の術が使えない。
僧のように踊り念仏で敵の目を欺く術もない。

関所は敵国どころか、浪人ですら厳重なチェックをしているという。
一人だけならまだしも、子どもの連れがいて突破できるとは思えなかった。

「なぁタツヲ。どうすべぇ」

「ん…。一番いいのは変装かなぁ。紋を隠して顔も変えるとか」

「変装できる衣装なんて持ってねえし。大体、どうやって顔を変えるんだよ」

「化粧とかかな」

「化粧道具もねえよ」

タツヲは足を止めてしばし考え込んだ。
そして何か気づいたようにぽんと掌を叩いた。


「よくよく考えてみるとだよ」

「なんだよ」

もったいをつけているのが、凸にはイライラする。
横柄な口利きで返すと、先を行く美代を見ながらタツヲが云う。

「誰かに預けりゃいいんじゃねーの」

「美代を…誰に預けるってんだ」

「さぁ。でもあんたと一緒に那古屋まで行くのは難儀すぎるだろ」

「……」

「美代っぺは、まだ無印だし子どもだし関所は特に問題なかろう。旅の商人とかに紛れて那古屋を目指すのが妥当だと思うが。互いの身のためにもさ」

「そりゃそうだが…」


凸は美代を見ながら、なんとも淋しい想いにとらわれている。
押しつけられた荷物だったが、今では空気のように当たり前にいるのが自然となっていた。

ここまでひと月ちょっとの旅だったが、親のような気分にもなっていた。
それにここまで来て、三浦と美代の対面に居合わせられないというのも気持ちが悪い。
少なくとも、三浦にはここまでの諸経費も請求するつもりである。
しかしそれは美代を送り届けてこその話である。


「あとは、もうひとつ方法があるが…これは危険だろうなあ」

「なんだそれ」

「強行突破。しかしこれは…運次第という諸刃の剣」

「俺一人ならなんとかだが、美代がいては難しいな」

「うまくいけばすんなり。失敗すれば二人揃ってお尋ねだな」

「ううむ…」


腕を組んで考え込む。
美代を危険な目に遭わせるのを覚悟で強行突破か。

それとも、誰かに預けて那古屋まで送り届けさせるか。
しかし、信用にたり、すっとんで来てくれる知人など皆無である。

「強行突破って何か策はあるのか」

「一応。でも成功率は五分五分ってとこだろう」

「50%の賭けか…。ふむ」

「等価パチンコに比べりゃ結構な鉄板確率だろう」

「とりあえず作戦を聞かせろ」


関所まではもう一本道の緩い坂道を下るだけだ。
凸とタツヲは道々に強攻策の仔細を語りながら、前を歩く美代に連なって歩く。

ここらは山の反対側に位置して雪も少なく歩きやすい。
中腹を過ぎたあたりから、行き交う旅人も多くなってきた。
道も幅が広くなり、徐々に関所に近づいていると実感が湧く。

