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お前の武士道は何色だ

武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり

葉隠の記述の中で特に有名な一節であるが、葉隠の全体を理解せず、この部分だけ取り出して武士道精神と単純に解釈されてしまっている事が多い。

とある。

武士道の精神とは自決こそ美学という意味では決して無い。
しかし、その勁烈なまでの生き方を貫き果てて行った「もののふ」達は決して少なくない。

私はそんな世界に生きた一人の「侍」を知っている─。


【完】







ハッ!完じゃねーよ。これから始まるんだった。


【アキヤマン 限界つれづれ節の章】



凸は寝床に臥せったまま、烈風の武士道要塞と唄われた秋山左京太夫を迎えた。

労咳である。以前の見た頃のはつらつとした鋭気はもはやなく、
痩せ老いて、ただ死ぬのを待つだけの肉の残骸となり果てている。

秋山左京太夫、略してアキヤマンは、凸の姿を見ると何も言わず枕元に座り込んだ。

もう泣きそうになっている。長い間ライバルとして戦場を駆け巡った憎らしい男の衰弱のさまを見ていると心がかきむしられるようだった。

「これが、かっての烈風武田のガン 凸の成れの果てかね」

口は相変わらず辛辣である。

「措いとけよ、アキヤマン」

声も弱々しくかすれている。

「嬲られるために呼んだわけじゃない」

「当たり前だ。こちらも、覚醒狩りだ合戦だ、一門クエにと忙しいんだ。さぁ、往年の決着をつけたいんだろう。表へ出ろ。相手になってやる」

凸が呆れたようにアキヤマンを見た。

「お前は…。信オンのことしか頭にないのか」

「その通りだ。凸つぁんと俺の間にの信オン以外の何がある」

「いくつになっても歳を食わない男と云うものがいるんだね。全く進歩するということがないし、頭が悪い。その分、身体だけは丈夫だし女にも強い。お前達の前にいるのがその馬鹿の見本だ。よく見物しておくがいい」

