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これはw

マナーの悪い人をアクセス禁止に→仕返しに家にSWATチームを送り込まれる
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1340711714/

「通報しますた!」は日本でもポピュラーな捨て台詞ではありますが、誰にとっても迷惑な話ですね。

ポピュラーなわけねえだろw

アキヤマンよ、日本はどこに行くんだろうなw

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テーマ : 雑記
ジャンル : ゲーム

僧兵ミスディレクション

いや〜まったくもって忙しい;

こっちを書く気力も減退してるのだが、たまには書いとかないと忘れられちゃう千絵かなすい。
昨晩、サンレッドのお膝元、溝口でGちゃんと僧兵タツヲと肉を食したのである。

僧兵タツヲが店員を呼び止める。

「ちょっとすんません」

「少々お待ちを」


店内は客も多く店員も目紛しく動いている。


タツヲがまた店員を呼び止める。

「はーい、少々お待ちを」


客が多いのでしょうがない。構わず我らは肉を食う。



タツヲがまたまた店員を呼び止める。というか声をかける。

「ちょっと…」

「……」

店員、華麗にスルー。


タツヲが相当キテル。そらそうだ。
しかしこの時点で俺とGちゃんは爆笑中。


タツヲがまた店員を呼び止める。

「はーい、少々お待ちを」


客が多いのでしょうがない。構わず我らは肉を食う。


タツヲがあきらめずに店員に声をかける。

「ちょっ…」

「………」

店員、目も会わせず華麗にタツヲの横をすり抜ける。


タツヲ涙目怒髪天。

俺が一言いってやる。


「お前は黒子のバスケかw」


タツヲはそろそろ泣くぞと言いながら、あきらめずに声をかけようやく店員ゲット。

難易度の高いミッションだった。
肉を食うのも楽じゃない。

しかしどんだけ影が薄いのか。

「ま、まるで信内で青募集に対話した心境だったぜ」とタツヲは後に語った。

僧兵に生まれついた宿命か。
さても哀しやおてもやん。はじめちょろちょなかぱっぱ。

僧兵というのは、どうにも呼べばかえす山のこだまの嬉しさよという具合にはいかないようである。

というわけで忙しいながらも飲んではいます。
皆様もこの時期は肉を食って夏を迎えましょう。

笑う焼肉 涙の僧兵の巻でした。

では近々に。信オンフリークの皆様に良き一日を。


テーマ : 雑記
ジャンル : ゲーム

多忙にてにて多忙にて

いやはやなんとも。
業務ブログを2つやっているとさすがの猿飛。
こっちまで手が回らんというか。

意外に適当に書くというのもだるいんだよなこれ。
信はえーと、何?東西戦?
アキヤマンが気合いいれて東西でソロ殺しまくってる姿が眼に浮かぶ。
思わず落涙ものだよおっかさん。

というわけでSSは小休止でございます。

台風一過で暑いのなんの。

dvdsdvb aas
↑後の藤井さん体操である

ま、そろそろ夏だな。
セブ島でもいきたいぜ。

リアルスティールを観たが割と面白かったね。




テーマ : 雑記
ジャンル : ゲーム

僧兵が斬る!! っていうかタツヲが

【電脳戦国 僧兵が斬る!! 〜戦国小公女ノ巻〜】

●プロローグ

時はめぐり幾多の輪廻を繰り返す。
だが歴史は全く同じ事象をたどるわけではない。

はるか遠い未来。
ほんの少しだけ違った未来の世界。

天下戦国の上は、諸事をなげうち電具の用意肝要たるべし。


応仁の乱以後、世は乱れに乱れ各権力者が血で血を争い天下を目指した。
この時代を生きる漢達が戦国と呼び、丈夫(ますらお)でありえた時代である。

しかし戦が生み出すのは華やかな英雄譚ばかりではない。

闘いは主に情報戦を先んじて行われ、大規模なネットワークと高度電子技術の結実による電脳世界でことは起こっていた。

信長はいち早く情報戦によるサイバーテロを企て、本願寺のメインコンピューターに度々攻撃を仕掛けた。
顕如は情報戦に遅れを取り、本願寺の武力を含めた全ての情報は織田に掌握された。

度重なる情報戦のあと、元亀元年よりおこった石山本願寺の長島一向一揆の結末はまさに凄惨を極めた。

法主・本願寺顕如 は覇王「織田信長」 に対し、反旗を翻し徹底抗戦に出る。


電脳乱世。
人々はこの戦乱の世をそう呼んだ。

武器は槍、刀、鉄砲だけではない。
この世界では情報こそが最も重要な武器であり黄金にも変わるものであった。

以来10年に渡る織田と一向一揆との抗争が続く。
天正8年に顕如が石山本願寺を退去してその決着を得た。
双方に累々と屍を重ね一向宗門徒は女、子どもに至るまで皆殺しとされた。
柵に囲われた男女2万人余りが焼き殺されたという事からも、信長の勁烈なまでの冷酷さが伺える。
掲示板などで織田への誹謗中傷を書き込んだものもIP特定され、ことごとく磔にされた。

しかし本願寺の武装軍団が、織田の戦闘軍団と10年も渡り合えたことは、地形の問題も大きかったが、一重に門徒衆が死を畏れず、立ち向かっていった結果にある。門徒衆はいわば死兵だった。死兵は何も畏れない。だからいかにもやっかいである。
以来、信長といえどもさすがに門徒衆を相手に戦闘をするのは嫌がったようである。

後年、信長は自身のブログにこう書いたと言う。

「禿げとはやってらんね」


ともあれ─
時代はいよいよ信長の覇道に向かって動き出していくのであった。


【戦乱の疵痕】

木曽川─。
その豊富な水量と広大な川幅が軍事拠点として利用され、度々合戦の舞台ともなった。
木曽川の氾濫や洪水は当時の民百姓にとって、かなり深刻なものであった。
治水事業が本格的に成されたのは明治に入って欧州より技術者を招聘してからのことだ。

一揆が鎮静してから半年後、まだ多くの戦闘の爪痕を残す長島一帯だったが、木曽川はそんな事は知らぬ顔で横たえるようにゆっくりと流れて行く。

梅雨もまだあけない7月の空だが、ひさしぶりの快晴の青空に瑞々しい草木の香気が匂ってくる。

その木曽川に沿うように長良の方角へ歩いている一人の侍風の男がいた。

6尺をゆうに超える体躯である。
口笛を吹きながら、のんびり木曽川を眺めている。

侍はしばらくすると口笛を吹くのを止めて、川沿いの土手に腰掛けた。
被っていた網笠を取ると、首を軽く振って伸びをした。

横顔から意外に若い風貌が見えた。

川を眺めながら寝転がって空を眺めた。

「のどかだねぇ…」

男はうとうとしながら、軽く寝入ってしまったようだ。
それをじっと見つめる二つの眼があることも知らずに。


夕暮れにたなびく風を頬に感じながら、男はようやく起きた。

「んあ?」

眼を開けると、刀の切っ先が鼻面をかすめるように突きつけられている。

「動くな」

そう言ったのは、刀を両手で持ちながら、きっと見据えている幼子だった。
顔は泥で汚れ、着ているものもボロボロだった。
刀を握った手が震えている。
おそらくここらで追いはぎをしながらその日を凌いでる戦災孤児と思われる。