前を歩いていた美代が道ばたにしゃがんで何かを拾っている。
タツヲのところまで、てってっと走り寄ると黒い塊を差し出した。

「僧兵のおじちゃん!はいこれ」

「え、なんだなんだ」


見るとそれは炭の塊だった。

「いや…もう炭はいらん」

そう断って制すると、美代は泣きそうになって震えた声でじっとタツヲを見た。

「僧兵のおじちゃん…炭ほんとにいらないのん?」

「いや…炭はほんといらないんだ。もう僧兵は炭を掘ることもなくなったのだよ」

「残念なのん…」

目をうるうるさせながら、炭を見つめている。
いまにも泣きそうだ。

タツヲは困ってしまった。
幼女の泣き顔と猫の肉球にはめっぽう弱い。

「タツヲ。もらってやれよ」

凸は泣かすなよと云わんばかりに、ぞんざいに言い放つ。


「いや、でも炭とか一個だけもらってもなぁ…」


タツヲは観念したように美代の掌から炭をとろうとした瞬間、黒い陰がザッと目の前を通りすぎた。


「うわっ!!」

「ひぇ!」


美代とタツヲが短い叫び声をあげて尻餅をついた。

旋風のように風の中に人形が現れると、そこには紫の水干を纏った若い男が立っていた。
手に持たれているのは、タツヲが受け取ろうとした炭である。

「1炭を笑うもの、消し炭に泣く」

そう云うと持っていた炭をタツヲに放り投げる。


「あ、あんた…」

タツヲの言葉をきって凸が云う。

「木乃…!?」

「やぁ僕です」



木乃と呼ばれた男は、表情を一切変えずに右手をあげて挨拶をした。

「生きてたのか…」

「ええまぁ」

タツヲが美代を抱き起こして、泥を払って怒気を込めてなじった。


「木乃さん、脅かすなよもう!」

「タツヲさんおひさしぶり。相変わらず僧兵ですか」

「僧兵はやめらんないよ。木乃さんだってずっと仙論じゃないか」

美代は不思議なものでも見るように木乃を見てぽかんとしている。
女みたいな容姿だからであろう。
纏っている水缶罐も鮮やかな紫で染めてあり、よく寒くないなと思うほどの薄着である。
凸とタツヲのようにむさ苦しい出で立ちではなく、華やかさがあった。

そんな美代に微笑みを浮かべながら木乃は云う。

「ヒント:職業は勇者」

「魔法使いだろお前は」

凸がつっこむと、木乃はいきなり態度を崩して

「その呼び方やめて!(´・ω・`)」と懇願してきた。


木乃は凸とタツヲの共通の知人であり、武田古参の戦友でもあった。
昔からつかみ所のない性格で、ゲリラに漏れて晒されるという特異点を持つ男である。
タツヲとは炭山で炭を掘っていた仲間だ。やはり炭をこよなく愛していた。

「よく生きてたな…。てかなんでこんなとこにいる」

「僕はどこにでもいるさ(´∀` )」

「相変わらずわけのわからない…。変わっとらんなぁ」

凸は呆れながらも懐かしそうに木乃の方を叩いた」

タツヲの横にいた美代が木乃を眺めながら、水干を引っ張る。

「これすごく奇麗なのん!魔法使いはみんなこんな奇麗なのん?」

木乃は目を輝かせて水干の手障りを確かめる美代の頭を優しくなでながら、しゃがんで目線をあわせる。

「お嬢ちゃん、お名前は?」

「うち、美代っていうん」

「美代ちゃんか、いい名前だね。でも僕はおじさんでも魔法使いでもないんだよ」

「だっておじさんが、魔法使いって言ってたのん」

「あのおじさんの言うことは全部嘘さ。魔法使いはね、30歳過ぎた童貞君しかなれないんだよ」

ぱしんっ!


凸が後ろから木乃をはたいた。


「幼女に何を教え込んでんだ馬鹿」

「木乃さん…さすがにひくわー、まじひくわー」

「 アメリカン・ジョークっすよ(´-ω-`)」


木乃は、あるクエストの依頼をこなすために尾張へ向かうのだという。
陰陽は隠形が使えるので敵国だろうと問題はない。

凸は今までの仔細を話すと、木乃は自信ありげに胸をはった。

「そんなことでお悩みか。では僕が力を貸そう」

「お!何かいい知恵がりそうだな」

「さすが木乃さんや!星のカービィーや」

凸たちが褒めると、ぷいっとそっぽを向いてツンデレ口調になった。

「べ、別にあんたたちのためじゃ以下略(笑)」

「(笑)が気になるが、まあいい。じゃあ早いとこ関所へ向かおう」


凸が表情を明るくして言うと、美代も手を上げながら走り出した。
また一人、関所までの道連れができたが、果たして無事に関所を突破することができるのだろうか。

その不安は完全には払拭できてはいない。
美代の笑顔がその不安をいくらか和らげてはいた。

ま、何とかなるだろう。
関所はもう半刻ほどに着くはずである。


と、突然その緊張感を打ち破るようにタツヲが猫言葉でぼやいた。

「関所はまだかニャア?早く辿り着きたいもんですニャ」


「……( ´_ゝ`)」

「……( ´ω`)」

「……(´-ω-`)」


以降、凸をはじめとする4人は関所まで無言であったと言う。

【続く】


テーマ : 日記というか、雑記というか…
ジャンル : 日記

信オン 三浦を訪ねて三千里⑪



峠の宿には夕刻に着いた。
思ったより立派な門構えで敷地も広い。
関所手前で旅人の往来もそこそこあるからだろう。
宿というよりちょっとした旅館だった。

「ふぅ。ようやく着いたな」

凸は宿の土間で雪と泥を払いながら荷物を預けた。
動きを止めるとさすがに冷える。
隅に置いてある火鉢の温もりが何とも暖かく心地良かった。

お決まりの挨拶をしながら人の良さそうな宿の主人が顔を出す。
まず名を書いてくれと番台に帳簿書きを広げている。


「うん?今まで名を書くようなことはなかったが…はて」

凸がうさん臭げにそう云うと、主人は頭をさげながら関所の役人から申し付けられてるという。
近頃、他国の間諜が多数入り込んでいるらしく、豊臣方がぴりぴりしてるとのことだ。
なるほど…。今は戦国時代ということを忘れていたな。
先の豊臣の小田原城陥落で各国の大名の動きもきな臭くなってきているわけか。