凸が二人の器量のいい側女に言った。女たちはアキヤマンに遠慮しながら、くすくす笑った。

アキヤマンは本当に腰を浮かしかけた。凸は本気で驚いたらしくガバと半身を起こした。

「遊ぶのはやめろ。アキヤマン」

「それは俺のいうことだ。そのけったくそ悪い女どもを退らせない限り、俺は蛙。ケロ」

本気なのかどうなのかはよくわからない言い草だった。
しかもまったく面白くない冗談だ。

とにかくアキヤマンは、凸の爺くさく好色そうな格好にさっきからむかむかしている。
なんとも気分が悪い。

「周防玄徳ことツカさんもいい歳だが、そんな自堕落な格好はしていまい。今も両替前で寝落ちはしているようだがな」

凸は苦笑し、手を振って女たちを退かせた。

「ナディアのDVDの件は悪かったな。あれは俺がどうしても欲しかったんだ。プレミアムBOXで特典がレアだったんだ」

凸が自らアキヤマンに謝ったのはこれが初めてだった。

「いいさ。俺は所詮、押井派さ。庵野作品に執着はない」

「すまなかったな。だがこれでせいせいしたよ。ずっと胸につかえていたんだ」

「驚いたな」

本音だった。アキヤマンに負け惜しみの気持ちはない。

「それにしても随分いたぶってくれたな」

凸が懐かしそうに言った。アキヤマンが旗でも生命1で一所をしていた数々の場面。
その度に発狂していた凸。
走馬灯を駆け巡っているのに違いなかった。

「冗談だろう。痛めつけられたのはこっちだ」

「いや違う。こっちだ」

二人は暫くの繰り返しの挙げ句、声を上げて笑った。
アキヤマンの性豪ぶりをネタに大声で笑い合った。

すると、凸の下腹部の部分がむくむくとテントを張ってきていた。
男の部分も多少回復したらしい。

さっきの女たちが酒の支度をして運んできた。

「凸様がお勃ちになるなんて、何日ぶりでしょう…」

女の一人が云い、瞼を抑えた。

「いいから去ね」

一喝して女を追い出すと、凸が銚子をとり上げて唐突に言った。


「胸のしこりがもう一つある」

「ん?」

アキヤマンが見つめた。
凸の様子を見ると重大事と見える。その証拠に暫く口を聞こうとしない。

「それで…」

アキヤマンが催促した。

凸が光る眼でアキヤマンを視た。

「お前、俺を晒したことあるか」

さすがのアキヤマンが一瞬絶句しかけた。
だが躊躇うことなく云った。

「ある」

「この野郎!」


凸が渾身の力を籠めてアキヤマンの頬げたを殴った。

<昔ならば吹っ飛んでいただろう>

凸がまた殴った。アキヤマンは一切さからわない。かわそうともしなかった。

そのうち凸の力が尽きた。5発目でもう肩で息をしている。

「それだけか」

アキヤマンが促すと、もう一発殴ったが、それが精一杯のところだった。
寝床にひっくり返って粗い息をついていた。

アキヤマンは無言で殴られた頬を撫でた。

凸はやっと起き上がった。

「これで残らず終わったよ」

そう云いながら、再び銚子をとり上げてアキヤマンも盃を満たした。手が震えていた。

アキヤマンは銚子をとり上げ、凸にさそうとした。

「いや、俺は…」

「情けないことをぬかすな」

「そうか…。それもそうだな」

凸は盃を持ち、満たされると一息に空けた。

「うまい。やっぱりうまいよ、おい」

「当たり前だろう」

アキヤマンは今度は自分で自分の盃を満たした。

部屋の外で、藤井駿河守が立ちすくむようにして笑っているのを、二人は知らない。


【おしまい】


んじゃまたね!
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マソの戦国アラカルト

タッチャマソは日頃の激務を慰めるため稲葉の湯治場で湯を楽しんでいた。

しかしマソがのんびり湯に浸かっていると、後から湯気に隠れて大柄な男達が続けざまに入って来る。

「ちっ…。一人湯を楽しんでいたのになんと無粋な」

そう苦々しく舌打ちをしながら、はす向かいの岩の渕に集まる男達を眺めていた。

湯気が一時の風で吹き払われた瞬間マソはギョッとした。
いや正しくは声にはださぬが「ぎょえ〜〜っ!」と胸の内で悲鳴をあげた。

それはまさに驚くべき光景だったのだ。

なんと、稲葉の湯治場で湯に浸かっているのは、

前田家の奥村助右衛門、真田家の真田幸村、伊達家の伊達政宗、上杉家の直江兼続、
黒田家の後藤又兵衛、そして天下一の傾奇者と言われる前田慶次。

当代きっての武将達が一同に介し、風呂を楽しんでいるのである。

「こっ、これは…」

さすがにマソは震撼した。下手な振舞いをすれば即座に叩き斬られる。

「やばしうぇ」

マソは咄嗟に体を背け、岩場に体を隠した。
それでなくても日頃より、前田慶次とまではいかないが、日の本一の傾奇者と嘯き、
あまたの戦場を跳梁跋扈してきたのだ。

今目の前にいる武将達とは当然、敵味方に別れ闘ってきていた。


「やべぇよやべぇ、まじやべぇ。こいつらに面が割れたら確実にいわされる。ボスケテ;守護月天!」

待てど願えど、苦しい時の神頼みなど、たとえ神がいたとしても助けるわけがない。
日頃、信仰心の無いマソに降臨する神などいない。

そんなマソの懊悩をよそに列強なる武将達は、端女の運んできた酒を飲み出した。

「しかし…すごいなこの顔ぶれ」

そう言ったのは、後に歴戦の将として大坂城五人衆の数えられる後藤又兵衛である。
又兵衛ほどの豪壮な武将を唸らせるほど顔ぶれはすごい。

マソがびびるのも当然であった。

「これだけいれば天下がとれるぞ」

「天下か…」

楽しげに華やぐ武将達の声にも何とも言えぬ華がある。
漢は声でわかると誰かが言ったが、まさにその通りであった。

「そうだなぁ。10年あれば天下とれたかもしれんなぁ」

そう言って幸村が盃を満たしながらはしゃぐ。
幸村は真田家の次男として小田原攻めに参陣するもまだ戦の経験は浅く、ここにいる武将達にくらべれば若輩者であった。

それを聞いて正宗は盃に満たされた酒に己の隻眼を映し、柔らかく微笑む。

「10年…。いや20年あれば天下は取れた」


マソはこのやり取りを聞きながら、えらい場面に出くわしたもんだと畏怖した。
「えらいこっちゃなんのこっちゃ、ちゃちゃちゃぐーぐーがんもだぜ;」
頭の中でわけのわからない唄が鳴り響いたが、それはまぁどうでもよかった。

逃げなきゃこの場から。一刻も早く…。
そう思うのだが、体が動く事を拒絶する。今にも腰が抜けそうな状態なのだ。

「誰か客が来たようだな」

前田慶次がそう言うと、湯気の中から小柄ながら戦人と見て分かる屈強な体をした老骨が現れた。

「げぇっ!!」

そこにいる武将達はほとんど悲鳴に似た声をあげた。

「か、関白殿…!?」

なんと関白太政大臣 豊臣秀吉である。
その天下人が好々爺の笑みをしたためて湯に入って来る。

「お主ら天下が欲しいのか?う〜〜ん?」

あたりを見回しながらニタニタした笑顔を武将達に向けた。


「ひ、ひ、秀吉ぃ〜〜!?なんだってそんな天下人がこんなとこにくんだよぉ;;」

マソはもう既に生きた心地はしない。ラスボスまで現れるとかまさにバイキルト状態だ。
藤井に教わった般若心経を唱えながら、何事も起こりませんようにと願うばかりである。

「10年で天下がとれるかぁ?のぅ幸村よ」

「い、いやその…」

秀吉は幸村の頭を撫でながら、悪戯っぽい目で鋭く睨む。
さすがに幸村もしどろもどろで返答に困っている。

空気が重くなりつつあったその時、前田慶次が言葉を発した。

「で、天下はどうやって取るのかねご老体」

なんとも涼やかなバリトンを効かせて問う。
そこには天下人へに畏れも何もない。ただ一緒に湯に浸かっている漢としての問いだった。

秀吉はニタリと笑って、人差し指を天へかざした。

「天下人は天が決める!」

そう力強く言い放った。

「俺は信長公に憧れそして命賭けで信長公を追いかけた。そして、信長公が亡くなった。その時、周りを見渡せば俺より力の有る者がいなかった。だからお主らが10年遅れて生まれて来たのも天が決めた事よ」

周りの武将達はあっけにとられながら、秀吉の姿に天下人たる所以を感じていた。

ただ一人慶次のみが何事もなく酒をただ飲んでいるばかりである。

「おい!その岩場に隠れてる者。復活の呪文を唱えておらんでお主もこっちゃ来い!風呂で何を遠慮することがある」

マソは体が凍り付いた。ば、ばれてる…;。しかもこんな漢達に囲まれて一体どうすりゃいいのかわからない。

しかし、天下人の秀吉の直々の命だ。誰がこれを断れよう。
ゆっくり岩場から顔をだし、吹き払われた湯気に遮られることのない顔ぶれをしっかりと見る事ができた。

「ぬくぅ…」

間近で見ると、やはりすげぇメンツだ。ポコティンもさすが萎えて来る。
マソは秀吉に睥睨されるかのごとく促され、静かに漢達の輪の中に加わった。

「知っておるぞ。お主の顔」

秀吉からそう言われ、マソは頭の中が真っ白になった。
ま、まさか…、それほど俺の悪名が広まっているのかいな。
そりゃ晒しを一時期にぎわせたことはあったし、上覧ではセクハラ発言をしまくったけど…。
豊臣側に仇を成したことはないはずだ。

マソの危急の時の頭の回転の早さは通常の3倍になる。
駆け巡る記憶の中で、失念した無礼がないか検索していた。

「関白殿、からかっては可哀想でござる」

慶次がそう言うと

「わっははは。許せ許せ、戯れが過ぎたわい」

マソはどっと流れる汗を感じながら、はぁとしか言えなかった。

「で、お主なかなかいい面構えをしておるが、戦人かよ」

「…マソと申します。字はタッチャ。僭越ながら前田様と同じく傾いておりまする」

「傾奇者かよ。ふ〜〜む。どうじゃ、これでワシのことろに来ぬか?」

親指を1本差し出して秀吉はニヤリと笑った。

それを見ていた武将達は唸った。

「ほぉ。一介の傾奇者に1万石とは…。さすがに…天下人」


マソをジロリと睨みながら続けて言う。

「ふぇいふぇいでは不足だと言うのか」

武将達はさらに唸リ声のような一声をあげた。

「な、なんだってーー!!」

マソはそれを聞いて、それまでのおどおどした態度を消した。
背筋をシャンとのばして顔をざぶざぶと洗う。

今までの卑屈な笑みを浮かべていた男は消え、傾奇者の漢の顔がそこにはあった。

「人は日に畳 一畳 ふぇいふぇいはブログが有れば十分。…そんな事より、一献くれまいか?」


「す、すげぇな…。この男は」

そこにいる当代きっての武将達が、マソを畏敬のまなざしで見ている。

「ふっはっはっはっはっはっは!この強情ものめ」

秀吉は愉快に笑いながら、マソの持つ盃に酒を流し込んだ。

「心して飲め。特攻一番槍の酒ぞ!」

「特攻一番槍の酒に乾杯!」

酒を飲み干しながら、あれ?なんかチガクね?とマソは思った。
が、まぁいいかどうせ地球も滅びるし。

数年後、戦場で出会ったふぇいふぇいに、ぼこられて泣きべそをかくマソをこの時はまだ誰も予見できはしない。

そんなこたぁ、藤井さんでもわかるかってんだい、べらぼうめ。

【完】


ではまた明日!