「食物をだせ!」

精一杯強がってはいるが、その手に持った刀が如何にも重そうだった。
歳の頃は7〜8歳ぐらいだろう。
鈴のような転がる声だ。

男は素早く切っ先をつまんで、引くと同時に刀を取り上げた。
一瞬のことだった。

「うわっ!」

童は叫びながら刀にすがるように食らいついたが、男にはねのけられ土手を転がって行く。

「ふむ。業ものだな」

男は刀を確かめるように見ながらにっこりと笑った。
土手を転げ落ちた童を見ると、刀をぽいと童に向かって放りなげた。

童はきょとんとしながら、返してもらった刀をおそるおそる拾った。
猫のように警戒心を解かずに男を見据えている。

「お前、親は?」

男が聞くと、ワラベは首を左右に振って哀しそうな眼で男を見た。

「やはり先の一揆の孤児か…」

大規模な戦の後には、必ずこうした戦災孤児が多く生まれることになる。
近隣の村などが軍事拠点の場合は、多くの民に被害が及ぶ。
どこの世界も戦は変わりようもない。

「おっちゃん…織田の侍じゃないのけ」

「ああ?あ─ 俺は武田のものだわ。ついでに言っておくともう奉公していないので侍でもない。ただの浪人だ」

「なんだ。織田の侍じゃないのか」

「お前、本願寺の縁のものか?」

「うん。おっとおとおっかぁは念仏唱えて信長に殺された」

「哀れな…」


別してこのような童の身の上はいけない。男は目頭が熱くなるのを覚えた。
見た目の割りには、人情屋のようである。

沈痛な面持ちで童をよく見ると、顔は煤汚れているが目鼻立ちは整い、大きな目がくりくりと動いて可愛らしかった。しかも声からすると女子のようである。

警戒心をいくらか解いたようで、男に食べ物をねだった。

苦笑しながらも、手持ちの握り飯を分けてやった。
童は嬉々として握り飯に仇のようにかぶりつき、小さな口一杯に米をほうばっている。

男はそれを見ながら、心底不憫に思った。
食い終わってひと心地つくと童は一言「ごちそう様」と言った。

躾がしっかりされている。身のこなしも幼きながら田夫野人に育てられていないのがわかる。


「お前、名前は?」

「凛」

「凛か。良い名だな」

「おじさんの名前は?」

「俺か。俺は秋山左京太夫というのだ」

いかつい顔だったが、何とも言えない優しい眼が人を安心させる。
男の笑顔にはそんな魅力があった。

凛は、聞いた名前を反芻しながら

「言いにくい名前」

そう言うとけらけらと笑った。
笑うとそこに華が咲いたようだった。



戦はむごいもんだ。

秋山左京太夫と名乗った男は心底そう思った。
戦になれば決まって、その豪壮を誇った英雄が現れ語り草にまでなっていく。
しかし、その陰で親を奪われ家を焼かれ、路頭に迷い飢え死にするものがどれほどいるのか。
彼らはその華やかな歴史の踏み台にされ、淘汰されていく。

戦の陰に沈む名も無き被害者達が多くありすぎた。
秋山自身も幾多の合戦でそんなもの達の犠牲の上に生きて来たのである。

だから侍をやめる決心ができた。正確に言えば宮仕えを辞めて浪人になったが、それだけではなくある目的のために辞めた。

秋山は武田に所属する目付の一人であった。

勘定方に勤めていた弟が、知行奉行の不正騒動に巻き込まれ何者かに斬り殺された。
奉行は「職人」を使って関係者を口封じしたのである。

秋山は下手人を徹底的に探しまわったが、遂に見つける事は適わなかった。

「職人」とは金で殺人を請負うプロである。
暗殺集団と言えば忍者かと思われるだろうが、この時代、忍者などは殺しを専門にしているわけではない。
あくまでも諜報活動に重点を起き、情報収集に長けたマーケッターである。
殺しはあくまでも威嚇であってそれを生業としているわけではなかった。

秋山は目付という立場上、身内のこととは言え、私事で公には動けない。
しかし、絶対にの無念をこのままにしてはおけなかった。


蛇の道は蛇と言う。
裏の世界の「情報屋」から、奉行が使った「職人」のことがわかった。
わかったというよりも、力づくで聞き出したと言ったほうが正しい。

「あんた武田の目付だろ…こんなことをして上のものがだまっちゃいないぞ」

腕をへし折られて、「情報屋」は涙眼にそう言った。

「悪いな。飼い犬家業は今日で廃業したんでね」


弟を殺ったのは「マソ」と言われる闇の暗殺者である。
経歴は一切不明の殺しのプロだった。
その情報を追ってここまで来たのである。

ここにある男を探しにきたのだ。

傍らで草を結んで遊んでいる凛が、考え込んでいる秋山を見て言う。

「おっちゃん、今日泊まるとこないでしょ。うちに来る?」

凛は大きな眼を見開いて、にこっと笑う。
握り飯二つが効いたのかすっかり心を許している。

安い宿賃だなと苦笑した。


「お前の他に誰かいるのか」

「おるよ。坊さんの兄ちゃんがおる」

「ほぉ。兄弟か?」

「ううん。うちを火の中から助けてくれたお坊さん。コンピューターに凄く詳しくて色々教えてくれるんだよ」

それを聞くと、秋山の表情が少しくぐもった。


「ほぉ…。ならすまんが一晩厄介になるかな」


凛はそれには気づかず屈託なく笑った。


「ええよ」

そう言うと凛はぱっと立つと、影が落ちていくあぜ道にぐいぐいと引っ張っていった。

凛の住む家は、焼け跡の民家を修繕して何とか人のくらせるレベルのほったて小屋であった。

地中深く埋まっている電脳ケーブルもこれでは生きているかどうかも怪しく、通信機器の電波状況も危うい。
持っているアンドロイド(スマフォ)も電波レベルは2程度でゆらいでいる。
尋ね人を探すのもここいらでは機器に頼るのは無理なようだった。


「あんちゃん、ただいまぁー。」

凛が元気よく土間にあがると、袈裟懸けをだらしなく羽織って寝そべりながらネットをやっている男がいた。


「おかえりー。どしたい、やけに遅かったな」

振り向きもせず、世界掲示板のスレッドをスクロールしながら生返事をした。


「龍尾凶介か?」

「あん?」

秋山がそう言うと、背中がぴくっと動いて、振り向き様に起き上がって来た。


「おい!凛。誰だこいつ!!おい!」

凛を見て怒鳴った。凛はいきなり怒鳴られてびっくりして泣きそうになっている。

悪相である。洒落ではないが僧だけに。

秋山を睨みながら、壁に立てかけてあった錫杖を手にかけた。

凛は震えて立ちすくんでいた。

秋山はその剣幕に態度を崩さずにしれっと言う。

「なんだ。しょぼいPCが一台あるだけかよ」

「誰だお前…」

「龍尾凶介。通称タツヲ。裏世界のすご腕の僧兵と聞いた。仕事を頼みたい」

この時代に僧兵と言えば「電脳ハッカー」の代名詞である。
僧兵は武力より電脳兵器を駆使するインテリジェント・ソルジャーと呼ばれていた。


仕事と聞いて、怪訝な顔をしたがすかさず
「金は?」と聞いた。


「ない」

「帰れバカ」


すると秋山はタツヲの右腕をねじりあげながら、戸口に向かった。
タツヲは悲鳴をあげて悪態をつくが、もの凄い力で抑えられて身動きがとれず呻いている。

土間で震えている凛に声をかけた。

「すまんな凛。ところでここらで酒をだす屋台とかないかな?」

「あ…うん。あるよ。ここ出て左に歩いてけば…ご神木のところにいつも出てる」

「そうか。すまんがちょっと坊さんと大人の話があるんで待っててくれ」

タツヲがじたばた騒ぐのだが、引きずりように外で引っ張っていった。

「いてえって!離せ!離しやがれこの馬鹿、猿!!」

「まぁ一杯驕る。つきあえよ」


凛の言った通り左にまっすぐ行くと、何百年たったかわからない巨木がそびえていた。
その幹の下で、小さな屋台が一軒でている。

客は二人ほどいるが5人も座れば満席になる屋台だった。


タツヲは腕を擦りながら、鼻息を荒くしている。


「どこで俺の事を聞いた?」

「一門」

「あぁ?」

「風の民、白夜、千本桜ちゃん、ゲイ集会、天狼会、風来の試練、ぎょびちゃん、ひよこ倶楽部、その他諸々、悠久の一門ってぇの探ったら最後にお前の名前が出て来た」

「なんでここにいるとわかった」

「情報屋をかたっぱしから洗った。中華が仕事を発注している僧兵がここいらに隠遁しているとな。中華に飼われている僧兵をな。戦国において最も独創的なビジネスを仕掛け、最も情報に重点を置いているのが中華だ。需要と供給の面でもばっちり僧兵と繋がる」

「はっ!えらそうに語るな武田の元目付風情が。調子に乗ってっと連中うごして埋めちまうぞコラ」

ドカッ!