そんな思惑をよそにタツヲはごねることもなく帳簿に記入した。
すらすらと流暢に白い半紙に筆を走らせる。

筆で記入された文字をみると アルミン と書いてあった。

「タツヲ…。アルミンって誰だよ」

「しっ!いいんだよこんなん。偽名でさ」

タツヲはひそひそと小声でささやきながら、目配せをした。
あくまでも形式だけだから本名を明かす必要はないとのこと。
それもそうだな。何も馬鹿正直に書いて痛くもない腹を探られるのは塩梅が悪い。

「ふむ。それなら俺も…」

凸も負けじと筆を走らせる。

タイガー&バニー

「凸さん。ねーよ。これはねーよ。ねーよねーよねーよー」

タツヲが首を振りながらNGを出している。

「虎さんとうさぎちゃん。俺と美代にぴったりだろ?てか、ねーよねーようぜぇ」

「ゴリラと猫の間違いだろう」

「誰がゴリラだこの野郎!こんなキュートなゴリラがいるか


美代は二人のやり取りなど興味もなく、宿屋の主人にあれこれ聞いている。

「ここお風呂あるのん?」

「ありますよ。お肌によろしい天然温泉ですから」

「温泉!すごい、すごい!!」


美代は温泉と聞いて飛びあがらんばかりにはしゃいだ。

「おじさん、早くいくのん!温泉いくのん」

「温泉は後でな。先に部屋にいって荷物を置いてくるのが先だ」

「早くお部屋にいくのん!」


案内する女給をせかしていてもたってもいられない様子だ。
女給も美代を気に入ったらしく背中を押されながらもするがままにさせていた。

長い廊下で数名の逗留客とすれ違う。
我々以外にもそこそこ客はいるらしい。

部屋に入るとこぎれいな十畳間だった。
十分な広さではある。

女給は火鉢に火を入れると茶を持ってまいりますと云って襖を閉めた。

「タツヲ。ところでお前金持ってんの?」

凸が足を揉みながら聞く。


「あるよ」

「ほぅ。荷物をかっぱわれたのにか」

「荷物には食料と数冊の書物だけさ。金は肌身離さず持っている。これマチュピチュ観光で学んだことだ」

「ふぅん。ま、金さえありゃ何の問題もねえか。俺もぎりぎりしかねえし」

「人がいなけりゃ金があってもたらふく食えないからなあ。山の中では物交換のが価値は高い」

「そういや…支那の奴らが私鋳銭の模造品を日本に輸出して利益をかっぱいでるらしいと客から聞いたな」

「ああ、南京のか。あいつらはほんと節操がない」

「そもそも永楽銭は奴らから輸入したものだしなあ。こっちの事情が筒抜けなのは堺か長崎あたりの回船問屋あたりが一枚噛んでるんじゃネェのか」

「銭の価値もどこかで一気に暴落するだろう。貨幣流通が成熟するまでには、この国はまだ時間がかかるってことだのう」

戦国時代の命の重さ。足軽なんぞ米1俵すらに満たない。
銭にしてもどれだけ積み上げれば、命に見合う対価になるのか。
幾多の戦友が死んだ。
モモや源、ユキヲにアサミ、こももに壬生、安倍、林檎に葵に清音…まだまだ数えきれない。
奴らはもういない。そしてそのうち俺も…。

その命ひとつひとつの重さが、饅頭一個だとしたら、あんま安いと腹いっぱいにもならんということか。
なんとなくおかしさがこみ上げてくる。

と、たまに真面目なことを考えてみるとぷすぷすと頭から煙が出てくるようだ。
元来、頭は悪いのだから考え込んでもしょうがないのだと凸は思う。
しかし悪いなりにも考える。考えて考えたすえに照れ隠しに下ネタに行きついてしまう。
やはり生来の品性が野卑であるのは否めない。