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100年後の信オン話

2112年。

政府によって管理統合された高度情報社会。
日本政府は50年前に国民のインターネット使用に制限を設け、国民総ID制による個人情報の統制を行った。

これにより、全ての情報コンテンツは政府の監視下におかれ、情報管理局の認証を受けないとネットゲームもできない時代となっていた。
呼称もインターネットから、スカイネットと変更され、国民に与えられる情報は微小な生活情報のみとなっていた。

政府はある公的な声明を出した。

「働かざるものネトゲをするべからず」

無職にはIDは発行されない。働かざるもの食う寝る藤井である。

しかし、これに大いなる抵抗をするレジスタンス集団があった。
彼らは地下に潜り、古き良き時代のネットゲーマー達の意志を受け継ぐニートである。

「無職でもネットゲームがしたい!」

「無職でもチャットを楽しみたい」

「無職でもリア美ちゃんに粘着したぁ〜い」

それぞれのニートのネットゲーマーの思惑と願望が、このレジスタンス集団を形成させた。
彼らは無職でありながらすさまじい能力を持つものも多かった。

そんな特殊能力を持つニート達は「ニートレス」呼ばれ政府は目の敵にして粛正しようとしている。

彼らは「ニートにネトゲを!」の旗印を掲げて、管理局にハッキングやバグを仕掛け、一般人に対して政府の情報秘匿を糾弾し、訴えかけていた。

組織の名は「アップル」
創設者が、かのAPPLE社のMACフリークであることから名付けられたという。


「やぁっと繋がったよ」

暗い部屋の中でため息を洩らしながら、林檎3世は椅子の背もたれに体を預けて後方に押し曲げた。

かって100年前に祖父の林檎がやっていた「信長の野望ONLINE」。

今の社会ではこのようなレトロゲーは、ほとんどサービスが終了していたし、3Dホログラムコンテンツの台頭に伴い、疑似3Dコンテンツのような奥行きのないゲームには、一般ユーザーは興味も示さなかった。

しかし、「信長の野望ONLINE」は、伝説のゲーム『FF14」や「リネージュ」「UO」とともに根強いファン層がおり、100年以上の長きに渡る老舗コンテンツとして世代をまたいで存在している。

既に3世代目に入り、当初20歳だった若者ですらもうこの世にはいない。
コンテンツも「お達者倶楽部イベント」や「プレイヤーの葬式」イベントなどが実装された。

墓参りにお供えするアイテム一式をゲットできるイベントなども追加されて、高齢者用のコンテンツも考慮されている。実際一番年齢の高いプレイヤーは、102歳で、70〜80歳のプレイヤーもごろごろいる。

102歳のプレイヤーには金冠賞が授けられ、名戦国会の会長とまでなっている。
正月に餅を食いながら狩りをしていたら、喉に詰まらせて危うく昇天するところだったのは語りぐさである。

しかし、まだIDを取得していない林檎3世はネットゲームをすることはできない。
18歳以上で国民IDを義務づけられるのだが、それ以下の子供達は親の持つ制限つきのpassによってしかネットゲームはできない。

疑似認証プログラムによる、裏コードを使い信オンへと侵入していた。
親類縁者が使用していたデータをエンパシーボックスを使ってセキュリティ障壁を突破するなど、林檎3世にはお茶の子だ。
天才的なハッカーとしての能力を持つ林檎3世は、「アップル」に所属するニートレスだ。
数年前、ペンタゴン(軍産複合体)のコンピュータネットワークが「サイバー攻撃」に悩まされハッカーを特定できずにいたが、これも彼の仕業であった。


「じいちゃんも、このゲームで戦国世界を駆け抜けていたんだなぁ…」

林檎3世は、祖父の自慢していたキャラを是非見てみたかったのだ。

林檎3世の祖父は、真紅鯖 徳川家に所属していた。名を林檎としていたが、20年前に逝去している。
一番可愛がってもらっていた祖父であった。

祖父の口癖は「戦はええぞい」である。

その祖父の生前使っていたキャラIDを取得してアクセスしてみる。
タイトル画面が現れ、音楽が流れる。

ダラタッタタッターッタ、ダラタッタタッターッタ…

「いかにもって感じの音楽だ」

苦笑しながら、キーボードのenterを叩く。
そもそも、このキーボードなども祖父の遺産である。

鯖を真紅決定してインして見ると、そこには見事なまでの疑似3Dの世界である。
平面モニターを見ながらキーボドを動かしてGUIを操作するなど、林檎3世の世代では考えられなかった。

「うへぇ…。なにこれめんどくさそうだな;」

無造作ともいえるはりつけられたテクスチュアのキャラ達。
のっぺりした画面にギクシャクとした操作性。おおよそ、この世代の子供はガンプラすら知らないのである。

林檎3世は、近くのNPCに話しかけてみた。

<えっへっへ。そいつは勘弁でさぁ。林檎さん>

「なんだこいつは…」

高精細の3次元エレクトロビジョンの中で、高度な人口AIによって動いているモブキャラにしても
もっと気の聞いた台詞を言うものだが…。


しかし、動いているキャラはことのほか多い。

ということは、そこそこ接続しているユーザーが多いと言う事か。

「そうだ!」

じいちゃんの墓が、この世界にもあるらしいと親から聞いたことがあった。

祖父の林檎が、70歳を超えた頃、プレミアムパックとしてついて来た墓石セットで墓を建てていたらしい。


「しかし…、墓といってもどこだろうか?」

林檎三世は、近くのプレイヤーに聞いてみることにした。

ちょうど通りかかった侍がいた。
林檎は慣れないチャットで話しかけてみる。

「あの〜ちょっとすみません」

声をかけられた侍は、林檎三世に向き直り「なんですか?」と丁寧に返して来た。

侍の頭の上に名前が出ている。

地獄突と言うネーミングだった。


「あれ?この人はまさか…」


無き祖父の墓石を探すため、戦国の世に立った林檎三世。
100年の時を超えた戦国の世にかき消えた真実が今!
明かされようとしている。




   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ミ
  /   ,――――-ミ
 /  /  /   \ |
 |  /   ,(・) (・) |
  (6       つ  |
  |      ___  |   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  |      /__/ /  <  なわけねぇだろ!
/|         /\   \________



ではまた明日。
(・ω≦) テヘペロ













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行き行きて戦国

神主の周防玄徳は問う。
「タツヲが晒された!何故だ!?」

俺は答える。
「僧兵だからさ」

アキヤマンは嘆く。
「ちゃっちゃ。戦国はげにまっこと恐ろしい世界ぜよ。堪るか」

休止引退繰り返し、それでも未練を残しさすらう魂。
弔うは戦場。流すは蒼き猛る晒し。


【戦国道中膝栗毛 壱】

太閤秀吉が北条を攻め入るのに20万近くの兵団を集め、小田原を攻め落とさんとしている最中、
藤井駿河守は川で釣りをして遊んでいた。

北条は滅びる。
藤井はそう確信している。

西国、九州、越前、越後などの諸大名を束ね、北条を潰し奥州を切り取る。
秀吉はこの機に思い上がった田舎大名の北条を徹底的に叩くだろう。

勝ちの見えた戦もつまらないが、決定的に負けと決まっている戦もまたつまらないものはない。
悪戯に神経だけすり減らし高揚感もなく、ただひたすら敵の攻撃を耐え忍ぶ闘いは兵士の心を折る。

