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むかーし暇で書いた奴

が、いつもしりきれトンボで終わってるなあ

ま、ネタがないんでしょうがないや



■なつと廣 その壱

その娘の手は緑色に汚れていた

細く白い腕と足を申し訳程度にさらしながら娘は薬草を摘んでいる

薬師の修行中であるその娘 年頃はまだ二十歳をすぎてはいないように見える

なつは小柄で華奢な体つきだったが肌は透き通るように白かった


甲斐の国 甲府からすこし離れた山奥にしかない薬草がなつの目当てだ


「ああ、もう日が暮れる...」


採取に夢中で気がつかなかったが、周りはもう薄暗く日の力が弱い

夕焼けが尾根を照らし夕暮れを告げる

山全体が真っ赤に燃え上がっていた

冬は終わったとはいえ、まだ3月 まだまだ夜は底冷えもする寒さだ


暗くなったら山は漆黒の闇になり、飲み込むようにすべてを覆い尽くす

帰り道どころか歩く事すら困難になり動くことすらできなくなる

この時期に山で夜を過ごすのは自殺行為に等しかった


「帰らなくちゃぁ..」


そう言って薬草を摘んだ加護を背負い帰り道を歩き出した


山を一つだけ超えてきたのだが、帰り着くには女の脚でもそれほど時はかからないはずである


道は猟師達によって簡単にだが整備されてはいるし、目印もつけてきた

何より質のいい薬草が思いのほかたくさん採ることが出来たので心は軽かった


なつには身よりがない 母親はなつを生んですぐ他界した

去年の秋には父親が流行病で急死してしまい親戚はいない

身よりが亡くなり天涯孤独となったなつだったが、そんななつに村人たちは優しかった

父親は町医者で貧乏人わけへだてなく診察をしてきたこともあり、村人達の信頼は厚かった

幼い頃から医学のいろはを習い、なつも大人になったら薬師になると決めていた

若い頃、長崎で蘭学を学んだ父親から、薬師のいろはを教わった

調合、薬草の採取、病気の見分け方、治療方法などをよく学んだ

優しく高潔な人間だった父親を見てきたなつは、自分も父親のような薬師になりたいと思っていた

父親が不在のときなどは、なつに直接調合を頼んだり、生産品の買付けにくるぐらいにはなり、村人からも頼りにされるようになっていた

父親が亡くなり、村人達はなつを不憫がり、うちで引き取るからと言う人が何人かいたが

なつは誰の世話にもなりたくなかった

父親の死によって心を閉ざしがちになり、頑に人と接することを拒否をしていたなつだったが
数日後に心労からか、自分も床にふせった

このまま死ぬのかなと思った時に、口に入ってきた暖かい粥 近所の人々が心配して看病にきてくれていた

体調が戻ってからも村人達は、米や芋 山菜などの差し入れを度々持ってきてくれ、なつは人の情のありがたみを痛感し、依怙地だった自分を恥じた

なつは人のために薬を作ろうと決めた 

そして、悲しみは日々の生活で体に染み入るように感情とともに溶けていった




二股に分かれた道すじに出るといよいよ辺りは暗くなってきた

「はぁ..ちょっと遅くなっちゃったかな」


ためいきをこぼしながら左の道へ足をはやめていくと、妙な違和感にとらわれた

確かにきた方角だったはずなのに景色がまったく違う

「おかしいなぁ?道間違えるはずもないし....」

なつは自分の記憶力に自信がある

絶対間違いないと思いつつ先に進んでいくが、やはりどうにも来た道と景色が違っていた

なつは狸か狐にバカされたかなと思い怖くなってきた

見ると前方に明かりがポツンとついている茅葺きの一軒家がある

来る時にはまったくなかった一軒家だ

怖くて身が竦みそうになっていたが、辺りは暗くなって足下もすぐおぼつかなくなる

とりあえず、明かりはついていて人がいつことは間違いない

慎重に戸口の隙間から中をおそるおそる伺ってみた


「わぁ!」


その瞬間なつは思わず軽い叫び声をあげていた

>>続く


なつのイメージとなってるのは知人であーる

ま、どうでもいいんですけどねい








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プロフィール

凸

Author:凸
カテゴリー:おっさん
生息地:都内在住
生業:印刷・ウェブ制作全般
血液型:B

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