言うが早いか、タツヲは頭を抑えつけられ出されたオデンの皿に顔をしたたかに打ち付けられた。

「ぐぁっ!!」

「素人がスゴムな。マスター、ちくわぶと大根」

客とマスターは一瞬驚いたが、この手合いには関らないようにしているらしい。
賢明な判断だった。

「こ、このガ…」

タツヲが顔を抑えながら反撃に出ようとしたその瞬間、秋山は1枚の紙切れをタツヲに投げた。

「弟が糞奉行の汚職に巻き込まれて殺された。そいつをつぶしてぇんだ協力しろ」

タツヲは人相書きを一瞥するとくしゃくしゃに丸めて放り投げた。


「ふざけんな。こんなことをして俺に何の得がある」

「スリルだ。純粋なスリル」

秋山はがぶりとオデンの玉子を口一杯にほうばりながら言う。


「はぁ?」

「向こうは職業的な殺しのプロだ。調べてんのがわかりゃ消される。うまくいきゃ武田の治水汚職を全国に晒して武田の屋台骨がひっくり返る。下手すりゃ天下もな」

「………」

「中華に飼われて、RMTのウェブサイト作ってんのとどっちが血が騒ぐ」

黙って聞いていたタツヲの顔に笑みが浮かぶ、
そして無言で秋山に顔を近づけながら歯を剥いて言った。

「猿」

蔑むような眼で続けて言った。


「消えろ。今度そのツラ見せたら、てめぇの個人データを全てこの世から消すぞ。ヒットマンなんてぇのはな、後から後から涌いて出て来る蠅みてぇなもんだ。やりたきゃてめぇ一人でやれ猿」

秋山はそれをまんじりともせず聞きながら、ぽりぽりと頬を掻いた。

タツヲが背を向けると、浴びせるように声をかけた。


「お前も猿だろ」

ぴたりとタツヲの背中が止まる。

「殺し屋潰しを延々とやっている猿と、中華のRMTをエンドレスで手伝っている猿」

それを聞いて肩が震えている。

「死ぬまで止まらねえだろ?」

「シッ!!!」


タツヲは振り向きながら秋山の顔面目がけてパンチを放った。

それを秋山は微動だにせず受け止める。


「お前の暴力じゃあ、何も変えられないぜ」

にやりと笑いながら手を払いのけた。


タツヲは震えながら、席にどかっと座り直して酒を頼んだ。
顔は怒りなのか酔いなのかわからず真っ赤に紅葉していた。

秋山は、態度は変わらず注文を続けていた。

「マスター、ちくわぶとがんも」

一刻ほど後、旧世代のコンピュターの前で二人はモニターを覗き込んでいた。

凛はそれとも知らずに既に安らかな寝息を立てていた。


【続く】




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ちょっと一息



あわてない あわてない
ひとやすみ ひとやすみ

可愛すぎワロタ

ではまた明日

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戦国麺 【その3/3 最終回】

地獄突と秋山左京太夫がこつ然と姿を消した晩の2週間後─

その晩から雅は信濃の関所前で陣取っていた。

かれこれ見張って一週間にもなるが、一向に戦国麺の屋台は姿を見せなかった。
といっても、体力的に夜明けまで見張るのは無理なので、丑三つを目処にしている。

さすがに寒いので、薪を燃やして暖をとっている。
食料も酒や餅などを持参してきていたので、軽く楽しめた。

「しっかし…凸さんなんかはどうしたろうなぁ」

先を越されたと思ったのだが、地獄突はあれ以来見たものも噂も聞きはしない。

「ま、どうでもいいか。それよりそろそろ現れてもいいものだがなぁ」

信濃の夜はやはり寒い。真っ暗な闇の中で薪の火を見つめていると、何か妙に懐かしい気がしてくる。
酒もほどほどに回っており、火に炙られた顔が火照って紅葉していた。

しかし、たかがラーメンのために一体俺は何をしているんだろうとたまに思う。
思ったら負けだ。他人とは相容れない価値観を持っていたからこそ、今まで生きてこれたのである。

学生時代に俺はラーメン通なのさと昔の彼女に自慢したことがあった。
彼女はニッコリ笑って「そういえば、あなたラーメンマンに似てるわねw」と言われて嬉しかったことを思い出した。
今考えてみりゃ「ねーよwww」と言わんばかりだが、その当時は日の本一のラーメン評論家になろうと志したものだ。
しかし、大海の蛙のなんとやら。世の中にはすげぇ奴が星の数ほどいることを思い知らされた。

ラーメン全国大会に出た事がある。これまでに何万種類のラーメンを食して来た。自分でも作ってみたり、アルバイトをやってみたりした。ラーメン理論なら完璧だった。
匂い、味はもちろん麺の手障りでその種類を言い当てる自信はあった。

しかし、それを超えるラーメンの天才がそこら中にいた。
大会中、順位は下から数えたほうが早いぐらいで完全に打ちのめされた。
それからラーメンは趣味にすることにした。天を取ろうと足掻いて堕ちたのだ。

なんで今、この篝火の前でいつ来る事もわからないものを待っているのか。
雅にもよくわからない。
わからないが、ぶすぶすと燻ったものが胸のうちにある。

薬師という職を活かして、薬剤ラーメンをやってみようかとも思ったあったが、どうにも今一歩踏み切れなかった。

だって神通だもん。涙がでちゃう。

寒いのを承知で意味不明なギャグを言ってみるが漆黒の闇は答えてはくれない。
薪の音がパチパチとぽつんと闇を照らすばかりだった。


もしかしたら、人生の分水嶺になるかもしれんな。
そんな想いがある。やらぬ後悔、やって後悔。同じアホならやらねば損損。

「この道をいけばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし 踏み出せばその一歩が道となり その一足が道となる 迷わず行けよ 行けばわかるさ」

一休宗純の名言である。ふと諳んじてみたりする。
雅は最近までこれをアントニオ猪木の名言だと信じていた。
まことに可愛い男だった。

火が小さくなりくべる薪もきれかけていた。

「今日はここまでだなぁ」

雅はどっこらしょと腰をあげて、暗く濁る越後の関所方面を見た。

「ん?」


越後の方面から、何やら小さく灯りが見える。
それはじょじょに大きく近づいてくる。確実にゆるやかにこちらに向かってきていた。

「むぅ…あれは」

雅のいる処まではかなりの距離があったが、それでも心は踊る。

とうとう、視界にとらえるまで近づいてきた時に、雅は小躍りして喜んだ。
小躍りといってエグザイルの真似はできないので、ドラクエの魔法の踊りである。

ミヤビンは魔法の踊りを踊った。
戦国麺の屋台は帰ってしまった。



冗談である。冗談はともかく、幟に「戦国麺」と書いてあり、一日千秋の想いを成すことができた雅の喜びはひとしおだった。

雅は屋台に向かって駆け出して大声で叫んでいた。

「おっ、おっ、おやっさぁん!!戦国麺をくれぇ!」

ほとんど半狂乱状態で屋台に向かって叫んだ。

「へぇ〜〜〜い」

屋台を引いていた鎧武者の主人は、屋台をとめて準備をする。

万感の想いでラーメンを食う。
初期の頃、涙の雫を初めてゲットした時より嬉しかった。

椅子に座ってラーメンを待つ。

わくわくどきどき。
こんな時に無粋な雑談はいらない。ただ出された麺を思いっきり食う。
それが礼儀である。
おためごかしの世辞などはいらぬのだ。


待っているあいだに、屋台の隅に妙な置物が置いてあった。
置物は二つで、招き猫とひこにゃん人形である。

よく見ると、二つの置物の眼の部分から涙が出ていた。

maneki

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<こりゃぁ一体…>

そう思った瞬間、主人が話しかけて来た。


「旦那は運がいい。今夜で店終いなんでね」

兜の中の眼が妙に優しく光る。

雅も驚いて聞き返した。


「ええっ!そりゃまたなぜに」

「潮時だからですよ旦那。この世に顕現できるのも今日が最後でね」

「顕現?まさかあんた人外のものなのか!」

「まぁ、妖かしといえばちょっと違いますわな。よく言えば仙人みたいなもので」

「仙人…か。ということはこの麺は仙人の食?」


主人は首を振って答えた。

「うんにゃ。これはただの麺じゃよ。ほんのちょっと丹などをつかおうておるがの」

「道理で…。ステータスが急激にあがったり、Fカップになったりマソのちんぽがバリカタになるわけだ…」

「ワシももとは人だったのじゃが。麺好きがこうじて放蕩したあげくに外道に堕ちた。
それから果心居士殿に拾って頂き、堕落仙人として顕現しとるっちゅうわけよ。ちょっとした悪戯をしてみたくてな」