そもそも織田軍団を踏襲した豊臣軍団は、戦闘に特化し専従するだけの兵で組織されている。
いわば戦のプロ集団である。戦場での戦ぶりにおのずと大きな違いができるのは当然であった。

藤井は北条方に組みして約2年。
そもそも、武田側に隷属していた今川に飽いて北条へ客将として出向いたのだが、
もともとの理由は生産の材料だけのことだったのである。

「ふはぁ…」

欠伸をひとつしながら、閉じそうになる瞼を抑えている。
土手に腰掛けながら、釣り竿を垂れているが一向に釣れた様子はない。

「もう合戦もめんどいな…。そろそろ潮時かのぅ」

足掛け9年も同じことをやっていれば飽くのも当然である。
小さかった甥や姪もでかくなる。相反して己の精力はひましに減退していき、
さらにはことに及んで勃たなくなる。
それでいいのか駿河守。それでいいのか民主党。

藤井は流れる川の行方を追いながら、そんな人生の無常を感じていた。


ふと見上げると、真っ青な空に一切れの雲が流れている。

「雲はいいなぁ」

ここでロートルのアニオタなら「あら、だったらハイジになればいいじゃない?」と言ったもんだが、
さすがに戦国の世でそれでは風情がないよなヨロレイヒー。
やはりCR花の慶次の「雲の彼方に」を口ずさむべきだろう。

日も傾きかけた頃、そろそろ帰るかと腰をあげたところに、浅井のふぇいふぇいが現れた。

「あっ、藤井さんじゃん」

「ふぇいたん!こんなところで会うとは奇遇だね」

古い馴染みなのだが、お互い顔をあわせることは極端に少ない。

「こんなところで釣りとは暢気なもんだ」

「こう見えても忙しいのよ俺」

「秀吉の北条討伐に加わるのかい?」

「まっさかぁ。戦国自衛隊とケンシロウでも連れて来なけりゃ勝てない勝てない」

「総勢22万の大軍隊だからねぇ。氏直ちゃんはとにかく見込みが甘いよ。責め立てられて篭城で抵抗するぐらいがいいとこでしょう」

「向こうは家康っちも先鋒になったし、同盟の正宗くんは芦名義広と争っていて動けないだろうし、ぬるぽすぎる」

「いずれにせよ、一世紀のあいだ覇権を唱えてきた北条も終わりだねぇ」

「それも運命だからしかたないにょ。あっ、〜にょとか流行るかもこれ!」

「流行んねーよ」

ふぇいは、そうぴしゃりと言うと、じゃ用事があるからと足早に去っていった。

日は暮れて行く。太陽が真っ赤に燃え上がりながら大地に落ちて行く様は、若き日に駆け巡った戦場の落日に似て哀しかった。

藤井は薄暮に沈む足下を確かめながらとぼとぼと歩く。
釣果のない魚籠を見つめながらこれからの事を考えていた。

沈痛な面持ちで顔を下に向けながら4刻半も歩くとようやく家の帳が見えて来た。

そういえば、知人の凸が去年の連休に木乃に会いに京都に行ったことをふと思い出した。

「そうだ、京都に行こう!」

意を決したように口に出した言葉は、JRのキャッチコピーだった。
もう迷わない。

藤井の耳にはコルトレーンの優しく乾いたサックスの音色が何度もリフレインしていた。

でもAKB48のフライングゲットも好きな藤井であった。
その後、藤井が京都に行ったかどうかはさだかではない

【おしまい】





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ええっと…

誠に遺憾なのだが、ブログは来週まで休止。

8年入退院を繰り返し、闘病していた親父が昨晩の0時ちょいに逝去しました。
先週10年ぶりに帰省して親父の姿を見たらもう別人で生きているというより生かされている状態。
お袋や周りの兄弟の負担も何をかいわんやだった。

最後に顔を見せられただけでも、まぁ良かった。
兄弟多いし俺みたいな極楽とんぼをどう思っていたのか知らんが、
脳梗塞をやってからボケまくって、まだある程度意識がある時に、俺のことなんざ眼中にないと言ったそうだが、
まーね。俺と親父の関係はそんなもんだろう。

ふたまわりほども小さく細くなった点滴づけの体を見ながら、手を握ってやったが、ありゃわかっていたのかどうかも不明。

酒好きだったが、糖尿を患ってから酒も飲めなくなった親父。
少しは親父のことも思い出して兄弟で飲んでやろうと思う。

というわけで、来週また会いましょう。

孝行したいときに親は無し。至言だなまったく。

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酔夢庵戦国記 煩悩退散の章

「もういっぱい」

徳利をつまんでブラブラさせながら、大虎一歩手前の仏門僧、八馬忍北斗は大声で女給を呼んだ。

「呑み過ぎだよホクトンさん」

「まだ量のうちじゃねえよ。いいからとっとと酒持ってきやがれ」

「飲み過ぎるとなんでも毒だっちゅうの!」

女給の娘も顔馴染みらしく適当にあしらっている。

ひとりで呑む酒に苦い酒。呑まなきゃやってられない浮世の渡世。

ここは遠江の相模よりにある小さな宿場にある小料理屋だった。

ホクトンと呼ばれたその男は、顔を真っ赤にしながら誰かを待っているようである。
待ち人来らずで少々いらついているようにも見えた。

「はぁ〜。だめだ、だめだ。やっぱだめだ」

猪口を握りしめながら、仇のように睨んでいるが、その視線は想いの矛先にすべるように注がれている。

運が悪いのだ。

ホクトンは苦い想いを噛み潰して猪口から酒を一気に喉に流し込んだ。

運が悪い。まったく悪い。

あの時、1の反則技さえ来ていなけりゃあ今頃は…。
当然、徒党のみんなで勝利の美酒に酔いしれていたはずだ。
そう思うと思わず、糞が!と声にだしてしまいそうになる。

古来、勝負事にたらればは禁物だ。運が悪かろうとよかろうと勝てる時は勝てる。負ける時は負ける。
紙一重の勝負の場合はほんの天のさじ加減で勝敗は転ぶ。
勝負事はすべからくみなそうしたものなのだ。