凸は三浦の残したガバスを荷物から取り出してみた。

それを見てタツヲがめずらしそうに目を輝かせた。

「おっ、ガバスか。ファミ通の奥付から切り離して取っていたっけ」

「飲み代代わりに三浦が残していったのよ。しかし、遠い未来にはこれが日本国の流通紙幣になったりしてな」

「ねーよ」


言い忘れたが、このようにタツヲはことごとく否定をするのが日課である。
FBの「いいね」があるが、タツヲだけのために「ねーよ」があってもいいのではないかと思えるぐらいだ。
一日に多分100回は「ねーよ」と云っている。人の意見を一蹴することが生き甲斐なのである。
故に、別名「一蹴さん」とも呼ばれていた。

「あっ!このガバス裏書きがしてあるぞ」

ガバスを眺めていたタツヲが裏書きされたガバスを凸に見せた。

「ほんとだ…。なんて書いてあるんだこれ」

「走り書きだなこりゃ。何かメモったんだろう」

凸は暗号を解読するかのようにまじまじとそのメモを読んだ。

「え〜〜と…なになに…日曜 19:30/ラピュタの録画予約…」

「三浦さん…ジブラーだったのか」

「ラピュタってテレビで何回もやってるよな?今更なんで録画予約とかしてんだ」

「たぶん…パルス言いたいだけちゃうんかと」

「あれ?その後に何か書いてあるぞ…ん〜?」

目を凝らしてみて見るとさらに小さな文字でこう書いてある。


できたらいいなぁ



「してねえのかよ!」

思わずつっこんでしまったことに凸は赤面した。
それを見てタツヲはニヤニヤにしている。

どうやらまたしても奴の術中にはまってしまったようである。
三浦という男はまったくもって謎が多い。

風呂に行くのを待っている美代はしゃがんで火鉢を覗き込んでいた。
火鉢にあたりながら灯の行方を見ているようだが、その目の行方はどことなくうつろに見える。


「とにかくさ、難しいことを考えてもせんないことだ。明日生き抜くことで皆必死なんだからな」

タツヲが外した眼鏡を吹きながら云う。
美代の様子を見てそろそろ風呂に行くかという合図である。

凸は大きく伸びをしながら立った。


「じゃ風呂に行くか」

「うむ」

「いくのん」



かぽーんと音がする。

桶が並び岩肌がむき出しになった浴場は、外気の冷たさに湯気も飛んでいた。

男湯には客が数名いた。
美代は女湯である。

空には満点の星。
あれがデネブアルタイルベガ〜とタツヲが唄う。

「星に詳しいな。陰陽のほうが向いてるんじゃないのかお前」

「陰陽術は学んだけど四天降魔法と十二神将召還術でつまづいて止めたよ」

「陰陽術は高度な数学であると同時に万象哲学であるとも聞いたな」

「向いてないのさ。だから僧兵をやってる」

「そうか。俺にもとても無理だな」


湯に入りながらいい気分で目をつむると、緩やかな疲労で眠たくなってきた。


「美代ー!!そっちはいい湯か?」

凸が大声をだして板越しの女湯の様子を聞く。


「いい湯なのーん」

美代の声が即座に返ってくる。
凸は反響してこだまする声に満足するようにうなずいた。

タツヲが頭にのせた手ぬぐいを絞りながら、また肩口まで湯につかる。


「なぁ、凸さんよ。あの娘っ子を本当に那古屋まで連れて行くつもりか?」

「ああ。まぁ成り行きだがここまで来たらしょうがねぇ」

「う〜〜ん…」

「なんだよ、何か問題があんのか」

「いや…あんた、大事なことを忘れてないかと思ってな」

「なんだよ」

「あんた武田だろ」

「もちろん。お前もだろう。そんなん紋みりゃわかんだろが」

「尾張は何領だ?」

「尾張ったら…そりゃ織田だろ」

「やっぱな…。武田と織田はいま合戦の真っ最中なわけだがね」

「ん…合戦…中?合戦……」


タツヲがあきれ顔でざぶんと顔を洗った。

「そう。武田と織田は合戦中だ。あんた敵国にそのまま乗り込む気か?」

タツヲの言葉に凸は顔を硬直させたまま夜空を見上げて悲鳴をあげた。

「う、うぎゃぁあーーーーーーーーーっ!!!!!」


美代は身体を洗いながら騒がしい男湯のほうを伺った。

「おじさん達、何さわいでるのんな」


【続くのんのん狸ですよ♩】

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信オン 三浦を訪ねて三千里⑩



山に入ってからは、歩き通しである。
細かい雪も降っているが、まだ大したことはない。

緩やかな傾斜から勾配のきつい坂を休むことなく歩く。
疲労のためか、さすがの美代も口数少なくなってきた。

「疲れたか」

凸が聞くと、美代は首を振って平気とだけ云った。

下界はまだ木々に紅葉もあり暖かみを残していたが、さすがにこの時期の山は寒い。
峠に近づくにつれ、積もった雪が多くなり寒々しさを煽っている。

しかし古い万屋で見つけた防寒具が寒さを遮断しているのでありがたい。
店の主人が娘が小さい頃着ていたというお下がりの防寒具をくれた。
これも美代の見目の良さを主人が気に入ったからに違いない。