「カティンコティン?変な名前だな(笑」

「果心居士じゃ。馬鹿め」

「ふうむ…。ところでそこの置物二つが妙に懐かしい気がするんだが…それはもしや…」

堕落仙人はカカと笑って、その置物二つを無造作に取り上げた。


「これは主の知人らしいのう。耳に聞こえぬ叫びをさっきからあげておる」

「やはり突さん達かこれは…」

「うむ。こやつらふとどきにもワシの鎧を脱がして、悪さをしよってな。とりあえず今日まで懲らしめていたところよ。お前さんがこなければずっとこのままにしておくかとも思ったがな」

そう言うと堕落仙人鎧を脱いで兜を外した。

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現れたのは麗しい若い隻眼の娘だった。

「うぉ!すげえ別嬪だ」

雅はびっくりしてひっくり返りそうになった。

「このワシの姿を見て懸想しおってな。まったく下衆な輩よ。ふふ」

苦笑しながら華のような笑みがこぼれる。

「でもまぁ、そろそろ許してやるかの。ほれ」


そう言うと、ポイと置物を投げ捨てた。

宙に舞った置物が地に届く瞬間に、人の姿に変わった。

「ぐあっ!」

「ぬくぅう!」


悲鳴が2つ聞こえて、しばらくすると大声を上げて走り去っていった。

「これに懲りてあの二人もちったぁ真面目になることでしょうよ」

雅はやれやれという風で、逃げさっていく男達を見ていた。

隻眼の娘に変わった堕落仙人は、うふふと笑いながら最後の一杯と戦国麺を出してくれた。

見ると具材も何もない唯の麺とスープだ。

スープをれんげで救い口に含むと、目の前がぱぁっと明るくなり、身体の中から何かが沸き上がって来た。

「戦国麺は人の願望が現実に顕現される。しかしその効能は90日じゃがな」

「そうか…。所詮一時の夢か」

「人は楽して力を手に入れるとろくなことにならんよ。己の力で掴むからこそ華がある」

「それもそうだな」

それを聞いて、堕落仙人はにこりと笑うとふっと消えた。

雅が一気に麺を啜り、スープを飲み干した瞬間に屋台は消えていた。
すでに夜明けが近く空が白みはじめていた。



それからのこと。

Fカップの巨乳娘の乳はしぼんでしまい、マソのちんぽは元通りのやわらか戦車になってしまった。
しかしマソはめげずに「俺にはまだ器具がある!」と走り回っているらしい。

突と秋山は、あれ以降すっかり改心して「トツ&アキ」という焼き鳥屋を二人でやっている。
そこそこ繁盛していると清音から聞いたが、先日食中毒者を出して奉行所にしょっぴかれたらしい。

雅はというと相変わらずラーメンを食い歩いているが、戦国麺の感動を得られるラーメンには、いまだ出会う事がない。多分これからも出会うことはないだろう。

材料を仕入れに町に来ていたが、
雅はふと立ちすくんで、戦国麺の味を確かめるように感慨に耽っていると、背後に藤井駿河守が現れた。

「戦国麺はあなたの青春の幻影。ふふふ」

そう言いながら去っていく藤井の背を見つめながら、梅雨にしめった家路を急ぐ雅であった。


【完】


次回からは【僧兵が斬る!】をお送りいたすかもしれません。
ではまた!


テーマ : 信長の野望online-鳳凰の章
ジャンル : オンラインゲーム

戦国麺 【その2/3】



↑タイトルとは関係ないが、なんとなく元気がない人は見てみるといいでしょう。
特に藤井さんは絶対見るんだ!




「あーいててて…」


鼻を抑えると、ひりついた感覚と鈍い痛みが走る。

雅は巨乳娘に膝蹴りを食らって昏倒していたが、何とか自力で屋敷に帰り着いた。

「派手にやられたねぇ雅さん」

絆創膏を雅の鼻に押し付けて、はい、おしまい!と霧島清音は言った。


「くそっ…あの乳でか女め。乳ぐらい減るもんじゃあるまいに」

「ドラクエじゃあるまいし、いきなり乳をパフパフなんざされたらそりゃ怒るよ!」


薬の調合を依頼されていた友人の霧島清音に手当をしてもらっていた。


「ちぇっ」

清音にお礼のお茶を入れてやりながら、軽く舌打ちをした。
まったく女ってえのはめんどくさいもんだ。


「それにして凸さんも戦国麺を探してるのねぇ」

「うむ…。あのおっさん…何を企んでるんだろうな」

「この前も私に【乳くり3年揉み8年!これ流行る!ほんとにほんと!】とか言ってたよ」

「あほだろ…」

「というか馬鹿?」


そんなたわいもない会話をかわした後、調合された薬を渡されて清音は帰っていった。

一息つくと雅は畳に寝っ転がって天井を見た。
天井の節目の模様がしなやかにうねる麺に見えてくる。

つらつら考えながら、今までの情報をまとめてみた。

戦国麺を食べると身体に何か変化が起きるようだが…。

しかも同じ症例ではなく、その人の一番願っている部位に作用している。
もし食したらおいらの身体はどうなっちまうんだろう…。

こももは戦で傷ついた身体が一瞬で治り、貧乳娘はFカップに。

そういえば、他にも聞いたぞ。
タッチャマソという男が食した時は、ぽこてぃんが3倍の強度になって妙に自信がついたとか…。
それ以降、マソのあだ名は「空にそびえる鉄(くろがね)のチンコ」になったらしい。

すげぇな…。
雅は素直に感心した。

まるで妖かしの術だ。山田風太郎の小説じゃあるまいし。

よし!明日にでも信濃の関所を見張ってみるか。

そう決心すると、戸棚にあった煎餅でも食うかと立ち上がってごそごそと探しはじめた。

すると煎餅が入っていた袋から一枚の紙キレが出て来た。

「ん、なんだこれ…」

お煎餅は怪盗 清音が頂いた!ふふり(`・ω・´)


「……あの狐娘、やりやがったな」

清音に隠してあった煎餅を全部平らげられてしまった雅は、仕方なくお茶漬けとタクワンで食事をすませた。
その夜ちょっとだけ泣いた。


雅が泣き濡れて寝ている頃、信濃の関所の周りでうごめく2つの影があった。

「うう…寒いぜ凸さん…」

「我慢しろ、アキヤマン。もうすこしで大いなる野望を達成できるんだからよ」

「大いなる野望って一体なんなんだい…。それよりこう寒くちゃ凍え死ぬぞ…」

「馬鹿だなおめぇは。だからおめぇは頭が長ぇって言われんだよ」

「……。悪いの間違いじゃないのかそれ」

「とにかく、この寒さじゃ同じように戦国麺を狙ってる奴らもそうそう出ばらねえだろう?何せ一晩に2杯しか出さねえと聞くしな」

「その親父は何のために屋台なんかやってんだろうなぁ。意味分からん」


この二人、先に話題になった地獄突と秋山左京太夫という武田の侍で旧知の仲だ。
戦国麺の噂を聞きつけて、雅のように情報を収集して戦国麺の秘密を手に入れてやろうと機を狙っていたのである。