あの時この時ああすればこうすれば。
結果論でしかない架空の理想を頭の中で反芻してしまうのは敗者の必然である。

思えば、最近ついてない。

あれもこれもどれも。みんなが敵に思える。俺の言葉が届かない。
思いが空振り、焦燥だけが胸に溜まる。

気楽にやれよと人は言う。
タイ語のマイペンライよろしく人生そのままに生きて行けたらなんと楽なことだろう。

しかし、それが出来るならこんな悩みは無く苦労もしない。

どこかでこの悪い循環を変えたかった。
それが関の幸村討伐だったのだが、見事にこけた。
あと一歩。その一歩が千歩に感じるほど遠く、己の置かれている状態から抜け出すきっかけを何かが阻んでいるような気がするのだ。

暗い夜道を果てしなく歩いている気分である。

なんとかしなくては…。
このままではおかしくなってしまう。

そうつらつら思いながら、空になった徳利を持ち上げてお代わりを頼もうとすると、
ガラッと立付けの悪い戸が空き、中年の男が入って来た。

ホクトンはその男を見ながら、

「おぅ」とくぐもった声で片手を挙げて挨拶をした。

男はホクトンの合図に気がつくと、ニコリと笑って向かいの長椅子に座った。

「すまんすまん。大分遅れた」

机台の上に転がっている徳利と食べかけの肴をちらりと見て、男は頭を掻いた。

鬢に白いものが混じり、四十も過ぎた初老である。

ホクトンは悪びれず、ようやく現れた待ち人にホッとしたように声をかけた。

「いいさ。こっちから呼び出したんだから」

「まぁとりあえず一献もらおうかな。おい!猪口をくれ」

「肴ももらおう。おう、それと磯辺揚げと豆腐をくれや」

女給は、はいはいお待ちをと言いながら盆を片手に走り回っている。


「ホクトンさん、久々だな。新田さんなども息災かい」

「相変わらずさ」

「ところで…こんな話を知ってるかね?」

「うむ?」

凸と呼ばれた男は、脈絡もなく逸話を語り出した。

その話とは

天正元年、信長は将軍義昭を追放、更に義昭に味方した三好家を滅ぼし、
多くの捕虜を捕らえた。その中に坪内某という料理人もいた。
坪内は鶴、鯛の料理の名人で、饗膳の儀式の達人といわれる人物。
家臣がこの料理人を召抱えてみてはどうかと信長に進言した。

信長「よし、では、おみゃあの料理の腕前みせてもらおうきゃ」

坪内「ははーっ、では翌朝に素晴らしき料理をご用意致します」

坪内は腕によりをかけ、会心の料理をつくり信長に差し出した。

坪内「この鶴は摂津の淀川で取れたものを一晩寝かせて……」

信長「能書きはいらんきゃ。食やぁ分かるでよ。どれ…頂くとするきゃ」

信長「こ、これは……」
 
信長「まずーい!!! なんだぎゃあ、この水ぽい吸い物はよぉ!!!」

坪内「え、ええー!!」

信長「こんなおそがい不味い料理を食えるきゃ!! 即その者の首をはねるだぎゃあ!!」

坪内「ち、ちょ、おま!ま、待ってくだせえ。もういっぺんだけ食ってみてくださいませ……」

坪内は、信長に土下座をし、再度、料理をつくらせて欲しいと願い、

それでも口に合わなければ切腹すると誓った。

翌日、出された料理に満足そうに舌鼓を打つ信長の姿があった。

信長「おぅ、この食感、この味、これは実にうみゃあづらぁ〜」

さて、坪内は料理に、どの様な味付けをしたのだろうか?

「簡単なことよ。昨日だした料理は公方家だされる一級料理だったが、信長公は口に合わなかった。そこで田舎料理の味付けの料理を出したら大変満足したって事よ」

つまり、所詮、信長は田舎大名だったという話。


ホクトンは聞き終えると静かに凸に問うた。

「はぁ……。で、それが何か?」

「いや?それだけの話よ。面白いだろ?」

がっはははと笑う凸の顔には自己満足の愉悦が一杯に広がっていた。
相変わらずわけのわからん男だとホクトンは内心舌打ちをした。

「まぁ…、そんなことよりわざわざ呼び出したのは折り入って相談があってよ」

「相談?金ならないぞ。ほんとにない。まったくない。それこさない」

「金の無心をあんたにするほど耄けちゃいねぇよ。ベツのことさ」

「なんだい。改まって」


ホクトンの真剣な様子に多少襟を正して話を聞く気になったらしい。
凸もへらへらした調子を改め、首をすくめて越えを落とした。


「実はよ……」

「えぇーーーーーーっつ!!!!!まじかよ!!」


「まだ何も言ってねぇ」

「そうか…すんまそん」


ホクトンは一息ついて猪口を煽った。

「相当飲んでるなホクトンさん」

「飲まなきゃやってられないんだよ…。わかるか?あんたに」

「わからんな。そもそも自分のこともわからんのに人のことがわかるはずもない」

「そりゃまぁ…そうか」

「で、本題は?」

「ある一通の文をもらった」

「へぇ。請求書か」

「なんでそうなる。俺は支払い滞納なんざしたこたねえよ」

「じゃ果たし状か」

「仏門にわざわざタイマン挑むアホがどこにいる。違うよ」

「じゃ、不幸の手紙か」

「そうそう。それで20通ほど知人に同時送信して更なる連鎖を…ってバカか!小学生じゃあるまいし」

「まさか…恋文ってこたぁねえよな」

「そのまさかさ…」

「ふーん。あっそ」

「なんだよそのそっけない態度は。俺は本当に悩んでいるんだぞ」

ホクトンは凸のあからさまな投げやりな態度にカチン(死語)ときた。

凸はめんどくさそうに徳利から裂けを注ぎ足しながら、横をむいている。

「だってよ〜、それ自慢か?ラブレターをもらったぁ?そんでなんの相談があるってんだい。馬鹿馬鹿しい。いやっほおおうと飛び上がって喜べばいいだろう」

だるそうに凸が言い放つと、ホクトンは苦虫を噛み潰したような顔を下に向けた。

「ああ、俺だってそうしたいよ。相手が…」

「相手が?」

「相手が女ならな!!」

m


げに恐ろしきはネットの世界。
芸は身を助け、ゲイは2丁目のハッテンバに立つ。

皆々様も十二分に気をつけられませい。

ではまた来週。
皆様よ良き週末を。アスタ・ロエゴ。


テーマ : 信長の野望online-鳳凰の章
ジャンル : オンラインゲーム

居酒屋列伝

いやぁ…。
実は書いては下書き書いては下書きで、下書きだけで結局アップせず。
リアルの近況をながーく書いたんだが、他人にとっちゃど−でもいいことなのでアップせず。

やはり妄想駄文が気楽でいい。
さて…ひさびさに書いてみるか。



江戸時代に鎌倉河岸(現千代田区内神田)にできた酒屋がありーの。
この豊島屋が現代の居酒屋の原型だってこたぁ皆様周知の事実である。

ででーん。
しかしすでに戦国時代には恐るべき居酒屋が存在していたのだぁっ(エコー)