なるほどと思う。

出会った時に、真っ黒でみすぼらしい身なりをしていたのは、山賊どもの目をごまかすためかと気づく。
これほどの器量があれば、山賊じゃなくとも別の利用方法を考える。
あの姉っぱりの娘はそう考えて泥で見目を汚していたのだろう。
必死で生きてるのは何も大人だけじゃないわけだ。

手をこすりながら、はぁと息を吐く美代を見て沁沁思う。


「おじさん、もうすぐ峠?」

「峠はまだ先だな。峠まで着いたら昼飯にすっか」

「わぁい」


飯と聞いて美代ははしゃぐ。
ガキは現金なものだ。

苦笑しながら、まだ積もりきっていない薄い雪の上を歩く。
時々振り返っては、足跡がついてきてるか確認するように。

歩いていくと前方に雪で盛り上がったものがある。
それは道を塞ぐように横たわっていた。


「なんだこりゃ…」

美代は凸の後ろに隠れて怯えている。

「これ人なのん」

「なに!?」


驚いて雪をかきわけてみる。
さくさくと雪をどけてみると確かに人が現れた。

眼鏡をかけて青白い顔をしている男だった。法衣を纏っている体躯はなかなかに立派である。


「なんだタツヲか…」


  /\___/\
/ /    ヽ ::: \
| (●), 、(●)、 |    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|  ,,ノ(、_, )ヽ、,,   |  < まーたはじまった
|   ,;‐=‐ヽ   .:::::|    \_______
\  `ニニ´  .:::/
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そう云って凸は無言でまた倒れている男に雪をかけ始めると