情報を分析した結果、月の初めの友引の晩。その日が戦国麺の出現率の一番高い日らしかった。


「とにかくよ、戦国麺の秘密を手に入れてそれをネタに商売をおっぱじめりゃあ、明日からは満漢全席にコパカパーナの洪水だぜ。ちったぁ辛抱しろい」

「満漢全席ねぇ。しかも戦国時代にコパカパーナってのどうかと思うが…」


しゃべっていないと、凍えてしまうのは地獄突のほうも同じだった。
3月の信濃は雪も残っていてまだまだ寒い。

そろそろ、丑三つ時になる。
上野側の関所の方を見ると、紅く燃える篝火が小さくこうこうと灯いている。

「ああ…あの火でぬくもりてぇな」

秋山左京太夫がそう云うと、地獄突も白い息をひとつ吐いて身体を上下させた。

しばらくすると、越後の関所に向かう方角から何やら灯りが近づいて来る。

「むっ?」


二人はその灯りを確認しながら、茶屋小屋の背後に隠れて様子を見た。

ぎっぎっと軋む音を立てながら鎧武者が屋台を引いている。

幟には「戦国麺」と記してあった。


「おい、どんぴしゃだ。おいでなすったぜ」

地獄突は歓喜しながら秋山の背を叩いた。

茶屋の前まで来ると、鎧武者は手を休めて屋台を止めた。
どうやらここで営業するらしい。

いてもたってもいられなくなった二人は、早速屋台に向かって声をかけた。

「よぅ!おやっさん。戦国麺を二杯くれ!」

鎧武者は暗闇から飛び出て来た男達に驚く様子もなく、のそのそと準備を始めている。
全身黒ずくめの甲冑に、顔全体を覆った突盔形兜をつけている。
顔はもちろん、眼の中まで真っ黒に見えて不気味だった。

二人は早速、屋台の前に出された長椅子に座って身体を揺する。
暖を一刻も早く取りたくてしょうがないのだ。

屋台の主人は碗を湯の湯気で温めながら、麺の水切りをしていた。
不意に今まで岩のように押し黙っていた主人が口を開いた。

「…旦那達はどうしてこんな時刻にこんなところにいたんでやんす?」

いきなりの問いだったが、地獄突は間もいれずに答えた。

「決まってんだろうが。俺はラーメン通よぉ」

「ほほぅ…。さいですか」

黒い兜の奥で主人が笑ったように見えた。


「戦国麺。最近巷じゃちっと噂だぜ。でな、おやっさん。単刀直入に云うぜ」

「へぇ?なんでやしょ」

「俺たちと組まねえかい?」

「組む?」

「このラーメンは何やら不思議な効能があるそうじゃねえか。どうだい?俺たちと一緒にこれで天下をとってみねぇかい?」

「天下…でやすか」

暖まった碗に、スープを注ぎながらため息をはくようにしゃがれた声で洩らす。

尚も地獄突は畳み掛ける。

「おうよ!かの利休だって茶で国を成すとまで云われてんだ。ラーメンで天下を望んだって罰はあたらねえ。あんたの戦国麺は俺たちが組んで知恵を絞れば、世を想い通りに動かすのだって夢じゃねえよ」

横でじっと聞いている秋山左京太夫は、突に口上に口を挟む余裕はない。
寒くて寒くてそれどころではないのだ。

「寒い……」

秋山左京太夫は堪えきれずにそう洩らすと、話の腰を折る一言に地獄突はうんざりし意気地がねぇなあと叱り飛ばす。


「へい、お待ち…」

主人は地獄突の勧誘には興味も示さずにラーメンを出した。

「うほぅ!」

秋山左京太夫が声を上げて眼を輝かせる。
香ばしい香りに、キラキラ光る具材の数々。どれも極上のものであろう。
麺は琥珀色の空を泳ぐ龍に見え、周りを彩る具材はそれを祝福する雲や風に見える。

まことに見事な芸術品でもあった。
これにはさすがの地獄突も喉を鳴らして唸った。


「まぁいいや。後の話はこいつを食ってからといこうぜ」

そう言いながら箸を割って、 スープに口をつけると体中に電流が走る心地がした。

「こ、これはっ!!!」

dannpei
↑注:地獄突


──その晩以降、地獄突と秋山左京太夫を見かけたものはいなかった。


雅はというと、サッカーのワールドカップ予選があったのを思い出して、まぁ明日にするべとビールを飲んでのんびりしていた。

雅は香川真司がちょっとだけ若い頃の永瀬正敏に似てるなと思っていたが、知人からねーよと云われて凹んでいたという。

【最終回はWEBで】


じゃなくて月曜日に。

では良き週末を!

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戦国麺 【その1/3】

伝説の「戦国麺」というものがあるらしい。

神通薬師の雅(みやび)は、それを噂に聞いていてもたってもいられない。

かぐわしいスープの匂い。はじけるようなコシのはいったつるつる麺。

幻の豚肉と言われる「千代幻豚」のチャーシュー。シャモを主体として品種改良をした秩父オリジナルの鶏が生んだ高級卵。
どれも絶品の具を取り入れて、一度食べたら桃源郷。

食いたい。何としても!


雅は戦国の薬師 宗慶に師事して3年になる。
師の宗慶にはよくこう言われた。

「お前は陰が薄くどうにもこれといった個性がないのぉ」

それを聞いたときは、軽い中腹を立てた。

個性がないのも個性やねん!そう反駁したくなった。

確かにミヤビは陰が薄い。
あっ、そういやいたっけなといった感じで、まるで空気のようにそこにある。

ミスディレクション。黒子のバスケよろしく、存在感を消すのがうまいとも言えるが、雅はそれを間諜などには使わない。裏の諜報活動にはもってこいの人材とも言えるが、そんな事には興味はなかった。

ただ、ただラーメンが好きなだけの薄い男なのだ。

「戦国麺か…。食ってみたいものだ」

この噂を聞いたのは、知人の桜こももからであった。
こももは一度だけ食したことがあるという。

古びた甲冑をつけた40絡みの主人が引いている屋台であったという。
合戦の帰参中に遠江の街道に屋台が出ていたので寄ってみたそうだ。

掲げた暖簾に「戦国麺」と書いてあり、鎧武者の格好をした主人は、意外にも能生弁で丁寧に材料の説明をしてくれたという。

とにかく、スープを飲めば体中から力が沸き上がり、麺を食べれば傷ついた怪我の部分がみるみる回復していくという。

「とにかくトリコに出てくるようなラーメンであったことよ」

そう、桜こももは雅に語った。
しかし、もう一度その場所に訪れてみたが二度と見かけることはなかったそうだ。


「ああ!食ってみたいものだ。それほどのラーメンなら!!」


雅のラーメン魂に激しい焰が宿る。
とにかく、戦国麺の事を考えると腹が鳴り涎が垂れてくる。

食ってやる。絶対!