戦国居酒屋伝 【居酒屋ふぇいVer.】】

甲斐と武蔵を隔てる関所の近くに呑み処があった。
といってもこの時代には、まだ居酒屋なんつー洒落たもんはねーんだよこれが。
辻売りとかいう屋台の類いもあったかどうかもわからない。

しかし、精緻な時代考証なんざ己の独創力と創造性を我侭に吹っ飛ばして、柔軟に楽しむのが粋ってぇもんだよ藤井さん。
とにかく、そんな呑み処があったと思いねえ寿司ぃ喰いねえ。

赤提灯が灯り、ヨシズで囲った掘建て小屋のようだが、暖簾をあげて入ると土むくれの匂いのする土間を中心に中はそこそこ広い。
そこには百姓や町人やら身崩れた浪人までもが毎晩集ってきている。
思い思いに一日の疲れを癒し英気を養う人々の顔がそこにはあった。

「しかしあれだにゃ。こう戦ばかりだとアキヤマンも大変だにゃん」

銚子をすでに2本転がしながら、タッチャマソは言う。これは方言である猫弁ではない。
明らかに某かのアニメの影響である。

アキヤマンと呼ばれた恰幅のいい侍が床机を対峙して手酌で呑んでいる。

「這いよるニャル子さんか…。俺も観てる。ま、それはともかく戦はええのう。男を磨ける。仲間もできるぜよ」

「しっかしそんな旧装備で大丈夫かにゃ?イーノック」

「大丈夫だ。問題にゃい」

そんな戦人達の声があちこちから聞こえて来る。
まさに世は大戦国じだ〜い。未知なる逸材を求めて探求するじだぁ〜い。

喧騒五月蝿くがやがやとした店内で、ひときわ甲高い怒鳴り声を張上げている女がいた。
ふぇいふぇいと呼ばれるこの呑み屋の女将である。

あだなはF様だが、最近は姐さんのが定着している。
ちなみにFカップではないらしい。

居酒屋を始める前は、戦場の骸から刀や鎧を剥ぎ取って生計を立てていた。
いわゆる追いはぎだ。しかしこの時代にはめずらしくもないことで、戦があるたびに転がして蓄財を増やす輩もいたほどである。
ふぇいはしばらくして器量もあったのか、そこらのならずものをまとめあげて、郎党を作った。
しかし、ならずものでも人を襲って食べてく山賊は嫌だった。生業を持たねばならないなら食物屋でも始めるかと開いたのが今の店だ。

最初は土民の百姓やら風体の怪しい町人やらが出入りしていたが、ふぇいの強面が効いているようで不思議と諍いは少なかった。

ふぇいは声を張り上げて、指示をする。

「凸子ぉ〜!こっち3番テーブルにビールと刺身盛り合わせだよ!林檎は5番を早く片しな!」

「はいはい〜」

「へ〜〜い」


自称Fカップの胸をたゆんたゆんゆらしながら、盆を運ぶ凸子と呼ばれる娘。
戦火で親も無くし、途方に暮れて関所まで来たところ、山賊に襲われなぶりものにされるすんでのところで、ふぇいに助けられたのだ。以来行く当ても無い凸子は住み込みで雇われ女給をするようになった。
今ではすっかり看板娘である。

「お〜いい!!こっちまだ焼鳥がきてねぇぞ〜」

「はいはい、すみませぇん〜!」

「凸子ちゃん、こっちは酒を熱燗で2合!」

「はいはい、お待ちを〜」

息をつく暇もない大繁盛だ。近くにこのような酒を呑ませ食物を出す煮物屋がないせいもあるが、
界隈でも値段は安く酒も肴も美味いと評判になっていた。

従業員はあと一人、林檎という若い衆が一人。あとは厨房で料理を作る藤井という中年がいた。

繁盛はしてはいるが、当然綺麗な飲み方をする客ばかりではない。
時にはどこかの連れ込み茶屋と勘違いをして、女の尻をなでるどころか強引に二階へ引っ張っていき、無理矢理手込めにしようとする輩もいた。

そんな時は男衆の出番である。
用心棒も兼任する林檎という若い衆は、頬に一文字の疵をもち優男ながら怖い性を持っている。
ふぇいのところでやっかいになる前は佐渡金山にいたという。素性は多くは語らないが、ひょんな縁からふぇいのところで世話になっていた。

板前の藤井も、これまた若い時分には大きな賭場の代貸しだった。れっきとしたヤクザもので骨がらみの悪党でもあった。人をいわしたのも、片手じゃ足りないぐらいである。
それが年下の女房を亡くしてからは、人が変わったように凶暴性はなりをひそめ、呑んだくれてぼろ雑巾のように酒場をうろついていたところをふぇいに拾われたという。
もともと釣りが好きで肴を捌いたり調理をしたりは得意だった。
ふぇいはそんな藤井の器量を見込んで調理場にたたせると、これが意外にしっかり仕事をする。
包丁を扱う筋もいい。たちまち、あそこの店は美味い酒と肴を出すからと口コミで広がるには時がかからなかった。

夜も更けそこそこ客足も収まってきた。ようやく一息つける状態になったのをいいことに、林檎は3人で呑んでいる娘の席へ顔を出す。

「よぅよぅ、姉さんがた。こんな美人が揃いもそろって女だけで呑んでるなんてさみしいじゃねえか。哀しいぜ。今度おいらも寄せてくれよぅ」

蓮っ葉な物言いがこれほど似合う衆もそうはいない。いやらしさがなく粋に見えるが、これを他の男がやったら間違いなく肘鉄ものだ。

娘の一人がきゃははと笑った。ころころと箸が転んでも笑う年頃の娘の唇には、女になる一歩手前の淡い色気が溜まっている。


「林檎兄さんそんなことをほうぼうでいい散らかしてるんでしょう?」ともう一人の娘は品をつくって聞き返す。

「とんでもねぇよ!おいらは惚れたら一途さ真剣さ。もっとも、あんたがたのような美人相手じゃ権現様に誓ったご誓約も尖閣諸島までぶっとんじまうがな」

「いやだぁ。うまいことばっか言っちゃってー」

若い娘の輪に入り仕事もそっちのけで談笑してはいるが、これもまた営業の一貫だ。ふぇいも林檎のけじめのつけ方は尊重していたし、あきれ顔で見ているも、女にも安心できる対応をするのは少なからず店にとってはプラスになっていた。女衆だって浮世を忘れて楽しみたいのである。

「さて、そろそろかねえ。凸子、表の提灯しまっておくれ」

「はぁい、姉さん」


はしゃいでいた娘達も、林檎に促され勘定を済ませて帰っていった。
残っている客はもう一人だけである。

しかし、その客は看板だというのに微動だにせずゆっくりと銚子を傾けている。
飲む速度が異様に遅い。ちびりちびりと舐めるような貧乏酒である。

風体は煤被りのほっかむりをして小柄な老人のように見える。


「ばぁ〜か!この貧乏人!!」

ふぇいがいきなりその客の首ねっこを掴んでひきずり倒した。

地べたに這いつくばって転げながらも、器用に体を丸めて奥の机台に体を預けた。
ほっかむりが取れて顔がめくれる。

「あっ!!」

と声がでるほど仰天した凸子と林檎。

まぁ髪は茶色で目は緋色。亜麻色の髪を後ろで縛って16〜18ぐらいの見目麗しき娘の姿がそこにある。
羽織も薄汚れていたから風体はよくわからなかったが、すっと立つと凛とした気品が備わっている。