「おおい!!」

そう叫んで男が跳ね起きた。

「お前、助けろよ!行き倒れだよ?僧兵だよ?なんて奴だまったく!!」

「なにやってんだタツヲ」

この男、武田の古参である僧兵 龍尾凶介 通称タツヲである。

「行き倒れだよ…。途中で飯がなくなって歩く度にぶっ倒れてる」

「飯か…。お前ら僧兵は炭食ってりゃ問題ないだろ」

「僧兵は機関車トーマスじゃないんだよ」

「お前も関所に行く途中か?」

「ツカさんと関所で待ち合わせしてるんだ。パタゴニアツアーの打ち合わせでね」

「ご苦労なこったなぁ。で、そのノボリは何だ」

タツヲの背中には真紅に染めたノボリが差してある。
白抜き文字で「世界で一番僧兵になりたい」と書いてあった。

「ああ、これか。これは結城さんに造ってもらったんだ。いかすだろ」

「アホや…」

「なぁ、とにかく飯をわけてくれ。丸二日何も食ってないんだ」

「しょうがねえな。行李飯とタクワンしかねえぞ」

「わぁいー。やったぁ」

タツヲが小躍りをしながら万歳をする。
まるでガキのようにはしゃぐタツヲを見て、美代がけらけらと笑い出した。


「さっきから気になってるんだが、凸さんよ…」

「なんだ」

「なんだ、その可愛い生き物は」

タツヲは美代を見ながら眼鏡をクイッと押し上げる。

美代は相変わらず凸の後ろに隠れて様子を伺っている。
怯えはないようだが警戒心は解いてはいない。

「ああ、これか。これは三浦の子どもだよ」

タツヲは目を剥きながらあらんばかりの声をあげた。

「な、なんだってぇーー!!」

「まぁ諸事情あってな。ツケ払いをもらうついでに三浦のもとに送り届けることになっちまった」

「ふぅん…。あの三浦さんにこんな子どもが」

「やることはやってる三浦。そこに痺れないし憧れないな」

「しかし…、三浦さんが結婚してたとか聞いたことなかったがなぁ」

「たぶん三浦のことだから、バックでやってる時に耐えきれずにコッペリオンしちゃったんだろう」

「…そのギャグすげぇ難易度高いぞ。ほとんどの人はわからん」

「さすがにガキの前ではこんなんストレートに云えんわな。とにかく…」

凸は覗き込むように二人のやり取りを見ていた美代の頭をなでた。
おっさん達のいみふな会話に困惑しているようだった。

「あの祠で飯にするか。な?」

凸が確認するように云うと、美代はうなずいて祠へ向かって駆け出していった。

「可愛いもんだなぁ」

タツヲが美代を見ながら、また眼鏡をクイッとあげて歩き始めた。
空腹でふらふらして頼りない足取りだ。

「まぁ、猫みたいなもんだな。幼い頃ってぇのは」

「器量が悪けりゃ、いくら子どもだって可愛く思えまいよ」

「まぁ、そりゃな。ドルジみたいなデブの糞ガキだったら蹴り飛ばしたくなるだろうな」

「だろう?可愛いのは正義だ。小学生は最高だぜ!」

「ロリコンは死ね!」



先ほどまでのささ雪は止んでいた。
古い祠の前にはちょうどいい切り株が無数に残っており腰掛けるには具合がよかった。
そこに腰掛けて笹包みを広げる。

美代は自分の包みをあけて口いっぱいに握り飯をほうばった。

タツヲは、合掌して涙を流しながら飯を食った。
丸二日食ってないのでさぞかし美味いだろう。

「おじちゃん、どこか痛いのん?」

美代がタツヲを見ながら不思議そうに聞いた。

「いや…嬉しいのさ。生きてるって嬉しいなぁ、ちくしょー!」

涙を流しながら飯をほうばるタツヲの様子がよほどおかしかったのか、美代はじっと眺めながら飯を食っている。
涙で眼鏡が曇ってまるでアニメのモブだ。
こんなに一生懸命飯を食う奴は久方ぶりに見る。

かずはも一生懸命食うは食うが、奴のは食事ではなく作業だからな。
清々しいまでの食いっぷりだった。

凸も笑った。大いに笑った。
3人は寒々とした空気が暖かくなるのを感じていた。

飯を食い終わると、タツヲはふぅと一息をついて寛いだ。

「いやぁ助かった。もうだめかと思ったよ」

「そもそも、なんで飯を持たずに山に入ったんだよ」

「かっぱらいだよ」

「かっぱらい?」

「山の入口でちょっと一息いれて寝ていたら荷物まるごとかっぱわれた」

「お前馬鹿だろ」

「認めたくないものだな。僧兵故の…以下略」


ともあれ僧兵タツヲが仲間に加わった。

といっても、関所につくまでの間だが。
とにかくこの山は今日中には超えられそうにない。

もう昼をだいぶ過ぎているし、日も陰ってきた。
峠に宿が一軒あると聞いていたので今夜はそこで一晩明かして、明日中には関所に着くだろう。

腹もふくれて体も温まったのだろう、美代は元気に飛び跳ねている。

タツヲという道ゆきの仲間が加わったのを喜んでいるようだった。
美代は先を歩くタツヲと寄り添うようにして話しかけていた。

「おじちゃん、僧兵って面白い?」

「ん〜〜、面白いっつうか…誇りある特化だ。崇高で優美でちょっとシャイなあんちくしょうみたいな…」

「叩けば埃(ほこり)が出てくる特化なのん?」

「僧兵の初期ステータスに犯罪履歴なんざねーよ!」

タツヲは笑いながら錫杖をカランと鳴らした。

「うちもなれるかなぁ。僧兵」

「ふっ…。幼い身で僧兵の道を志すとはな。おぬしなかなか見込みがあるな」

美代の頭をかいぐりと撫でながら満足そうに云う。

「うち煮込みうどんは大好きなのん」

「拙僧はハンバーグだな。あとラーメン」

凸は、その話を聞きながら何の話をしているんだか…と呆れている。
そういやタツヲって猫が好きだったよな。
よく、チャットでAA作ってニャー!とか云ってた気がする。

美代はどことなく猫に似ている。
そして藤井さんはトトロに似ている。

だからか。

何がだからなのか、意味不明だが何となく納得した。


そんなまったく関係ないことを思いながら歩く
雪を踏みしめ払いながら。
峠はもうすぐのはずである。


その頃、三浦たちは…

「いっき!いっき!」

尾張の繁華街で斬と共にキャバクラで、女に囲まれて一気飲み勝負をしていた。



もちろんこれは真紅の裏歴史に記されて

いるわきゃあなかった。

【続く】

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プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
血液型:B

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