それからというもの雅は連日連夜、戦国麺の屋台をみかけたという人に情報を聞きまくっていた。

陰は薄いが、ラーメンにかけちゃあ誰にも負けない。
己の自負しているとおり、古今のラーメン事情には本が一冊書けるほど精通している。

ラーメン通とは武田に雅その人有りとまで言われた。
何故か本業の薬師の噂はとんと聞く事は無かったが。

噂を聞いて十日ばかり経ったある日のこと、雅は甲府の町に薬剤を仕入れに来ていた。

「ええっと…材料はこれで全部かな」

問屋のちょいと見のよい娘に愛想をふり撒きながら、覚え書きを確かめている。

ふいに背後から声をかけられた。


「やぁ、雅さんじゃない」

見ると涼やかな顔をして派手な水干を纏った陰陽が立っている。

「木乃さん」

陰陽の木乃という男だった。最近はロゼッタにはまってバイリンガルとなっている。
「この陰陽ロゼッタ人」と甲府でも有名だった。


「雅さんは買い出しかね」

「うん。そろそろ丹も作らんといかんしね」

「そういや…最近、幻のラーメン屋を探しているそうだが」

「木乃さんの耳にも入っているのか。そうなんだよ、戦国麺というものを探しているんだ」

「ふむ…。戦国麺ねぇ」

「信オン一のラーメン通を自負しているおいらが食った事がないと言われるのはどうにも我慢がならんのでね。何か情報あった教えておくれ」

「僕の情報は高いぞ!(´∀`)」

「問題ないよマリア」



相変わらずの木乃であったが、何やら最近それらしい屋台を見かけたという人がいたと教えてくれた。

それならと、会いに行って詳しい話を聞いてみようと思い立ち、雅は甲府のハジにある小さな武家屋敷に向かった。

木乃にはお礼としてあるものを包んで渡したが、木乃がそれを開けてみると、真っ黒な炭が一個あるだけだった。

「(  Д ) ゚ ゚ ……」

木乃は炭を見つめながら無言で晒しスレに向かったという。

さて、武家屋敷に着いた雅は、玄関先で一息をついて戸を叩いた。

「すみませ〜ん。どなたかいらっしゃいますか〜?」

するすると戸が開いて、一人の女性が出て来た。

その女性を見た瞬間に、(`・д´・ ;)ゴクリと喉が鳴った。
まさに喉が鳴る鳴る法隆寺。

<すげぇ乳…>

着物からはだけた胸はこぼれおちそうなぐらいにあらわになっている。

「あ〜〜ん?なんだいあんたは。金ならないよ一昨日来な!」

見た目の艶かしくも麗しい容貌とは相反して、伝法調の荒っぽい口の聞き方だ。

雅はその剣幕に圧されたように、たどたどしく説明をする。


「あ…あのですね。私、薬師の雅と申しまして…その…戦国麺のことをちょっと…」

「戦国麺?」

娘は怪訝な顔をして雅をジロジロと見た。

雅はとにかくその娘のたわわな胸が気になってしょうがない。

<やばし!これは勃ってまう;>

正常な男なら魅力的な女性を見れば当然の反応である。逆に云えば、そうならないほうが問題であろう。

そんな雅の様子に構わず、娘は顔を近づけて睨みをきかしてくる。


「戦国麺がなんだってんだい。あんた一体何者だい」

「い、いやだから、私は唯のラーメン好きな神通薬師でして…」

「ラーメン通?またかい…」

「また?」

「さっきもあんたと同じラーメン通とか云う侍が来て色々聞いてきたよ。しかもあの髭侍…」

「どうかしたんですか?」

「あたしの胸を2回も揉んでいきやがった!今度見つけたら絶対殺す!!」

「……まさか、その侍って…地獄とか云うんじゃ…」

「…その通りだよ。まさかあんたも仲間かい!」

「いや違います(キリッ」


<あのおっさんこんなとこまで来てセクハラかよ!ふざけんな!!うらやましけしからん>

雅は先を越された悔しさと、うらやましさの感情が同時に沸き上がってきた。


「まぁいいや…。あんたは人畜無害そうだしね。で?戦国麺の何を聞きたいんだい」

「その屋台の出没先を是非!」

「出没先ねえ…。私も二度くらいしか見かけてないけど…。なんでも信濃の上野の関所あたりに頻繁に屋台を出すって聞いてるよ」

「ほぅ。信濃の関所に…」


これは今までで一番有力な情報だ。雅はムネが高鳴ってきた。
実は雅はラーメン絵巻なるものを制作している途中である。

あの戦国麺を絵巻に加えられたら…。そう思うと自然に身体が震えてくる。

「あたしのこの胸も、何を隠そうそのラーメンのおかげさね」

「ええぇ!!」

「前のあたしはAカップだったのさ。信じられるかい?」

「まじすか…。ということはこれは偽乳か(´・ω・)ガッカリ」

まじまじと娘の乳を見つめて、ぱふぱふしてみた。

「乳んぷいぷいー!なんちゃってw」

雅のお得意のシベリアギャグだ。聞いたものは絶対零度の極寒の地に陥ってしまう。

が、その瞬間、かもしかのようなはだけた足が着物から跳ね上がって、キックの鬼の沢村栄治のような膝蹴りがくり出された。

「何しやがんだこのダボハゼがぁ!!」

cvdbggtfhm

ゴキャ!!


「ぴぎぃいいええ!!」

意味不明な悲鳴をあげながら、雅はまともに顔面に膝蹴りを食ってぶっ倒れた。

「シリコンなんざ入ってねーんだよ!正真正銘の私の乳さ!!」


娘はぷんぷんしながら屋敷に戻り、雅は半刻ほど倒れたまま動けなかった。

雅はこんな調子で幻の「戦国麺」を食することができるのか?
それはまた次の講釈にて。

【続く】



ああ、ラーメン食いたい。
んじゃまた。

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迷い猫オーバーにゃん

「にゃぁ」

浅井の守神わんこは琵琶湖に佇んで一声鳴いた。

暮れなずむ湖畔に宵の風を感じながら一人。
すでに6月。吹く風はどこまでも優しく夏の匂いもそこはかとなく感じられる。

まだ梅雨には早いこの時期の湖畔付近の空気は清々しく爽快だった。

守神わんこは柄にもなくちょっとおセンチになっていた。
汚染地ではなく、おセンチである。

わんこは詩を諳んじてみる。

「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」

鎌倉時代の歌人、鴨長明の著書「方丈記 」の一節である。

思えば……信ONをやりはじめて9年。
始めた頃はまだ30代だったはず。

いつしか歳も数えるのを忘れてしまった。
初期の知人もあまたに消え行き、浅井の顔ぶれもかなり変わった。
合戦はもう鯖全体で行われ、コンテンツの有り様も大きく違っている。

短いといえば短かったような気もするが、人が変わるには十分な歳月だ。
最近はつとにそんな黄昏に揺れる想いを感じている。

「遠くなるなぁ…。人も夢も…」

湖面が夕日によって紅く乱反射する琵琶湖にのぞんで誓う。
まだだ。まだ終わらんよと。

fujii

「迷っているのか」

後ろからいきなり声がした。

「うわっ!!」

わんこは驚いて猫のように飛び上がった。
猫のように、だ。あえて二度書く頭かく。

振り向くと髭面のおっさんが立っている。



武田の地獄突だった。

「凸さんか。脅かすなよもう」


地獄突は悪びれずに言う。

「迷っているようだな。わんこ君」

「いやぁ…。別に迷っているわけではないけどね。ただ…」

「ただ?」

「まぁ…。俺はいつまでここにいられるんだろうとふと思ってさ」

「いけるよ!!」

「えっ?」

「アメリカイギリスオランダブルガリア!君は好きな時にどこでもいけるよー!」

「いや…あの別に海外旅行にいくとはいってないんだが」

わんこは意味不明な地獄突の剣幕にあわてた。

地獄突はそれに構わず続けるが、声のトーンを落としてうつむいた。

「そして辿り着く先は…」


「先は?」

わんこが聞くと、琵琶湖に向かって膝を落とした。

「あの世さ…」

「……」


ひゅうと風が吹いた。そろそろ辺りも暗くなりはじめている。

「さ、さぁてと…そろそろ帰るかな」

わんこはこれ以上おっさんにはつきあってられないと厩に向かおうとした。

遠くから声が聞こえる。
行進の唄を使っているらしく、みるみる目の前に近づいて来た。

見ると浅井の古参巫女の神有月なのかである。
うずくまる突を見つけると声をかけてきた。

「凸さん、こんなとこで何をしてるんですか?@@」

「おお!なのかさん。相変わらずミコミコしてるねぇ〜」

「突さんも相変わらずですね;なんで近江にいるんですか?」

「悩める若者への助言だよ。さぁ、じゃあそこらで茶でもしばきましょうぜ」

「えっ!あのちょっと…」

そう言うと、突は強引になのかを勧誘して立ち去って行った。

[HAHAHAHAHA!わんこ君、また会おう!アディオス!!」

突が別れの挨拶をしながら、消えて行く。

わんこは、鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしてポカーンとつったったままである。

「なんだありゃ……」


わんこはここで重大なことを思い出した。


「ああっ!そうだ、魅力袋返してもらうの忘れた!!」

わんこは突にクエで貸した袋を返してもらうためにここに来ていたのである。


「糞っ!無駄な時間を使わせやがって」

早速、信書を送って返せコールを送った。

わんこは、帰りに団子屋に寄ってみたらし団子を食った。

屋敷にもどると突から信書が届いていた。


わんこ君へ
__________________________________
魅力袋ありがとう。そしてさようなら。
歌手になりたいので信やめます。
いっひっひっひっ(笑)
___________________________________



vdfndfghmfy
↑注:守神わんこ氏


わんこは天に向かって稲妻のように咆哮し叫んだ。

「いっひっひっひっ(笑)じゃねぇええ!!!!」


数日後、袋は無事に戻ってきたという。

突がその後歌手になれたかどうかはさだかではない。

【おしまい】


ふう。じゃあまた明日!