「ふぇい姉さん、相変わらず乱暴だね」

娘は髪をかきあげながらふぇいに向かって微笑んだ。
にっこり笑った小さな口元が何とも愛らしい。



林檎は一目でぼぅっとなった。

「あ、姐さん!!この娘っ子と知り合いで?」

「…妹だよ。腹違いのね」

「い、妹ォ!?」

「富江…。何しにきたんだい…」

「あら。妹が姉のところに遊びに来ちゃいけないの?」

富江と呼ばれたこの娘はくすくす笑いながら、ふぇいに近づいた。

「ふん、襤褸に化けたってあたしは最初っから気づいていたよ。ろくなもんじゃない」

「つれないわねえ。2年ぶりに会ったって言うのにぃ。ああ、そうそう。お父様が帰ってきて見合いするなら勘当解いてもいいっていってたわよ」

「おきやがれ!誰があんな腐っていじけた家になんざ戻るもんかい」

「お母様も心配なさっていたわよ」

「はんっ!あんな欲の皮がつっぱった目ギツネに心配されるほど堕ちてやしないよ」

「全然変わらないわねえ姉さんは」

林檎と凸子が成り行きを見守っていると、火を落として仕事をしまった藤井が板場から出て来た。

「姉さん、今日のところはもう遅いんで…。そろそろ終いましょうや」

「…そうだね。こんなとこで犬のように吼えてても仕方ない」

富江は藤井の前にすすっと進み出て、じろじろと舐めるように顔を見た。

「あなたが噂の藤井さんね?」

「へい。藤井駿河守と申しやす。以後お見知りおきを」

×が悪そうに照れる藤井に対して、富江は慇懃に返礼したが、心なさそうな言葉は凸子や林檎にも伝わった。

「ところで…藤井さん。あなた…前に合戦である人を狩らなかった?」

「ぬくぅ…。さぁて覚えがありすぎやして…。木曽川以降はほとんど覚えてないんでやんす」

「白い馬に乗った武士道…」

「はっ!!」

藤井が伏せた目をあげた瞬間に、するどい匕首が脇腹にブスリと突き刺さった。

「きゃぁああ!!」

「うぉっ!!」

林檎と凸子は同時に悲鳴をあげ、ふぇいは素早く富江を藤井から引きはがした。


「ぐぅうううぅぅ……」

脇腹から流れ堕ちる大量の血を抑えながら、藤井は苦悶の呻き声をあげた。

「富江!あんた一体…」

「何がぐぅぅうううさ!私のアキヤマンをこいつは引退に追い込みやがったのさ。こいつは7垢でソロを延々と狩っていた。敵意もないソロをだよ。アキヤマンは兵站をやっていただけだった。それだけなのにこいつは…」

「いやそれ敵だし殺すのが当たり前じゃね?」とふぇい。

すると、富江は鬼の形相で言い返す。もとより恋する女に理屈なんざ通らない。

「関係ないわよ!20回も粘着して殺されりゃ、いかに無敵のアキヤマンだって精神が壊れるのは当たり前。夜の3割バッターだった彼は、それからすっかり私のミットへもなげれなくなってたのよっ!」

藤井は苦しそうに呻きながら、富江を見る。


「そうか…。お前さんがアキヤマンの…。だがあれは戦場のならい。許せとは言わねえ。でも…」

駆け寄って介抱しようとするふぇいを振り切って、藤井は富江に近づいて行く。
額には細かい汗が大量に浮き、顔色は青い。

「へっ…。やっぱ女はこえぇや。アキヤマンは復帰しただろうに。なんで今さら…」

「彼はもう以前の彼じゃない…。あんたにケツの毛までむしられてから、すっかりナディアにはまってしまって私のほうを見てくれなくなった。全部あんたのせいよ!あたしのアキヤマンをかえして!かえしてよっ!」

「へ…へ…。NHKも罪つくりなことを…しやがる…ぜ」


そう言って藤井はばたりと倒れた。

「ふじいーーーーーーー!!!!!」

ふぇいの大音響のような悲鳴が、五月の夜気に染み込んで行く。

一時の静寂が訪れた。それは刹那だったのかそれとも長い刻のようにも思えた。
その静寂を切り裂いて暖簾をくぐってきた男がいた。


「ごめんよー。藤井さんいるかい?」

男は倒れている藤井を見ると一瞬ひるんだが、にやにやしながら藤井の骸に近づいて来た。

「よいよ。藤井さんよぉ。寝転がってる場合じゃねえぜ」

ふぇいはもちろん、富江、凸子、林檎はこのいきなりの乱入者の行動にポカーンと動けずにいた。

「藤井さん、男祭りが始まるぜ!」

絶命したと思っていた藤井の口元がかすかに動いた。

ふぇい達は戦慄した。まさか…。


藤井は男を見ながらにこりと笑って

「それ飽きた」

そう一言だけ言って今度こそ絶命した。

これが、有名なアキヤマン知床慕情殺人事件である。
知床は関係ねーだろとみなさんお思いでしょう。


そうだよ関係ねーんだよ。いい名前が思い浮かばなかったんだ。

というわけで、 居酒屋はほんとに地獄だぜぇ。ふはーっはっはっはっはっはっ。

その後の【呑処 ふぇい】も変わらず繁盛したという。めでたしめでたし。

テーマ : オンラインゲーム
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にゃんとした事

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ワタシハネコニナリタイ。

人生はきびぽんだ。
みつかんで柚ぽんぐらいに厳しい。

風雪に晒され、耐え難きを耐え忍び難きを忍ぶ。
それが男さ人生だ。今年は祭りはやらねえぞ。帰れ。

そんな劣悪な環境におかれても尚、希望という二文字は人の心を照らす。
しかし新しいCR牙狼の希望のギミックは糞だった。
まぁ初当たりも軽く、魔戒突入。145回転余裕でスルーwwwアホすぎるw
ST抜けにソッコーでまた当たり。そして真魔戒でこれまた100回転超スルーww
ソッコー2箱だして止めました。馬鹿馬鹿しいw

さて明日から休みだが帰省してあとは適当に予定なし。
まぁ人は少ないだろうからぶらりと近場へ一人旅もいいかもしれん。



さすがに課金もしてないともうネタもないな。
アキヤマンが何とかしてくれるだろう。
あまたの信オン戦士もたがために闘っているのだろうか。
それは神のみぞ知るチルチルミチルの城みちる。