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恋にせっせととおせんぼ

神典の西武門(にしんじょう)はイラついている。

イラつきの原因は今現在やっている狩り徒党のメンツにある。

覚醒ポイント狩り。約90分の退屈な狩りだ。
とどのつまりがルーティン作業である。

大概のP狩りは最初の挨拶程度で無言だ。
盛り上がる要素もなく、よっぽど面白おかしいメンツで無い限りただただ退屈な作業だ。

今日も今日とて日課になっているポイント狩りを流れ作業のようにやるはずだった。

構成は、神典、僧兵、僧兵、武士、陰陽道、武芸である。
まぁ普通の狩りなら問題ないし、超効率とまではいかないが、そこそこ回転率はいい。

そんな日常の1ページになるはずだった。
しかし、その徒党の中にすごいメンツが存在したのである。


そんな西武門先生の愛と苦悩のドラマをご紹介しよう。



西武門はインすると関ヶ原のP狩りの赤募集を見つけた。
早速対話してみる。


「こんばんわ^^65神典よろしいでしょうか?」

彼は挨拶も丁寧である。丁寧が故に女性に間違われることもしばしば。
キャラクターにシナがあるというか、なんとなく女性っぽいのかもしれない。

「いいですよ^^では助力とばしますね」

「ありがとうござます^^向かいます」


お手本のようなやりとりだ。これが私の場合なら

「ちぃーーっす。あいてるっすかぁ?軍なんすけどー」

「空いてますよー。では助力とばしますね^^」

「うぃーっす。よろ」


これはひどい。なんというDQNだろう。これにより断れた回数は1000を超える。
当然だ。私が党首だったらこんな自分自身を断るだろう。


まぁ私の話はおいとて、西武門さんだ。


合流して徒党に加わる。

「よろしくです^^」

「よろしくお願いします」

6人ともお初の顔ぶれだ。
各々の挨拶を儀典的に済ませると狩りが開始された。

党首の武芸は口数は少ないが、短く簡単な説明のあとルート順にさくさくと敵の前に誘導していく。
話のわかる奴だ。

西武門は横の別モニターで動画でも見ながらやるかとのんびり構えていた。
しかし、数戦してからあることに気がつく。

僧兵がまったく野外回復をしないのである。毎回とは言わないが多少生命がやばくなったりすることもある。

しかしまぁ、なんだかんだで事故は無いだろう。
そう思いつつ、何も言わずに与生気をする。

狩りも中盤に来て、党首がポイントの確認をする。半分か。
さすがに眠たくなってくる。なにしろ誰も一言も発しないのである。

<ここまで徹底した無言徒党もめずらしいな>

そう思いつつも、無理にテンションをあげて雑談めいてもめんどくさいものである。

すると僧兵(尼)が唐突に発言する。

「もぅ!エッチなんだからぁ♡」

誤爆であろう。誤爆に違いない。彼氏あたりに対話をとばして誤爆したんだ。

当然のことながら徒党員は無言である。よくあることだが、これはひどい。


「……」

「……」

「……」


気まずい。
誰もそれに関してつっこまない。

泥土のように粘り着く空気が数秒流れ、西武門はモニタの前で

dareda

わけのわからないポーズを取って爆笑していた。

わろすwwwww
それしか言えないのだ。

<アホやこいつアホやw>

そしてその沈黙を切り裂くように僧兵(尼)が発言する。

「みすぅ」

<みすぅじゃねぇよwwwwww>


続けて僧兵(尼)の発言。


「お騒がせしてすみません。次からはジャンプしますね♡」

<意味わからねえぇええwwwつーかジャンプすんなよww>

西武門は涙を流して転げ回って机の角に頭をぶつけた。

無言のおかしさというものは「間」である。そのツボに入ったらもう止まらない止められないカッパえびせんだ。

党首は意に介さず無言で狩りを進めて行く。

すると今度は僧兵(男)が発言をする。

「のんちゃん(尼の名前)、気にしないで^^」

どうやら二人は顔見知りらしい。
なんだよ、それならすぐフォローしてやればいいのにと西武門は人ごとながらに思ったり。

「うう;ニャルさんありがとう;;」と尼。

ここから僧兵同士の会話のオンパレードである。
しかも狩りだというのに二人してジャンプしまくるしまくる。

お前らは平成JUMPかと言わんばかりだ。

当然、殲滅は遅くなるが盛り上がってるのは2名だけだ。

あと党員は無言なのだが、イライラが堪って来ているのがわかる。
しかも相変わらずどちらも一回とて野外回復はしない。

西武門の沸点のゲージはふりきれそうにバーストエンジェル状態だった。

どうやら顔見知りというよりカップルだったらしい。さきほどの誤爆もこのニャルとかいう僧兵に向けて対話したものらしかった。


<うぜえよう;;>

暢気な狩りがもうびっくりするほどユートピアに変わっている。
先ほどの無言の静寂はどこへやらすっかり二人だけの世界でくっちゃべっているし。

西武門は痺れをきらして進言した。

「すみません。少し野外回復手伝っていただけないでしょうか?^^;」

それを聞いた僧兵尼の、のんちゃんがすかさず答えた。


himehime
「そんなの神典の仕事でしょ!ねー?ニャルさん♡」


ootomon
「当然だよwのんたんが回復するのは俺だけでいいの」


ぶっちん!!

oninini
(西武門 覚醒怒りのイメージ)

西武門の中で何かが弾けた。
西武門は頭をくしゃくしゃにして、往年のプロレスラー 鶴田のように怒った。

頭の中が真っ白でその後のことは覚えていない。
多分ありったけの悪口雑言を言い放ってしまったに違いない。
普段、抑圧された感情が押し付けられたバネのように飛び出したのだろう。

気がつくと、一人で関ヶ原に取り残されていた。
ログを見るのが怖かったのでそのまま落ちた。

後日、インすると凸から対話が飛んで来る。

「西さん、おひさ!」

「おひさしです^^」

「そういや先日えらい目にあってさぁ。2垢の僧兵があまりにひどくて恫喝したら速攻晒されたぜw」

「2垢の僧兵?もしかして、ニャルとかのんとか言う人達ですか?」

「そーそーそれそれ。あいつ知人情報によると、角刈りのおっさんらしいだけどさ。2垢で自演しまくって遊んでるんだよ。きめぇしw」

「………」


<あれが自演?まさか…。まるっきり二人の人格がいるようにしか見えなかったぞ!?>

「凸さん。まさかあの人達って…」

「おっと!それ以上は言わぬが吉だ。世の中には知らなくてもいいこともあるだろうよ」

「そう…ですか。そうかもしれませんね」


しかし西武門にはわかっていた。

これはオチがつかなくなったんだろうなと。


imagawa
「麻呂は知らんでおじゃる」

ではまた明日!

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ジャンル : ゲーム

信長たんの晩餐

「いやだね!織田民などこの店に一歩も立ちいらせない。がさつな尾張人の信長ごときに料理の神髄がわかるわけないんだ」

禁裏の料理人、凸はにべもなくそう言った。

「そう云うと思ったよ。どうも俺は物事をシンボリックにとらえたがる人間でね」

凸の横柄な態度もいつもの如くといなしている。
豪華な円卓の前で対峙して話しているのは、三浦と云う武田の古参家老であった。

「織田のうつけと云われる信長だが、近い将来天下を取る器だと俺は見ている。彼との会談はこの店で行われるのがふさわしいと思っとるんだ。そして最高級の宮廷料理を出して欲しい」

「私は節を曲げた事はないんだ」

凸はあくまでも断る様子だが、三浦にはこの店を出店するにあたって融資に顔を利かせてくれた恩は感じている。
強情だが腕は確かだった。が、その生来の強情さがしばしば融資者達とのトラブルを招いていた。


「あと方言だ。あのみゃー、だか、だぎゃあだかの方言が私の店の空気を汚す。耐えられると思うか!」

三浦は手を揉みながらまぁまぁと凸の様子を伺うが、これはもう落ちたも同然と確信している。
最後の抵抗としてさらに悪口雑言を巻き散らすが、連日の三浦の執拗な懐柔にはお手上げだった。

「京都弁は神の声、関西弁は盗賊の声、尾張弁は馬の鳴き声…か。誰だったかなそう言ったのは。実にその通りだ」

「信長たんは綺麗な江戸弁が話せるよ。まぁ、俺の願いだ。聞いてくれんか」

片目をつむって懇願するようなポーズが決め手となり、凸は両手をあげて降参したようだ。
そして三浦を一瞥すると、勝手にしろ!と怒鳴ってさっさと厨房に引っ込んでしまった。

三浦はニヤリと笑いながらつぶやく。

「計画通りか。さて…」



暮れ七つ時。
豪華な駕籠が、料亭に止まり大柄な武家がのろりと出て来た。

料亭の前で待っていた三浦は、ひれ伏してその武家を丁重に迎えた。

「これはこれは信長様。ようこそいらっしゃいました」

「三浦か。久しいな。おみゃあさんが何考えとらすかわからんが、御輿に乗ってやったでよ」

「はは。ありがたき幸せ。信長様にもご壮健そうで何よりでございます」

「とりあえず案内せい」

「御意」


永禄3年。織田信長この時26歳。
信長が既に尾張国を統一した翌年に今川義元が尾張国へ侵攻した。
今川氏の軍勢は、2万人とも4万人とも号する大軍であったが、4,000人足らずの兵力で奇襲にてこれを破り、信長は時の麒麟児へと駆け上がっていった。これが有名な桶狭間の戦いである。


「ここが京都一の料亭か。随分汚い門構えだな」

「伝統的なものは、しばしばくすんでいます故」


長い廊下の床を軋ませながら、三浦は若き信長とその一向を最高級の座敷を案内した。

襖を空けると、目が覚めるような絢爛豪華な食卓が用意してある。

「さぁどうぞ」

「ふむ」


信長は上機嫌だ。信長の気性の激しさはつとに有名で、その残虐性ばかりがクローズアップされているが、
自分が認めたものは徹底的に寵愛しぬく。愛された重臣達にはすべからく恐ろしくも愛おしい殿様でもあった。

武田の家老の三浦が密裏に信長に接触できたのは、今は亡き道三の覚えが目出たかったことによる。
道三がまだ稲葉で油を売り歩いている頃に、これまた蜆を売り歩いていた三浦と道三は飲み仲間であったのだ。

道三はあれよあれよと云う間に策謀をめぐらして一国の主となり、三浦は蜆売りを捨て、合戦へ出向いた。
武田側について武功を上げ、石和一族の養子に入り家老にまで重用されることとなる。

道三と国を違えての交流を密に行っていた三浦は、斎藤義龍の生来の獰猛性を懸念していた。
幾度となく忠言していたのだが、道三はうっちゃっとけと云って聞かなかった。

織田と和睦が成立して、道三の娘・濃姫と政略結婚をした折りに、忍んで遊びに行った道三の屋敷で信長に幾度となく対面している。
そんな関わりもあって、信長も三浦に対していささかの親愛は抱いているようであった。

信長は上座の座席に胡座をかいて、注がれた酒を一気に飲み干した。

「どれ。でらいものを食わせてくれると云うで来たがや。ワシを失望させるでにゃーぞ」

「ははっ。それでは早速の馳走をば」

三浦はぱんぱんと手を打つと、襖がばっと開いていよいよ宴の開始である。


それを、天井裏からじっと伺う二つの眼があった。

黒装束に纏われた小柄な体躯と後ろに縛った長い髪の毛。
クノイチである。黒いハバキを足につけているところを見ると、奥州の忍者であろう。

天井の板目の隙間から、微動だにせず下の宴の様子を伺っていた。
このクノイチ、名をみさをと言った。

<なるほど。武田の家老と信長の密談か。武田の三浦と云えば、いわば囲われ家老で他古参家老連中とも折り合いが悪いと聞く。この機に他勢力へ通じて出奔し、堅牢な地位を築きたい。しかし今の知行をそのまま保つためには、仕官時に何らかアピールする材料がいる。それが時の麒麟児の後ろ盾か…。三浦もなかなかに苦しい>

みさをのそんな考えをよそに宴は進み、いよいよメインディッシュである。

中国の歴代皇帝の愛した宮廷料理、北京ダックが出て来た。

「かの大陸の皇帝がこよなく愛したと言う北京ダックです。ただし古今を通して第一人者の手によって天下第一の料理に仕上がっています」

三浦の能弁な舌はさらに滑らかに回る。

「まぁこの料理には言葉の調味料など必要ございませんな」


信長はニヤリと笑い手を叩いて喜んだ。


「ふむ、主らは例外なく事大主義的だの。金をかけた料理が美味いのは当然だろうがよ」

その口上を聞きながら、みさをは声を忍ばせて笑った。

<うまい事を云う>


信長と三浦との会話がしばし弾み、みさをも多少気が緩んで来たその時だった。

信長の声色が代わり、尾張弁の方言が消えている。座敷の空気も明らかに先ほどのような暢気なものではなくなっていた。


「三浦よ本気かい。この話は亡くなった叔父御への大きな弔いになると思っていたんだがな。しかも破格の待遇で大名として主を迎えようと思っていたに」

「…誠に畏れながら。武田軍の兵力を甘くみてはなりません。殿の軍勢に至っては、いまだ百姓から桑を捨てさせただけの俄兵。それに比べて武田群は生粋の戦闘集団に扶持を与えて、それ以外の一切は戦闘のみに訓練させております。武田と織田の争いは屍を累々と築く怨嗟の戦。なりませぬ」

それをじっと聞いていた、みさをは重大な勘違いをしていたことに気がついた。
三浦は織田の武田進行を口上で食い止めていたのだ。しかし、それは武田側からも間者として疑われる危険もある。

<なんだって…。すると三浦は大名の身分を棒に振ってまで!>

何という男であろう。武田の中で一人異を唱え、孤立していこうと己の信念を貫きとおそうとしていたのだ。

<なんて男なんだろう>

みさをは忍びにあらざる懸想を三浦に覚えた。
古来よくあることだが、男に惚れたクノイチに待っているのは組織による懲罰である。


「実に不愉快だな…お主は。まぁいい、間者は他にもいるわけだしな」

「私は武田が灰となるまで一兵卒として抵抗していきますよ」


「帰るぞ」

信長は従者を連れて踵を返した。

「北京ダックか…。主らの考え方はまさに老いぼれた皇帝よの」

三浦を睥睨するように吐き捨てる言葉を投げつける。

「食える時に食えるものを食う…。それがワシだ。なのに主らは一瞬に消える味のためにあくせく手間をかける。主らはこの戦国に生き残れんぞ」

「明日という日を信じているからですよ。では、よいお時間でした信長様」


屋根裏のみさをは舌打ちをした。

<なんてこった!>

みさをは伊達家より織田の動向をさぐるように使わされた草であったが、この三浦と言う男に惚れ込んでしまった。
抜けよう、そして三浦に仕えよう。

そう思って素早く屋根裏を駆け抜けて、側女に変わり身した。
みさをは、信長を見送って中央の庭の池に何と言えぬ顔をして佇む三浦を抱きしめたくなった。

三浦に駆け寄ろうとした瞬間、がっし!と後ろから肩を掴まれた。

「誰だお前は?」

店の主の凸だった。

「ちぃいい!!!!」

みさをは、瞬時に左足を跳ね上げて凸の股間を蹴り上げた。

ぐちゃっ。

「ひぎぃいいいいいいい!!!!!!!」

三浦はその恐ろしい断末魔のような悲鳴を今でもわすれないと語りぐさに云う。

みさをはそのままどこかに消え、玉を潰された凸は踞って股間を抑えている。

「凸!!どうした?」

三浦が駆け寄って来たとき、凸は青い顔をして息も絶え絶えにこう言った。

「も〜だめ…。ぐちゃって音したもん…。ゲイにもなれねぇ…」

三浦はそのとき何といっていいかわからなかったが、精一杯の優しさで慰めを言った。

「大丈夫だ。俺の知ってる店はおkだ」

「お前…あとで殺すからな」

藤井駿河守からメールも着ていた。

「凸さん!いんぐりもんぐりいんぐりもんぐり!これ流行るお!」

凸はその瞬間に木刀をもって藤井の棲息する伊豆の下田へ向かったと言う。


【おしまい】


ではまったねぇ!










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プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
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