平成版の新009は唄もOPもひどかった。がっかりしたっけな。
やはり009はこれだよこれ!OPのセンスもやはり昭和のクリエイターのが全然いい。
音楽担当している、すぎやまこういち氏はある会社の廊下ですれ違ったっけ。
あれももう遠い昔か懐かしい。

テレンス・トレント・ダービーに似ている林檎ちゃんへ一言。
今度は赤提灯バージョンでやってみるよw

ではまた来週!良きGW後の日々を。


テーマ : 雑記
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これはいいハニー



永井豪氏をある出版パーティにて二度見かけたことがある。
俺らの世代では手塚治虫氏や石ノ森氏と並ぶ漫画界の巨匠。もはや生ける伝説。
しかもかなりの高齢なはずなのに青年のように若々しい印象があった。

幸田の唄うハニーや実写版。まぁ言うに及ばず初代には遠く及ばない。
とくに幸田の唄はダメダメだ。
ルパンと同じく色んなハニーが存在するが、初代を抜かせば俺的にはこのハニーが一番だろう。
作画がかなり漫画のそれに近い。英語のオープニングもはまっている。

今の漫画やアニメのように垂れ流し的なお色気ではなく、女性の持つ可愛らしさと強さとが共生する色気をうまく描ける作家なのだなぁとオヤジになってみてから思ったり。

それにしても、昔のアニメの唄は必ずタイトル名に準じた作詞であったよなあ。
それでいてひとつの音楽として耳に残る名曲が数多かった。
そういえば、知人がダンスホールでキャシャーン唄ったっけなあ。
あれは別の意味で痺れた。
今の唄はほんと作詞が意味分からんのが多すぎる。


ここはひとつ希代の天才吟遊詩人 藤井さんに信オンのテーマを作詞してもらおう。
アキヤマンよ。ハニーのおっぱい見て抜きにいかないように。
さて明後日からずれまくったGWだぜ。

ぶらりと、のんびり帰省するとしよう。

ではまた。

テーマ : 雑記
ジャンル : ゲーム

イヤッッホォォォオオォオウ!

長きに渡ったリライト作業が終わったぁ!
いやっほうううう!!
疲れた疲れた。糞わけわかんねー中国シナリオの解読から始まって
11シナリオ分のリライトは骨身に沁みたぜ。
しかし他のスタッフはこれからが地獄だろうな。

これでようやく腰を落ち着けて他業務ができる。
だって文章書くのなんざ本業じゃねーし、すげーだるかった。
あれなら企画書を作ってるほうが100倍楽だったぜ。

まぁGWに出た甲斐はあったと。休みはスライドさせて帰省も平日に変えた。
そしたら兄貴からメールでいよいよ親父がやばいと言う。
何回いよいよなんだかわからんが今回はほんとにやばいと言うので
さすがに9年も帰ってないので帰省する。
俺のGWは来週末からだな。

帰省した帰りに藤井さんとこに寄ってみるか。
ところで今日はほんとにいい天気。
まさに天晴日本晴れ。

でも風邪を引いててちっとだるい。
さて!では皆々様、最後のGWを心おきなく楽しんでくれたまい。

余談だが「坂の上のアポロン」という深夜アニメを観たら
なかなかどうして面白かった。ジャズをモチーフにして描いたありていの青春ドラマだけど
たまにはジャズもいいね。何と言っても音がすげえよかった。アニメであそこまでのクォリティはすげぇ。
セッションしてるところも、かなり気合いが入ってるなぁ。毎週楽しみに観てる大人のアニメだ。
といってもジャズは俺もそんな詳しくないんだが。
コルトレーン、デイビス、エヴァンス、パーカーぐらいしかアルバム持ってないし。

ああ、ホクトンさん、今度飲んだら70s〜80sのロック&ポップスについて語りまくろうぜ。
音楽をまともに語れる人がいるのは嬉しいことだ。

ではまた月曜日!良きGW終盤を。




テーマ : 雑記
ジャンル : ゲーム

親愛なる…

kusare

バリキャリのかっこいいおねーさんだろうが、
歴オタ系女子だろうが、BLラブの眼鏡ッ子だろうが、ゲームをやっている時は皆同じ。
オンラインの仮想世界を浪漫を求めてひた走る。嗚呼美しきかな腐(くされ)女子。
親愛なる腐女子よ永遠に。
男ならキモオタ禿げ金歯デブになるのかしら。まぁそれはどうでもいい。

とかく女のほうが男より現実主的である。育てるという本能的なリアリズムがDNAに組込まれているからなのかしらん。
とにかくこれは古今東西の史実がそれを証明している。
政治の影に女あり。陰茎の表に藤井あり。
おっぱいの裏には峰不二子。そんな感じなんだよアキヤマン。

しかして、腐女子はいまだにはてなき夢を見る。
いつか白馬の王子様。アンソニーは馬から落ちて死んじゃった。猫踏んじゃった。
G太ちゃん、金無し暇無し女無し。俺も同じで何もなし。
どっこい生きてるシャツの中って感じ。

GWにこんなわけのわからない事を書いてる暇あるじゃねえかと言われれば、
今は会社で一人きり。飯も食ったしコーヒー飲んだし、あとはさて仕事をやっつけようと
思っていたりいなかったりなんだよおっかさん。

だりーねみーとかは言わない。
仕事をするには非常に快適な状況だからだ。

つまりはこのブログは垂れ流し的悪趣味な息抜きなのだよ、みさおっち。
わかるかな?わっかんねぇだろうなあ。

ある情報によると上杉武芸の徳川さんがバーでネタにして欲しいとのこと。
あ、ざ〜〜んねん(ヤサカ調)。バーは今は閉店休業中なのら。
つうかあれもいちいちネタ考えてるのがだるーなのよね。しかもあんまネタにしづらい人は難しいんだよ。
また別のネタで登場させることもあるだろう。まってておくれのミスターオクレ。


やっぱし、不良なほうがネタにしやすい。
タッチャマソや藤井さん、アキヤマン、ふぇいふぇい、かずはに三浦に林檎ちゃん。

どこかしら毒を持っているネトゲ不良である。
不良でなくてもネタにしている人も多いけど。

信でも何人かの引退したネトゲ不良どもと、必ず飲もうぜと言いながら…。
いつしか時は過ぎてしまったな。

今でもあいつらはどこかの仮想空間で走り続けているのだろうか。
さて、現在、稼動している信オン内の親愛なる不良どもへ僧兵タツヲから一言。

しょっぱい家臣連れてくんじゃねぇえええ!!!

以上。

GWも後半だが雨がすげぇし俺は仕事だ。
しかしおかげでようやく仕事が片付きそうだ。

では良きGW後半を。


テーマ : 雑記
ジャンル : ゲーム

藤井さんの本質

金欠は時として深刻な病気である

金は天下の回りものと藤井さんは言う
男はかくあるべし

ここに藤井駿河守という男の真の本質がある

刮目して見るがいい

ほいじゃ良きGWを

x1
x2
x3
x4


テーマ : 雑記
ジャンル : ゲーム

プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
血液型:B

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